「LINE公式アカウントを開設したが、何から始めればいいかわからない」「友だちが増えない」という悩みを抱えた店舗オーナーは少なくありません。
LINE公式アカウントは国内月間1億人のユーザーが利用するプラットフォームを活用したビジネスツールですが、ただ開設するだけでは十分な効果が得られない場合があります。『来店客を友だちに増やす仕組み』と『友だちに継続利用してもらうための設計』を整えることで、売上の安定化につながる可能性があります。
この記事では、店舗がLINE公式アカウントを使うべき理由から、具体的な活用機能・友だち獲得の方法・リピート促進施策・業種別の活用ポイント・複数店舗の運用方法・おすすめサービスの比較まで、実践的に解説します。
店舗がLINE公式アカウントを使うべき理由

SNS広告・ポータルサイト・チラシなど店舗の集客手段は数多くありますが、LINE公式アカウントはこれらとは異なる役割を持っています。
- LINE公式アカウントが店舗に向いている理由
- メルマガ・SNS広告・ポータルサイトとの役割の違い
- 月額0円から始められるコストの低さと友だち登録のハードルの低さ
LINE公式アカウントが店舗に向いている理由
SNS広告やポータルサイトは「まだ来店したことのない新規顧客へのリーチ」に強い反面、一度来店した顧客との継続的な関係構築には向いていません。LINE公式アカウントの強みは「既存顧客のリピート化・離反防止」にあります。
来店客にLINE公式アカウントの友だち登録を促し、その後クーポン・新商品情報・リマインドを直接届けることで、「また来たい」というリピート来店の動機を継続的に作り出せるのがメリットです。LINEヤフー公式サイトが「特に再来店や継続的な集客を狙った情報発信をすることで、ビジネスの売上創出に貢献する」と案内しているように、LINE公式アカウントは既存顧客との長期的な関係構築ツールとして機能します。
メルマガ・SNS広告・ポータルサイトとの役割の違い
メルマガは開封率が10〜20%程度にとどまる一方、LINE公式アカウントのメッセージはその日のうちに約8割のユーザーが確認するという調査結果があります。SNS広告は新規顧客へのリーチには優れますが、一度きりの接触になりやすく、継続的な関係構築には向いていません。
ポータルサイトは新規集客に強い反面、プラットフォーム依存になりやすく顧客データを自店に蓄積できません。LINE公式アカウントはこれらの弱点を補う「既存顧客との直接チャンネル」として位置づけ、他の集客手段と組み合わせて活用することで最大の効果を発揮します。
参照:【公式】LINE公式アカウント「メッセージ配信」機能のメリットや種類、効果を高めるコツとは
月額0円から始められるコストの低さと友だち登録のハードルの低さ
LINE公式アカウントには月額無料の「コミュニケーション」・5,000円の「ライト」・15,000円の「スタンダード」の3プランがあり(いずれも税別)、機能差はなく、プランの違いは主に無料で配信できるメッセージ通数となっています。
コミュニケーションプランは月200通まで無料で配信できます。顧客側でも新しいアプリのダウンロードや会員登録は不要で、QRコードを1タップして友だち追加するだけのため、導入・利用のハードルが他のツールと比べて低い点が選ばれる理由の一つです。
参考記事:LINE公式アカウントの費用はいくら?料金プラン・追加費用・オプションを徹底解説
店舗でのLINE公式アカウント活用方法

LINE公式アカウントには、メッセージ配信以外にも店舗運営に直結する多様な機能が搭載されています。来店前・来店中・来店後という顧客接点の全ステージをカバーできる機能を組み合わせることで、LINE公式アカウントは店舗の集客・販促・問い合わせ対応を一つのアカウントで行えます。
- メッセージ配信:新商品・キャンペーン・営業時間変更などを友だちに直接届ける
- クーポン:来店促進・期間限定割引・友だち追加特典として発行
- ショップカード:デジタルポイントカードでリピート来店を促進(最大10種類作成可能)
- リッチメニュー:トーク画面下部に予約ボタン・メニュー表・クーポンへの導線を設置
- 予約・チャット対応:来店予約受付・FAQ自動応答・1対1のカスタマーサポート
- ビジネスプロフィール:営業時間・住所・地図・URLなどの店舗情報の整備
参考記事:店舗アプリとLINE公式アカウントの活用方法の違いとは?
メッセージ配信:新商品・キャンペーン・営業時間変更などを友だちに直接届ける
LINEのトーク画面に直接届くメッセージは、メールと異なり確認されやすく、情報の即時性が高い点が特徴です。新商品の案内・期間限定キャンペーンの告知・営業時間変更のお知らせ・休業日のご案内など、顧客にタイムリーに届けたい情報の配信に活用できます。
性別・年齢・地域などの属性でセグメント配信を行うことで、関連性の高い情報を絞り込んで届けられます。
クーポン:来店促進・期間限定割引・友だち追加特典として発行
クーポン機能を使うことで、期限付きのデジタルクーポンをトーク画面から発行できます。友だち追加直後にその場で使えるクーポン(「500円割引」「ドリンク1杯無料」など)を設定することで、店頭で友だち追加した顧客に、その場で使えるクーポンを提供することで、友だち追加の動機づけや追加注文、購入単価の向上につなげられます。
期間限定クーポンをアイドルタイム(閑散時間帯)に配信することで来店を分散させる集客の均一化にも活用可能です。
ショップカード:デジタルポイントカードでリピート来店を促進(最大10種類作成可能)
ショップカードはLINE公式アカウント上で設定できるデジタルスタンプカードです。1アカウントで最大10種類のショップカードを作成でき、来店や購入のたびにスタンプを付与してポイント目標の達成でプレゼントや割引を提供する仕組みを設計できます。
紙のカードのような紛失・劣化がなく、普段利用しているLINE上で表示できるため、顧客が携帯しやすい点がメリットです。店舗側も再発行のコストと手間がかからない点も実務上のメリットです。
リッチメニュー:トーク画面下部に予約ボタン・メニュー表・クーポンへの導線を設置
リッチメニューはLINE公式アカウントのトーク画面下部に常時表示されるタイル型のメニューで、各タイルに外部URLリンク・クーポン・ショップカード・予約システムへの誘導などを設定できます。
友だちがトーク画面を開くたびに目に入る固定メニューのため、テイクアウト注文・予約・新メニュー確認といった店舗への具体的なアクションへの導線を常時設置できます。
予約・チャット対応:来店予約受付・FAQ自動応答・1対1のカスタマーサポート
チャット機能を活用することで、顧客からの問い合わせ・予約希望・メニューの確認に1対1でリアルタイムに対応できます。
よくある質問(営業時間・定休日・席の予約可否)についてはあらかじめ登録した質問やキーワードに対する応答を自動化することで、営業時間外でも基本情報を案内できます。個別判断が必要な問い合わせは、スタッフによる対応が必要です。リッチメニューから外部予約ページへの誘導もできます。
ビジネスプロフィール:営業時間・住所・地図・URLなどの店舗情報の整備
ビジネスプロフィールにはホームページURL・電話番号・営業時間・住所・地図リンクなどの店舗情報を登録でき、友だちが店舗情報を確認する際のハブとして機能します。情報が整備されていることで、初めてプロフィールを見た顧客が安心して来店を検討しやすくなる効果があります。
店舗でのLINE公式アカウントの友だち獲得の方法

LINE公式アカウントの効果は友だち数に直結するため、まず「来店客に友だち追加してもらえる仕組み」を店頭に整えることが最初の重要ステップです。ここでは、店舗でのLINE公式アカウントの友だち獲得の方法について解説します。
- 店頭QRコードPOPの設置
- 友だち追加特典(その場で使えるクーポン・初回割引・無料サービス)の設定
- レシート・領収書へのQRコード印刷
- SNS・ホームページ・Googleビジネスプロフィールへのリンク掲載
- スタッフによる口頭案内と声かけルールの整備
店頭QRコードPOPの設置(レジカウンター・テーブル・入口など目立つ場所)
最も基本的かつ効果的な友だち獲得方法は、店頭の目立つ場所にLINE公式アカウントへの友だち追加QRコードを掲示することです。レジカウンター・テーブル・入口ドア・トイレのドアなど、顧客の視線が集まりやすい複数の場所に設置することで、来店中に友だち登録してもらえる機会を増やします。
POPのデザインには「友だち追加でクーポンプレゼント」という特典を大きく表示することで、登録率が向上します。
友だち追加特典(その場で使えるクーポン・初回割引・無料サービス)の設定
友だち追加直後に自動で届くウェルカムメッセージに「その場で使える」特典クーポンを設定することが、友だち獲得率を高めるうえで有効な施策の一つです。「当日限り有効」のクーポンを設定することで、その場での登録を促す動機付けになります。
特典の内容は来店頻度を高めたいメニューや客単価向上につながる追加オプションのサービスを選ぶことが、友だち獲得と売上向上を同時に実現するポイントです。
レシート・領収書へのQRコード印刷
会計時に受け取るレシートや領収書にQRコードを印刷することで、帰宅後に「友だち追加しようとして忘れていた」という顧客の追加登録を促せます。
レシートには「LINE友だち追加で次回使えるクーポンプレゼント」という一文を添えることで、特典目的での登録を促進できます。
SNS・ホームページ・Googleビジネスプロフィールへのリンク掲載
Instagram・X(旧Twitter)・公式ホームページ・Googleビジネスプロフィールにも友だち追加URLを掲載することで、来店前から友だち登録してもらえる流入経路を整備できます。
特にGoogleビジネスプロフィールへの掲載は、近くのお店を検索した見込み客にLINE公式アカウントへの友だち登録を促す効果があります。項目の利用可否は店舗カテゴリやGoogle側の仕様によって異なります。
スタッフによる口頭案内と声かけルールの整備
会計時やお見送りの際に「LINE登録で次回使えるクーポンをプレゼントしています。よろしければぜひ」とスタッフが口頭で案内するルールを設けることで、QRコードPOPだけでは気づかない顧客への訴求が可能です。
案内するタイミング・言葉遣い・補足説明の方法を標準化しておくことで、スタッフによる案内のばらつきを防げます。
参考記事:LINE公式アカウントで顧客管理する方法とは?標準機能・CRMツール連携・活用事例を徹底解説
店舗でのLINE公式アカウント リピート促進施策
来店客を友だち化した後に重要なのがリピート来店につなげる施策設計です。ショップカード・クーポン・セグメント配信という3つの機能を組み合わせることで、来店頻度の向上・客単価アップ・離反防止という効果を継続的に発揮できます。
- ショップカード(デジタルスタンプカード)でポイント目標を作り再来店を促す
- 来店サイクルに合わせた自動リマインド配信(次回来店促進・期間限定クーポン)
- 属性(年齢・性別・地域)や購買履歴に基づくセグメント配信で関連性の高い情報を届ける
- 誕生月・記念日クーポンでパーソナライズした顧客体験を提供する
- 配信後のデータ分析(開封率・クリック率・クーポン利用率)でPDCAを回す
ショップカード(デジタルスタンプカード)でポイント目標を作り再来店を促す
ショップカードはスタンプの付与条件・ゴール時の特典・スタンプ有効期限を自由に設計できるため、自店の客単価・来店サイクルに合わせたロイヤルティプログラムを構築できます。「10スタンプでドリンク1杯無料」という設計では、ゴールに近づくほど来店頻度が高まる傾向があります。
紙のポイントカードと異なりスタンプ付与がデジタル完結するため、スタッフのオペレーション負荷の減少につながります。
来店サイクルに合わせた自動リマインド配信(次回来店促進・期間限定クーポン)
POSレジや予約システム、CRMなどと連携すれば、前回来店日を基準にリマインドやクーポンを配信できる場合があります。一定期間来店のない顧客に自動でリマインドクーポンを配信するシナリオ設計を行うことで、離反しかけた顧客を呼び戻す掘り起こし施策が実施できます。
「先月ご来店いただきありがとうございました。今月もご来店お待ちしています」というメッセージと期間限定クーポンを組み合わせることで、休眠顧客の再来店を促せます。
属性(年齢・性別・地域)や購買履歴に基づくセグメント配信で関連性の高い情報を届ける
LINE公式アカウントの絞り込み配信を活用すると、年齢・性別・地域・LINE公式アカウントの利用状況などで配信対象を絞り込めます。全友だちへの一斉配信ではなく、特定の属性の顧客にだけ関連性の高い情報を届けることで、ブロック率を抑えながら開封率・クリック率を高められます。
購買履歴に基づいて配信する場合は、POSレジやCRMなどとの連携が必要なケースもあるため確認しましょう。
誕生月・記念日クーポンでパーソナライズした顧客体験を提供する
外部フォームやCRMなどを使い、本人の同意を得て誕生月を取得・管理することで、誕生月クーポンを配信できる場合があります。自動配信の可否は利用する外部ツールによって異なります。
「お誕生月おめでとうございます。今月限定のスペシャルクーポンをプレゼントします」というメッセージは、顧客に「自分のことを覚えてくれている」という特別感を与え、再来店の動機づけとして有効です。
配信後のデータ分析(開封率・クリック率・クーポン利用率)でPDCAを回す
LINE公式アカウントの管理画面では、配信したメッセージの開封率・クリック率・クーポンの利用率をデータとして確認できます。
「どんな内容のメッセージが開封されやすいか」「どの時間帯に配信するとクリック率が高いか」「どの種類のクーポンが利用されるか」を定期的に確認して改善を続けることが、長期的な友だちとの関係構築の質を高めます。確認できる指標は配信形式やクーポン設定によって異なります。
業種別・店舗でのLINE公式アカウント活用ポイント
業種によってLINE公式アカウントに求める機能と活用ポイントが異なります。LINEヤフーの飲食店活用事例では、かき氷専門店「四季と六花」が「週に一度のメッセージ配信でLINEからの予約率が100%・夏の繁忙期前に3週間先まで予約が埋まっている」という成果を報告しており、業態に合った活用設計の効果が示されています。
- 飲食店:予約受付・満席通知・新メニュー案内・テイクアウト誘導・来店特典クーポン
- 小売店・アパレル:新商品情報・セール告知・在庫情報・オンラインショップへの誘導
- 美容サロン(美容院・ネイル・エステ):指名スタイリスト案内・予約リマインド・来店サイクル促進
- 温浴・レジャー施設:混雑情報・季節イベント案内・ショップカードによるリピート促進
飲食店:予約受付・満席通知・新メニュー案内・テイクアウト誘導・来店特典クーポン
飲食店ではリッチメニューに「予約する」「テイクアウト注文」「今日のランチメニュー」という3つのボタンを設置することで、来店前から来店中まで顧客の行動を誘導できます。ランチのみの営業・臨時休業・満席情報はLINEで速報的に配信することで、来店して入れなかったという無駄足を防ぐ「顧客への気遣い」にもなるのがメリットです。
注文・オンライン決済に対応したテイクアウト予約システムやLINEミニアプリを利用すれば、LINEから注文ページへ誘導し、注文受付から決済まで完結できる場合があります。
小売店・アパレル:新商品情報・セール告知・在庫情報・オンラインショップへの誘導
小売店では入荷情報や限定商品の先行案内をLINEで配信することで、「LINE友だちだけがいち早く情報を得られる」という特別感を演出できます。LINE友だち限定の先行案内や限定クーポンを提供することで、友だち追加や来店の動機を作れます。
実店舗とオンラインショップを展開している場合は、リッチメニューにオンラインショップへのリンクを設置することで、来店できない日にもオンライン購入につなげられるでしょう。
美容サロン(美容院・ネイル・エステ):指名スタイリスト案内・予約リマインド・来店サイクル促進
美容サロンでは、予約確定後に自動でリマインドを送る仕組みを設計することで、無断キャンセルや予約忘れの抑制につながる場合があります。担当スタイリストが変更になった場合の案内・新技術の習得情報など、スタイリスト個人からの情報発信のような演出がLINE上でできるため、「このスタイリストに担当してもらいたい」という指名来店の動機づけにもなります。
前回の来店から一定期間経過した顧客へ「そろそろカラーの時期では?」というタイミング配信で再来店を促す施策も有効です。
温浴・レジャー施設:混雑情報・季節イベント案内・ショップカードによるリピート促進
温浴施設・レジャー施設では、週末・祝日の混雑情報をスタッフがLINEでリアルタイムに配信することで「空いているなら今日行こう」という来館決定を促せます。
季節限定のお風呂・期間限定イベント・料金キャンペーンの案内は、LINE友だちへの先行告知として配信することで、「LINE友だちだからこそ先に知れる」という付加価値を生み出します。
まとめ|店舗でのLINE公式アカウントは「友だち獲得×リピート育成×業種特化の活用設計」が成功の鍵
店舗でLINE公式アカウントを活用するうえで最も重要なのは、来店客を友だちに変換する仕組みの整備・友だちをリピーターに育てる施策の継続・業種の特性に合った機能の選択という3点です。
月額0円(コミュニケーションプラン)から始められるため、まずは店頭QRコードの設置と友だち追加特典クーポンの設定から取り組み、友だち数の増加に合わせてショップカード・セグメント配信・予約連携を段階的に拡張していくアプローチが現実的です。

