多くの飲食店で導入されているモバイルオーダーは、店内注文に対応しているものだけでなく、テイクアウト向けサービスも豊富にあります。
中には、店内でのテイクアウト注文のほか、店外から事前注文・事前決済を行うタイプのモバイルオーダーシステムがあるのも特徴です。
本記事では、テイクアウト向けのモバイルオーダーとはなにか解説しながら、テイクアウトに対応可能なモバイルオーダーシステムのおすすめサービスを5選紹介します。
また、実際にモバイルオーダーを導入して、テイクアウトに対応している店舗の事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
テイクアウト向けモバイルオーダーとは
テイクアウト向けモバイルオーダーとは、テイクアウト(持ち帰り注文)のオーダーをスマホやタブレット端末などのデバイスから、受け付けられる設備のことです。
テーブルオーダーのように店内で利用できるサービスもあれば、ゴーストレストランのような店内飲食に対応していない店舗の店外注文で利用できる店外版モバイルオーダーもあります。
商品と引き換えにレジで決済することも可能ですが、注文時にオンラインでキャッシュレス決済ができるサービスがあるのも特徴です。
参考記事:モバイルオーダーとは?メリット・デメリットや主な支払い方法・活用事例を紹介
テイクアウト向けのモバイルオーダーを導入するメリット
テイクアウト向けのモバイルオーダーを導入するメリットは、以下の3項目です。
- 店内の混雑緩和につながる
- 時間指定ができる
- 事前決済でキャンセルによる損失が防げる
それぞれ、具体的にどのような活用シーンが想定されるのか、モバイルオーダーの導入効果を踏まえて解説します。
店内の混雑緩和につながる
テイクアウト向けのモバイルオーダーを導入すると、店内の混雑緩和につながるメリットがあります。店頭でテイクアウト注文を受けている場合、テイクアウト注文の顧客と店内飲食の顧客が店内にいる状態となり、レジ周りが混雑する原因になりかねません。
また、電話でテイクアウト注文を受ける場合も、従業員によるオーダー受注業務が発生することから、接客や料理提供、テーブルのバッシング作業などが滞ります。
モバイルオーダーを導入すれば、オーダー受注をオンラインで行えるようになるため、店舗スタッフがほかの業務に集中でき、混雑緩和のみならず店内飲食の回転率向上にもつながるでしょう。
時間指定ができる
時間指定ができるのも、テイクアウト向けのモバイルオーダーを導入するメリットの1つです。時間帯ごとに受け付けられるオーダー数を絞っておけば、注文が飽和して料理提供を待たせる心配もありません。
顧客にとっても、指定した時間に受け取りに行けば良いため、待ち時間を有効活用できるメリットがあります。モバイルオーダーによるテイクアウト注文の受付は、時間指定によって計画的に調理を進められるのも利点の1つです。
事前決済でキャンセルによる損失が防げる
テイクアウト向けのモバイルオーダーを導入すると、事前決済に対応できるようになるため、キャンセルによる損失が防げるメリットもあります。
テイクアウト注文が入ったにも関わらず、受け取り・支払いに顧客が現れず、無断キャンセルによるトラブルが社会問題となっているのも現状です。
モバイルオーダーの導入で、テイクアウトのオーダーと同時に事前決済ができるようになれば、このようなトラブルの抑止にもつながります。
参考記事:モバイルオーダー導入のメリット・デメリットや導入事例、導入までの流れを解説
モバイルオーダーでテイクアウトに対応する方法
モバイルオーダーでテイクアウトに対応する方法は、以下の2通りです。
- 店内版で持ち帰り注文に対応する
- 店外版で事前注文に対応する
それぞれの違いや特徴、モバイルオーダーを活用した対応方法について解説します。
店内版で持ち帰り注文に対応する
モバイルオーダーでテイクアウトに対応する場合、店内版を導入して、持ち帰り注文に対応する方法があります。モバイルオーダーの店内版とは、顧客が店舗に訪れてから注文するタイプのモバイルオーダーです。
基本的に、店内飲食でモバイルオーダーを活用しますが、テイクアウトに対応できるものも多くあります。また、店内飲食を行わなくても、テイクアウト注文ができるモバイルオーダーに対応できるサービスがあるのも特徴です。
店内版モバイルオーダーの導入でテイクアウトに対応する方法は、イートインスペースがある店舗での導入に適しています。
店外版で事前注文に対応する
店外モバイルオーダーを利用して、事前注文受付によるテイクアウトに対応する方法もあります。店外版モバイルオーダーは、店舗に顧客が来店する前に注文できることから、時間指定や事前決済に対応しているサービスも少なくありません。
また、イートインスペースがないテイクアウト専門店・ゴーストレストランや、デリバリー注文に対応しているサービスもあります。
モバイルオーダーの中には、店内版・店外版両方の機能が備わっているものもあるので、自店舗のオーダー方式に合わせてサービスを選定すると良いでしょう。
テイクアウト向けモバイルオーダーのおすすめサービス5選
ここからは、テイクアウト向けモバイルオーダーの中から、おすすめのサービスを5選紹介します。サービスによって利用できる機能や導入費用・月額利用料などに違いがあるため、自店舗に欲しい機能や予算に応じて比較検討しましょう。
funfo
出典:ファンフォ株式会社
funfoは、店内版・店外版両方のモバイルオーダーサービスを提供している事業者です。モバイルオーダーはアプリで利用できるため導入しやすく、POSレジやLINEとの連携にも対応しています。
テイクアウト注文はQRコードを顧客のスマホで読み取ってもらい、オーダーする方式です。テーブルにPOPとして設置する方法のほか、SNSや公式サイト・チラシ・店舗名刺などに印字して配布する活用方法もあります。
基本的なPOSレジ機能や店内版・店外版モバイルオーダーの機能のみであれば、無料で導入できるのも魅力です。
Mr.Menu
Mr.Menuも、テイクアウトに対応できるモバイルオーダーサービスです。店内版のオーダー方式に対応しています。Mr.Menuの特徴は、注文画面の多言語表示機能や食べ放題・飲み放題機能など、飲食店の経営を支援する機能が備わっている点です。
ただオーダーをするためのシステムとしてだけでなく、POSレジサービスの「スマレジ」とも連携できるため、売上分析・顧客層の分析などにも活用できます。
テイクアウト機能では、受け取り呼び出し機能が搭載されているのも魅力です。また、事前決済・先払いにも対応可能なため、受け取りに来てもらえず売上が確保できないような事態も回避できます。
Airレジオーダー
出典:株式会社リクルート
Airレジオーダーは、株式会社リクルートが提供しているモバイルオーダーサービスです。店内版・店外版両方のオーダー方式に対応しています。
Airレジオーダーの強みは、店舗の業務フローに合わせた設備・システムの導入スタイルを、幅広い選択肢の中から組み合わせられる点です。
QRオーダーへの対応が難しい顧客には、「Airレジハンディ」でハンディ注文に対応できるほか、順番待ちの受付機能が備わった「Airウェイト」などのサービスも利用できます。また、POSレジの「Airレジ」、キャッシュレス決済端末の「Airペイ」とも連携可能です。
テイクアウト注文は、店内版でも対応できますが、店外版モバイルオーダーシステムなら事前注文にも対応できます。「Airペイ オンライン」の加盟店申し込みを行えば、オンライン決済にも対応できる点が魅力です。
CASHIER モバイルオーダー
出典:株式会社ユニエイム
CASHIERのモバイルオーダーも、店内版・店外版両方のテイクアウト注文に対応できるシステムです。事前決済にも対応しているため、レジで会計対応する負担も軽減できます。
CASHIERのモバイルオーダーで受け付けた注文情報は、キッチンディスプレイやキッチンプリンターで、厨房と情報共有できるのも特徴です。
注文管理ディスプレイで受け渡し状況もチェックできるため、注文の抜け漏れを防ぎ、効率的なオペレーションも実現できます。
スマレジ モバイルオーダー
出典:株式会社スマレジ
テイクアウト対応のためにモバイルオーダーを導入するなら、スマレジのモバイルオーダーもおすすめです。
スマレジのモバイルオーダーは、スマレジの拡張アプリを利用したサービスで、「プレミアムプラン」以上の月額プランに加入している場合に利用できます。
日本語だけでなく、英語・中国語(繁体字)・スペイン語・韓国語表記にも対応しているため、インバウンド需要が高い店舗での導入にもおすすめです。
店内・店外を問わずどこからでもオーダーできるため、店頭でのテイクアウト注文だけでなく、事前注文にも対応できます。もちろん事前決済も利用可能です。
テイクアウト向けモバイルオーダーの導入事例
テイクアウト向けのモバイルオーダーは、さまざまな店舗で導入されています。ファストフード店はもちろん、カフェやランチ営業店を含め、幅広い飲食店で導入できる点が魅力です。
これからモバイルオーダーの導入を検討している方は、すでに導入している店舗の活用事例を参考にしながら、サービスの選定を行うと良いでしょう。
ここでは、テイクアウト向けのモバイルオーダーを導入して、サービスを提供している店舗の事例を3選紹介します。
マックのテイクアウト向けモバイルオーダーサービス
出典:日本マクドナルド株式会社
マック(マクドナルド)のモバイルオーダーは、テイクアウトを含め、さまざまな受け取り方に対応しているサービスです。
店頭での受け取りはもちろん、テーブルに商品を届けてもらえるテーブルオーダーや、ドライブスルーでの受け取り時にも利用できます。
受け取り店舗は位置情報サービスから、現在地付近の店舗を自動的にリスト表示してくれるため、外出時にも利用しやすい設計になっている事例です。
コメダ珈琲のテイクアウト向けモバイルオーダーサービス
出典:株式会社コメダ
コメダ珈琲では、提供している店舗アプリ(ネイティブアプリ)内で、モバイルオーダーサービスを提供しています。
コメダ珈琲の店舗アプリには、モバイルオーダーのほかにも、独自の支払いサービス「コメカ」で決済できる機能が備わっている点が特徴です。位置情報を利用して近隣の店舗も探せます。
テイクアウトオーダーは、店舗を指定して受け取り方法を店頭もしくは駐車場に設定することも可能です。
テイクアウトオーダーを行う際は、店舗に到着後店頭のQRコードを読み取ってチェックインすることで、注文完了できる仕組みになっています。
グルービーのテイクアウト向けモバイルオーダーサービス
出典:株式会社グルービー
パスタやピザなどを提供しているグルービーでも、テイクアウト時にモバイルオーダーが利用できます。
グルービーのモバイルオーダーは、アプリではなく公式サイトから利用する点が特徴で、店舗を選んで注文できるので、近隣店舗へ受け取りに行く道中に事前注文が可能です。
モバイルオーダー会員に登録する必要なく利用できるのも特徴で、テイクアウト注文利用1,000円ごとに1ポイント付与されるサービスもあります。
10ポイント貯まるとドレッシング1本と交換できるなど、販促サービスも織り交ぜている事例です。
まとめ
モバイルオーダーは、店内注文だけでなく、店外注文で事前予約サービスを提供できるようになる利便性の高いシステムです。
サービスによって機能に違いがあるため、具体的にどのような機能を盛り込みたいのか、どのように運用していきたいのかを明確にしておく必要があります。
モバイルオーダーのサービスについて、詳しくは以下の記事でも解説していますので、こちらもぜひ参照ください。