決済端末は、飲食店や小売店のみならず、美容サロンやクリニック・アミューズメント施設など、さまざまな店舗や施設で導入されている設備です。
コンパクトで置き場所を選ばず、さらにキャッシュレス決済に対応することで、釣銭ミスの抑止や収益機会の向上につながるメリットがあります。
しかし、決済端末の種類が多いことから、どの設備を導入すれば良いかわからず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、決済端末を提供しているメーカーの中からシェア率上位のおすすめ決済端末6選を、機能や決済手数料・対応している決済ブランドの種類などで比較紹介しています。
また、記事後半では、導入する決済端末を選ぶポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
決済端末メーカーのシェア率は公表されている?
決済端末メーカーの「シェア率」は気になるポイントですが、実は公式な市場シェアが明確に公表されているケースは多くありません。
そのため、一般的に公開されているランキングや比較記事では、「導入実績」「利用者数」「サービスの普及度」など、複数の指標をもとに評価されていることが多い傾向にあります。
ここでは、シェアに関する考え方と、参考にすべき判断軸について解説します。
公式な市場シェアと注目ランキングの違い
公式な市場シェアと注目ランキングの違いは、評価の基準にあります。
公式な市場シェアは、出荷台数や導入台数、売上などの客観的なデータをもとに算出された「実際の市場占有率」を指します。一方で、注目ランキングは、検索数や閲覧数、導入事例の多さ、比較サイトでの掲載頻度などをもとに作られる「ユーザーからの関心度や選ばれやすさ」を示す指標です。
そのため、Web上で見られる「シェア上位メーカー」は、厳密な市場占有率ではなく、以下のような指標をもとにしたランキングであるケースが多くみられます。
- 導入店舗数
- サービスの認知度
- 検索ボリューム
- 比較サイトでの掲載数や閲覧数
実際に、Square・Airペイ・STORESなどの主要サービスは、比較記事や導入検討時の候補として頻繁に挙げられる代表的な存在となっています。
このように、「シェア」といっても純粋な市場占有率ではなく、実質的には利用の広がりや選ばれている度合いを示しているケースが多い点に注意が必要です。
導入実績・端末採用数・検索需要を参考にする
決済端末メーカーを比較する際は、シェアという言葉にこだわりすぎず、複数の観点から総合的に判断することが重要です。
具体的には、以下のような指標を参考にすると、より実態に近い評価ができます。
- 導入実績(どの業種・規模で使われているか)
- 対応決済手段(クレジット・QR・電子マネーなどの網羅性)
- 導入スピードや審査の通りやすさ
- 入金サイクルや手数料
- 検索需要や比較サイトでの掲載頻度
例えば、SquareやAirペイ、STORESといったサービスは、導入のしやすさや機能面から多くの店舗で採用されており、実質的に「主要プレイヤー」として認識されています。
このように、決済端末は「シェア」だけで判断するのではなく、自店舗に合うかどうか(業種・規模・運用)を軸に比較することが、失敗しないキャッシュレス決済端末の選び方につながるポイントです。
日本国内におけるキャッシュレス決済の普及率
出典:経済産業省
決済端末の導入が進んでいる背景には、日本国内においてキャッシュレス決済サービスの利用増による影響があります。
2025年度に経済産業省が行った調査によると、日本国内におけるキャッシュレス決済の比率は、全体の58.0%に上りました。10年前の2015年には22.5%だったことから、2倍以上に増加し、決済手段の過半数を占めるようになったことがわかります。
とくに注目すべきは、キャッシュレス決済の中でもクレジットカードカード決済率が高いこと、コード決済の利用率が急速に伸びていることです。
参照:我が国のキャッシュレス決済額及び比率の推移(2025年)|経済産業省
決済端末にはさまざまな種類の機種があるものの、とくに現時点で利用者数が多いクレジットカード決済と、今後さらなる利用者の増加が予測されるコード決済に対応する必要があると考えられます。
決済端末の種類について
決済端末を選定する際、まずはどのような種類の決済端末を導入するかを検討することが重要です。
| キャッシュレス決済端末の種類 | 特徴 |
|---|---|
| カード決済端末 | クレジットカードやデビットカードの決済に特化したタイプの決済端末 カードを磁気スワイプ・挿入してICチップを読み取ることで決済する方式が主流 |
| QRコード決済端末 | 顧客のスマホやタブレットなどに表示させたQRコードを、バーコードリーダーで読み取って決済手続きを行うタイプの決済端末 店頭にQRコードステッカーやPOPを設置し、顧客のスマホで読み取り・決済してもらうタイプもある |
| 非接触型決済端末 (NFC端末) |
ICカードやスマートフォンを決済端末の読み取り部にかざして決済するタイプの決済端末 タッチ決済とも呼ばれているもので、非接触で衛生的に支払いを行える点が特徴 |
| マルチ決済端末 | クレジットカード支払いだけでなく、QRコード決済・ICカード決済・電子マネー・ポイント支払いなど、さまざまなキャッシュレス決済に対応している端末 レシートプリンター一体型の「オールインワンタイプ」もある |
上記のように、決済端末は種類によって対応している決済方法に違いがあります。クレジットカード決済やスマホ決済など、自店舗でどのような決済方法に対応すべきかを明確にした上で、決済端末を選定することが大切です。
とくに、クレジットカード決済の利用者が多くいることから、クレジットカード決済に対応している決済端末の導入はマストといっても良いでしょう。
ただし、クレジットカード決済の方法は3パターンあるため、そのすべてに対応している端末を導入する必要があります。具体的には、磁気スワイプ方式・ICチップの挿入読み取り式・タッチ決済の3パターンです。
これらすべてに対応していない決済端末もあるため、端末を選ぶ際は注意してください。導入する決済端末に迷った場合は、さまざまな決済手段に対応しているマルチ決済端末の導入がおすすめです。
参考記事:クレジットカード決済端末機のおすすめ8選|使い方・CAT端末を選ぶ基準と比較ポイント
【機能比較表付き】シェア率上位の決済端末メーカー6選を比較紹介
ここからは、決済端末市場におけるシェア率上位の決済端末メーカーの中から、おすすめの企業を6選紹介します。各メーカーごとの機能・決済手数料、対応している決済ブランドについては以下の通りです。
| 項目 | PAYGATE | Squareターミナル | STORES決済 | stera pack | Airペイ | PayCAS Mobile |
|---|---|---|---|---|---|---|
| クレジットカード決済 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| QRコード決済 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 非接触型決済(タッチ決済) | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 交通系ICカード決済 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| 電子マネー決済 | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
| ポイント支払い | ◎ | × | × | × | ◎ | ◎ |
| レシートプリンター機能 | ◎ | ◎ | ×(別途プリンター連携) | △(standardのみ) | × | ◎ |
| Wi-Fi内蔵 | ◎ | × | ×(スマホ・タブレット連携) | △(mobileのみ) | × | ◎ |
| 決済手数料 | 1.98%~3.24% | 2.5%~3.25% | 3.24% | 1.98%~3.24% | 3.24% ※キャンペーン適用:2.48% |
2.8%~3.24% |
決済端末は、製造元であるメーカーではなく、決済代行会社や決済代行サービスの事業者が提供しているのも一般的です。
ここからは、シェア率が高いメーカー製のキャッシュレス決済端末提供サービスごとに、特徴や強み、最適な店舗の例などを解説します。
株式会社スマレジ|PAY GATE Station

PAY GATE Stationは、ワイヤレスで利用可能なマルチ決済端末です。レシートプリンターも内蔵しています。
POSレジシステムの「スマレジ」で知られる株式会社スマレジが提供している機種で、決済端末にWi-Fiも内蔵しているのでWi-Fi設備がない環境下でも利用できる点が特徴です。
フル充電すれば約300回の決済が利用できることから、テーブル決済やイベント出店時・キッチンカーなどさまざまな場面で活用できます。
クレジットカード決済機能はもちろん、QRコード決済や電子マネー決済・交通系ICカードのほか、Pontaポイントや楽天ポイントでの支払いにも対応することが可能です。
株式会社トランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)|Squareターミナル

Squareターミナルは、レシートプリンターも内蔵しているオールインワン決済端末です。
クレジットカード決済では、磁気スワイプ・ICチップの読み取り・タッチ決済に対応しています。また、QRコード決済を含むさまざまなキャッシュレス決済にも対応可能です。
Squareターミナルでキャッシュレス決済を行った際、売上金は最短翌営業日に入金されるため、売上金の受け取りまでがスピーディに行われます。
売上金の振込手数料も無料なので、売上金の入金スピードを重視している方や、振込手数料の負担がない決済端末を導入したい場合に最適です。
STORES 株式会社|STORES 決済

シェア率の高いメーカーのキャッシュレス決済端末を導入するなら、STORES決済もおすすめです。STORES決済は、スマートフォンやタブレット端末にインストールして利用する方法と、専用のキャッシュレス決済端末を購入して導入する2つの方法で導入できます。
キャッシュレス決済端末がなくても、QRコード決済や一部のタッチ決済には対応できますが、クレジットカード決済や電子マネー決済(とくに交通系)には対応できません。スタンダードプランに加入すれば、無料で1台キャッシュレス決済端末を導入できるので、スタンダードプランへの加入がおすすめです。
月額料金無料で利用できるフリープランと比べて決済手数料率も抑えられるため、キャッシュレス決済利用額が高い店舗・事業者ほど、スタンダードプランの利用がお得になります。
SMBC GMO PAYMENT株式会社|stera pack

stera pack は、三井住友カード株式会社とGMOペイメントゲートウェイが共同で提供しているキャッシュレス決済端末です。
stera packは、基本的に有線接続環境下での利用になるため、店舗設備としての活用を検討している方におすすめです。
売上金の入金サイクルは、月2回締め15日後払い、月2回締め2営業日後払い、月6回締め2営業日後払い、毎日締め2営業日後払いの4パターンから選択できます。220円の振込手数料がかかりますが、三井住友銀行を入金先に指定している場合は無料です。
株式会社リクルート|Airペイ

Airペイは、株式会社リクルートが提供しているキャッシュレス決済端末です。タブレットPOSレジシステムのAirレジと連携が可能なため、POSレジと決済端末を同時に導入したい方にも適しています。
Airペイを導入すると、Airペイ端末とAirレジが備わったタブレット端末を無料で導入できるキャンペーンも実施しているため、レジ設備の見直しに最適です。(適用条件あり・台数未定)
Airペイは振込手数料無料で、月額利用料もかかりません。売上金の入金回数は、月6回もしくは3回(金融機関によって異なる)で、比較的多いのも特徴です。
Pax Japan株式会社|PayCAS Mobile

PayCAS Moboleは、QRコード決済・バーコード決済で知られる、PayPay株式会社が提供しているキャッシュレス決済端末です。
4年以上の利用で端末代金が0円になるため、初期費用も抑えられます。(4年未満で解約の場合違約金が必要)
月額利用料が1,980円からと比較的手頃な価格帯で、レシートやWi-Fiなどが内蔵されているのも特徴です。
とくに、PayPayの決済手数料が2.8%と低く設定されている点が魅力で、PayPayユーザーが多い店舗や施設での導入に適しています。
シェア上位の決済端末メーカーから導入機種を選ぶポイント
決済端末を選ぶ際は、以下のポイントで端末を比較すると良いでしょう。
- 決済端末の導入費用・決済手数料をチェックする
- 対応している決済ブランドの種類で選ぶ
- POSレジなど外部システムとの連携は可能か確認しておく
- インバウンド対策なら多言語表示や他通貨決済も要チェック
ここからは、シェア上位の決済端末メーカーから、導入する機種を選ぶ際の比較ポイントについて解説します。
決済端末の導入費用・決済手数料をチェックする
決済端末を導入する際は、まず導入費用や決済手数料をチェックしておきましょう。導入費用は、端末や周辺機器の購入にかかる費用のほか、設置費用などが必要になるケースもあります。
また、決済手数料率が高いと負担が大きくなるため、自店舗の顧客層が利用する見込みの高い決済方法において、決済手数料率が低く設定されている機種を選ぶのもおすすめです。
対応している決済ブランドの種類で選ぶ
対応している決済ブランドの種類で比較検討するのも、導入する決済端末を選定する際の比較ポイントです。
クレジットカード決済のブランドはもちろん、QRコード決済や電子マネーなどもチェックしておきましょう。とくに、QRコード決済は種類が多いため、対応可能な決済ブランド数が多いほど収益機会の拡大につながります。
また、クレジットカード決済の場合は、磁気スワイプやICカード挿入だけでなく、タッチ決済にも対応しているか確認しておくと良いでしょう。
POSレジなど外部システムとの連携は可能か確認しておく
POSレジなどの外部システムと連携可能かを確認しておくことも、導入する決済端末を比較する重要なポイントの1つです。
決済端末は、基本的にPOSレジシステムと連携させて利用することが多く、決済端末のみでは売上データの管理や分析が行えません。
決済端末にPOSレジシステムが内蔵されているものもあるので、POSレジシステムを新たに導入することが負担であれば、そのような機種を選択するのも良いでしょう。
また、セルフレジや事前決済KIOSK、券売機などと連携できるものもあるため、自店舗の会計オペレーションにマッチする機種を選択することが大切です。
インバウンド対策なら多言語表示や多通貨決済も要チェック
インバウンド対策を目的として、キャッシュレス決済に対応可能な決済端末を導入するのであれば、多言語表示や多通貨決済が可能かを比較しておくのもおすすめです。
今回紹介した機種の中では、Stera terminalが顧客側ディスプレイでの多言語表示(英語)や多通貨決済に対応しています。
海外発行のVisa、Mastercardで決済を行うと、顧客の自国通貨で自動的に決済される仕組みです。19カ国の通貨に対応しています。
そのほか、POSレジと連携可能な決済端末の場合、POSレジシステムに多言語表示機能が備わっているものも多いため、同時に導入するのも効果的です。
まとめ
決済端末にはさまざまな機種があり、提供しているメーカーやサービス事業者によって機能に差があります。
自店舗で決済端末を導入する際は、まずどのような決済端末を導入したいのかを明確にした上で、比較検討することが大切です。
シェア率の高い決済端末の中から選択するのもおすすめですが、自店舗に本当にマッチしているかをよく確かめてから導入に踏み切りましょう。

