国内で多くの利用者がいるLINEは、飲食店にとってグルメサイト以外の集客導線をつくる選択肢の一つです。
メッセージの開封率は配信内容や条件によって変動しますが、一般にメールマガジンより高い傾向があるとされています。来店後に友だち追加をしてもらうことで、再来店につながる案内を継続して届けやすくなります。
本記事では、飲食店がLINE公式アカウントで実現できること・使える機能・料金・運用のコツ・成功事例までを網羅的に解説します。
飲食店でLINE公式アカウントを活用するメリット
飲食店がLINE公式アカウントを活用するメリットは、来店した顧客とLINE上でつながり、再来店に向けて継続的にアプローチできることです。
グルメサイトや広告は新規顧客との接点づくりに役立つ一方で、LINE公式アカウントは一度来店した顧客への情報発信やリピーター獲得に活用できます。
主なメリットは、以下の5つです。
飲食店がLINE公式アカウントを活用するメリット
- グルメサイト以外の集客チャネルをつくれる
- 来店した顧客へ継続的にアプローチできる
- クーポンやショップカードで再来店を促せる
- 友だちの属性や反応を分析して販促に活用できる
- 問い合わせ対応や予約への案内を効率化できる
グルメサイト以外の集客チャネルをつくれる
LINE公式アカウントを活用すれば、グルメサイトやSNSだけに頼らず、店舗から顧客へ直接情報を届ける集客チャネルをつくれます。
友だちになった顧客へ、新メニューや期間限定メニュー、空席情報、キャンペーンなどをメッセージで配信できるため、再来店のきっかけづくりに活用できます。
グルメサイトで新規顧客を獲得し、来店後はLINEで継続的につながるなど、集客チャネルを使い分けることがポイントです。
来店した顧客へ継続的にアプローチできる
LINE公式アカウントでは、友だち追加してもらった顧客へ継続的にメッセージを配信できます。
飲食店の場合、「今週のおすすめメニュー」「週末の空席情報」「季節限定メニュー」など、来店につながる情報をタイミングに合わせて届けられる点がメリットです。
一度来店した顧客との接点をその場限りにせず、再来店につなげるためのコミュニケーション手段として活用できます。
クーポンやショップカードで再来店を促せる
LINE公式アカウントでは、クーポンやショップカードを活用して、顧客が再来店するきっかけをつくれます。
例えば、友だち限定クーポンを配信したり、来店回数に応じて特典を付与するショップカードを運用したりすることが可能です。
紙のポイントカードやクーポンをデジタル化し、LINEで情報発信から再来店促進まで取り組める点は飲食店との相性が良いポイントです。
友だちの属性や反応を分析して販促に活用できる
LINE公式アカウントでは、友だちの属性やメッセージ配信後の反応などを確認し、今後の販促施策に活用できます。
例えば、友だちの年齢や性別、地域などの推計属性を確認したり、メッセージの開封状況やクリック状況などを分析したりすることが可能です。
配信結果を確認しながら、反応の良かったキャンペーンや配信内容を次回の施策に反映することで、顧客に合わせた情報発信につなげられます。
問い合わせ対応や予約への案内を効率化できる
LINE公式アカウントのチャットや応答メッセージ、リッチメニューなどを活用すれば、営業時間や店舗情報などの問い合わせ対応を効率化できます。
また、リッチメニューなどに予約ページへの導線を設置すれば、LINEから予約サービスへ顧客を案内することも可能です。
予約機能を利用する場合は対応する予約サービスとの連携が必要になるケースもありますが、顧客が普段利用しているLINEを店舗への問い合わせや予約につながる窓口として活用できます。
参考記事:店舗アプリとLINE公式アカウントの活用方法の違いとは?
飲食店で使えるLINE公式アカウントの主要機能
LINE公式アカウントには、飲食店の集客やリピーター獲得、顧客対応に活用できるさまざまな機能があります。
新メニューや空席情報を配信するだけでなく、クーポンやショップカードによる再来店促進、リッチメニューからの予約導線づくりなども可能です。
主な機能と飲食店での活用方法は、以下の通りです。
| 機能 | 飲食店での主な活用方法 |
|---|---|
| メッセージ配信・セグメント配信 | 新メニュー、期間限定メニュー、空席情報、キャンペーンなどを顧客へ配信する |
| クーポン | 友だち追加特典や期間限定クーポンを発行し、来店・再来店を促す |
| ショップカード | 来店回数に応じてポイントを付与し、一定数貯まった顧客へ特典を提供する |
| リッチメニュー | 予約、メニュー、クーポン、ショップカードなどへの導線をトーク画面に設置する |
| LINEチャット・応答メッセージ | 営業時間や店舗情報などの問い合わせ対応に活用する |
| LINEで予約 | LINE公式アカウントから予約フォームへ誘導し、店舗予約を受け付ける |
メッセージ配信・セグメント配信
LINE公式アカウントでは、友だち追加した顧客へメッセージを配信できます。新メニューや期間限定メニュー、キャンペーン、空席情報など、来店につながる情報をタイミングに合わせて届けられる機能です。
また、条件に応じて配信対象を絞り込むことで、顧客に合わせた情報発信にも活用できます。
クーポン
LINE公式アカウントでは、来店時に利用できるクーポンを作成・配信できます。
「友だち追加でドリンクサービス」「平日限定クーポン」など、友だち追加のきっかけづくりや再来店促進に活用しやすい機能です。
ショップカード
ショップカードは、LINE上でポイントカードを発行・管理できる機能です。
来店時にQRコードを読み取ってポイントを付与し、一定数貯まった顧客へ特典を提供できます。紙のスタンプカードをデジタル化したい飲食店にも適しています。
リッチメニュー
リッチメニューは、LINE公式アカウントのトーク画面下部に固定表示できるメニューです。
予約ページや店舗メニュー、クーポン、ショップカード、Webサイトなどへのリンクをまとめて設置できます。顧客がLINEを開いたあと、予約やクーポン利用など次の行動へ進みやすい導線をつくれる点がメリットです。
LINEチャット・応答メッセージ
LINEチャットでは、友だちになっている顧客と個別にメッセージをやり取りできます。
また、応答メッセージを設定すれば、営業時間やアクセスなど、よくある問い合わせへの回答を自動化することも可能です。店舗スタッフの問い合わせ対応にかかる負担を軽減する手段として活用できます。
LINEで予約
「LINEで予約」を利用すると、LINE公式アカウントから店舗の予約フォームへ顧客を誘導できます。リッチメニューやメッセージなどに予約導線を設置できるため、顧客がLINEから予約へ進みやすくなります。
飲食店では、LINEを情報配信だけでなく、来店予約につながる窓口として活用することも可能です。
なお、「LINEで予約」を利用するには、対応する予約サービスとLINE公式アカウントの連携が必要です。
飲食店がLINE公式アカウントを利用する場合の料金
LINE公式アカウントは、月額0円から利用できます。料金プランは「コミュニケーションプラン」「ライトプラン」「スタンダードプラン」の3種類で、主な違いは月額料金と無料で配信できるメッセージ通数です。
小規模な飲食店でまずLINE公式アカウントを試したい場合は無料プランから始め、友だち数や配信頻度が増えてきたら有料プランへ変更する方法があります。
2026年9月時点の料金は、以下の通りです。
| 料金プラン | 月額料金 | 無料メッセージ通数 | 追加メッセージ | おすすめの飲食店 |
|---|---|---|---|---|
| コミュニケーションプラン | 0円 | 200通/月 | 不可 | まず無料でLINE公式アカウントを試したい店舗 |
| ライトプラン | 5,000円/月(税別) | 5,000通/月 | 不可 | 定期的にクーポンや店舗情報を配信したい店舗 |
| スタンダードプラン | 15,000円/月(税別) | 30,000通/月 | 従量課金で追加可能 | 友だち数が多く、積極的にメッセージを配信したい店舗 |
料金プランを選ぶ際は、友だち数だけでなく「友だち数×月間の配信回数」で必要なメッセージ通数を考えることがポイントです。
例えば、メッセージの配信対象となる友だちが1,000人いる飲食店で、月に3回一斉配信する場合は、単純計算で月3,000通です。この場合、無料メッセージが月5,000通まで含まれるライトプランの範囲内に収まります。
一方、友だちが3,000人いる店舗で月4回配信すると、月12,000通が目安となるため、スタンダードプランを検討する必要があります。
なお、LINE公式アカウントでは、1回の配信につき最大3吹き出しまでを1通としてカウントします。実際のメッセージ通数は「メッセージを送った回数×送った友だちの数」で計算されるため、友だち数が増えてきたら配信頻度や配信対象も考慮してプランを選びましょう。
※料金・メッセージ通数は2026年9月時点の情報です。2026年10月1日からスタンダードプランの追加メッセージ料金が改定され、20万通/月まで1通3円、20万通を超える利用分は1通2.5円(いずれも税別)となる予定です。
参考記事:LINE公式アカウントの費用はいくら?料金プラン・追加費用・オプションを徹底解説
飲食店におすすめのLINE公式アカウント連動サービス3選
LINE公式アカウントは単体でもメッセージ配信やクーポン、ショップカードなどを利用できますが、外部サービスと組み合わせることで、顧客管理や販促の自動化、POSレジとのデータ連携など、できることを広げられます。
飲食店でLINEを活用した集客やリピーター獲得を強化したい場合は、「どのような施策を行いたいか」に合わせてサービスを選ぶことがポイントです。
| サービス | 主な特徴 | おすすめの飲食店 | 料金 |
|---|---|---|---|
| LINE公式アカウント連動スタンプサービス | LINEからスタンプカード・回数券などを利用できる | LINEを活用して来店回数に応じたリピート施策を行いたい店舗 | 要問い合わせ |
| toypo | LINE連携に加えて、スタンプ・クーポン・顧客管理・来店分析などに対応 | 顧客データを活用してリピーター獲得を強化したい店舗 | 初期費用0円・月額料金は要問い合わせ |
| AL-BASE | LINEの友だちをタグ・グループ分けし、顧客管理やステップ配信などを行える | LINEマーケティングや顧客管理を本格的に行いたい店舗 | 無料プランあり・詳細は要問い合わせ |
※料金やサービス内容は変更される場合があります。最新の料金・利用条件については、各サービスの提供会社へお問い合わせください。
LINE公式アカウント連動スタンプサービス

「LINE公式アカウント連動スタンプサービス」は、株式会社ワンツーシーエムジャパンが提供する、LINE公式アカウントと連動したスタンプサービスです。
LINE公式アカウントのリッチメニューからスタンプカードを利用でき、スタンプカードのほか、回数券やスタンプラリーなどにも活用できます。利用者は別のアプリをインストールしたり、新たに会員登録したりする必要がありません。
普段利用しているLINEを活用して、来店回数に応じた特典や回数券などのリピート施策を行いたい飲食店に適しています。
料金は店舗の利用方法などによって異なるため、詳細は問い合わせが必要です。
toypo

「toypo」は、店舗のリピーター獲得を支援するサービスです。LINEとの連携に対応しており、スタンプカードやクーポン、会員証、顧客管理、来店データの分析など、再来店を促すためのさまざまな機能を利用できます。
ダッシュボードでは、リピート率や顧客属性、商圏などのデータを確認できるため、来店状況を把握しながら販促施策を改善できる点も特徴です。
LINEを顧客との接点として活用しながら、スタンプやクーポンの提供だけでなく、来店データの分析まで行いたい飲食店に適しています。
初期費用は0円で、月額料金については問い合わせが必要です。
AL-BASE

「AL-BASE」は、アルファノート株式会社が提供するLINE公式アカウント向けのマーケティングツールです。
LINE公式アカウントの友だちにタグを付けてグループ分けできるほか、メッセージ作成・予約配信・顧客管理・アンケート・クリック計測・ステップ配信などの機能を利用できます。
例えば、「ランチを利用した顧客」「特定のボタンをクリックした顧客」などに分けて配信対象を設定すれば、顧客の興味や行動に合わせた情報発信に活用できます。
LINE公式アカウントの一斉配信だけでなく、顧客を分類して配信内容を変えたり、反応を分析したりしたい飲食店におすすめです。
無料プランが用意されており、利用する機能やプランの詳細については問い合わせて確認しましょう。
飲食店のLINE公式アカウント運用で成果を出す4つのコツ
効果が出る飲食店の運用に共通するのは「量より質」の配信設計と「来店と連動した友だち獲得の仕組み」です。
LINE公式アカウント運用で成果を出すコツ
- 月2〜3回・有益な情報に絞った配信で開封率を高める
- セグメント配信でランチ客・ディナー客を使い分ける
- 店内QRコード設置で来店時の友だち追加率を最大化する
- ショップカード・クーポンをセットで設計してリピートを仕組み化する
月2〜3回・有益な情報に絞った配信で開封率を高める
配信頻度を増やすほど開封率が下がりブロック率が上がる傾向があります。「週1回の新メニュー情報」ではなく「月2〜3回の本当に役立つ情報」に絞ることで、受け取ったお客様が「見てよかった」と感じるメッセージ体験を維持できます。
お客様にとって有益な情報とは「お得な情報・限定情報・役立つ情報」であり、プロモーション色が強すぎる配信はブロックの原因になりかねません。
セグメント配信でランチ客・ディナー客を使い分ける
ランチをよく利用するお客様にディナーのコース情報を送っても響きにくく、反対も同様です。「ランチ来店者」「ディナー来店者」「週末のみ来店者」などのタグを設定し、それぞれに合った情報を配信することで、開封率・クーポン利用率・リピート率が同時に高まります。
セグメント配信はメッセージ通数の節約にもなるため、費用対効果の両面で有効な運用方法です。
店内QRコード設置で来店時の友だち追加率を最大化する
友だち獲得の最大の機会は「来店中」です。テーブル・レジカウンター・メニュー表・お会計袋など、お客様の目が触れる場所にQRコードを掲示し、「友だち追加でドリンク1杯無料」などのインセンティブと組み合わせることで、来店時の友だち追加を促しやすくなります。追加はお客様の任意であるため、特典条件や案内文を分かりやすく提示しましょう。
来店客数×友だち追加率が月間の友だち増加数を決定するため、この仕組みの精度が運用の成果に直結します。
ショップカード・クーポンをセットで設計してリピートを仕組み化する
ショップカードとクーポンを組み合わせることで、リピートの動機を多重に設計できます。「10スタンプでお食事券プレゼント(ショップカード)」と「次回来店時10%オフクーポン(来店翌日に自動配信)」を同時に設定すると、次回来店の理由が重なり再来店率が高まるでしょう。
この仕組みをステップ配信と組み合わせて自動化することで、スタッフの手を使わずにリピーター育成が継続できます。
飲食店のLINE公式アカウント活用成功事例
ここでは、飲食店のLINE公式アカウント活用成功事例・イメージを紹介します。
かき氷専門店の事例(LINE予約率100%・3週間先まで満席)
茨城県笠間市にある茨城県産フルーツを使ったかき氷専門店「茨城おとなのかき氷 四季と六花(しきとりっか)」では、LINE公式アカウントを集客・予約管理の中核ツールとして活用しています。
見込み客との最初の接点である問い合わせのチャットから来店予約の受付・来店後のアンケート・再来店の予約まで、すべての顧客接点がLINE公式アカウントでつながっているのです。
週に一度のメッセージ配信で顧客にアプローチし、LINEからの予約率は100%。夏の繁忙期前で、すでに3週間先まで予約が埋まっているという成果を達成しています。
出典:LINEヤフー for Business 飲食店活用事例
ラーメンチェーンの事例(属性データ活用で新企画立案・認知拡大)
広島を中心に11店舗を展開する「ラーメン我馬」では、LINE公式アカウントを活用して新商品の認知度向上・新たなサービス・営業時間変更などのお知らせを顧客へ発信しています。
LINE公式アカウントの属性データ(男女比・年代・地域)を活用することで、各店舗では把握しきれなかった顧客属性を可視化し、新企画の立案や認知拡大施策に役立てています。
出典:LINEヤフー for Business 飲食店活用事例
個人ラーメン店の事例(LINEデリバリー限定受付で売上2倍)
茨城県水戸市双葉台で麺・スープ・具材すべて自家製にこだわるラーメン店では、LINE公式アカウント限定のデリバリー受付を開始し、売上が2倍になりました。
LINE公式アカウントを使った求人にも成功し、スタッフを増員することで新たな事業展開にも挑戦。LINEを集客・採用・新事業の起点として活用した事例として注目されています。
出典:LINEヤフー for Business 飲食店活用事例
居酒屋の事例(リッチメニューで予約率・単価アップ)
居酒屋を展開する株式会社スパイスワークスでは、「LINEで予約」と「LINEミニアプリ」を組み合わせて活用した結果、予約率が他企業平均の4〜10倍を達成しました。
リッチメニューに予約ボタンを大きく配置し、LINE上でシームレスに予約が完結する導線設計が高い予約率につながっています。
出典:LINEヤフー for Business 飲食予約プラン活用事例
まとめ|飲食店のLINE公式アカウント活用は「友だち獲得・配信の質・リピート設計」が成功の3本柱
飲食店がLINE公式アカウントで成果を出すためには、来店時の友だち獲得の仕組みづくり・有益な情報に絞ったセグメント配信の質の向上・クーポンやショップカードを活用したリピート来店の仕組み設計という3点を同時に実践することが重要です。
まずは無料プランでアカウントを開設し、店内へのQRコード設置とリッチメニューの整備から小さく始めることをおすすめします。

