券売機は、自動食券機として飲食店やフードコートに導入する方法のほか、アミューズメント施設のチケット販売にも活用されている設備です。
券売機にはさまざまな種類の製品があるものの、購入するには高額な費用がかかります。そこで、費用を抑えつつ、券売機を導入する選択肢として活用されているのが、小型券売機の導入です。
本記事では、券売機の購入費用を抑えるために知っておきたい、券売機の購入にかかる価格の目安やおすすめの小型券売機を5選紹介します。
券売機の種類について
券売機は、おもに以下3種類の製品があります。
- ボタン式券売機
- タッチパネル式券売機
- 小型券売機・卓上券売機
具体的にどのような違いがあるのか、種類ごとの強みについて見ていきましょう。
ボタン式券売機
ボタン式券売機は、一般的によく見られるメニューと値段が表示されたボタンを押して、食券を購入する発券機タイプの設備です。
ボタンごとにメニューを表示できるため、ラーメン店や定食屋のほか、アミューズメント施設の入場券を購入するための設備としても導入されています。
お金を投入してボタンを押すだけで食券が購入できるので、老若男女問わず誰でも使いやすい点が特徴です。
タッチパネル式券売機
タッチパネル式券売機は、液晶画面に表示されたメニューをタップして食券を購入するタイプの券売機です。食券発券に対応しているもののほか、キッチンディスプレイやキッチンプリンターと連携可能な製品もあります。
タッチパネル券売機は、ボタンの数に合わせてメニューを制限する必要がないため、メニュー数やサイドメニューの選択などが多い店舗での導入におすすめです。
また、多言語表示機能が備わっているタイプやキャッシュレス決済に対応しているものもあるので、インバウンド対策にも適しています。
小型券売機・卓上券売機
小型券売機・卓上券売機は、テーブルやカウンターの上に設置できるタイプのコンパクトな券売機です。ボタン式券売機とタッチパネル式券売機の両方があります。
コンパクトながら性能は独立タイプの券売機と同様で、比較的手頃な価格の製品が多いのも特徴です。
ただし、小型のボタン式券売機の場合、ボタンの数が限られている点に注意しなければなりません。大型の自立式券売機の場合は、80~100個程度のボタンがある一方で、小型券売機の場合は10~30個程度が目安です。
券売機を購入する際の価格目安
券売機を購入する際の価格の目安は、50万円~200万円です。一般的な自立式の大型券売機の場合は、100万円~200万円ほどの費用がかかります。
一方で、小型の券売機であれば50万円~100万円ほどの値段で購入できるものが多いのも特徴です。ただし、タッチパネル式券売機の場合は、ボタン式券売機と比べて費用が高くなる傾向にあるので注意しましょう。
券売機は基本的に現金決済が主流で、タッチパネル式券売機は、キャッシュレス決済に対応していることが多い傾向にあります。
ボタン式券売機でも外付け可能なキャッシュレス決済端末を同時に導入すれば、クレジットカード決済やQRコード決済などに対応できるので併用もおすすめです。
券売機は中古と新品どちらがおすすめ?
券売機を購入する際、導入コストを抑えるために中古品の購入を検討している方も多いでしょう。
ここからは、中古品と新品のどちらを購入するか迷った場合、どのような基準で判断すれば良いのか、比較ポイントやおすすめの導入方法について解説します。
長期的に見れば購入がおすすめ
券売機は、長期的に見ると中古よりも新品の購入がおすすめです。中古は購入費用を安く抑えられるメリットがある反面、状態が悪いと購入直後に故障するケースも少なくありません。
また、中古品はメーカーの保証対象外になっていたり、古いものは修理対応してもらえなかったりするので、長期的な利用には不向きです。
一度購入してしまえば、券売機の寿命は5~6年程度あるので使い続けられます。丁寧にメンテナンスしていれば、10年以上使い続けられる場合もあるのでおすすめです。
その上、新紙幣が発行された際に、新品を購入していればシステムアップデートで対応できる場合もあります。長期的な利用を想定しているのであれば、新品の券売機を購入すると良いでしょう。
参考記事:【2024年7月】券売機の新紙幣対応方法!補助金活用まで徹底解説
初期費用を抑えたいならレンタルやリース・サブスクも選択肢
券売機の購入にかかる初期費用を抑えたいのであれば、レンタルやリース・サブスクサービスを利用して導入するのも選択肢の1つです。
購入費用を一括で用意しなくても、月額数万円~数千円程度で導入できます。また、故障した際のサポートサービスが無償で付帯している場合も多いので、万が一の際も安心です。
券売機を購入すべきか、レンタルやリース・サブスクサービスを利用すべきか、判断する基準については以下の記事で詳しく解説しています。
参考記事:券売機は購入・レンタル・リース・サブスクどれが一番お得?価格・費用の目安について解説
券売機の小型機種おすすめ5選
ここからは、券売機の中でも小型でおすすめの製品を5選紹介します。各製品の特徴や強みなども解説していますので、導入する券売機を比較する際の参考としてお役立てください。
FK-CX-42|株式会社Fujitaka
出典:株式会社Fujitaka
株式会社FujitakaのFK-CX-42は、コンパクトな卓上型券売機です。独立式の大型券売機も販売している券売機メーカーのため、ほかにもさまざまな製品があります。
FK-CX-42の特徴は、コンパクトながら42個のボタンがある点で、「小型券売機の中でもボタンの多いものが欲しい」という方に最適です。
幅39cm、奥行き25cmとコンパクトなボディなので、レジカウンターなどにも設置できます。また、同社が販売している外付けQR決済端末の併用も可能なので、ボタン式でキャッシュレス決済端末導入したい方におすすめです。
千円札・二千円札には対応しているものの、五千円札・一万円札などの高額紙幣には対応していません。
参考サイト:株式会社Fujitaka公式サイト
VT-S20|グローリー株式会社
出典:グローリー株式会社
コンパクトかつシンプルな券売機を導入したいのであれば、グローリー株式会社のVT-S20がおすすめです。
基本スタイルでは24ボタンですが、オプションを装着すると大型・中型口座ボタン、3連ミニボタンなどを含め最大36ボタンに増やせます。幅31cm、奥行き25cmと小型券売機の中でも、トップクラスにコンパクトな機種です。
また、グローリーはサポートサービスが充実しているのも特徴で、有料の店舗支援ASPサービスを活用すれば、券売機の売上データの管理・分析も行えます。千円(低額紙幣)のみの対応なので、高額紙幣には対応できません。
参考サイト:グローリー株式会社公式サイト
VT-T21M|グローリー株式会社
出典:グローリー株式会社
小型のタッチパネル式券売機を導入したい場合は、グローリー株式会社のVT-T21Mです。コンパクト設計ながら独立タイプの設備なので、本格的な券売機の強みを活かしたい場合に適しています。
卓上式券売機と比べると大型ではあるものの、オプションで電子マネー決済が導入できたり、売上金から翌日の釣銭用の紙幣を自動的に残してくれたりするので便利です。
商品写真をカラー掲載できるので、視覚的に訴求できるメリットもあります。低額紙幣タイプ・高額紙幣タイプのいずれかを選択できるのも特徴です。
参考サイト:グローリー株式会社公式サイト
テーブルトップタイプ券売機|株式会社スマレジ
出典:株式会社スマレジ
多機能かつコンパクトな最新のタッチパネル式券売機を導入したい場合は、株式会社スマレジのテーブルトップタイプ券売機がおすすめです。
スリムなボディと大きな液晶画面が特徴で、キャッシュレス決済のみに対応しているモデルのほか、自動釣銭機搭載型の券売機(自立式タイプ)も選択できます。
メニュー表示も多機能で、セットメニューのオプションやサイドメニューの注文にも対応しており、キッチンプリンターやキッチンディスプレイとの連携も可能です。
日本語だけでなく、英語・中国語・韓国語・スペイン語の多言語表示機能も搭載しているので、インバウンド対策にも活用できます。
参考サイト:株式会社スマレジ公式サイト
KT-124/X130NN|芝浦自販機株式会社
出典:芝浦自販機株式会社
ボタン式券売機の中でもカラーバリエーションが豊富なのは、芝浦自販機株式会社のKT-124/X130NNシリーズです。
LEDバックライト対応なので、ボタンが見やすく表示されるのも特徴で、ボタン24個の機種と30個の機種から選択できます。
KT-X130NNであれば、キッチンプリンターとの有線接続にも対応可能です。いずれの機種も千円札のみの対応なので、小額紙幣対応の小型券売機を導入したい方に適しています。
参考サイト:芝浦自販機株式会社
自店舗に合う小型券売機の選び方
自店舗に合う小型券売機を選ぶ際は、以下のポイントで比較検討すると良いでしょう。
- 設置場所に収まるサイズか
- 対応している紙幣の種類
- ボタンの数
- キャッシュレス決済の有無
- キッチンプリンター・キッチンプリンターとの連携可否
- 購入にかかる費用
- 保守・点検サポートの有無
これらを比較しておくと、自店舗のオペレーションに合う券売機が導入できます。また、小型ではなく大型の券売機を導入したい場合も、同様の点で比較しておきましょう。
ただし、場合によっては券売機ではなく、対面によるオーダー受付やモバイルオーダーシステムの方が、適している店舗もあります。
自店舗が券売機の導入に向いているかを判断するポイントについては、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらを参考にしてください。
参考記事:券売機導入に向いている飲食店は?設置に向いている店舗の特徴と機種の比較ポイント
まとめ
小型の券売機は、コンパクトで設置場所が省スペースで対応できる反面、低額紙幣にしか対応できない機種が多くあります。
両替対応の負担を軽減したい場合は、外付けのキャッシュレス決済端末を導入したり、高額紙幣対応の機種を導入したりして対応しましょう。
一方で、券売機の購入にかかる費用を削減する目的で小型を選ぶのであれば、補助金や助成金制度を活用したり、レンタルやリース・サブスクを活用して大型を選ぶ選択肢もあります。
幅広い選択肢の中から、より自店舗に合う製品を導入できるように、機種選定は慎重に行いましょう。