数多くの飲食店で導入されているオーダーシステムの中で、モバイルオーダーシステムは店内注文だけでなく、店外注文にも対応できるシステムとして重用されています。
同じモバイルオーダーシステムという名称でも、店内版と店外版で大きな違いがあることをご存知でしょうか。
今回は、モバイルオーダーシステムの中でも店外版と呼ばれる、店外からの注文に対応できるシステムについて詳しく解説します。
また、おすすめの店外版モバイルオーダーシステムも5選紹介しながら、自店舗に最適なモバイルオーダーシステムの選び方についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
モバイルオーダーシステムとは?

モバイルオーダーとは、顧客自身のスマホを使って、顧客が自ら料理やドリンクの注文操作を行う飲食店向けのオーダーシステムを指します。
スマホを使用してオーダーする「スマホオーダー」や、顧客が自らオーダーを行う「セルフオーダー」とも呼ばれることがあるサービスです。
顧客が入力した注文内容が、直接キッチンプリンターやキッチンディスプレイを通じて、キッチンに情報共有されるため、注文業務の効率化につながります。
参考記事:モバイルオーダーとは?メリット・デメリットや仕組みと主な支払い方法・活用事例を紹介
店外版モバイルオーダーが注目されている理由

近年、店外版モバイルオーダーシステムの需要は急速に高まっています。背景には、テイクアウト市場の拡大やキャッシュレス決済の普及、人手不足による店舗オペレーション改善ニーズの増加があります。
実際に、外食産業市場調査を行うCircanaの調査では、2024年の外食業態におけるテイクアウト市場規模は2兆1,075億円となっており、コロナ前の2019年比で約24%増加しました。2022年をピークに成長率は鈍化傾向にあるものの、市場規模は現在も拡大を続けています。
こうした背景から、飲食店では電話注文中心の運用から、スマホで事前注文・事前決済まで完結できる店外版モバイルオーダーへの移行が進んでいます。特に、テイクアウトやデリバリー需要が高い店舗では、レジ待ち削減や人件費抑制、注文ミス防止などの効果が期待できるため、導入する店舗が増加している状況です。
店外版モバイルオーダーとデリバリー管理システムの違い
店外版モバイルオーダーとデリバリー管理システムは、どちらも店外注文に対応できるシステムですが、役割や目的が異なります。
店外版モバイルオーダーは、自社サイトやQRコード、LINEなどを活用して、顧客から直接注文を受け付けるシステムです。一方で、デリバリー管理システムは、Uber Eatsや出前館など複数のデリバリーサービスの注文を一元管理するためのシステムを指します。
そのため、テイクアウトや自社注文導線を強化したい場合は店外版モバイルオーダー、複数のデリバリーサービスを効率的に管理したい場合はデリバリー管理システムが適しています。
| 比較項目 | 店外版モバイルオーダー | デリバリー管理システム |
|---|---|---|
| 主な用途 | テイクアウト・事前注文・自社注文受付 | 複数デリバリーサービスの一元管理 |
| 注文受付方法 | 自社サイト・LINE・QRコードなど | Uber Eats・出前館など外部サービス連携 |
| テイクアウト対応 | 対応 | 一部対応 |
| デリバリー対応 | 対応可能 | 対応 |
| 事前決済 | 対応可能 | 対応可能 |
| 顧客データ取得 | 取得しやすい | 取得しにくい |
| 手数料負担 | 比較的低い | デリバリーサービス側手数料が発生 |
| おすすめ店舗 | テイクアウト強化・リピーター獲得を目指す店舗 | デリバリー注文数が多い店舗 |
店内版・店外版モバイルオーダーシステムの違い
モバイルオーダーシステムには「店内版」と「店外版」があり、それぞれに注文受付の方法や支払い方法などに違いがあります。飲食店でモバイルオーダーシステムを導入する際は、店内版と店外版の違いを理解した上で、最適なサービスを選定することが大切です。
店内版モバイルオーダーシステム
店内版モバイルオーダーシステムとは、基本的に飲食店の店内飲食時に顧客が利用するサービスです。
テーブルに設置されたQRコードPOPやステッカーを読み取るタイプの「QRオーダー」のほか、店舗アプリを活用してアプリからオーダーする方式もあります。
基本的にはイートイン向けのオーダーシステムなので、注文頻度が高い居酒屋や焼肉店などの業態に加え、食べ放題・飲み放題メニューを提供している店舗にも最適です。
店内版モバイルオーダーシステムによっては、店頭でのテイクアウト注文に対応しているものもあります。飲食後にレジで支払いを行えるケースが多いので、キャッシュレス決済・現金決済の両方に対応できる点が特徴です。
参考記事:店内版モバイルオーダーシステム3選!導入事例から読み解くオーダーシステムの最適解とは?
店外版モバイルオーダーシステム
店外版モバイルオーダーシステムとは、顧客が店外から注文する際に利用するサービスです。テイクアウト注文のほか、デリバリー注文や日時指定による予約注文などが行えます。
店内版モバイルオーダーシステムとは異なり、基本的には注文時に事前に登録しておいた決済手段で支払いを行うため、後払いによるいたずら注文を抑止することが可能です。
モバイルオーダーシステムを提供しているサービス事業者によっては、店内版と店外版両方のオーダーに対応できるシステムを提供している場合もあります。
【手数料比較表付き】店外版モバイルオーダーシステムおすすめ5選
ここからは、店外版モバイルオーダーシステムの中から、おすすめのサービスを5選紹介します。各サービスの手数料や、店内版・店外版の注文対応可否については、以下のとおりです。
| システム名 | 決済手数料 | 店内版対応 | 店外版対応 |
|---|---|---|---|
| CASHIER | 3.9% | 〇(QRコード注文、店内スマホオーダー対応) | 〇(テイクアウト事前決済対応) |
| スマレジ | 1.98%~3.24% (同社のPOSレジと連携導入が必要) |
〇(店内オーダーアプリ連携あり) | 〇(テイクアウト・デリバリーアプリ連携あり) |
| funfo | プラン料金とは別に、標準的な決済手数料が発生(詳細非公開) | 〇(テーブルQR注文「TableCode」対応) | 〇(テイクアウト・デリバリー「FunPage」対応) |
| POS+ order & pay | 非公開(要問い合わせ) | △ (POS+ self orderで対応可能) |
〇(テイクアウト事前決済対応) |
| テイクイーツ | ベーシック:決済手数料 3.6%+サービス料 8% スタンダード:決済手数料 3.6%+サービス料 1.4% |
× | 〇(テイクアウト・デリバリー事前決済対応) |
CASHIER

CASHIERは、店内版・店外版両方に対応できるモバイルオーダーシステムが導入できるサービスです。テイクアウト注文に対応している「モバイルオーダー」と、店内注文に対応している「スマホオーダー」の両方をセットで導入できます。
また、店員によるハンディオーダーや、タブレットオーダーと併用した導入方法にも対応可能です。ハンディオーダーやタブレットオーダーを導入する場合は初期費用が必要ですが、モバイルオーダーのみであれば月額料金と決済手数料の負担のみで利用できます。
もちろん、CASHIER POSとの連携導入も可能なので、店舗のオペレーションに応じて最適な組み合わせをチョイスできる点が特徴です。
スマレジ

POS連携可能なモバイルオーダーシステムを導入したい場合は、スマレジもおすすめです。スマレジのモバイルオーダーは、店内注文・店外注文のどちらにも対応できます。
英語・中国語(繁体字)・スペイン語・韓国語表記にも対応しているため、インバウンド顧客の利用率が高い店舗にも最適です。
クレジットカード決済・QRコード決済による、事前決済にも対応しています。スマレジの有料プラン「プレミアムプラン」以上の利用者に提供されているオプションサービスなので、POSレジとの併用もスムーズです。
funfo

店内版・店外版モバイルオーダーシステムとPOSレジをまとめて導入したい場合は、funfoがおすすめです。funfoは飲食店向けPOSレジサービスで、飲食店の業務効率化やマーケティングに役立つ機能が豊富に備わっています。
モバイルオーダーシステムはPOS連携が可能なので、イートインとテイクアウト・デリバリーなど、複数の注文形態に対応している店舗に最適です。
有料プランの「funfo LINE Pro」に加入すれば、LINE連携によるセグメント配信や店舗クーポンの発行なども行えます。飲み放題・食べ放題メニューにも対応できるので、幅広い業態の飲食店で活用できるサービスです。
POS+ order&pay

POSレジとモバイルオーダーを連携導入したい場合におすすめなのが、POS+ order&payです。POS+ order&payは、テイクアウト注文向け店外版モバイルオーダーシステムなので、事前決済に対応しています。
POS+のPOSレジを利用している事業者向けのオプションサービスとなっており、POS+ foodプランへの加入が必要です。
イートインに対応したい場合は、店内飲食向けQRオーダーのPOS+ self orderも追加できます。POSレジとモバイルオーダーシステムを別途導入するよりも、オプション追加できるため導入・運用コストが抑えられるのも魅力です。
テイクイーツ

テイクイーツは、テイクアウト注文・デリバリー注文に特化しているタイプの、店外版モバイルオーダーシステムです。店内版モバイルオーダーシステムは提供していないため、店内のモバイルオーダーシステムが不要な店舗に適しています。
例えば、寿司店や仕出し・出前店、お土産店などです。また、事前予約注文として、クリスマスケーキの予約を受け付けているケーキ店、土用丑の日に向けた鰻重弁当店、バレンタインに需要が高いショコラティエなどでも活用できます。
ゴーストレストランのような、テイクアウト・デリバリー専門店での導入もおすすめです。
自店舗に最適な店外版モバイルオーダーシステムの選び方
自店舗に最適な店外版モバイルオーダーシステムを選ぶには、以下3項目を意識することが重要です。
- テイクアウト注文・デリバリー注文のどちらに対応しているか
- 事前決済に対応しているか
- POSレジやキッチンとの連携が可能か
それぞれ、具体的にどのような判断基準で比較すれば良いのか、詳しく解説します。
テイクアウト注文・デリバリー注文のどちらに対応しているか
店外版モバイルオーダーシステムを選ぶ際は、テイクアウト注文・デリバリー注文のどちらに対応しているか確認しておく必要があります。
同じ店外版モバイルオーダーシステムでも、テイクアウト注文のみに対応しているサービスがあるためです。また、デリバリー注文の場合、自社独自のデリバリーサービスを構築できるタイプか、ポータルサイトと連携するタイプかという点も確認しておきましょう。
自店舗で具体的にどのようなサービスを提供したいのかを明確にした上で、導入するシステムを選定することが大切です。
事前決済に対応しているか
事前決済に対応しているか、という点も、自店舗に最適な店外版モバイルオーダーシステムを選ぶポイントの1つです。
モバイルオーダーシステムで注文を受けられても、店頭での現金決済・キャッシュレス決済対応を行わなければならないシステムの場合、いたずら注文や直前キャンセルによる損失を受ける可能性があります。
そのような事態を防ぐためにも、店外版のモバイルオーダーシステムを導入する際は、可能な限り事前決済に対応しているサービスを選びましょう。
POSレジやキッチンとの連携が可能か
POSレジやキッチンとの連携可否も、店外版モバイルオーダーシステムを選ぶ際の判断基準となります。POS連携可能なシステムであれば、売上データの管理が容易になるためです。
また、キッチンディスプレイ・キッチンプリンターと連携可能なモバイルオーダーシステムであれば、シームレスにサービスを提供でき、ミスも抑制できます。
とくにPOSレジ・キッチン連携の可否は、イートインと店外注文の両方に対応している店舗における、モバイルオーダーシステムの選定において重要な判断基準です。
店外版モバイルオーダーの費用相場
店外版モバイルオーダーの導入費用は、利用する機能や店舗規模、POSレジ・決済システムとの連携有無によって大きく異なります。
近年では、初期費用・月額料金無料で導入できるサービスも増えている一方で、多店舗管理やLINE連携、デリバリー連携など高度な機能を利用する場合は、月額料金や決済手数料が発生するケースが一般的です。
また、テイクアウト注文や事前決済のみで利用する場合と、デリバリー管理やPOS連携まで行う場合では必要な費用も変動します。そのため、店舗の運用に必要な機能を整理した上で、自店舗に合ったサービスを選ぶことが重要です。
| 費用項目 | 相場 | 内容 |
|---|---|---|
| 初期費用 | 0〜30万円程度 | システム設定、POS連携、機器導入など |
| 月額利用料 | 0〜2万円程度 | モバイルオーダーシステム利用料金 |
| 決済手数料 | 3〜8%程度 | クレジットカード・QR決済利用時に発生 |
| POSレジ連携費用 | 0〜数万円程度 | POSレジ・キッチン連携など |
| LINE連携・販促機能 | 0〜1万円程度 | LINEミニアプリ、クーポン配信など |
| デリバリー連携費用 | サービスごとに変動 | Uber Eats・出前館などとの連携 |
まとめ
店外版モバイルオーダーシステムは、これまで電話やメール・問い合わせフォームなどから受け付けていた注文業務を、自動化・効率化できる画期的なシステムです。
テイクアウト注文・デリバリー注文のみならず、予約注文に対応している店舗での導入にも適しています。
とくに店内飲食にも対応している店舗で導入する場合は、POS連携やキッチン連携の可否も含めて、機能を比較した上で選定すると良いでしょう。

