人材不足が店舗DXはこれからの時代に大切だと言われています。
例えばモバイルオーダーを導入することで一人当たりの業務効率が向上し求人などの人件費を削減できます。
それでは、店舗DXを行う際にどのような点に着目すれば導入に失敗しないのでしょうか?
今回は。株式会社リクルート 飲食 Division 名古屋飲食グループマネージャー 須澤 真敏様と飲食 Division 名古屋飲食グループ 中川内 貴弘様にお話しをお伺いしました。
―――提供されているサービスについて教えてください。
「Air ビジネスツールズ」という総称で呼んでいますが、店舗課題を解決するためのサービスとしては16サービス展開しています。
リクルートの中での飲食領域については、元々集客に課題がある店舗様対して「ホットペッパーグルメ」を販促メディアとして提供していますが、だんだん働き方や生産性などの観点で業務支援が必要になり開発に至ったのがこの「Airレジ」 というサービスになっています。
―――ズバリ貴社が得意としている店舗施設の課題解決は何かを教えてください。
店舗様が抱える集客課題に対してはホットペッパー グルメを使った集客支援が一つで、もう一つは業務課題に対して「Air ビジネスツールズ」を活用した業務支援とそれに紐づく経営支援を行っています。
特に飲食店様に関しては人の問題が大きく、人件費の高騰やそもそも働き手がいないという課題があります。今ご案内している中でもモバイルオーダーは人手不足の問題解決に役立っており、手の届かない部分に手が届くようなシステムになっているので、業務支援の部分を含めて課題解決につながる商品としてご提案しています。
―――人手不足の問題は深刻化していますよね。
そうですね。働き手がいないという問題は大きいです。それに加えて人件費が年々上がっており、飲食店様でいくと食材原価や光熱費などのコストも上がっています。その中で「集客のためには値段を上げられない」となるので、なんらかのコストを削る方向に動かざるを得ないという課題が非常に大きいです。
その中で一番削れるコストは人件費になります。人手がいらなくなることで、求人のための広告費も不要になるので、働き手の問題が解決されるとコスト削減の効果が大きくなります。
―――人手不足解消という点においてどのように解決サポートしていますか?
モバイルオーダーである「Airレジ オーダー」 の導入は人件費を削る部分では非常に有効で、店舗様の課題解決に結びつくサービスになっています。
まず注文を取りに行かなくて良くなるので、店舗によっては注文を取るスタッフを削減できます。さらに注文の取り間違えなど、人が行うことによって起こるミスもなくなるため、スタッフの負担を月額使用料1万3200円~1万7600円のレンジで、プランにより幅を持た(Airレジ オーダー価格) で軽減できると考えると、コストパフォーマンスが非常に良く導入いただいた店舗様には喜んでいただいています。
もちろん導入前には、店舗様のオペレーション状況をお聞きしたうえで、モバイルオーダーが店舗に合うのかどうかをご提案させていただいております。
その理由は、店舗のオペレーションを変えることによる不安があると思いますし、例えば券売機業態がモバイルオーダーを利用しようとした際には、券売機にただモバイルオーダーの機能を付けただけだと、店舗運用に変化が発生しているためオペレーションがまわらないんですよね。店舗様のお困りごとに対してどんなオペレーションを組んだらいいかという点もふまえて提案と伴走する部分は「サポートが手厚い」と言っていただくことが多いです。
あとは「デジタルツールは使いにくい」とか「わかりにくい」ということがあっても、土日でもつながるカスタマーサポートセンターを用意しているので組織体制も評価いただいていますね。
それから、「Airレジ オーダー」 以外にも16サービスあり、決済の部分からお会計や注文、勤怠管理や資金調達まで幅広くサービスを提供させていただいているので、店舗様毎に違う課題に対してもフィットできるという部分が弊社の強みと思っています。
―――なるほど。店舗のコンサルティングも行いながら課題解決に向けてサポートしているのですね。
そうですね。
「人が機械に置き換わる」ということではなく、「機械を通じて人を活かす」ことが重要だと思っているので、店舗課題を解決するために伴走するというところが大切だと考えています。
モバイルオーダー導入後に、単純にオーダーを取りに行く人がいなくなってコストが削減できるのではなく、その浮いた時間で接客をどうより良くするかなど、むしろ人を活かすためのツールとしての提案も大切にしていますね。
―――何か具体的な解決事例があれば教えてください
券売機業態のラーメン屋さんの事例を紹介します。
ランチ時の一番込み合う時間帯に、券売機に並ぶことで単価が上がらないという問題がありました。並んでいると後ろの人からのプレッシャーで注文を適当に済ませてしまうお客様が多かったんです。そこで、モバイルオーダーを導入いただき、店舗のオペレーションを変更頂いた結果、トッピングやご飯のおかわり、替え玉をその場で追加注文できるようになったことで50~100円程度の単価向上を実現したことがあります。
―――お客様から喜ばれているポイントを教えてください。
「Airレジ オーダー」 自体のコスト面もそうですが、全てのシステムが「Air ビジネスツールズ」や「ホットペッパーグルメ」と連動しており、一気通貫で一元管理できることです。
他のシステムでは連動していないことが多く、かなりの工数がかかるのですが、弊社のサービスでは全て連動しているので手間が大幅に省けます。経営者の方から「手間がなくなった」と言われることが多いですね。
あと、オペレーションまでサポートしている中で、アルバイトスタッフの方々とお話することも多いのですが、モバイルオーダーが導入されることでスタッフの方が「神ツールか」 というくらい劇的に業務が変わると感じていただいている方が多いようです。
アルバイトの方々にとっては覚えることが少なくなるのですぐに馴染めるというメリットがありますし、スポットバイトの方々にとっても負担が軽減されるので、経営側からすると人材の流動性にも耐えられるという側面もあります。
もちろん楽になったからといって空いた時間をサボるのではなく、追加オーダーを取りに行ったり掃除をしたり、より意味のある仕事にリソースを割いていくことができていますね。
それから接客が必要な居酒屋になると、お客様から変に声をかけられることもあるため、働き先としての応募を避けるケースも多かったりしますが、オペレーション改善をすることでデータ分析や店舗の改善をお手伝いできるなど、違った仕事の意義が生まれ、求人応募の幅も広がったという声もいただいています。
―――いろんな側面での改善があるんですね。そんな貴社を一言で表すとどんな課題解決のプロですか?
「人」の問題を解決できるプロです。
注文に関することはもちろん、人手不足や人件費削減といったコスト面の課題解決において、非常にフィットするサービスです。
今の日本では人口減少がどんどん進んでおり、特に外食産業は現場の生産性を上げていかないと、良くも悪くも淘汰が進んでいくことが目に見えている状態です。
飲食業界はどうしても目の前の状況にとらわれがちですが、私たちは一歩先を見据えて、今のうちに生産性を上げていくことが必要だと考えて「街の生産性を上げる」という視座で啓蒙もしながら取り組んでいます。
日本では中小企業や個人経営の店舗も多い中で、皆さまにご利用いただくために“シンプル”“カンタン” というところを意識してサービスを開発しています。
―――最後に今後の展望を教えてください。
飲食業すべてにご利用いただけるようになっているのですが、飲食店すべてにご利用いただけるサービスなので、街を変えるぐらいの気持ちで街の生産性を上げて、来るべき日本のピンチに備えることが重要だと思っています。
“クライアント様のため、日本全国のため”というのを中心に営業活動を行っているので、「クライアント様のためになる改善ができてないと褒められない」というリクルートが大事にしている考え方もありつつ、あらゆる業態の皆様にうまく使っていただけるように、使いこなせるまで伴走して確実に生産性を上げていけるようにお手伝いしていきたいです。
―――ありがとうございました。