セルフレジを導入すべきか検討する際、初期費用がかかることが気になる方は多いのではないでしょうか。
近年、政府や自治体主導でさまざまな業種でDX化が促進されており、セルフレジの導入に利用できる補助金や助成金制度があります。
ただし、補助金や助成金制度を利用するには、申請要件を満たさなければなりません。誰でも利用できる制度ではない点に注意が必要です。
本記事では、セルフレジを導入する際に利用できる補助金や助成金制度について、詳しく解説します。
また、補助金や助成金制度が利用できなかった場合に、セルフレジの導入コストを抑える方法についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
セルフレジ導入で使える補助金一覧【2026年最新版】
| 補助金名 | 補助額 | 補助率 | おすすめ事業者 |
|---|---|---|---|
| デジタル化・AI導入補助金 | 最大350万円 | 最大4/5 | 飲食店・小売店・クリニック |
| ものづくり補助金 | 最大3,500万円 | 1/2〜2/3 | 中小企業全般 |
| 小規模事業者持続化補助金 | 最大250万円 | 2/3 | 個人店・小規模店舗 |
| 業務改善助成金 | 最大600万円 | 3/4〜4/5 | 人件費改善したい企業 |
セルフレジ導入で補助金を使うと費用はいくら安くなる?
補助金を活用すると、セルフレジの導入費用を大きく抑えられる可能性があります。実際の補助額は制度や申請内容によって異なりますが、補助率ごとの実質負担額の目安は以下の通りです。
| 本体価格 | 補助率 | 実質負担額 |
|---|---|---|
| 100万円 | 2/3 | 約33万円 |
| 150万円 | 1/2 | 75万円 |
| 300万円 | 2/3 | 100万円 |
ただし、補助金には上限額や対象経費の条件があるため、必ずしも上記の金額がそのまま補助されるとは限りません。申請前に、利用する制度の補助率・補助上限額・対象設備を確認しておきましょう。
セルフレジ導入でどの補助金を選ぶべき?目的別おすすめ一覧
セルフレジ導入時に活用できる補助金・助成金制度は複数ありますが、事業規模や導入目的によって適した制度は異なります。小規模店舗での導入、POSレジや券売機との連携、高額な自動精算機の導入、賃上げを伴う業務改善など、自社の目的に合う制度を選ぶことが重要です。
以下では、セルフレジ導入の目的別におすすめの補助金・助成金制度を整理しています。
| 導入目的 | おすすめ制度 | 向いている事業者 |
|---|---|---|
| 小規模店舗で導入費用を抑えたい | 小規模事業者持続化補助金 | 個人店・小規模店舗・小規模サービス業 |
| POSレジや券売機とあわせて導入したい | デジタル化・AI導入補助金 (旧:IT導入補助金) |
飲食店・小売店・クリニック |
| 高額な自動精算機や大型設備を導入したい | ものづくり補助金 | 中小企業・複数台導入を検討する事業者 |
| 人手不足対策や業務効率化を進めたい | 業務改善助成金 | 賃上げと設備投資を同時に進めたい事業者 |
| 労働時間削減や働き方改革を進めたい | 働き方改革推進支援助成金 | 労働時間短縮・年休取得促進に取り組む中小企業 |
どの制度を活用できるかは、事業者の規模や導入設備、申請時期によって異なります。補助金を活用してセルフレジを導入したい場合は、事前に対象設備や申請条件を確認しておきましょう。
セルフレジ導入に利用できる補助金・助成金制度5選
国や自治体が提供している補助事業の中で、セルフレジ導入に利用できる補助金・助成金制度は、以下の通りです。
- IT導入補助金
- ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 働き方改革推進支援助成金
- 業務改善助成金
それぞれ利用するために必要な条件や支給金額、申請期間など、制度ごとの概要について紹介します。
デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)

デジタル化・AI導入補助金とは、中小企業・小規模事業者等の労働生産性向上を目的に、デジタル化やDX、AIを含むITツールの導入費用を支援する補助金制度です。令和7年度補正予算事業から、従来の「IT導入補助金」から「デジタル化・AI導入補助金」へ名称が変更されています。
セルフレジやPOSレジ、券売機、自動精算機などは、インボイス対応や会計・決済業務の効率化を目的とする場合に補助対象となる可能性があります。とくにインボイス枠では、会計・受発注・決済ソフトに加えて、PC・タブレット・レジ・券売機などのハードウェア導入費用も補助対象に含まれます。
| 補助対象 | 補助率 | 補助額・上限 |
|---|---|---|
| 通常枠 | 1/2以内 条件により2/3以内 |
5万円以上150万円未満 4プロセス以上:150万円以上450万円以下 |
| インボイス枠 インボイス対応類型 |
3/4以内、4/5以内 または2/3以内 |
50万円以下 50万円超〜350万円以下 |
| ハードウェア購入費 | 1/2以内 | PC・タブレット等:10万円以下 レジ・券売機等:20万円以下 |
また、デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)では、導入するITツールや設備の種類に応じて複数の申請枠が設けられています。
一般的な業務効率化やDX推進を目的とした通常枠では、補助率1/2以内(一定条件を満たす場合は2/3以内)、補助額は5万円以上150万円未満、4プロセス以上の導入で最大450万円まで補助を受けられます。
また、インボイス制度への対応を目的にセルフレジやPOSレジ、自動精算機などを導入する場合は、インボイス対応類型の活用も可能です。インボイス対応類型では、会計・受発注・決済機能を備えたソフトウェア導入に加え、レジ・券売機などのハードウェア購入費も補助対象となります。
補助金を活用してセルフレジを導入する場合は、補助金対象として登録されているITベンダーや販売事業者を通じて申請を進める必要があります。導入したい製品が補助対象か事前に確認しておきましょう。
2026年度は、公式サイトにて2026年3月30日より申請受付が開始されており、複数回の締切が設けられています。予算上限に達すると早期終了する場合もあるため、早めの申請準備がおすすめです。
参考サイト:デジタル化・AI導入補助金(旧 IT導入補助金)
どんなセルフレジが補助対象になる?
- POSレジ一体型セルフレジ
- 自動釣銭機付きセミセルフレジ
- 飲食店向け券売機
- 病院・クリニック向け自動精算機
- キャッシュレス決済端末連携型セルフレジ
ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者が生産性向上や業務効率化、新たなサービス提供を目的として設備投資を行う際に活用できる補助金制度です。
セルフレジやPOSレジ、自動釣銭機、自動精算機など、店舗DXや業務効率化につながる設備投資も補助対象となるケースがあります。
| 従業員規模 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
| 5人以下 | 1/2以内 ※一定条件で2/3以内 |
750万円 |
| 6〜20人 | 1,000万円 | |
| 21〜50人 | 1,500万円 | |
| 51人以上 | 2,500万円 |
※製品・サービス高付加価値化枠の場合
※大幅な賃上げ要件を満たす場合は上限額が引き上げられる場合があります
単価50万円(税抜)以上の設備投資を行う場合に活用しやすく、セルフレジ導入費用を大きく抑えられる可能性がある点が特徴です。
ただし、申請には事業計画書の提出が必要であり、審査制となるため必ず採択されるわけではありません。また、採択後に要件を満たせない場合は補助金返還が必要になるケースもあります。
なお、中小企業の省人化投資を支援する制度として「中小企業省力化投資補助金」もあるため、あわせて比較検討するとよいでしょう。
第23次公募では、2026年2月6日に公募要領が公開され、2026年4月3日から電子申請受付が開始、申請締切は2026年5月8日17時までとなっています。ものづくり補助金は毎年複数回の公募が実施される傾向があります。次回の公募情報は公式サイトで随時更新されるため、申請を検討している場合は定期的に確認しておきましょう。
参考サイト:ものづくり補助金総合サイト
ものづくり補助金は、100万円以上の高額なセルフレジや自動精算機を導入したい事業者に向いている補助金です。
小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓や業務効率化を目的として設備投資や広告宣伝を行う際に活用できる補助金制度です。
比較的小規模な店舗経営を行っている事業者が活用しやすく、セルフレジやPOSレジ、自動釣銭機などの導入費用に充てられるケースもあります。
| 申請枠 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 一般型(通常枠) | 50万円 | 2/3 |
| インボイス特例 | 最大100万円上乗せ | 2/3 |
| 賃金引上げ特例 | 最大150万円上乗せ | 2/3 ※赤字事業者は3/4 |
| 創業型 | 200万円 | 2/3 |
小規模店舗がセルフレジや自動釣銭機を導入しながら、業務効率化や省人化を進めたい場合に活用しやすい制度である点が特徴です。
また、インボイス制度への対応や従業員の賃金引き上げなど、一定条件を満たすことで補助額が加算される特例制度も用意されています。
申請には経営計画書や事業計画書の提出が必要であり、審査制のため必ず採択されるわけではありません。あらかじめ公募要領を確認したうえで準備を進めましょう。
なお、公募時期や制度内容は年度によって変更されるため、最新情報を確認することが重要です。現在公表されている第20回公募では、2026年5月27日に公募要領が公開されており、申請受付開始は2026年11月5日、申請締切は2026年12月15日17時が予定されています。
参考サイト:小規模事業者持続化補助金 公式サイト
働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金は、中小企業が労働時間の削減や業務効率化を進める際に活用できる助成金制度です。
長時間労働の改善や職場環境の整備を目的として設けられており、業務効率化につながる設備投資の一環として、セルフレジやPOSレジ、自動精算機などの導入費用が対象となるケースがあります。
働き方改革推進支援助成金では、年度ごとに複数の支援コースが設けられており、代表的なコースには以下があります。
- 労働時間短縮・年休促進支援コース
- 勤務間インターバル導入コース
- 労働時間適正管理推進コース
- 団体推進コース
このうち、セルフレジ導入による業務効率化や省人化を目的とする場合は、「労働時間短縮・年休促進支援コース」が対象になるケースが多いです。
| 主な対象事業者 | 補助率 | 助成上限額 |
|---|---|---|
| 労災保険適用の中小企業事業者 | 3/4以内 ※条件により4/5 |
取組内容によって変動 |
申請には、時間外労働削減や有給休暇取得促進など、一定の成果目標を設定し達成する必要があります。また、導入設備が助成対象となるかどうかは事前確認が必要です。
制度内容や募集時期は年度ごとに変更されるため、申請前に最新の公募要領を確認しておきましょう。
参考サイト:働き方改革推進支援助成金|厚生労働省
業務改善助成金

業務改善助成金は、中小企業・小規模事業者が生産性向上につながる設備投資を行い、あわせて事業場内最低賃金を一定額以上引き上げた場合に利用できる助成金制度です。
セルフレジやPOSレジ、自動精算機など、省人化や業務効率化につながる設備投資も対象になるケースがあります。
業務改善助成金では、最低賃金の引き上げ額や対象となる従業員数によって助成上限額が異なります。
| 主な要件 | 補助率 | 助成上限額 |
|---|---|---|
| 事業場内最低賃金を一定額以上引き上げる | 4/5〜3/4程度 ※条件により異なる |
最大600万円 ※申請条件によって変動 |
設備導入とあわせて従業員の賃金改善を進める必要があるため、人手不足対策と業務効率化を同時に進めたい事業者に向いている制度です。
対象となる設備や助成額は、公募年度によって細かな条件が変更されることがあります。また、申請には賃金引き上げ計画や導入設備の内容を示す書類提出が必要です。
セルフレジ導入に活用したい場合は、対象設備に該当するか事前に確認したうえで申請準備を進めましょう。業務改善助成金は年度ごとに公募内容や申請期間が変更されるため、申請を検討する場合は厚生労働省の最新公募情報を事前に確認しておきましょう。
参考サイト:業務改善助成金|厚生労働省
セルフレジ導入に補助金・助成金制度を使う場合の注意点
セルフレジや自動精算機、自動釣銭機の導入時に補助金・助成金制度を活用する場合は、申請要件や対象設備、申請スケジュールを事前に確認しておくことが重要です。
補助金制度は資金負担を軽減できるメリットがある一方で、申請条件を満たしていない場合は採択されないケースもあります。また、制度によっては事前申請が必要で、購入後では申請できないこともあるため注意が必要です。
ここでは、セルフレジ導入時に補助金・助成金を活用する際に確認しておきたいポイントを解説します。
申請条件を満たしているか確認する
補助金や助成金は、すべての事業者が利用できるわけではありません。業種や従業員数、資本金規模、賃金引き上げ要件など、制度ごとに細かな申請条件が定められています。
申請前に自社が対象事業者に該当するか必ず確認しておきましょう。
購入前に申請が必要なケースが多い
補助金制度の多くは、設備を購入した後では申請できません。一般的には申請後に審査が行われ、採択決定後に設備導入を進める流れとなります。
すでにセルフレジや自動精算機を購入してしまうと対象外になるケースもあるため、導入前に必ず申請スケジュールを確認しておくことが大切です。
必要書類や申請準備に時間がかかる
補助金・助成金制度を利用する場合は、事業計画書や見積書、導入設備の仕様書など、さまざまな書類提出が必要になります。
また、制度によってはGビズID取得や電子申請の準備が必要になるケースもあります。申請期限直前になると準備が間に合わないこともあるため、公募開始後はできるだけ早めに準備を進めることが重要です。
補助金・助成金以外でセルフレジの導入費用を抑える方法
補助金や助成金が利用できなかった場合でも、セルフレジの導入費用を抑える方法はあります。
ただし、店舗の経営が長期になると、導入費用を負担してセルフレジを購入した方が、結果的に安く済む場合もあるので注意してください。
中古で購入する
セルフレジは、新品で購入する方法以外に、中古での購入もできます。
新品で購入する場合は、1台100万円~400万円程度必要です。一方で、中古であれば数十万円程度で購入できるため、大幅に導入費用を削減できます。
ただし、中古のセルフレジを購入するのはあまりおすすめできません。中古品は、メーカーのメンテナンス対象外となることが多いためです。
購入後に機器のトラブルが発生した際に、修理費用が高額になる可能性があります。中古のセルフレジを購入する場合は、信頼できる相手に限定するなど、慎重に判断することが大切です。
レンタルやリースを利用する
補助金や助成金が使えないときに、初期費用を抑えてセルフレジや自動釣銭機を導入したいのであれば、レンタルやリース契約での利用がおすすめです。
レンタルであれば、1日~数カ月だけ利用したい場合にも対応できます。一方で、リース契約の場合は数年単位での契約が必要になりますが、レンタルよりも月額費用が抑えられる点が特徴です。
短期利用ならレンタル、中長期利用ならリースなど、利用したい期間に合わせて使い分けると良いでしょう。
ただし、数年~数十年単位で契約するのであれば、購入した方が安く済む場合があります。
定期的に最新機種に入れ替えたい、初期費用をとにかく抑えたいなど、レンタルやリースを利用するメリットが大きい場合におすすめです。
参考記事:セルフレジの価格はどれくらい?導入費用を抑える3つのポイント
まとめ
セルフレジの導入に活用できる補助金や助成金制度は、制度ごとに利用条件が異なります。
条件を満たしていない場合は、制度を利用できないため、条件を満たしているかを申請前に確認しておくことが大切です。
また、利用条件を満たしていることに気付かず、申請をしていないと補助金や助成金の支給は受けられません。利用条件を満たしているかを確認し、利用できる制度を見逃さないように情報収集を行いましょう。

