最近はさまざまなパン屋が開業するようになりました。そのなかにはユニークな発想やサービスで多くの利益を生み出しているものもあります。成功事例を見てパン屋の開業を目指している方もいるでしょう。
今回はパン屋開業を目指す方に役立つ知識をまとめました。
パン屋開業の主な流れ

パン屋を開業する際は、以下の流れで手続きや作業を進めていきます。
- コンセプトから事業計画を立てる
- 資金計画と資金の確保
- 物件の選定と契約
- 開業に必要な資格取得・許可申請
- 設備や備品の購入・内装工事
- スタッフ採用・研修
- 開業前最終チェックと宣伝
- 開業
パン屋を開業する際は、必要な手続きや準備を順に進めることが大切です。準備に取り掛かる際は、漏れや抜けのないように行動しましょう。以下の記事ではこの流れをより詳しく解説しています。こちらもあわせてご覧ください。
参考記事:パン屋開業の流れとは?開業前に決めておくべきポイントも解説
パン屋開業のメリット
パン屋は開業の際にさまざまなメリットを得られます。次はパン屋を開業すると得られるメリットについて解説します。
少人数またはひとりでも開業できる
パン屋は小規模店舗なら、オーナーが製造から接客を兼任することで人件費を抑えて運営できます。家族経営やアルバイトスタッフを採用するなど、柔軟な人員配置にも対応できます。
必要最低限のスタッフ数が少ない分、採用や育成にかかるコストを削減できるのは、パン屋のメリットといえます。
専門店としても営業可能
パン屋はメロンパンやクリームパンなどの、特定のパンだけに特化すれば少ないメニューでも営業できます。小規模かつメニューを絞れば、初期費用を抑えつつ必要最低限の技術で開業可能です。
商圏・顧客分析をきちんと行えば、専門店としての開業を自店舗の個性としても活用できます。トレンドにあわせた戦略を取れば、技術や費用を抑えつつ集客できるのもパン屋のメリットといえるでしょう。
未経験でも工夫すれば挑戦できる
製パン技術や経営知識は、実務経験や専門学校などに通えば習得できるほか、フランチャイズを活用する方法もあります。フランチャイズを活用することで、初心者でも比較的安定した運営を目指しやすくなる場合があるのも、メリットの1つです。
パンや経営は一見すると難しそうに見えますが、工夫すれば初心者でも挑戦できます。工夫すれば開業や経営の負担を軽減できるメリットも得られます。
パン屋開業に必要な資格

パン屋を開業する際は、営業形態に応じて食品衛生責任者の配置や、菓子製造業許可・飲食店営業許可などの取得が必要です。
- 食品衛生責任者
- 菓子製造業許可
- 飲食店営業許可
次は、それぞれの資格に関する内容を解説します。
食品衛生責任者
食品を製造・販売する店舗には、店舗1つにつき1名の食品衛生責任者を配置する必要があります。
食品衛生責任者は、各都道府県市の食品衛生協会などが実施する養成講習会を受講することで取得できます。地域によってはeラーニングにも対応しています。なお、栄養士や調理師などの資格を保有している場合は、受講は免除されます。
食品衛生責任者は、飲食店を開業する際に必ず取得しなくてはならない資格のひとつです。持っていない場合はまずは講習会に参加しましょう。
菓子製造業許可
パンを製造して店頭販売・テイクアウト販売する場合は、菓子製造業許可が必要になるケースがあります。販売形態や提供方法によって必要な許可が異なるため、事前に管轄の保健所へ確認しましょう。
なお、この許可を取る場合、厨房は工場と同じ扱いになります。間仕切りで密閉された空間にする必要があるほか、手洗い場やドアの設置基準などが設けられています。許可の要件を満たしていない場合、許可が下りない可能性があります。そのため、店舗を改装する前に必ず細かい内容を確認しておきましょう。
飲食店営業許可
イートインスペースを設ける場合や、サンドイッチなどの店内で調理したパンを提供する場合に取得しなくてはならない許可です。この許可を得るには、食品衛生責任者の資格と、店舗にある地域を管轄する保健所が定める基準をクリアする必要があります。
具体的な事業計画が完成し、物件が契約できる目途がたったら、その時点で詳しい基準について保健所にて相談・確認することをおすすめします。
以下の記事では飲食店営業許可に関する内容をより詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
参考記事:飲食店開業に必要な保健所の許可とは?立会検査の内容も一部解説
パン屋を開業する際に必要となる手続きや資格は、営業形態や地域の要件によって異なる場合があります。詳細は管轄の保健所等で確認のうえ、必要なものを取得しましょう。
パン屋開業を有利に進めるために取り組んでおきたいこと
パン屋は未経験でも開業できますが、成功するには具体的な開業計画に移る前の下準備が必要です。もし以下の経験や対策が不足しているなら、まずは経験や知識を得るところから始めましょう。
製パン基本技術の習得
パンを専門的に扱う店舗を開業するには、製パン技術を身につける必要があります。これは安定した品質維持はもちろん、競合にはないオリジナリティを集客に役立てるためにも必要な要素です。
安定した売上を確保するためにも、「いつ行ってもおいしいパンがある」「あのパン屋なら間違いがない」と評価されるような商品を提供できるようになる必要があります。
製パン技術を身につける方法としては、知識や技術を学べる学校に通うか、パン屋で修行する方法があります。これらの経験を通してパンの製造に関する専門的な技術力を証明できる資格である、パン製造技能士の資格を取得するのもいいでしょう。
ただ製パン技術を身につけるだけでなく、以下の経験やテクニックも身につけておくと、より有利に開業・経営できるようになります。
- 仕込みや製造
- 販売オペレーション
- 体力
- 労働時間との向き合い方
どのようなパン屋を経営する場合でも、成功したいならまったくの未経験よりも製パン技術を身につけておいた方が有利に開業できます。自分に合った方法で技術を身につけましょう。
徹底した市場調査
どんなにおいしいパンを提供できたとしても、それが市場ニーズを満たしていなければ思ったような効果は得られません。技術や店舗の個性を活かしつつ開業を成功させるには、徹底した市場調査と分析が求められます。開業予定地のニーズや競合状況を以下の要素を1つずつ詳細に調査・分析しましょう。
- ターゲット層の分析:コンセプトや立地からどの年齢層や生活スタイルの人が顧客になるかを調査・分析する
- 競合店の調査:周辺のパン屋を実際に訪れ商品の種類や価格・サービスを比較分析する
- 流行の把握:最近のパン業界のトレンドやニーズ調査分析して商品需要を割り出す
これらの調査分析は自店舗のコンセプトを活かし、経営を有利に進めるためには欠かせない要素です。開業前の入念な調査によって、経営がうまくいくかが決まります。しっかり調査・分析しましょう。
他店との差別化対策
パン屋はどの街にもある、ある意味ありふれた店舗です。全国どこで開業しても、基本競合があります。自店舗を選んでもらうには、そのための工夫が必要です。他店との差別化を図るためにも、自店舗独自の強みを持ちましょう。
多店舗研究や分析を行い、他店が満たしていないニーズがあればそれを満たせる商品やサービスを提供しましょう。これにより、新規顧客だけでなくリピーター確保にもつなげられます。具体的な対策としては、以下のものがあります。
- 地元の小麦や食材を使ったパンの提供
- アレルギー対応パンの提供
- イートインスペースや配達サービスの実施
顧客属性を意識しつつ他店にはないニーズを満たすこともまた、パン屋開業を成功に導くポイントです。開業を有利に進めたいなら、開業計画を実行に移す前に対策を検討・実施しておきましょう。
パン屋開業を成功させるには技術力と調査分析が必要
パン屋の開業にはさまざまなメリットがあり、うまく活用できれば利益を継続的に生み出すこともできるようになります。まったくの未経験でも工夫すれば開業できますが、より有利に経営したいなら開業前・開業準備の手続きなどを、スムーズに行えるような対策が必要です。
まずはどんなパン屋を経営したいか、そのために必要な技術は何かを調べるところから始めましょう。

