近年、クレジットカード決済だけでなく、QRコード決済や電子マネー決済などのキャッシュレス決済が多様化した影響から、新たな決済端末を導入する店舗が増加傾向にあります。
決済端末を提供しているサービス事業者も増えており、券売機に外付け可能なキャッシュレス決済端末や、ワイヤレスで利用できるものなど、特徴はさまざまです。
しかし、小規模店舗や個人店舗など、設備投資に高額な費用をかけられないケースもあるでしょう。
本記事では、店舗の設備投資コストを抑えたいと考えている事業者向けに、無料で導入可能な店舗決済向けの端末を5選紹介します。各社の特徴や選び方・比較ポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
決済端末とは
決済端末とは、店舗で商品購入やサービス利用を行った際に、代金を支払ってもらうための設備を指します。一般的には現金決済以外に対応している製品が多いことから、キャッシュレス決済端末とも呼ばれているものです。
導入することで、さまざまな決済手段に対応できるようになるほか、釣銭の受け渡しを行わずに済むので、釣銭ミスの抑止や感染症対策につながるメリットもあります。
以下のような製品があるので、自店舗に合うタイプの決済端末を導入すると良いでしょう。
キャッシュレス決済端末のタイプ | 特徴 |
---|---|
クレジットカード端末機(CAT端末) | クレジットカードやデビットカードなどのカード決済に特化している決済端末 カードを磁気スワイプするか、挿入してICチップを読み取るタイプの製品が多い |
QRコード決済端末 | スマホやタブレットなどのデバイスにアプリなどでQRコードを表示させ、決済端末にかざして決済する方式の端末 店頭に設置したQRコードステッカーやPOPを顧客側のスマホで読み取ってもらう、端末を設置しないタイプもある |
モバイル決済端末 | スマートフォンやタブレット端末のカメラ機能で、バーコードやQRコードを読み取って決済を行う端末 POS機能が備わっている製品もあるため、モバイルPOSと呼ばれることもある |
非接触型決済端末 (NFC端末) | クレジットカードやスマートフォンを端末本体にかざすタイプのキャッシュレス決済端末 タッチ決済とも呼ばれているもので、非接触で決済できて衛生的 |
マルチ決済端末 | クレジットカードだけでなく、QRコード決済・ICカード決済・電子マネー・ポイント支払いなど、さまざまなキャッシュレス決済に対応している端末 クレジットカードの磁気スワイプ・ICチップの読み取り・タッチ決済など、すべての方式に対応している製品もある |
オールインワン決済端末 | マルチ決済端末に、レシートプリンターやWi-Fiも内蔵している端末 屋外利用やWi-Fi設備がない店舗での利用に最適 |
参考記事:クレジットカード決済端末機のおすすめ5選|CAT端末を選ぶ基準と比較ポイント
決済端末は大きくわけて2種類
決済端末は、以下の2種類にわけられます。
- 据置型
- ポータブル型・ワイヤレス型
それぞれの特徴や強み、最適な導入環境について見ていきましょう。
据置型
据置型の決済端末は、レジ設備の横に設置するタイプの有線接続端末です。
基本的に、POSレジや自動精算機・自動釣銭機などと連携して導入することが多く、大型のレジ設備が導入できるような比較的規模の大きい店舗での導入に適しています。
有線LAN接続できるため、通信が安定しやすいのも据置型の特徴です。
ポータブル型・ワイヤレス型
決済端末には、ポータブル型・ワイヤレス型と呼ばれる機種もあります。
据置型との違いは持ち運べる点で、無線Wi-Fi接続できるものが一般的です。レシートプリンター内蔵のものや、SIMカードが備わっていてWi-Fi通信に対応している製品もあります。
持ち運びやすいため、屋外や小規模店舗、テーブル決済を行っている店舗などでの導入に最適です。
参考記事:キャッシュレス決済端末5選|メリットや導入方法・選び方について徹底解説
決済端末の導入方法
決済端末の導入方法は、以下の通りです。
- 決済端末の種類やタイプを選定する
- 決済端末のサービス事業者を比較検討する
- デモ機・モデルルームなどで実際に使用感を試す
- 導入する端末の申し込み手続きを行う
- 審査を受ける
- 契約する
- 決済端末を店舗に設置して初期設定を行う
- 店舗スタッフに研修を実施する
- 運用開始
あくまで一般的な流れになるため、状況に応じて導入方法を検討する必要があります。
とくに、店舗開業時の場合、POSレジやキッチンプリンターなど、ほかの設備も比較検討しなければなりません。また、モバイルオーダーシステムや予約管理システムなど、外部システムとの連携ができるか、という課題もあるでしょう。
スムーズに決済端末を導入するには、まず自店舗にどのような決済端末を導入したいのかを明確にした上で、機種を選定することが大切です。
決済端末の導入にかかる費用の目安
決済端末の導入にかかる費用の目安は、1万円~5万円ほどです。
基本的には決済端末の購入代金がかかる傾向で、そのほか月額利用料や決済手数料などの負担が発生します。決済端末の月額利用料は、1,000円~5,000円が目安です。決済手数料は、一般的に2%~4%程度発生します。
近年では、端末購入代金無料のキャンペーンを行っている事業者も多くあるため、導入費用を抑えたい場合はキャンペーンを活用するのもおすすめです。
無料で導入可能な決済端末5選
ここからは、無料で導入可能な決済端末サービスの中から、おすすめの機種を5選紹介します。ここで紹介している決済端末は、すべて「マルチ決済端末」です。
幅広い決済ブランドに対応しているので、これから決済端末の導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
【広告】stera pack
stera packは、三井住友カード株式会社とGMOペイメントゲートウェイが共同提供しているマルチ決済端末です。クレジットカード決済は3パターンの支払い方法に対応しており、QRコード決済や電子マネー決済なども行えます。
クレジットカード決済の電子サインにも対応しているため、幅広い決済方法を受け付けられる端末です。
また、店舗スタッフ側と顧客側それぞれにディスプレイがあるデュアルディスプレイも特徴で、顧客側に端末の画面を向ける必要がありません。
13カ月目まで加入できる「お試しプラン」なら、月額のサービス利用料不要で導入できます。端末購入代金やレシートロールなどの費用もかかりません。
決済手数料はお試しプランで3.24%から、有料のスモールビジネスプランで1.98%からとなります。
\あらゆる決済に1台で対応/
Airペイ
出典:株式会社リクルート
AirPAYは、株式会社リクルートのキャッシュレス決済サービス対応端末です。クレジットカードはもちろん、QRコード決済や電子マネー決済など、さまざまな決済手段に対応しています。
また、リクルートが提供しているPOSレジの「Airレジ」と同時に導入すれば、端末導入にかかる初期費用が0円になるサービスを実施しているのも特徴です。
ただし、無料で配布している端末の台数には限りがあるため、お早めにご検討ください。決済手数料は2.95%からと業界最低水準です。
参考サイト:AirPAY公式サイト
Squareターミナル
出典:Square株式会社
Squareターミナルは、レシートプリンターも内蔵しているタイプのマルチ決済端末です。クレジットカード決済については、磁気スワイプ・ICチップの読み取りなどのカードリーダーだけでなく、タッチ決済にも対応しています。
また、QRコード決済・電子マネー決済などのキャッシュレス決済にも対応することが可能です。
Squareターミナルで決済を行った売上金は、最短翌営業日に振り込まれます。振込手数料も無料なので、売上金を早く入金して欲しい方に最適です。
月額利用料無料で導入できますが、端末の購入代金が発生する点に注意しましょう。決済手数料は、2.5%からとなっています。
参考サイト:Squareターミナル公式サイト
STORES決済
出典:STORES株式会社
STORES決済は、POSレジを提供しているSTORESの決済端末です。 コンパクトで設置場所を選ばない点が特徴で、月額利用料金もかかりません。
導入時に条件を満たせば、端末代金が実質無料になるサービスも提供しています。医療施設や理容室、クリーニング店、アウトドアスポーツ施設など、決済手数料が特別料率で利用できる業種があるのも特徴です。
決済手数料は3.24%からですが、中小企業向けのベーシックプラン(有料)に加入すれば1.98%からとなります。
参考サイト:STORES公式サイト
楽天ペイターミナル
出典:楽天グループ株式会社
決済端末を無料で導入するなら、楽天グループ株式会社が提供している楽天ペイターミナルもおすすめです。
楽天ペイターミナルは、レシートプリンター内蔵のマルチ決済端末で、Wi-Fiも内蔵しているのでイベント出店や訪問営業、キッチンカーなどの屋外利用にも適しています。
また、別途申し込み手続きを行えば、楽天ポイントが貯まる・使えるようになるサービスも導入できるため、楽天ポイントユーザーをターゲットにした集客や販促に効果的です。
決済手数料は、2.95%からです。(適用条件あり)
参考サイト:楽天ペイターミナル公式サイト
そのほか、決済端末を機能などで詳しく比較検討したい方は、以下のページをご覧ください。
参考記事:決済端末のサービス紹介と比較
【目的別】最適な決済端末の選び方と比較ポイント
ここからは、自店舗に最適な決済端末を選ぶ際に意識しておきたい比較ポイントについて、目的別で詳しく解説します。また、おすすめの機種も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
導入費用を抑えたい
導入費用を抑えたいのであれば、端末の購入代金が無料になる決済端末サービスがおすすめです。AirレジやSTORESなど、条件を満たせば無料で導入できるサービスを活用すると良いでしょう。
ただし、導入費用は無料でも、月額利用料や決済手数料の負担が発生する場合もあります。導入費用だけでなく、ランニングコストも比較検討することが大切です。
店舗業務の効率化を図りたい
店舗業務の効率化を目的に決済端末を導入するのであれば、POSレジやセルフレジ・モバイルオーダーなど、外部システムとの連携可能な決済端末がおすすめです。
AirペイやSquareターミナル、STORESなどは、同社が提供しているPOSレジやモバイルオーダーシステムのサービスもあるので、同時に導入するのも良いでしょう。
決済端末の導入後を想定し、どのような外部システムと連携しながら活用したいのかを考えておくと、導入する機種を選びやすくなります。
対応可能な決済手段を増やしたい
対応可能な決済手段を増やす目的で決済端末を導入するなら、マルチ決済端末やオールインワン端末など、幅広い決済サービスに対応している機種がおすすめです。
レシートプリンター内蔵型が良いか、Wi-Fi設備はどうすべきかなどを検討した上で、選定すると良いでしょう。
また、一般的なキャッシュレス決済ブランドだけでなく、ポイント支払いにも対応したいのであれば、Airペイや楽天ペイターミナルなどの機種が最適です。
短期間だけ利用したい
短期間だけの利用を目的に決済端末を比較検討するのであれば、レンタルプランのあるサービスがおすすめです。
ヤマト運輸やユニエイムなど、決済端末のレンタルに対応しているサービスを検討すると良いでしょう。
また、Squareが提供している無料のPOSレジアプリをiPhoneやiPadなどに導入して、モバイル決済端末として活用する選択肢もあります。
決済手数料のみの負担で最短即日中に利用を開始できるので、レンタル以外の選択肢を検討している方におすすめです。
参考記事:無料のPOSレジアプリおすすめ5選|0円で利用できるサービスの特徴と注意点
まとめ
決済端末は、サービスを提供している事業者ごとに特徴があるため、サービス内容をよく確認した上で導入する機種を選定することが大切です。
また、無料導入できる決済端末でも、基本的には決済手数料の負担が発生します。売上金額に応じて利用料を負担すれば良いメリットがある反面、売上高が伸びてくると負担が大きくなるデメリットに注意しましょう。
売上高が伸びてきたら、有料プランに切り替えて決済手数料を抑える選択肢もあります。状況に応じて無料のサービスを利用すべきか、有料プランに加入すべきかを判断しましょう。