キッチンカーではさまざまなメニューが販売されていますが、そのなかでも代表的なものがクレープです。今まさにクレープ屋の開業を検討している方もいるのではないでしょうか。
クレープ屋は全国でさまざまな人が開業しており、成功するには開業時点から対策を講じる必要があります。
そこで、キッチンカーでクレープ屋を開業する際、押さえておくべき手続きと必要な道具を取りあげつつ、準備の段階からできる成功のポイントをまとめました。開業や経営の参考にしてください。
キッチンカーでクレープ屋を開業するのに必要な手続き

キッチンカーでクレープ屋を開業するには、以下3つの手続きを完了する必要があります。
- 食品衛生責任者
- 保健所の営業許可
- 各種保険への加入
それぞれの内容について解説します。
食品衛生責任者
キッチンカーをはじめとした飲食店は、1店舗につき1名の食品衛生責任者を配置しなくてはなりません。この資格は、都道府県等またはその指定を受けた機関が実施している食品衛生責任者養成講習会を受講すれば取得できます。食品衛生責任者養成講習会は、食品衛生協会が実施しているケースもあります。
講習会は回数が限られており、予約が必要です。講習日の1か月前には埋まっていることも珍しくはないため、予約はできるだけ早めに取りましょう。
以下のコラムでは食品衛生責任者についてより詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
参考記事:飲食店開業に必要な資格一覧|調理師免許の有無や届出の申請についても解説
保健所の営業許可
キッチンカーでクレープ屋を開業するには、保健所で検査を受けて飲食店営業許可を取得する必要があります。手続きで使用する書類のなかには食品衛生責任者の資格証も含まれているため、忘れず用意しましょう。
許可を取得するには、キッチンカーの設備や衛生管理の基準も満たす必要があります。また、細かい規定は保健所ごとに異なります。許可を取る前に営業場所を管轄している保健所に詳しい内容を必ず確認しておきましょう。
各種保険への加入
キッチンカー営業では、車での事故や商品に関する事故の、2つのリスクを抱えています。万が一の事態に対応するためにも、対策が必要です。以下2つの保険に加入しておきましょう。
- 自動車保険:自動車で事故を起こした場合の備えになる保険で、対人・対物賠償保険と搭乗者と車両の事故などを補償するものがある
- PL保険:食中毒や提供中の事故をカバーする保険
保険のなかにはキッチンカー営業用に、2つの保険をまとめたものもあります。保険は会社や商品によって補償内容が異なるため、それぞれの内容を比較して加入するものを決定しましょう。
キッチンカーでクレープ屋を開業する際に必要な道具

キッチンカーでクレープ屋を開業するには、手続きと併せて以下の道具が必要です。
- 業務用クレープ焼き器
- クレープスプレッダーとスパチュラ
- クレープスタンド
それぞれの選び方や特徴について解説します。
鉄板とクレープ焼き器
クレープを焼く専用機器は、鉄板と鉄板を熱する仕組みでできています。鉄板は円形をしており、分厚いほど温度を一定に保ちやすく、生地を早く焼けます。厚みは複数ありますが、6㎜以上のものが選ばれることが多い傾向です。鉄板には3つの直径があるため、こちらはキッチンカーのサイズに合わせて選んでください。
- 360㎜
- 400㎜
- 410㎜
なお、初めてクレープを作る人の場合、400㎜または410㎜を選ぶ傾向にあります。これは多くのクレープ店で採用されているサイズのため、周辺機器もそろえやすくなります。
鉄板を熱する焼き機には、2つの種類がありそれぞれメリット・デメリットがあります。
| 鉄板の種類 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| ガス式 | ・電気式より本体価格が安い ・ふわっとしたクレープ生地が焼き上がる ・火力が強く連続して生地を焼ける |
・温度管理が必要で火加減の調節が難しい ・夏場はキッチンスペースの温度が上がるため熱中症のリスクが上がる ・電気式より片付けに手間がかかりやすい ・火気使用禁止施設内には出店できない |
| 電気式 | ・温度管理が簡単 ・夏場でもキッチンスペースが高温になりにくい ・火気が使えない屋内でも出店できる |
・ガス式に比べると本体価格が高め ・連続して使用すると鉄板の温度が下がってしまうため焼き続けるのが難しい ・電気使用量が大きいため出店場所から電気を借りる場合容量に注意する必要がある |
焼き機を選択・購入する際は、それぞれの特徴をよく理解したうえで適切な設備を選びましょう。
クレープスプレッダーとスパチュラ
クレープスプレッダーは、通称「トンボ」とも呼ばれている調理器具で、おもちゃのトンボのような形をしています。生地を熱した鉄板に垂らし、クレープスプレッダーで広げて均一かつ円形に伸ばす際に使います。作りたい大きさの半分に当たる長さを選ぶのが、サイズの目安です。鉄板とセットで検討しましょう。
なお、クレープスプレッダーは使用後放置すると生地が乾いてこびりついてしまいます。営業中は水の中に入れて乾燥を防ぎましょう。
スパチュラはスパテル・パレットナイフとも呼ばれているもので、焼けたクレープを鉄板からはがすときに使われます。ステンレス製のものが多く、生クリームなどを広げる際にも活用される道具です。これも鉄板の大きさに合ったサイズを選びましょう。
クレープスタンド
クレープスタンドは、クレープの仕上げ作業でクリームを盛り付ける際に立てておくために使う道具です。手渡しする手間を軽減する役割もあり、そのまま顧客に提供して次の作業に移ることもできます。
アイスクリームを立てておくコーンホルダーとして販売されています。購入の際は、クレープスタンドだけでなくコーンホルダーも併せてチェックしてみましょう。
どの道具もクレープの味や食感を決定し、完成度を高める役割を果たします。効率的に商品を提供するためにも、専用の道具を選ぶ際は慎重に比較・検討しましょう。
キッチンカーでクレープ屋開業を成功させるためのポイント
クレープ屋の開業を成功させるには、準備だけでなく以下3つのポイントを押さえておく必要があります。
- 回転率を上げる
- オリジナリティや見た目にこだわる
- 同じ業態の事例を参考にする
次は、それぞれの内容について解説します。なお、以下のコラムでは開業の流れや注意すべきポイントをより詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
参考記事:キッチンカー開業までの流れ7ステップ!開業資金の目安や資格など準備の進め方を解説
回転率を上げる
クレープの単価は商品内容や立地によって異なりますが、500~1,000円前後で販売される例が多く見られます。販売数が少ない状態では、利益につなげるのは難しい場合もあります。このような状態を防ぐためには、回転率を上げる工夫が必要です。
- 現金決済以外の支払方法を導入する
- オペレーションにかかる時間を減らす
- 作業動線を工夫して提供時間を短縮する
これらの工夫は開業計画や車両準備の段階から注意する必要があります。準備の段階から回転率を上げるにはどうすればいいか考えておきましょう。
オリジナリティや見た目にこだわる
クレープ屋はキッチンカー営業のなかでもポピュラーなもののため、他店との差別化を図る必要があります。オリジナルメニューを作って独自の売りを明確にし、同業他社との差別化を図りましょう。これはメニューだけでなく、広告などで顧客にアピールする場合にも重要な要素です。
また、集客率を高め、幅広い顧客を確保するには、提供メニューの見た目も大切です。SNSなどで映える見た目を意識しましょう。顧客の目を楽しませられれば、顧客がSNSなどで宣伝してくれる可能性が上がります。商品画像や店舗情報などをシェアしたくなるような盛り付けを意識するのも、開業成功のポイントです。
同じ業態の事例を参考にする
クレープ屋はポピュラーな分、開業した人の成功・失敗事例が多数あります。事例を収集して分析し、積極的に自店舗に活かしましょう。実際に遭遇した失敗・成功のポイントを集め、可能であればセミナーなどの先駆者に質問できる環境に参加するのもいい方法です。
キッチンカーでのクレープ屋開業を成功するには、準備の段階からポイントを押さえておく必要があります。開業や資金の計画を立てる際は、これまで解説した内容を意識しておきましょう。
キッチンカーでのクレープ屋開業は準備段階から勝負が始まっている
クレープ屋はキッチンカー営業のなかでもポピュラーな分、すでに開業している人・企業はたくさんあります。これらに差をつけるには、自社のオリジナリティや顧客が積極的に宣伝したくなるような味と見た目が重要です。まずはどんなクレープを提供したいのか、味や見た目をより詳しく検討・分析するところから始めてみましょう。

