配膳ロボットは、人手不足の解消や業務効率化を目的として、多くの飲食店で導入が進んでいます。
一方で、「自店舗でも効果があるのか」「どのような店舗に適しているのか」と判断できず、導入を迷っている方も少なくありません。
本記事では、配膳ロボットの導入事例をもとに、導入効果や導入時の注意点、導入までの流れをわかりやすく解説します。自店舗に適した導入方法を検討する際の参考としてご活用ください。
配膳ロボットの導入事例4選

| 店舗形態 | 導入機種 | 導入前の課題 | 主な導入効果 |
|---|---|---|---|
| ラーメン店 | Keenbot T8 | 人手不足による営業時間短縮・従業員負担の増加 | 約0.5人分の労働力を補い、人手不足を緩和 |
| イタリアン | KettyBot | 席回転率向上とスタッフ不足への対応 | スタッフ1人分以上の業務を担い、業務効率と接客品質が向上 |
| 回転寿司 | KEENON T8 | 配膳業務による席回転率の低下 | キッチン・ホール双方の業務を効率化し、席回転率が向上 |
| とんかつ専門店 | BellaBot | 少人数運営によるスタッフ負担の増加 | 重量物の配膳を自動化し、作業負担を軽減・配膳効率を向上 |
配膳ロボットの導入事例を見ると、店舗業態や導入機種は異なるものの、人手不足の解消やスタッフの業務負担軽減を目的として導入されているケースが共通しています。
また、配膳業務をロボットが担うことで、スタッフは接客やテーブルリセットなど付加価値の高い業務に集中できるようになり、席回転率の向上やサービス品質の改善につながっている点も特徴です。
このように、配膳ロボットは単なる省人化ではなく、店舗全体の業務効率やサービス品質を高める手段として活用されています。ここからは、実際の導入事例を4つ紹介します。
事例①現場の人手不足が大幅減少│ラーメン店
まず紹介する事例は、北海道に本社を構え、チェーン展開する「ラーメンさんぱち」の事例です。
同店ではアフターコロナ下において、人手不足による営業時間短縮、店休日といった課題に直面していました。また、上記状況下での従業員への負担増、サービスの質低下が問題になっていたといいます。
そこで、同店はソフトバンクロボティクスが開発した「Keenbot T8」を導入。配膳ロボットを組み込んだ業務オペレーションへシフトしていきます。
Keenbot T8を導入したことで、同店は「0.5人分の労働力」を得ることができていると代表・店長が語っています。
2人では人が足りないが3人では多い、そのような場合に、Keenbot T8の働きでちょうどよく業務を回せているとのことです。
出典:現場の人手不足ヘルプ要請が大幅減少!ラーメンさんぱちを支える新型配膳ロボットKeenbot T8
事例②スタッフ1人分以上の働きで業務効率アップ│イタリアン
続いて紹介するのは、イタリアンレストラン「ベッラベーラ」錦糸町店の配膳ロボット導入事例です。
平日はビジネスマンやOL、休日はファミリー客が多く訪れる同店は、ショッピングモール内に店舗を構えているため、席回転率をアップさせ、他の飲食店に人手が流れないような体制構築が必要だったそうです。
そこで、同店は配膳ロボットKettyBotを導入。導入効果として店長は「スタッフ1人分以上の働きはしてくれていると思う」と語っています。スタッフを追加することなく業務効率が向上しており、従業員の負担減にも貢献できています。
出典:スタッフの作業負担軽減が良質な接客に繋がっています
事例③席回転率がアップ│回転寿司
3つ目の事例として取り上げるのは、「回転寿し まつりや 山鼻店」での配膳ロボット導入事例です。
同店ではかねてから、人手不足の中でスタッフが配膳、会計、お客様対応に追われ、席回転率に課題を抱えていました。
そこで同店は通路幅に合わせて稼働できる「KEENON T8」を導入。
配膳ロボットの導入により、キッチンスタッフがホールに出る必要がなくなり、キッチン業務に専念できるようになったといいます。
一方、ホールスタッフもテーブルリセットに時間を割けるようになったことで、課題としていた席回転率の向上も実現しています。
出典:回転寿し まつりや 山鼻店さま
事例④たった1台の導入で圧倒的な作業効率アップ│とんかつ専門店
最後に紹介するのは、「かつ波奈 木更津店」の配膳ロボット導入事例です。
元々少数精鋭で運営をしていた同店ですが、混雑時スタッフにかかる業務負担が課題となっていました。
そこで同店は猫型配膳ロボット「BellaBot」を導入。
BellaBotの導入により、重量のある料理の皿を人が運ぶ必要がなくなり、スタッフの負担減と配膳業務の効率向上を実現しています。
出典:かつ波奈 木更津店 さま
このように、配膳ロボットを導入することで、飲食店の抱えるさまざまな課題解決に繋がります。
配膳ロボットの導入効果・メリット3選
続いては、配膳ロボットを導入することで得られる効果を3つ紹介します。
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業務効率化
配膳ロボット導入を通じ、業務効率化を図ることができます。
一度に多くの料理・飲み物を配膳・下膳できる配膳ロボットであれば、従来人が往復して配膳作業をしていたところを一度で完結させることもできます。配膳業務が効率化することで、席の回転率が上がり、店舗の利益アップという結果にも還元されていくでしょう。
配膳業務の自動化を通じ、業務効率を改善できるのは配膳ロボットの強みです。
人件費削減
配膳ロボットは無人で稼働できるため、その分浮いた人件費の削減効果も期待できます。飲食店における課題として人手不足が叫ばれますが、人件費が店舗運営を圧迫しているケースも多いはず。
人件費削減を図りたいものの、人が減ることによる業務効率、サービスの質低下は避けたい。そのような場合には、配膳ロボットの導入がマッチする可能性があります。
顧客満足度向上
飲食店として目指すのは、質の高いサービスを提供し、顧客に満足してもらうことです。顧客満足度を向上させる方法はさまざまですが、人手を増やし、余裕をもって業務を回すことで、サービス全体の質を向上できるはずです。
この点において、配膳業務という領域を省人化し、スタッフをその他コア業務に注力させられる配膳ロボットは、顧客満足度向上にも一役買うことができます。
配膳ロボット導入により、業務の効率化に留まらず、コスト削減などの効果を得ることが可能です。
配膳ロボットの導入効果については、以下記事で詳しく解説しています。
参考記事:配膳ロボットの導入効果4選!必要とされる背景や機能、導入時の注意点も解説
配膳ロボットの導入費用はいくら?
配膳ロボットの導入費用は、下記表の通りです。購入は初期費用が高くなる一方で長期利用に適しており、リースやレンタルは初期費用を抑えて導入できる点が特徴です。
また、本体価格だけでなく、初期設定費や保守費用なども含めて総コストを比較することが重要です。
| 導入方法 | 費用目安 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 購入 | 100万~300万円程度/台 | 長期利用ではランニングコストを抑えやすい | 初期費用が高額になりやすい |
| リース | 月額3万~10万円程度 | 初期費用を抑えて導入しやすい | 契約期間中は月額料金が発生する |
| レンタル | 数日~数か月で数万円~数十万円 | 短期間の利用や試験導入に適している | 利用期間が長いと総費用が高くなる場合がある |
| その他費用 | 初期設定費・搬入設置費・保守費・通信費など | 安定した運用を支える費用 | 本体価格以外の費用も事前に確認することが重要 |
配膳ロボットは、導入価格だけでなく契約期間や保守内容によって総コストが変わります。
そのため、店舗の営業形態や導入目的に合わせて、購入・リース・レンタルのいずれが適しているかを総合的に比較したうえで選定することが重要です。
参考記事:配膳ロボットの価格相場は?価格を抑える方法や導入事例も紹介
配膳ロボットの導入が向いている店舗
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配膳ロボットは、人手不足の解消や業務効率化を目指す店舗に適しています。特に、配膳に多くの時間や人員を要する店舗では、スタッフが接客などの付加価値の高い業務に集中しやすくなります。
ファミリーレストランや回転寿司店、大型飲食店のほか、ホテルや介護施設など運搬業務が多い施設でも配膳ロボットの導入が進んでいます。料理や食器の運搬を自動化することで、スタッフの負担軽減やサービス品質の維持につながる点が特徴です。
配膳ロボットは、省人化だけでなく店舗全体の運営効率を高める設備といえます。自店舗の課題や営業形態に合わせて導入を検討することが重要です。
※https://bizcan.jp/haizenrobot/syoukiboinsyokuten-haizenrobot/
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配膳ロボットの導入が向かない可能性がある店舗
配膳ロボットは、すべての店舗に適しているわけではありません。通路が狭い店舗や段差が多い店舗、スタッフによる細やかな接客が重視される業態では、十分な導入効果が得られない可能性があります。
配膳ロボットは一定の走行スペースを必要とするため、小規模店舗や複雑な動線では運用しにくい場合があります。また、カウンター中心の店舗や高級店では、対面サービスを重視する営業形態との相性も考慮する必要があります。
配膳ロボットの導入では、店舗レイアウトや業務内容、接客スタイルを踏まえて費用対効果を検証することが重要です。導入目的に合致するかを事前に確認することで、効果的な店舗運営につながります。
配膳ロボット導入時の流れとは?
では実際に配膳ロボットを導入する場合、どのような流れで導入まで進めればよいのでしょうか。
STEP1導入目的・予算を策定する
まずは配膳ロボットを導入する目的を明確にしましょう。人手不足の解消や業務効率化など、自店舗の課題を整理し、配膳ロボットで解決できるかを検討します。また、購入する場合は100万円以上の初期費用がかかるケースもあるため、導入予算もあわせて計画しておくことが重要です。
STEP2配膳ロボットを選定する
導入目的が決まったら、店舗に適した配膳ロボットを選びます。メーカーや製品によって配膳能力や走行性能、搭載機能は異なるため、店舗のレイアウトや運用方法に合った機種を選定しましょう。
STEP3購入・導入準備を進める
導入する機種が決まったら、購入手続きと導入準備を行います。配膳ロボットを活用した業務オペレーションを整備し、スタッフへの共有や操作方法の確認を済ませてから運用を開始できる状態にしておきましょう。
STEP4運用を開始し改善を続ける
実際に運用を開始したら、現場の状況を確認しながらオペレーションを改善していきます。導入後に見えてくる課題にも対応し、配膳ロボットが最大限の効果を発揮できるよう継続的に運用を最適化しましょう。
配膳ロボット導入時の注意点
一方で、配膳ロボットを導入する際はいくつかのポイントに注意が必要です。
本項の内容を確認し、注意点についてチェックしておきましょう。
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配膳ロボット導入の目的を明確にする
配膳ロボットを何故導入するのか、目的は明確にしておきましょう。人手が足りており、人件費も店舗運営上の問題になっていないにも関わらず配膳ロボットを導入しても、十分な効果を得ることはできません。
人手不足、サービスの質が低下しているなど、店舗において解決したい課題が明確を明確にし、その課題解決に配膳ロボットが役立つと判断できた場合に、配膳ロボット導入を検討してみるのが無難です。
店舗オペレーションを刷新する
配膳ロボットを導入することで、店舗業務のオペレーションを変更する必要があります。配膳・下膳業務に人を割く必要がなくなる分、どのように業務を回すか、人の割り振りを変更するかなど、さまざまな部分で変更が生じるでしょう。
その際注意しておくべきなのは、業務オペレーション変更によりスタッフが混乱しないよう、マニュアルなどを用意したうえで、しっかりと周知・共有を行っておくことです。
運用コストを明確にしておく
配膳ロボットは初期コストのみではなく、メンテナンス費などを含め、運用コストも発生します。そのため、中長期的に配膳ロボットを運用した際のコストは試算しておくのが無難です。
算出したコストと、配膳ロボット導入により期待される効果が見合う場合に、配膳ロボットの導入を検討するとよいでしょう。
配膳ロボットは便利ですが、導入すれば終わり、ではありません。導入時にしっかりと準備をするよう注意しましょう。
配膳ロボットの導入事例を参考に自店舗に適した導入を検討しよう
本記事では、配膳ロボットの導入事例をはじめ、導入効果や導入時の注意点、導入までの流れを解説しました。配膳ロボットは、人手不足の解消や業務効率化、サービス品質の向上に役立つ設備です。
一方で、店舗レイアウトや営業形態によっては十分な効果を得られない場合もあるため、自店舗の課題や導入目的に合わせて検討することが重要です。
本記事を参考に、自店舗に適した配膳ロボットの導入を進めてください。

