ラーメン屋は人気の高い飲食業態ですが、競争が激しく、開業後に経営が軌道に乗らず閉店に至るケースもあります。そのため、開業に悩む方もいらっしゃいます。これは、開業において多くの人が陥りがちな失敗が関係しています。
今回はラーメン屋開業が失敗に終わるありがちな理由や、それを踏まえた対策について解説します。
ラーメン屋開業が失敗に終わるありがちな理由

ラーメン屋開業が失敗に終わる理由のうち、特にありがちなのが以下の理由です。
- 競争率と廃業率の高さを考慮していなかった
- 長時間労働についていけなかった
- 資金繰りのプレッシャーに耐えられなかった
まずはこれらの内容について解説します。
競争率を考慮していなかった
ラーメン屋は個人で開業するケースも多く、比較的独立開業を目指す人が多い業態です。顧客に受ける独自の味を提供できれば成功する可能性もある一面を秘めています。これはラーメン屋開業におけるメリットですが、反面、競合が多く存在するデメリットにもつながっている要素です。
ラーメン屋の競合は個人店だけでなくチェーン店も含まれています。チェーン店は固定ファンが多くいる上に、価格帯や味においての安心感が強いため、多くの顧客に選ばれやすい業態です。これらの競合に勝てる要素がないと、顧客が得られず経営難に陥る可能性があります。
これを見越して競合の少ない地域に出店する方もいますが、あとから自店舗よりも顧客ニーズに応えられる店舗ができて追い抜かれる可能性もゼロではありません。競合によって廃業に追い込まれるのは、ラーメン屋開業におけるよくある事例といえます。
長時間労働についていけなかった
ラーメン屋を特に1人で営業する場合、ハードな作業を長時間続けることになります。
- 早朝から開店まで:スープや具材の仕込み
- 営業中:調理と接客
- 閉店後:片付け・翌日に向けた準備・売上計算・仕入れ・人事などの雑務
ワンオペや少人数で営業する場合、仕込みから営業後の片付けまで含めて長時間労働になりやすい傾向があります。このサイクルを休店日以外毎日続けることになるため、ラーメン屋は激務であり体力勝負の仕事といえます。休みを取るのもままならず、体力的な限界から経営を断念するケースも珍しくはありません。
このケースを避けるためには、いかに作業負担を軽減し、効率的に業務を遂行するかがカギとなります。
資金繰りのプレッシャーに耐えられなかった
ラーメン屋開業には、ある程度まとまった開業資金が必要です。この資金集めも大変ですが、開業後は日々の売上から経費などの運転資金を支払いつつ、開業後は日々の売上から運転資金を確保しながら、長期的に初期投資を回収していく必要があります。
たとえ短期間で見たときに利益を出せていても、運転資金の支払いや資金回収がままならない状態に陥ることがあります。
手持ち資金が不足し資金繰りが滞ると、閉店を検討せざるを得ない場合があります。また、開業資金を回収するまでの期間は資金面の負担が続くこともあるでしょう。資金繰りの負担が大きいと、事業継続が難しくなるケースも考えらます。
このような事態を防ぐには、資金計画を開業だけでなくその費用も回収する前提で立てるのが重要です。
ここまでラーメン屋開業における失敗について解説しました。こうしたリスクは、事業計画や資金計画の前提が十分に整理できていない場合に高まりやすいと考えられます。開業を成功させるためにも、計画を立てる際は綿密に内容を詰めたうえで検討しましょう。
参考記事:ラーメン屋開業に必要なものとは?設備機器や資格手続きを解説
ラーメン屋開業が失敗に終わりやすい場合
事業の成功と失敗には、さまざまな要素が関わります。実際にラーメン屋の事例のなかには、ありがちな失敗から持ち直したものもゼロではありません。事業継続が難しくなる事例との違いとして、経営者の考え方があります。
次は、ラーメン屋開業が失敗に終わりやすい場合に多い場合の特徴について解説します。
自分のこだわりが捨てられない
こだわりを優先しすぎて市場ニーズの検証が不十分なまま開業すると、結果として顧客ニーズとずれが生じ、他店に流れる可能性があります。また、こだわりが原材料や内装に出てしまい、利益を出せない・開業資金の回収がうまくいかないなどのケースもよくあります。
また、こだわりが出店場所に出てしまったために、ラーメンやメニュー構成にそぐわない場所で開業してしまうのも、よくあるケースです。
こだわりは決して悪いものではなく、むしろラーメン屋に求められる要素です。しかし、顧客や経営に対する意識を持つ余地がないほどのこだわりは、開業を失敗に導く恐れがあります。
効率的な集客や雑務処理ができない
開業直後は新鮮さもあり、多くの顧客が来店するタイミングです。これはラーメン屋も例外ではありません。しかし、オープンセールが終わったあとなどの、新鮮さが薄れた時期までにきちんと集客戦略を実施していないと、顧客を確保できず失敗につながりやすくなります。
オープン後も新規顧客を確保しリピーターを生み出すには、定期的に新商品の宣伝やSNSの活用を通して集客していく必要があります。
また、売上計算やスタッフ管理などのバックオフィス業務に十分な時間を割けない場合、運営に支障が出て失敗リスクが高まることがあります。
雑務に時間をかけすぎると、その分ラーメンやサイドメニューの仕込みをする時間が減ってしまいます。結果、メニューの品質とともに利益が落ちてしまい、事業継続が難しくなることになるケースです。
金銭管理が苦手
雑務と同じく失敗につながりやすいのが、費用管理です。金銭管理のルールや記録が不十分な状態で運営すると、収支の把握が難しくなり、経営判断が遅れるおそれがあります。
売上があっても支出が多ければ赤字になります。開業を成功させるには、売上を伸ばすだけでなく、経費削減や費用見直しなどの努力や、回収できる範囲で資金計画を立てるなどの対策も必要です。
「売上が上がっているからいいや」と構えていると、ある日突然経営難に陥ってしまうこともあります。金銭管理は開業前からシビアに行いましょう。
ラーメン屋の開業が失敗に陥りやすい人は、共通して経営状況の見極めが苦手な傾向にあります。この特徴を補うためにも、自分が苦手な部分を補うツールや工夫を知り・実践していくことが大切です。
参考記事:ラーメン屋開業支援を活用するメリットとは?代表的なサービスも紹介
ラーメン屋開業を失敗しないための対策3つ
ラーメン屋開業の失敗理由は、それぞれ対策すれば影響を最小限に抑えられます。開業前に、失敗を避けるための対策を知っておきましょう。
開業資金を抑えつつ利益を確保する
ラーメン屋開業が失敗に終わる理由のうちいくつかは、開業資金の回収や手持ちの現金不足によって引き起こされています。これを防ぐためにも、開業資金と運営資金にそれぞれ対策しておきましょう。
開業資金は回収が早ければ早いほど経営への影響を抑えられます。開業に向けて準備する際は、以下の対策を意識しましょう。
- 設備や備品の一部に中古品を活用する
- 居抜き物件を選ぶ
- 小さい規模の店舗から始める
これらの対策に加え、開業時点で運用資金を半年〜1年程度の運転資金を確保しておくことで、資金不足リスクを軽減しやすくなります。以下の費用を計算し、開業資金とは別に用意しておきましょう。
- 店舗家賃
- 食材費
- 光熱費
- 人件費
開業規模や物件条件によって異なりますが、一般的には数百万円〜1,000万円以上かかるケースもあります。
券売機やPOSレジを導入する
雑事にとらわれて仕込みなどの作業ができないと、メニューの品質低下による顧客の離脱を招く恐れがあります。しかし、正しく売上や経費を管理するには、人の手だけでは限界があります。
効率的に業務を遂行し、適切に利益や経費を管理するためにも、券売機やPOSレジなどの業務を自動化・効率化できるシステムを導入しましょう。
こうしたシステムは顧客がスムーズに会計・注文するのに役立つほか、注文や作業で発生するミスを軽減するのにも役立ちます。接客時の負担もある程度軽減できるため、労働時間のロス削減・短縮にも有効です。
以下のコラムでは、ラーメン屋でよく導入されている機器である食券機について解説しています。こちらも参考にしてください。
参考記事:券売機とは?食券機(食券自販機)・発券機・精算機との違いや活用シーンについて解説
コンセプトとターゲット層を意識する
こだわりを活かしつつ戦略を展開するには、こだわりの柱となる店舗やメニューのコンセプトを明確にしておく必要があります。
コンセプトがわかればそれに沿ってターゲット層や戦略を有利に進められる立地も選べるようになるほか、開業・経営ともに費用をかけるべきところを見極められるようになります。まずはどんなコンセプトのラーメンを提供するか、麺やスープ・具なども詳細に詰めていくことから始めましょう。
ラーメン屋は必ずしも成功するとは限らない業種ですが、開業時からきちんと工夫していれば持続的な経営も可能です。開業準備の段階から、できる対策を実施していきましょう。
ラーメン屋開業の失敗は工夫で対策できる
ラーメン屋は競争が激しい業態であるため、事前準備や経営計画が重要になります。そのためには、開業からしばらくの間の負担をいかに軽減・回避するかを考える必要があります。
まずは開業の軸となるコンセプトを決め、それに沿って事業や資金の計画を立てていきましょう。自分の戦略の穴を1つずつ埋めていくことから始めてください。

