飲食店の業務効率化や人件費削減を目的として、QRオーダーシステムを導入する店舗が増加傾向にあります。タブレットオーダーシステムと比べて、小規模店舗や個人店舗でも導入しやすい点が魅力です。
しかし、具体的にどのようなQRオーダーシステムを導入すれば良いのか、自社の業務オペレーションに合うサービスがどれなのか、わからない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、数あるQRオーダーシステムの中から、おすすめの会社・サービスを5選紹介します。また、QRオーダーシステムの導入にかかる費用の目安や、選び方、導入するメリットについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
QRオーダーシステムとは
QRオーダーシステムとは、顧客が自らのスマホでオーダー用のQRコードを読み取り、料理やドリンクの注文を行う飲食店向けの設備のことです。飲食店の店内で、イートインや持ち帰り注文に対応する「店内版」と、店の外から予約注文や、テイクアウト・デリバリー注文を行う「店外版」があります。
店内版の場合は、オーダー用のQRコードをPOPやステッカー、メニュー表に印刷すれば簡単に導入することが可能です。一方で、店外版の場合は、DMやチラシにQRコードを掲載したり、ホームページやSNSで発信したりして活用します。
広義ではモバイルオーダーシステムにも含まれるサービスで、「QRコードを活用する」という点が特徴です。
参考記事:QRオーダーシステムとは?メリット・導入方法・選び方と向いている飲食店の特徴を解説
QRオーダーシステムを導入するメリット
QRオーダーシステムを導入するメリットは、以下の3項目です。
- 注文受注の効率化・ミスの抑制につながる
- 顧客単価の向上につながる
- タブレットオーダー(テーブルオーダー)と比べて導入費用が安く済む
それぞれ、QRオーダーシステムを導入する前と比べてどのような変化があるのか、具体的な活用シーンの例とともに解説します。
注文受注の効率化・ミスの抑制につながる
QRオーダーシステムを導入すると、注文受注の効率化・ミスの抑制につながるメリットがあります。QRオーダーシステムは、顧客が自身のスマートフォンから直接注文を入力することから、スタッフが聞き取りやメモを行う必要がなくなるためです。
ホールスタッフが注文対応にかける時間が削減され、料理のサービングやテーブルのバッシング作業などに注力できるようになります。忙しい時間帯でも、効率的に運営できる体制が整えられるでしょう。
また、口頭での聞き間違いや手作業でオーダーをメモする際の転記ミスも起こりにくく、正確な注文情報をリアルタイムでキッチンに共有できるため、料理の誤提供やクレームの防止にも役立ちます。
顧客単価の向上につながる
顧客単価の向上につながるのも、QRオーダーシステムを導入するメリットの1つです。QRオーダーシステムは、画面上におすすめ商品や追加トッピングを表示できるため、自然にアップセルやクロスセルを促せます。
店員から直接勧められるより心理的な負担が少なく、気軽に注文しやすい環境を作れる点が特徴です。
また、顧客自身が注文したいタイミングで、店員の注文受注対応を待つことなく追加オーダーできるため、注文機会の損失抑止にもつながります。
タブレットオーダー(テーブルオーダー)と比べて導入費用が安く済む
タブレットオーダー(テーブルオーダー)と比べて導入費用が安く済むのも、QRオーダーシステムを導入するメリットの1つです。
各テーブルにタブレット端末を1台ずつ設置するテーブルオーダーシステムでは、タブレットの購入代やメンテナンス費用が大きな負担になります。
QRオーダーシステムの場合、オーダー用のQRコードPOPやステッカー、都度印刷の場合はプリンター類を準備すれば良いため、初期投資を大幅に抑えることが可能です。
機器類の交換やメンテナンスの負担も最小限に抑えられるので、導入コストだけでなくランニングコストも抑えられます。
QRオーダーシステムのおすすめ会社・サービス5選
ここからは、QRオーダーシステムのおすすめ会社・サービスを5選紹介します。各社の特徴や強み、おすすめの活用シーンについても紹介していますので、導入するサービス選びの参考としてお役立てください。
CHUUMO
CHUUMOは、QRコードを読み取るだけで注文から会計まで完結できる、QRオーダー対応のモバイルオーダーシステムです。アプリのダウンロードや会員登録が不要なうえに、多様な決済手段に対応しているため、導入しやすい特徴があります。
おすすめの業態はカフェや居酒屋、レストランなど店内飲食の業態ですが、テイクアウト注文にも対応可能です。プレミアムプラン以上の加入で、スマレジのPOSレジや精算機との連携導入もできるので、会計業務の効率化にも役立ちます。
対応方式は店内版が主軸ですが店外注文にも対応でき、オンライン決済と組み合わせれば、事前決済による効率化や直前キャンセルによる損失を抑えられるのも魅力です。
CASHIER
CASHIERは、同社のPOSレジとの連携導入が可能なQRオーダー(セルフオーダー)システムです。QRコード注文に加えて、券売機やモバイルオーダーなど複数のオーダーツールを一元管理できます。
キッチンプリンターや注文管理ディスプレイとの連携にも対応しているため、注文が多い飲食店やフードコートにも最適です。
CASHIERは、居酒屋やファミレスなど回転率を重視する業態に適しており、店内版・店外版の両方のオーダーに対応しているため、幅広い業態で活用できます。
QRオーダーシステムの利用が苦手な顧客向けに、店員による注文受注も併用したい場合は、ハンディオーダーも併用すると良いでしょう。
Qder
Qderは、初期費用や月額料金無料(導入半年後に料金を支払い、契約満了後に全額を返金。実質無償)で導入・利用できるQRオーダーシステムです。低コストで始められる点が魅力で、予約や会計、POS連携、多言語対応など機能も充実しています。
店内版・店外版のどちらのオーダー方式にも対応しているため、レストランやカフェに加えて、テイクアウトやデリバリーを併設する店舗での導入にも適しています。
Qder最大の特徴は、店外からの料理予約と決済に加えて、席の予約まで行える点です。予約時点で決済も完了してもらえるため、突然のキャンセルによる損失も防げます。
キャッシュレス決済利用時の決済手数料の負担のみで運用できるため、小規模店舗や個人店舗での導入にもおすすめです。
テイクイーツ
店外からのテイクアウト注文や、デリバリー注文にのみ対応しているQRオーダーシステムを導入したい場合は、テイクイーツがおすすめです。
テイクイーツは、テイクアウトや事前予約に特化したQRオーダーシステムで、初期費用や月額費用が不要なプランもあります。
スイーツ店や弁当店、観光地のお土産店など、小規模事業者でも導入しやすいのが特徴です。寿司屋のように店内の注文は口頭だが、持ち帰りやデリバリー注文はQRオーダーシステムで対応したいという飲食店にも適しています。
店外版に特化しているため、持ち帰りやデリバリー需要の高い業態に最適です。
OneQR
OneQRは、ひとつのQRコードで注文から決済までを完結できるオールインワン型の飲食店向けソリューションです。個人店舗よりも、中規模~大規模店舗での導入に適しており、フードコート向けに複数店舗を一括管理できる機能も備えています。
クレジットカードや電子マネーなど多彩な決済手段に対応しているのも特徴で、飲食店だけでなく、小売店や無人店舗、駐車場など幅広い業態での店舗業務効率化に役立つ設備を提案してもらえるサービスです。
店内版・店外版の両方を網羅しており、セルフオーダーKIOSK端末の導入や、呼び出しモニターの設置など、店舗のあらゆる設備・システムの導入に対応しています。
自店舗に合うQRオーダーシステムの会社・サービスの選び方
自店舗に合うQRオーダーシステムを導入する際、会社・サービスを選ぶには以下の3項目で比較検討することが大切です。
- POSレジやキッチン連携に対応しているものを選ぶ
- 店内版・店外版のどちらに対応しているか比較する
- 利用可能なキャッシュレス決済の種類で選ぶ
それぞれ、具体的にどのような基準で選定すれば良いのか、判断基準も踏まえて詳しく解説します。
POSレジやキッチン連携に対応しているものを選ぶ
QRオーダーシステムを選ぶ際は、POSレジやキッチンプリンターとの連携ができるかを確認することが重要です。
注文データが自動的にPOSレジに反映されれば、手入力によるミスを抑制しながら売上管理や在庫管理が効率化され、業務の手間を大幅に削減できます。
また、キッチン連携が可能なQRオーダーシステムを選べば、注文内容がリアルタイムに伝達されるため、提供スピードの向上や調理ミス防止にも効果的です。
QRオーダーシステムを単体で導入するのではなく、既存環境との相性やオペレーション全体を見越して導入する機種を選定するとスムーズに運用できます。
店内版・店外版のどちらに対応しているか比較する
店内版・店外版のどちらに対応しているかを比較するのも、QRオーダーシステムの選定における重要なポイントです。
QRオーダーには、飲食店のテーブルで注文する「店内版」と、テイクアウトやデリバリー注文を見せの外で行う「店外版」の2種類あります。
まずはどちらの注文方式に対応しているサービスなのかを見極め、自店舗の業態や販売スタイルに合った方式を選ぶことが大切です。
例えば、居酒屋やファミレスでは追加注文が多いため店内版が適していますが、弁当店やスイーツ店なら店外版が最適です。
QRオーダーシステムの種類によっては、店内版・店外版の両方に対応しているサービスもあるため、今後の展開を見据えて比較検討すると良いでしょう。
利用可能なキャッシュレス決済の種類で選ぶ
導入するQRオーダーシステムを選ぶ際は、利用可能なキャッシュレス決済の種類も比較しておきましょう。キャッシュレス決済への対応状況は、顧客満足度に直結する要素です。
クレジットカードや電子マネー、QRコード決済など幅広い手段をカバーできるシステムを選ぶと、外国人観光客や若年層など多様な顧客ニーズに対応できます。
また、決済方法が豊富であれば会計がスムーズになるため、レジ前の混雑防止にも効果的です。キャッシュレス決済の種類だけでなく、決済ブランドの種類も比較しておくと良いでしょう。
QRオーダーシステムの導入費用・月額料金の目安
QRオーダーシステムの導入費用は、3万円~50万円が目安です。QRオーダーシステムの導入費用や月額料金は、サービスや導入規模によって幅があるため、あくまで目安と考えてください。店舗全体のシステムをトータルコーディネートする場合、数百万円~数千万円規模の費用が発生する場合もあるでしょう。
初期費用として、店内のテーブル数に応じてプリンターやキッチンディスプレイ、呼び出しモニターなど、周辺機器の導入が必要になる場合もあります。QRコードのPOP・ステッカー製作費用、メニュー表の刷新などを行えば、さらに加算されるでしょう。
初期費用無料で利用できるサービスであれば、月額料金の負担のみで導入することも可能です。月額料金は5,000円〜3万円程度が相場で、機能制限のある無料プランを提供しているサービスも増えています。
自店舗の業態や必要機能に合わせて、費用対効果を見極めて選ぶことが重要です。
まとめ
QRオーダーシステムは、注文の効率化やミス防止、客単価向上など多くのメリットがあります。業態に応じて店内版・店外版を選択できるのも特徴で、店舗で提供しているサービスの状況に合わせて、導入するサービスを選ぶと良いでしょう。
導入費用は3万円から50万円、月額は5,000円〜3万円程度が目安で、機能や連携するシステムの範囲、店舗規模によって変動します。店舗運営の効率化や人件費削減、顧客単価向上のための投資として、導入を検討してみてはいかがでしょうか。