キッチンカー（移動販売）を開業するメリット
キッチンカー（移動販売）を開業するメリットは、以下の5点です。
- 開業資金やランニングコストを抑えられる
- 場所にとらわれずに営業できる
- 副業として始める選択肢もある
- 実店舗を構える前に顧客の反応が見られる
それぞれ、具体的なメリットや店舗経営に与える効果について解説します。
開業資金やランニングコストを抑えられる
キッチンカーは、開業資金やランニングコストを抑えられるメリットがあります。一般的なテナントを借りて店舗を開業するのと比べて、大幅なコストカットが可能です。店舗を構えるためには、1,000万円以上の開業費用がかかるケースも少なくありません。
一方で、キッチンカーであれば、その半分以下の資金でも開業できます。
業態や車両の大きさ、新車化中古車かなどの違いによって必要な資金は変動するものの、店舗開業と比べると低資金で始められる点がキッチンカーのメリットです。また、賃料の負担が発生しない分、ランニングコストも安く抑えられます。
場所にとらわれずに営業できる
場所にとらわれることなく営業できるのも、キッチンカーを開業するメリットの1つです。キッチンカーは、営業許可が得られている場所であれば、どこでも出店できます。
また、イベント会場や展示会などの期間が限られている場所でも出店できるため、見込み顧客が多い場所を選んで出店できる点が特徴です。
移動しながら時期や時間帯に応じて任意の場所に出店できるのは、キッチンカーならではのメリットだといえます。
副業として始める選択肢もある
副業として始められるのも、キッチンカーのメリットです。キッチンカーは、毎地に決まった時間に営業する必要がないため、例えば「土日祝日のみ」「ランチ時間帯のみ」の営業でも開業できます。
実店舗の休業日に店舗の宣伝をかねてキッチンカーを出したり、会社員の副業として始めたりするのも選択肢の1つです。キッチンカーは、個人事業主として開業できます。
型にとらわれることなく、自分のスタイルにあった働き方で開業したい、という方におすすめです。
実店舗を構える前に顧客の反応が見られる
キッチンカーは、実店舗を構える前の段階で、顧客の反応が見られるメリットもあります。 提供しているメニューの温度や量、質と値段のバランスなど、顧客の反応を通じてさまざまな情報が得られ、メニューをブラッシュアップしていく機会としても最適です。
キッチンカーなら、将来的な店舗出店に向けた情報収集や提供メニューの調整が行えます。
イベント会場での需要が高い
イベント会場での需要が高いのも、キッチンカーを開業するメリットの1つです。イベント会場で飲食のブースを出す場合、機材や調理器具・テント類など準備しなければならないものが多く、短期間の出店に対するコスト負担が大きい傾向にあります。
一方で、キッチンカーであれば車両を移動させるだけでそのまま開店できるため、身軽に出店しやすい点が魅力です。イベントが実施される際にキッチンカーの出店募集が行われていることも多く、収益機会を確保しやすいでしょう。
キッチンカー（移動販売）を開業するまでの流れ
キッチンカーを開業するまでの手続きや準備の流れは、以下の通りです。
- コンセプトを決めて資金計画・事業計画書を作成する
- 資金を準備する
- 販売するメニューや価格設定を行う
- 営業場所・仕込み場所を確保する
- 必要資格や許認可を取得する
- 車両や調理機器を購入・リースする
- 備品を揃える
- 食材を仕入れる
- 開業準備・宣伝する
- 営業を開始する
上記はあくまで全体的な流れをイメージしたものであり、細かく調整が必要な事柄も出てきます。
とくに資金の準備は時間がかかるため、早めに貯蓄を初めて自己資金を貯めたり、補助金・助成金や融資申請を行ったりして確保しておきましょう。 また、開業費用のうち多くを占める車両の購入に関しては、新車・中古車どちらを購入するのか資金とのバランスを見ながら検討することが大切です。
キッチンカー（移動販売）の開業に必要な資格・許認可
キッチンカーの開業に必要な資格・許認可は、以下の4つあります。
- 食品衛生責任者
- 運転免許
- 飲食店営業許可証
- 車両の構造変更申請
これらの資格や許認可を取得していないと、キッチンカーを開業することはできません。また、
移動販売を行うことから、出店場所それぞれで営業許可を取得する必要があります。 料理を提供するにあたり、調理師免許は必須ではないものの、食品衛生責任者の講習が免除されるので取得しているとスムーズに開業できます。
キッチンカー（移動販売）の開業に必要な資金の目安
キッチンカーの開業に必要な初期費用の目安は、約300万円～800万円です。飲食店を開業する資金の半分以下の水準なので、店舗を構えるよりも低コストでスタートできます。
中古キッチンカーを購入すれば、車両の購入費を大きく抑えられるため、検討してみると良いでしょう。
キッチンカーの開業に不安がある場合、キッチンカー事業を展開するフランチャイズに加盟する選択肢もありますが、加盟金やロイヤリティの支払いが生じる点に注意してください。
また、資金は潤沢にあるほど収益が伸びてくるまで時間をかけて取り組めるため、余裕をもって準備しておくと安心です。
キッチンカー（移動販売）開業時に利用できる補助金・助成金制度
キッチンカー開業時に利用できる補助金・助成金制度には、以下のものが挙げられます。
- ものづくり補助金
- 創業支援等事業者補助金
- 小規模事業者持続化補助金
- 地域雇用開発助成金
このほかにも、キッチンカーの開業やキッチンカー営業を支援する制度は多数あり、
国ではなく自治体が運営しているものもあるので、積極的に活用してみると良いでしょう。 ただし、補助金・助成金制度は、制度ごとに申請要件や申請期限が設けられているため、自身の開業方法で適用されるのか確認した上で、期限内に申請することが大切です。
キッチンカー（移動販売）の出店場所について
キッチンカーは、主に以下のような場所で出店・営業できます。
- オフィス街・住宅街
- イベント会場
- スーパーやショッピングセンターなどの商業施設
- 観光・アミューズメント施設
- 大学・会社の敷地内
キッチンカーの出店場所それぞれの特徴や、見込める顧客層の違いについて見ていきましょう。
オフィス街・住宅街
オフィス街や住宅街は人通りも多く、キッチンカーの出店場所に最適なエリアの1つです。公共道路に駐車して営業を行う場合は、管轄地域の警察署で道路使用許可申請を行う必要があります。
キッチンカーで提供するメニューによって需要が左右されるものの、ランチ時間帯や夕方の買い出し時間帯などは、収益が伸びやすい時間帯です。
平日はオフィス街、土日祝日は別の場所など、出店地域を曜日や時間帯で変更するのも良いでしょう。
イベント会場
イベント会場は、キッチンカーの出店場所として人気のスポットです。
イベント運営者がキッチンカーの出店を募集しているケースも多く、イベント来場者の集客が見込めるので収益も期待できます。 ただし、出店に際して出店料が発生するケースも多くあるため、出店料がかからない地域での販売価格より上乗せの価格設定にするなどの対策が必要です。
集客のための宣伝活動はイベント運営者に任せられるため、自身で宣伝活動を行うことが苦手な方にも適しています。
スーパーやショッピングセンターなどの商業施設
スーパーやショッピングセンターなどの商業施設も、キッチンカーの出店場所に最適です。
商業施設の一角を間借りして出店する方法で、お惣菜やスイーツなど、持ち帰れるものやその場で楽しめる商品の販売を行うと良いでしょう。 ただし、スーパーやショッピングセンターなどの商業施設で出店する場合は、直接施設側と出店交渉を行う必要があります。
出店費用の支払いが生じる場合もあるので、「費用をかけても人通りの多い場所で出店したい」という方は、出店場所を選ぶ際の選択肢の1つとして検討してみてください。
観光・アミューズメント施設
観光・アミューズメント施設も、キッチンカーの出店場所に適しているエリアです。施設の中で場所を借りる場合は、ほかのケースと同様に出店料が発生することが多くあります。
また、観光スポットが並ぶ地域の中であれば、駅前に出店するのも良いでしょう。出店場所によって出店費用が発生するか、道路使用許可が必要になるかが異なるため、必要に応じて交渉や手続きを行うことが大切です。
大学・会社の敷地内
大学や会社の敷地を借りて、キッチンカーを出店する選択肢もあります。
学生や会社員の需要が見込めるため、ランチ時間帯の出店におすすめのエリアです。 大学や会社と出店交渉を行う必要はありますが、敷地内の限られたスペースに出店するため、イベント施設のように競合が多数いる中で出店するのは避けたいという方に適しています。
短い休憩時間を活用して来店してくる顧客が多いため、提供までのスピードを上げることが収益を伸ばすポイントです。
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