特定技能外国人を採用する際、受入企業には外国人が日本で安心して働き・生活できるよう、さまざまな支援を行うことが法律で義務付けられています。
こうした支援業務を受入企業に代わって担うのが「登録支援機関」です。
特定技能の採用を検討していると、必ずといっていいほど登場するこの機関ですが、「具体的に何をしてくれるのか」「費用はどのくらいかかるのか」といった疑問を持つ担当者も多いでしょう。
そこで本記事では、登録支援機関の役割と支援内容、自社支援と支援委託のどちらを選ぶべきかをわかりやすく解説します。
特定技能の登録支援機関とは?
登録支援機関とは、特定技能所属機関(受入れ企業)からの委託を受け、特定技能1号外国人が安定的・円滑に活動できるよう、在留期間における支援計画の作成・実施を担う機関です。
2025年時点で、全国に1万を超える機関が登録されており、多くの企業が活用しています。
登録支援機関の要件
登録支援機関になるためには、出入国在留管理庁への登録が必要です。要件を満たせば団体でも個人でも登録が可能で、事業協同組合や行政書士・社労士など、さまざまな主体が活動しています。
主な登録要件は以下の通りです。
| 要件の区分 | 内容 |
|---|---|
| 受入実績 | 2年以内に中長期在留者(就労資格に限る)の受入れ実績があること |
| 機関自体の適切性 | 5年以内に出入国・労働法令違反がないこと |
| 支援体制 | ・支援を統括する「支援責任者」と、実務を行う「支援担当者」を選任していること(兼務可) ・外国人が理解できる言語で支援できる体制があること |
| 中立性 | 適切かつ中立的に支援を実施できること |
| 欠格事由 | 禁錮以上の刑に処せられてから5年を経過していない者でないこと、など |
登録支援機関と監理団体の違い
登録支援機関が特定技能外国人を支援するための機関であるのに対し、監理団体は技能実習生を支援する団体です。
ただし、監理団体が登録支援機関を兼ねているケースもあります。
2つの機関の主な違いは以下の通りです。
| 項目 | 登録支援機関 | 監理団体 |
|---|---|---|
| 対象制度 | 特定技能制度 | 技能実習制度(2027年に育成就労制度へ移行予定) |
| 対象となる外国人 | 特定技能1号外国人 | 技能実習生 |
| 主な役割 | 支援計画の作成・実施の代行 | 技能実習計画の認定申請・監査・指導 |
| 登録・許可 | 出入国在留管理庁への登録 | 外国人技能実習機構による許可 |
| 受入企業との関係 | 委託契約 | 協定・監理契約 |
登録支援機関は、特定技能外国人の受入れを円滑に進めるための重要なパートナーです。制度の違いを正しく理解したうえで、自社の採用形態に合った機関を選ぶことが重要です。
登録支援機関が行う10項目の支援内容
登録支援機関が担う支援は、法律で定められた「義務的支援」10項目が中心です。受入企業はこれらをすべて実施する義務があり、登録支援機関に委託した場合は機関が企業に代わって対応します。
- ①事前ガイダンスの実施
入国前に、業務内容・報酬・住居・相談窓口などの情報を外国人が理解できる言語で説明します。 - ②出入国時の送迎
入国時・帰国時に空港等への送迎を行います。公共交通機関の利用が難しい外国人を安全にサポートします。 - ③住宅確保・生活に必要な契約のサポート
住居の確保や、銀行口座の開設・携帯電話の契約など、生活インフラの整備を支援します。 - ④日本での生活オリエンテーションの実施
入国後に、日本のゴミの分別ルール・交通ルール・医療機関の利用方法など、日常生活に必要な情報を提供します。 - ⑤公的手続きなどへの同行
市区町村への転入届・マイナンバー取得・社会保険の手続きなど、必要な公的手続きに同行・補助します。 - ⑥日本語学習機会の提供
日本語学習のための情報提供や、学習機会の案内・確保を行います。 - ⑦相談・苦情対応
職場や生活上のトラブル・悩みを外国人が理解できる言語で相談できる窓口を設け、適切に対応します。 - ⑧日本人との交流促進
自治会・地域行事・社内イベントなどへの参加を促し、日本人との交流機会を確保します。 - ⑨転職支援(受入れ側の都合による契約解除の場合)
受入企業の都合で雇用契約を解除する場合、外国人が新たな受入企業を見つけられるよう求職活動を支援します。 - ⑩定期的な面談・行政機関への通報
支援責任者または支援担当者が外国人・その監督者と3か月に1回以上面談を行い、労働基準法違反などが疑われる場合は行政機関に通報します。
また、義務的支援のほかに、日本語教育の実施・地域交流行事への参加促進といった「任意的支援」を支援計画に盛り込むことも可能です。ただし、任意的支援であっても、いったん支援計画に記載した場合は必ず実施する義務が生じる点に注意が必要です。
これらの支援は在留期間を通じて継続的に実施する必要があるため、自社での対応には相応の人的コストがかかります。対応できる言語・担当者の確保・記録管理など、体制が整っていない企業にとっては大きな負担となりやすいため、登録支援機関への委託を検討する価値があります。
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支援業務は登録支援機関に委託すべき?
支援は受入企業が自社で行うことも可能ですが、自社支援には一定の要件を満たす必要があり、すべての企業が選べる選択肢ではありません。
委託が必須のケース
以下のいずれかに該当する場合、支援のすべてを登録支援機関に委託しなければなりません。
- 過去2年間に、中長期在留者(特定技能外国人を含む)の受入れ・管理を適切に行った実績がない
- 外国人が十分に理解できる言語で支援できる体制が整っていない
- 支援責任者・支援担当者を選任できない
初めて特定技能外国人を受け入れる企業の多くは、受入れ実績がないためこのケースに該当し、登録支援機関への全部委託が事実上必須となります。
自社か委託かを選べるケース
過去2年以内に特定技能外国人または外国人技能実習生の受入れ実績があり、かつ以下の要件をすべて満たす企業は、自社支援を選択できます。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| 支援責任者の選任 | 役員または管理職の中から支援責任者を選任できること |
| 支援担当者の選任 | 外国人と日常的に連絡が取れる支援担当者を選任できること |
| 言語対応 | 外国人が理解できる言語で支援を行える体制があること |
| 中立性の確保 | 支援責任者・担当者が外国人の監督者を兼務しないこと |
支援の外部委託は必須ではなく、自社支援(自社管理)を選ぶ企業も増えています。自社支援の利点はコスト面だけでなく、ノウハウの蓄積・外国人との信頼関係の構築など、さまざまなメリットがあります。
自社支援は費用を抑えられる一方、言語対応・法令対応・人的コストの負担が大きく、体制が整っていない企業には現実的ではありません。受入れ実績がある企業でも、法令対応や多言語対応の負担から、登録支援機関へ委託する企業も多く見られます。
まずは自社の体制と受入れ規模を照らし合わせながら、どちらが自社に合っているかを判断しましょう。
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特定技能の登録支援機関を活用して、外国人受入れを成功させよう
この記事では、特定技能における登録支援機関の役割から、10項目の支援内容、活用すべきかどうかまでをまとめて解説しました。
登録支援機関は単なる「手続き代行業者」ではなく、外国人材の定着・活躍を支えるパートナーです。支援の質・対応言語・費用体系・得意とする分野などを比較したうえで、自社の受入れニーズに合った信頼できる機関を選び、特定技能外国人の採用を成功させましょう。

