券売機といえば、ラーメン店や定食屋にあるボタン式券売機のほか、駅で切符を購入するための自動券売機をイメージする方が多いのではないでしょうか。
近年、券売機にはさまざまな機能が搭載されており、詳細な注文に対応できたり、多言語表示機能が備わったりしているタッチパネル式券売機も広まっています。
そんな券売機では、キャッシュレス決済に対するニーズに対応すべく、クレジットカードや交通系ICカードのほか、QRコード決済に対応している機種も増加傾向です。
本記事では、QRコード決済対応の券売機について、具体的にどのような設備なのか、QRコード決済対応の券売機を導入する方法について解説します。
また、QRコード決済対応の券売機の中から、おすすめの機種を5選と既存の券売機にQRコード決済を導入できる、外付け端末も2選紹介していますのでぜひ参考にしてください。
QRコード決済対応の券売機とは?

QRコード決済対応の券売機とは、その名の通り、QRコード決済で乗車券や食券・入場券などの購入ができる設備を指します。
駅や飲食店、アミューズメント施設などさまざまな場所で導入されている注文・決済設備です。一般的な券売機と言えば、任意のボタンを押して現金を投入し、購入するタイプのボタン式券売機が挙げられます。近年では、タッチパネル操作を行うタッチパネル式券売機の登場により、より幅広い券種の販売ができるようになりました。
QRコード決済対応の券売機では、PayPayや楽天Pay、auPayなどのいわゆる「ペイ払い」に対応している機種が多くあります。
また、QRコード決済以外のキャッシュレス決済や、現金決済にも対応している場合があるのも特徴で、幅広い顧客の決済ニーズに対応できる手段として効果的な設備です。
参考記事:券売機とは?食券機(食券自販機)・発券機・精算機との違いや活用シーンについて解説
飲食店・施設向けの券売機でQRコード決済に対応する方法は2通り
駅の乗車券を販売する券売機ではなく、飲食店の食券や施設の入場券・利用券などを販売する券売機でQRコード決済に対応する方法は、以下の2通りです。
- キャッシュレス決済に対応している券売機を導入する
- 券売機に外付けできるキャッシュレス決済端末を導入する
それぞれの特徴や、導入方法の違いについて解説します。
キャッシュレス決済に対応している券売機を導入する
券売機でQRコード決済に対応するには、機種そのものにキャッシュレス決済機能が備わっているものを選び、導入する方法が挙げられます。券売機自体にキャッシュレス決済機能が備わっていれば、別途決済端末を導入する必要がありません。
また、1台でさまざまなキャッシュレス決済に対応できることから、別途決済端末を導入するよりも省スペースで設置できるメリットもあります。
券売機に外付けできるキャッシュレス決済端末を導入する
券売機でQRコード決済に対応するには、券売機に外付けできるキャッシュレス決済端末を導入するのも方法の1つです。
連携できる券売機が指定されている場合もあるため、券売機に決済端末を外付けする場合は連携可能か確認しておく必要があります。
決済端末の外付けに対応していない券売機をすでに導入している場合は、買い替えも含めて検討しましょう。
券売機を購入する以外にも、レンタル・リース・サブスクで導入する方法もありますが、自店舗に合う導入方法を比較しながら選定することが大切です。
参考記事:券売機は購入・レンタル・リース・サブスクどれが一番お得?価格・費用の目安について解説
【飲食店・施設向け】QRコード決済対応のおすすめ券売機5選
ここからは、QRコード決済に対応しているおすすめの券売機を5選紹介します。タッチパネル式券売機・ボタン式券売機の違いや機能の差も踏まえ、各社の強みや特徴について比較してみましょう。
| 券売機名 | 特徴 | おすすめの設置場所 |
|---|---|---|
| CASHIER | クラウド型で低コスト導入が可能。キャッシュレス中心で省人化・効率化に強い | テイクアウト店・カフェ・イベント会場・小規模アミューズメント施設 |
| VMT-620|エフ・エス | 卓上サイズながら大型ディスプレイ搭載。省スペースでも高機能な運用が可能 | 小規模飲食店・売店・温浴施設の受付横・物販カウンター |
| KBシリーズ|エルコム | ボタン式券売機の現金運用をベースにQRコード決済にも対応。既存オペレーションを維持しつつキャッシュレス化できる | ラーメン店・定食屋・温浴施設・レジャー施設の入場券販売 |
| smooder|日本カード | キャッシュレス特化型の次世代券売機。多様な決済手段に対応し非接触でスムーズな注文が可能。自動釣銭機との連携導入もできる | フードコート・大型飲食店・テーマパーク・アミューズメント施設 |
| スマレジ(テーブルトップ型) | POSと連携したタブレット型。会計・注文・売上管理を一元化できる柔軟性が強み | カフェ・ベーカリー・物販店舗・温浴施設内の飲食・売店 |
CASHIER

QRコード決済に対応しているタッチパネル式券売機を導入するのであれば、CASHIERがおすすめです。CASHIERでは、キャッシュレス決済専用端末のフロアスタンド型・テーブルトップ型と、自動釣銭機搭載型の3種類の券売機を提供しています。
スリムな設備なので省スペースで設置できる点が特徴で、QRコード決済以外のクレジットカード決済や電子マネー決済にも対応可能です。
IT導入補助金や業務改善助成金などの補助金・助成金制度を利用した導入実績もあるため、最新の券売機を費用を抑えながら導入したい方に適しています。
VMT-620|エフ・エス

QRコード決済対応のコンパクトな券売機を導入したいのであれば、エフ・エス株式会社のVMT-620シリーズがおすすめです。タッチパネル式券売機ながら、自動釣銭機機能が一体型になっている点が特徴で、テーブルトップ型として設置できるため、小規模店舗でも設置場所を取りません。
特筆すべきは「まとめ発券機能」で、同時購入した商品を1枚にまとめて発券できます。グループ顧客の対応時に食券や入場券・利用券が、大量印刷される負担がなく、紛失の防止や管理負担の軽減につながる点が魅力です。
多言語表示機能も搭載しているほか、QRコード決済以外のクレジットカード決済や電子マネー決済も利用できます。現金決済専用機(低額紙幣タイプ・高額紙幣タイプ)と、キャッシュレス決済対応機(低額紙幣タイプ・高額紙幣タイプ)の4種類から選択することが可能です。
KBシリーズ|株式会社エルコム

株式会社エルコムのKBシリーズは、誰にでも使いやすいボタン式券売機の現金運用の安定性を維持しながら、オプションでQRコード決済・電子マネー決済端末を組み込める実用性の高い券売機です。
既存のオペレーションを大きく変えることなくQRコード決済に対応できる点が特徴で、ボタン式券売機の使いやすさを維持したままキャッシュレス決済ニーズに対応できます。
キャッシュレス決済端末をオプションで追加する場合、最大63口座のボタン配置に対応しているため、比較的メニュー数の多い店舗でも導入しやすい点が強みです。
smooder|日本カード株式会社

株式会社日本カードのsmooderは、キャッシュレス決済に特化した次世代型の券売機です。クレジットカード・電子マネー・QRコード決済に幅広く対応しており、現金のやり取りをなくすことで非接触対応を実現します。
タブレット感覚で操作できる直感的なUIを採用しているため、来店客が迷わず注文できる点が特徴で、飲食店のみならずアミューズメント施設や温浴施設などでの入場券販売にも対応可能です。また、メニューの切り替えや価格変更も柔軟に行えるため、時間帯別の販売戦略にも対応できます。4か国語表記にも対応しており、インバウンド対策にも効果的です。
さらに、卓上型から大型モデルまでラインナップがあり、店舗の規模やレイアウトに合わせて最適な形で導入できる特徴もあります。独自の電子マネー(ハウスマネー)を導入して決済を行うことも可能なため、社員食堂・学食といった社内・学内設置にも最適な一台です。
スマレジ

POSレジシステムで知られる株式会社スマレジでも、コンパクトなタッチパネル式券売機を提供しています。メニュー表示画面のカスタマイズ性の高さが魅力で、有料のトッピングメニューの追加を促すオプションメニューの表示にも対応している点が特徴です。
多言語表示機能はもちろん、在庫数設定による自動売り切れ表記にも対応しており、ピークタイムでもオーダー業務の効率化が実現できます。
QRコード決済のほか、クレジットカード決済にも対応しており、インバウンド顧客が多い店舗での導入に最適なAliPayやWeChatPayなど、海外決済ブランドでの会計にも対応可能です。
券売機に外付けできるQRコード決済対応のキャッシュレス決済端末2選
券売機にQRコード決済を導入する際、券売機を買い替える方法だけでなく、既存の券売機にキャッシュレス決済端末を追加して対応することも可能です。
ここからは、券売機に外付け可能なQRコード決済対応のキャッシュレス決済端末を2選紹介します。
ISSUE PANDA

既存の券売機にQRコード決済を追加したい場合は、ISSUE PANDAもおすすめです。ISSUE PANDAは、顧客のスマホで事前注文・キャッシュレス決済が行えるシステムで、既存の券売機と同様に食券発行にも対応しています。
店舗でQRコード決済を導入する際、店頭のQRコードを読み取ってもらう方式では、キャッシュレス決済に対応できても食券が発行できず、結果的に店員の業務負担が増えるデメリットがありました。
ISSUE PANDAなら、現金決済による券売機と併用できる上に、食券も従来通り発行されるため、業務オペレーションの負担を増やさずに導入できます。
また、顧客の来店回数に応じたスタンプカード・ポイントカードの発行にも対応しており、再来店を促す販促施策にも効果的です。
外付けQR決済端末|Fujitaka

株式会社Fujitaka製の券売機を導入している場合は、外付けQR決済端末の導入が可能な場合があります。既存の券売機に接続詞て導入できるため、券売機を買い直す費用の負担がかかりません。
後付けできる機種は限定されるものの、該当機種を導入している店舗であれば、導入を検討してみるのもおすすめです。後付けQR決済端末は、QRコード決済には対応していますが、クレジットカード決済や電子マネー決済には対応していません。
QRコード決済の利用者が多い店舗や、AliPay・WeChatPayなどの海外決済ブランドに対応したい場合に、おすすめの決済端末です。
QRコード決済対応の券売機の導入事例
ここからは、QRコード決済対応の券売機を実際に活用している企業の導入事例を紹介します。交通機関や飲食店・施設など、業種ごとの導入事例をピックアップしているので、自店舗・自施設での導入を検討している際の参考としてご活用ください。
JRや私鉄での導入事例
東急電鉄では、デジタルチケットサービスの「Q SKIP」を活用した、タッチ決済+QRコード決済による乗車サービスを提供しています。
また、券売機では、QRコード決済による10円単位のPASMOのチャージに対応しているほか、定期券や指定券の購入にも対応しており、現金決済以外のニーズにも対応している点が特徴です。
東急電鉄のほか、JR東日本・JR西日本・JR九州・JR北海道、新幹線、名鉄、東京メトロなど、JRのみならず私鉄各線でもQRコード決済対応の券売機が導入されています。
さらに、タッチ決済と連動したQRコード利用による乗車サービスも広まっており、切符や乗車券を購入せずに利用できる取り組みが進められているのも交通機関の傾向です。
飲食店の事前決済・オーダー端末としての導入事例
飲食店の事前決済・オーダー端末として、券売機を導入している事例は少なくありません。東京都内にある「ラーメン翡翠」では、CASHIERのタッチパネル式券売機を導入し、キャッシュレス決済に特化した経営を行っています。
現金決済による釣銭ミスやレジ締め作業の負担が軽減されたほか、売上データを活用した売れ行き商品の傾向分析も積極的に行っている事例です。
タッチパネル式券売機は、売上管理・売上分析が行えるPOSシステムが搭載されている機種も多く、データ分析による集客・販促施策を実施できるメリットがあります。
また、同店では外国人顧客の利用も多いことから、CASHIERのタッチパネル式券売機に搭載されている多言語表示機能の利用も検討されています。
参照:ラーメンに集中できる環境構築。将来を見据え進化する券売機を採用したワケ。|CASHIER
アミューズメント施設・温浴施設での導入事例
QRコード決済対応の券売機は、アミューズメント施設や温浴施設の入場券・利用券の販売機としても活用されています。横浜市にある本牧市民プールでは、株式会社Fujitaka製のQRコード決済対応券売機を導入しました。
同社が提供している、QRコード式セキュリティゲートのKAGUYAと組み合わせて、決済から入退館管理までの省人化を図っている事例です。
券売機で利用券を購入すると、入館用のQRコードが印字された利用券が発券される仕組みで、このQRコードをゲートにかざすことで通行が許可されます。
券売機の機能とセキュリティゲートをうまく組み合わせて、利用券の販売や入館受付業務の効率化・人件費削減に活用している事例です。
参照:チェックインゲートと券売機で業務を効率化|Fujitaka
QRコード決済以外の決済方法について
券売機によっては、QRコード決済以外の決済方法に対応しているケースも多くあります。
- 現金決済
- クレジットカード決済
- 交通系ICカード決済
- 電子マネー決済
- タッチ決済
店舗や施設で導入する券売機を選定する際、注意しなければならないのは現金決済に関してです。新紙幣・新硬貨に対応しているか、定額紙幣だけでなく高額紙幣(五千円札・一万円札)にも対応しているか、確認しておきましょう。
また、決済手段だけでなく、対応している決済ブランドもチェックしておくと安心です。国内利用者向けのサービスだけでなく、インバウンド顧客の利用が多い店舗や施設であれば、海外の決済ブランドに対応している機種を選定する方法もあります。
参考記事:キャッシュレス決済対応の券売機おすすめ8選|導入するメリットと選び方のポイント
まとめ
QRコード決済に対応している券売機は身近なものとなり、小規模店舗・個人店舗でもキャッシュレス決済が利用できる店舗が増加しています。
一方で、キャッシュレス決済に慣れていない人も多くいるため、店舗の顧客層に応じた機種の選定が欠かせません。
また、キャッシュレス決済は、停電時や通信環境のトラブルなどが発生した際、利用できなくなるデメリットがあります。
そのため、キャッシュレス決済のみに対応するのか、現金決済を残すべきかも検討しながら、自店舗・自施設に最適な設備を導入することが重要です。

