飲食店の事前決済機として活用されている券売機は、現金決済のイメージがある方も多いのではないでしょうか。
しかし近年、キャッシュレス決済のニーズが高まる中で、券売機でのキャッシュレス決済への対応を進める企業が増加傾向にあります。
キャッシュレス決済に対応できる機種の中には、多言語表示にも対応しているものがあるなど、インバウンド対策としても注目されている点が特徴です。
本記事では、キャッシュレス決済券売機を導入するメリットや、おすすめの機種を7選紹介します。
また、キャッシュレス決済に対応している券売機を選ぶ際に、意識しておきたいポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
キャッシュレス決済対応券売機について
券売機は、自動券売機とも呼ばれる、食券やサービスチケット・カードなどを購入できる設備です。
まずは、キャッシュレス決済対応の券売機とはどのような設備なのか、券売機の種類やキャッシュレス決済と呼ばれる決済方法について解説します。
券売機の種類
券売機は、大きく分けて以下の3種類あります。
- 卓上式・小型式券売機
- ボタン式券売機
- タッチパネル式券売機
それぞれ具体的にどのような機種なのか、特徴や強みについて見ていきましょう。
卓上式(小型)券売機
卓上式券売機は小型券売機とも呼ばれ、卓上に設置して使用するタイプの比較的小さな券売機のことです。小型のため、メニュー数が少ない店舗での導入に適しています。
券を購入する方法としては、ボタン式・タッチパネル式どちらのタイプも販売されている点が特徴です。ただし、他の券売機と比べて持ち出せる重さのため、防犯対策を十分に行う必要があります。
ボタン式券売機
ボタン式券売機は、一般的によく見られるボタンを押して購入するタイプの券売機です。メニュー名と価格をボタンに表示させて使用するもので、タッチパネル式よりも低コストで導入できる傾向にあります。
ただし、ボタンの数分のメニューしか載せられないため、コースメニューや選択肢が多いセットメニューなどには対応できません。
また商品の写真を掲載できる機種でも、小さな写真しか掲載できない点に注意が必要です。POPを作成するなど、顧客にメニューをイメージしてもらいやすくなるような工夫を講じると良いでしょう。
タッチパネル式券売機
タッチパネル式券売機は、液晶モニターにタッチパネルを搭載しているタイプの券売機です。モニターにメニューを表示させられるため、メニュー数に制限がないという特徴があります。
また、表示切替が可能なため、多言語対応やセットメニューの選択ができるのもタッチパネル式券売機の強みです。ただし、導入コストはほかの2機種よりも高くなる傾向にあります。
券売機にはさまざまな種類の製品があり、店舗の規模やメニュー数に合わせて、導入する券売機の種類を検討することが大切です。
キャッシュレス決済に該当する決済方法
キャッシュレス決済と呼ばれる決済方法は、以下の決済手段が挙げられます。
- クレジットカード決済
- ICカード・電子マネー決済
- バーコード決済
- QRコード決済
キャッシュレス決済のうち、クレジットカード決済に対応するには、カードのICチップを読み取るかタッチ決済に対応している決済端末の導入が必要です。
また、Suica・ICOCAなどの交通系ICカードや、WAON・nanacoなどの電子マネー対応を行う場合も、読み取る機材が必要になります。
バーコード決済・QRコード決済の場合も、バーコードリーダーや決済用QRコードの設置を行わなければなりません。
中には、券売機にキャッシュレス決済が備わっている機種もあります。読み取り機能が搭載されていたり、券売機と連携できる決済機があったりして、券売機に決済機が付属している点が特徴です。
また、キャッシュレス専用券売機もあれば、現金決済にも対応している機種もあるなど、多様な決済方法の中から導入する機種を選択できます。
キャッシュレス決済対応の券売機を導入するメリット
キャッシュレス決済対応の券売機を導入すると、店舗にとって以下のメリットがあります。
- 収益機会の損失を防げる
- 券売機の回転率向上につながる
- 釣銭切れなどに対応する業務負担が軽減できる
- 窃盗などの犯罪リスクが軽減される
ランチタイムなど、混雑時間帯には券売機に行列ができるケースも少なくありません。
キャッシュレス決済対応の券売機であれば、現金を取り出したり釣銭を財布にしまったりする動作が短縮されるため、券売機の回転率が向上します。
また、釣銭切れを起こす回数が減る上に集計作業も自動化されるため、業務負担軽減につながるのも特徴です。
現金を券売機にほとんど搭載する必要がなくなることから、券売機窃盗などの犯罪リスク軽減にもつながります。
キャッシュレス決済対応の券売機は、現金決済にも対応している機種があるのも特徴です。現金決済を希望する顧客のニーズも満たしつつ、キャッシュレス化による利便性向上と顧客ニーズに応えることの両立ができます。
キャッシュレス決済対応の券売機おすすめ7選
ここからは、キャッシュレス決済対応の券売機を提供している事業者の中から、おすすめを7選紹介します。
事業者ごとのサービスの特徴や、券売機導入にかかる費用の目安についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
ユニエイム
出典:株式会社ユニエイム
ユニエイムは、券売機POSレジやセルフレジのレンタルサービスを提供している事業者です。
最短1日からレンタル可能なため、ポップアップストアやイベント出店、キッチンカーなど、短期出店時の利用にも適しています。
ユニエイムの券売機は、セルフレジ券売機として利用できる上にPOSレジ機能が搭載されているため、売上管理や在庫管理も券売機で行える点が特徴です。機種は、インボイス対応ができるほか、新紙幣・新硬貨にも対応しています。
また、券売機POSレジは、日本語・英語・中国語・韓国語の4カ国語表示に対応しているため、多言語表示機能が欲しい店舗での導入にも最適です。
プラン名 | 利用料金 |
---|---|
ー | 要問い合わせ |
参考サイト:ユニエイム公式サイト
ELESTYLE
出典:ELESTYLE株式会社
ELESTYLE は、セルフレジや自動販売機など、店舗経営に必要な設備を提供しています。
ELESTYLE が提供している設備のうち、券売機機能が備わっているものは「OneQR Retailing for セルフレジ」です。この機種の特徴は、1台で券売機だけでなくセミセルフレジやフルセルフレジの3役をこなしてくれる点にあります。
また、キッチンとの連携も可能なため、飲食店におけるオーダー受注の業務フローを効率化することも可能です。
自動メニュー更新や売り切れ表示にも対応しており、店内の状況を券売機へリアルタイムに反映できます。
プラン名 | 利用料金 |
---|---|
ー | 0円~20万円(初期費用) |
※決済手数料別途必要
参考サイト:ELESTYLE公式サイト
スマレジ
出典:株式会社スマレジ
スマレジは、さまざまな決済機器の販売、レンタル・サブスクサービスを提供している事業者です。POSレジやセルフレジのほか、タッチパネル式券売機も提供しています。
スマレジのタッチパネル式券売機は、キャッシュレス決済に対応している機種と、キャッシュレス決済+現金決済に対応している機種があるのも特徴です。
また、卓上券売機にあたる「テーブルトップタイプ」も導入できます。多言語表示にも対応しているほか、導入する際には購入だけでなくサブスク利用も選択できるため、初期費用を抑えたい方におすすめです。
プラン名 | 利用料金 |
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スタンダードプラン ※基本のPOSレジ機能のみ利用できるプラン | 0円/月額 |
プレミアムプラン | 5,500円/月額 |
プレミアムプラスプラン | 8,800円/月額 |
フードビジネスプラン ※キッチン伝票出力に対応 | 12,100円/月額 |
リテールビジネスプラン | 15,400円/月額 |
※タッチパネル式券売機の導入には、プレミアムプラスプラン以上の加入が必要
※タッチパネル式券売機本体の導入費用は別途
参考サイト:スマレジ公式サイト
GLORY
出典:グローリー株式会社
GLORYは、決済機やオフィス用品、業務効率化システムなどを取り扱っている事業者です。券売機にも対応しており、複数種類の券売機から店舗に合わせて最適な機種を導入できます。
卓上式券売機・ボタン式券売機・タッチパネル式券売機をすべて取り扱っているため、導入する機種に迷ったときは、一度相談してみると良いでしょう。
また、GLORY最大の特徴は、圧倒的なサポートサービスの充実度にあります。
継続保守契約のほか、スポット保守サービスやシステム保守サービスにも対応しているため、システムトラブルや券売機の故障が発生した際にも安心です。
また、券売機を導入する際に「店舗支援ASPサービス」も利用すれば、従業員の勤怠管理やシフト管理、店舗の売上管理・メニュー別集計による売上分析なども行えます。
プラン名 | 利用料金 |
---|---|
ー | 要問い合わせ |
参考サイト:GLORY公式サイト
券売機.JP
出典:株式会社パルサー
券売機.JPは、あらゆる利用シーンを想定した券売機の販売、レンタル・リースサービスを提供している事業者です。
レンタル利用の場合は、最短1日から利用できます。券売機.JPの特徴は、券売機の豊富なラインナップと多彩な選択肢の中から導入方法を選択できる点です。
ラーメン店やフードコート、テイクアウト店、温泉施設向けなど、業種に特化した機種も豊富に取り揃えています。
また、導入方法は、以下の選択肢から選べるため「導入コストを抑えたい」「補助金・助成金を活用して一括購入したい」など、さまざまなニーズに対応しているのも魅力です。
- 現金一括支払い
- ビジネスクレジット(支払い回数任意)
- クレジットカード(支払い回数任意)
- リース(60~72回払い)
- レンタル(解約時まで支払い継続)
導入する機種の選定や、詳しい料金については直接券売機.JPにお問い合わせください。
プラン名 | 利用料金 |
---|---|
ー | 要問い合わせ |
参考サイト:券売機.JP公式サイト
券売機プロ
出典:エフ・エス株式会社
券売機プロは、あらゆる券売機の販売やリースを手掛けている事業者です。券売機プロの特徴は、券売機の豊富なラインナップに加え、券売機のオリジナルラッピングにも対応している点にあります。
店舗の雰囲気に合わせたラッピングが可能なため、木目調やカラフルでポップなデザインなど、店舗独自の券売機を導入することが可能です。
また、券売機プロでは券売機のリユース販売も手掛けており、中古券売機の導入にも対応しています。ただし、中古券売機にはメリット・デメリットがあるため、相談した上で検討しましょう。
レンタルには対応していませんが、リース利用やクレジット払いによる分割支払いに対応しています。
プラン名 | 利用料金 |
---|---|
ー | 要問い合わせ |
参考サイト:券売機プロ公式サイト
CASHIER
出典:株式会社ユニエイム
CASHIERは、株式会社ユニエイムが提供しているクラウド型POSレジサービスを展開する事業者です。卓上式券売機(テーブルトップ型)、フロアスタンド型、自動釣銭機連携型の3種類の中から導入する機種を選択できます。
CASHIERの特徴は、CASHIERが提供しているPOSシステムの「CASHIER POS」と連携することが可能な点です。
幅広いキャッシュレス決済に対応しているほか、オプション利用契約を締結すれば在庫管理機能やモバイルオーダー機能も導入できます。
プラン名 | 初期費用 | 利用料金 |
---|---|---|
券売機プランA | 398,000円~ | 9,400円/月額 |
券売機プランB | 1,198,000円~ | 11,400円/月額 |
券売機リースプラン | 0円 | 28,650円/月額 |
参考サイト:CASHIER公式サイト
キャッシュレス決済対応の券売機を選ぶポイント
キャッシュレス決済対応の券売機を選ぶときは、以下のポイントを意識することが重要です。
- メニュー数で券売機の種類を選ぶ
- キャッシュレス決済の種類で選ぶ
- 多言語対応の必要性で選ぶ
ここからは、キャッシュレス決済に対応している券売機を導入する際、最適な機種を選ぶための比較ポイントについて解説します。
メニュー数で券売機の種類を選ぶ
メニュー数で導入する券売機の種類を選びましょう。店舗のメニュー数が多い場合は、タッチパネル式券売機がおすすめです。メニュー数が限られているのであれば、タッチパネル式券売機や卓上式券売機も良いでしょう。
タッチパネル式券売機の場合、セットメニューの選択表示やコース料理の選択などにも対応しています。
例えば、セットメニューのメイン料理やドリンクのみ顧客に選んでもらいたい場合なども、券売機で対応することが可能です。
また、メニューの写真も掲載できるため、テーブルオーダーのメニューのように顧客に見て選んでもらえるメリットがあります。
一方で、店舗の規模が小さい場合は、導入コストが抑えられるボタン式券売機の導入がおすすめです。設備にかける費用を最小限に抑えたいのであれば、ボタン式券売機でキャッシュレス決済対応の機種を選ぶと良いでしょう。
キャッシュレス決済の種類で選ぶ
キャッシュレス決済対応の券売機を導入する場合は、対応しているキャッシュレス決済の種類で機種を選ぶのもおすすめです。
キャッシュレス決済は多様化しており、顧客によって利用している決済サービスもさまざまです。多様なキャッシュレス決済に対応できる機種であれば、収益機会を逃すことなく営業できます。
とくに、QRコード決済サービスは種類が多い上に、インバウンド対策を兼ねるのであれば海外の決済サービスへの対応も必要になるでしょう。
顧客層に合わせて、どのようなキャッシュレス決済サービスに対応していくかを明確にした上で、導入する機種を比較検討しましょう。
券売機ではなく、セルフレジを導入する選択肢もあります。セルフレジの中には券売機機能が搭載されているものもあるので、詳しくは以下の記事を参照ください。
参考記事:セルフレジでQRコード決済対応のおすすめ機種5選|決済方法の種類や機能を比較紹介
多言語対応の必要性で選ぶ
店舗における多言語対応の必要性に応じて、券売機の機種を選ぶのも重要なポイントです。
キャッシュレス決済に対応している券売機には、多言語表示機能が搭載されているものもあります。とくに、タッチパネル式券売機の場合は多言語表示機能搭載のモデルが多い傾向です。
インバウンドの顧客が多い店舗であれば、多言語表示機能が搭載されている券売機を選ぶと良いでしょう。
また、どの国からの旅行者が多いのかがわかれば、旅行者の出身国に合わせた言語に対応している券売機を選択するのも効果的です。
券売機で多言語対応できるようになれば、インバウンド顧客からの収益も期待できるでしょう。
まとめ
券売機は近年さまざまな進化を遂げており、キャッシュレス決済や多言語表示など、機能も充実しています。
一方で、豊富な機能が備わっている券売機は、導入コストが高くなることに不安を抱えている方もいるでしょう。
導入コストに不安がある場合は、券売機を購入するのではなく、レンタルやリース・サブスク契約で導入するのもおすすめです。
ただし、キャッシュレス決済対応の券売機の場合は、低コストでレンタル利用できても決済手数料が発生するケースが多いため、導入費用だけでなくランニングコストも確認しておきましょう。