店舗の会計設備として、小売店や飲食店、美容サロンなど、さまざまな業種で活用されているものがPOSレジです。
売上管理機能や在庫管理機能の備わっている機種が多いことから、基本的なレジ設備としてだけでなく、在庫量・仕入れ量の最適化や集客・販促施策の立案などにも活用できます。
そんなPOSレジですが、購入すると数十万円~数百万円かかるケースも少なくありません。
例えば、期間限定出店の店舗で短期間のみ利用したい場合や、本格導入前にお試しで導入してみたいという方もいるでしょう。
そこでおすすめなのが、POSレジのレンタルサービスです。本記事では、POSレジのレンタルサービスを活用するのにおすすめのシーンや活用するメリット、おすすめのPOSレジレンタルサービスについて詳しく解説します。
POSレジのレンタルサービスとは
POSレジのレンタルサービスとは、POSシステムが備わっているレジ設備のレンタル利用ができるものです。POSシステムのPOSは「Point of sales」の頭文字を取ったもので、販売時点情報管理を意味します。
POSレジを経由して商品の販売や飲食代金の清算などを行うと、売上情報が記録されていく仕組みです。過去の売上データをもとに、在庫量や発注量をコントロールできるようになるため、商品のロスを減らして在庫量の最適化を図れるメリットがあります。
しかし、POSレジを導入するためには数十万円~数百万円のコストがかかるため、短期間での利用や試験導入のために購入するのは不向きです。
POSレジのレンタルサービスを活用すれば、低コストで最新機能が備わったPOSレジを導入できるため、短期出店時の活用やお試し導入に適しています。
参考記事:POSレジ・POSシステムの違いとは?主な機能と導入方法まとめ
POSレジのレンタルにおすすめの活用シーン
POSレジのレンタルサービスがおすすめなのは、以下のようなシーンでの活用です。
- イベント出店
- ポップアップストア
- 展示会・物産展
- お試し導入
それぞれ具体的にどのような用途で利用できるのか、POSレジのレンタルサービスを効果的に活用する方法について解説します。
イベント出店
POSレジのレンタルサービスは、イベント出店時の利用に適しています。イベント出店は、1日~1週間程度の出店になるケースが多く、POSレジを購入するよりもレンタルの方が負担を抑えられるためです。
POSレジのレンタルサービスによっては、1日~1週間程度の期間のみの短期利用ができるものもあるので、活用してみると良いでしょう。ただし、POSレジを使用するにはインターネット環境が必要になります。
タブレットPOSレジやモバイルPOSレジなど、端末でネット接続ができるサービスの利用もおすすめです。また、会計対応のみで良い場合は、決済端末を導入する方法もあります。
ポップアップストア
ポップアップストアも、POSレジのレンタルにおすすめの活用シーンです。ポップアップストアとは、期間限定で店舗を出店する方法のことを指します。
例えば、ECショップのみを経営しているブランドが出店したり、店舗がない地域に期間限定で出店したりして、認知度向上やECショップの販促を行うケースが一般的です。
テナントを数日~数カ月程度利用して出店することが多いため、出店期間に合わせてPOSレジをレンタルしておくと良いでしょう。
展示会・物産展
展示会や物産展も、POSレジのレンタルにおすすめの活用シーンです。イベント出店と同様に、インターネット環境の有無によって、利用するPOSレジのレンタルサービスを検討する必要があります。
通信環境が整っている屋内での出店であれば、通信エラーの発生しにくい有線接続可能なPOSレジが最適です。無線接続の場合、来場者が多いことから通信エラーが発生し、レジ業務に影響が出る恐れもあります。
無線接続でも利用に支障はないものの、レジのエラーによってキャッシュレス決済が利用できなくなり、収益機会の損失につながらないように注意が必要です。
お試し導入
POSレジのレンタルサービスは、店舗で導入するPOSレジを比較検討する際のお試し導入にもおすすめです。POSレジのレンタルサービスはさまざまな種類のものがあり、POSレジを販売している事業者が試験導入期間を設けているケースもあります。
POSレジのレンタルのみに対応しているサービスではなく、販売を手掛けている事業者の試験導入やお試し利用を目的としたプランを活用して、購入する前に実機を試してみるのもおすすめです。
POSレジをレンタル利用するメリット
POSレジをレンタル利用するメリットは、以下の5項目です。
- コストの無駄がない
- 減価償却計上する必要がない
- レンタル費用を全額経費計上できる
- 手ごろな価格で最新設備を導入できる
- 故障時やエラーの対応などサポートサービスが充実している
POSレジのレンタルサービスを利用すれば、利用したい期間のみの費用負担で済むため、コストの無駄なく導入できるメリットがあります。
また、レンタル費用は全額経費計上できる上に、購入ではないため減価償却計上する必要がなく、会計計上の方法もシンプルです。
さらに、最新設備を手ごろな価格帯で利用できるので、購入するには手が届かなかった機種も導入できる場合があります。利用中のサポートサービスが充実しているものも多く、故障時やシステムエラーなどへの対応もスムーズで安心して利用できるでしょう。
POSレジレンタルサービスの選び方
POSレジのレンタルサービスを選ぶ際は、以下の3項目を意識しましょう。
- レンタル期間で選ぶ
- 機能で比較する
- 費用で選ぶ
それぞれの項目について、具体的にどのようなポイントで比較検討すれば良いのか詳しく解説します。
レンタル期間で選ぶ
POSレジのレンタルサービスを比較検討する際は、自身が利用したいレンタル期間に対応しているかを確認して選ぶことが大切です。
POSレジのレンタルサービスを提供している事業者の中には、最短1日の利用に対応しているものから、数カ月単位の契約が必要なものまで幅広い契約期間の選択肢があります。
1日だけ利用したいにもかかわらず、数カ月単位の利用にのみ対応しているレンタルサービスを選ぶと、コストの無駄になるので注意しましょう。
機能で比較する
POSレジのレンタルサービスを選ぶ際は、レンタル機器の機能で比較するのもポイントの1つです。
キャッシュレス決済に対応しているか、モバイルオーダーと連携できるか、売上管理・在庫管理機能は使いやすいかなど、欲しい機能が備わっているかチェックしておきましょう。
POSレジによっては業種に特化している製品もあるので、長期的な利用も視野に入れているのであれば、業種特化タイプのPOSレジを導入するのもおすすめです。
クラウドPOSレジやタブレットPOSレジであれば、無料で導入できるサービスもあります。レンタル利用ではないものの、決済手数料の負担だけで導入できるので、短期利用にもおすすめです。
無料で導入できるおすすめのタブレットPOSレジについては、以下の記事で紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
参考記事:【2025年版】タブレットPOSレジとは?無料で導入できるおすすめサービスを5選紹介
費用で選ぶ
POSレジのレンタルービスを利用する際は、レンタル費用を比較した上で導入するものを選ぶことが大切です。
レンタルとはいえ、自動釣銭機搭載型のPOSレジのような大型設備を借りる場合、1週間で10万円以上の料金が必要になるケースも少なくありません。
利用したい期間の長さや導入したい機能を踏まえて、複数のレンタルサービスの利用料金を比較検討しましょう。
また、数カ月単位で利用する場合、金額によっては購入した方が安く済むケースもあります。数カ月単位の中期利用を検討している場合は、購入した際にかかる費用とも比較検討しておくと良いでしょう。
POSレジのレンタルサービスおすすめ5選を比較紹介
ここからは、POSレジのレンタルサービスの中からおすすめの事業者を5選紹介します。各サービスの特徴や強み、おすすめの利用方法についても解説していますので、比較検討する際の参考としてお役立てください。
スマレジ
出典:株式会社スマレジ
POSレジの販売を手掛けているスマレジでは、レンタルプランの利用にも対応しています。タブレット型POSレジのレンタルに対応しており、追加でレシートプリンターやバーコードリーダー、キャッシュドロアのレンタルも可能です。
レンタル期間は、10日間単位で設定されているため、10日間~30日間程度POSレジを利用したい方に適しています。
また、スマレジのPOSレジを長期的に利用したい場合にも対応しており、飲食向けのフードビジネスプランや、高度な在庫管理が可能な小売業向けのリテールビジネスプランなども加入可能です。
さらに、スマレジのアカウント作成後30日間は、無料ですべてのPOSレジ機能と導入サポートが利用できます。短期間レンタル、長期利用、お試し利用のすべてに対応しているサービスです。
ユニエイム
出典:株式会社ユニエイム
短期間のPOSレジレンタルを検討しているのであれば、ユニエイムのレンタルレジスターの利用がおすすめです。POSレジは最短1週間から、マルチ決済端末であれば最短1日からレンタルできます。
ユニエイムはPOSレジだけでなく、手入力でレジ打ちを行う簡易レジスターのレンタル利用にも対応しており、1週間5,000円からレンタルできるものがあるのも特徴です。
POSレジの場合は、一体型POSレジ・タブレットPOSレジで1週間45,000円から、スマホレジやモバイルPOSレジの場合は1週間35,000円から利用できます。
決済端末にPOS機能が備わっているPOSレジ端末もレンタルできるので、さまざまな機種から選択できる点がユニエイムの魅力です。
Easy POS
出典:株式会社メガ
POSレジの中期的な利用を検討しているのであれば、Easy POSの利用もおすすめです。Easy POSは、最短利用期間6カ月からのレンタル利用が可能なサービスで、導入・設置にかかる初期費用無料で利用できます。
レンタル料金は月額15,000円から(5年リース契約の場合)となっており、利用期間に応じて月額利用料が異なるため、詳細な料金については直接相談してみると良いでしょう。
また、申し込みから最短3日で利用を開始できる導入スピードの速さも特徴です。数カ月~数年単位で、POSレジレンタル・リース利用を検討している方に適しています。
FreePOS
POSレジのレンタルを検討しているのであれば、FreePOSの活用もおすすめです。FreePOSは、イベントや展示会などでの短期利用や、店舗での中期利用に対応しているレンタルPOSレジサービスで、状況に応じてレンタル期間を選択できます。
短期利用の場合は、2週間までのレンタルで1台あたり35,000円です。POSレジ本体だけでなく、キャッシュドロアやカスタマーディスプレイ、レシートプリンター、バーコードリーダーもセットになっています。
中期利用の場合は、6カ月もしくは12ヶ月以上の利用契約となるため、中途解約すると違約金が発生する点に注意しましょう。中期契約の場合、POSレジ本体は月額8,400円(税抜)で利用できます。(周辺機器別途)
【中期利用向け】REGIX
出典:グローリー株式会社
中期利用を目的としてPOSレジを利用したい場合は、グローリー株式会社のREGIXもおすすめです。レンタルほどの短期間利用はできませんが、5年間の中期リース・サブスク契約を締結すれば、多機能POSレジをリーズナブルな価格で利用できます。
他社のレンタル製品と異なる点は、自動釣銭機機能が搭載されているモデルである点です。初期費用ゼロで購入すると高額な費用がかかる機種を利用できるため、店舗に導入するPOSレジの購入にかかる費用を抑えたい方にも適しています。
セミセルフレジとしても利用可能な、液晶ディスプレイタイプのPOSレジが利用できるベーシックプランの場合、月額30,000円(税抜)で利用することが可能です。
参考記事:POSレジのおすすめ9選|業種ごとに最適なシステムを比較紹介!
まとめ
POSレジのレンタルサービスは多種多様にありますが、POSレジレンタル業者によって利用できる機種に違いがあったり、利用できる期間が異なっていたりする点に注意が必要です。
また、POSレジのレンタル利用は、購入するよりも導入コストを安く抑えられるメリットがある反面、長期的に利用した場合は購入した方が割安になるケースもあります。
POSレジの購入には、補助金・助成金制度が活用できる場合もあるので、費用面で購入を迷っているのであれば、補助金・助成金制度を活用して導入できないかチェックしてみるのもおすすめです。