キッチンカーを開業する際に問題となりがちなのが、資金不足です。この資金不足を解決する方法の一つが融資です。融資を利用するには、基本的な仕組みや手続きの知識が必要になります
このコラムでは、キッチンカー開業で融資を受ける際に必要な基礎知識を解説します。
キッチンカー開業に必要な費用と目安

キッチンカー開業では、主に次の3つの費用が発生します。
- キッチンカーを用意する際の費用目安
- 調理器具を用意する際の費用目安
- 容器や販促品を用意する際の費用目安
まずはそれぞれの費用について解説します。
キッチンカーを用意する際の費用目安
キッチンカーを用意する場合、複数の方法が活用できます。それぞれの方法別の費用目安は、以下のとおりです。
- 所有している車をDIYで改造する:約50万円
- 所持している車を改造してもらう:約100~130万円
- キッチンカーを購入する:約200~250万円
- キッチンカーをレンタルする:1日約5万円・1週間約18万円
なお、ここで解説した費用はあくまでも目安です。改造の内容や車両状態によっては、費用が前後する可能性を頭に入れておきましょう。
調理器具を用意する際の費用目安
キッチンカーで調理または作り置きした食べ物を保温する場合には、専用の設備が必要です。具体的な費用目安をまとめると、以下のようになります。
- 鍋やフライパン・包丁など:5~20万円
- コーヒーマシンなどの専用調理器具:10万円~
調理器具ごとに費用額は異なります。また、同じ設備でも、機能やグレードによって費用は変動するため、注意しましょう。
備品にかける費用額を決定する際は、以下の要素を加味しながら検討してください。
- ビジネスの規模
- 用意できる資金
- 初期費用の回収スピード
無駄や無理のない費用額から適切な設備を選ぶのがポイントです。
容器や販促品を用意する際の費用目安
販売する飲食物を入れる使い捨て容器も、きちんと費用に計上しましょう。チラシや看板などの販促物も同様です。費用例としては以下のものがあります。
- 透明カップ100個:400円ほど
- 看板1つ:3,000円~高くても2万円程度
- チラシやショップカード:部数にもよるが2~3万円程度
費用差や変動はありますが、どれも工夫すればある程度費用を安く抑えられます。車両費ほど大きな支出ではないため、過度に神経質になる必要はありません。とはいえ、仕入れ方法など少しでも安くできる手段があれば、積極的に活用してください。
ここまで解説した費用は、経営で取り戻していく必要があります。このあと解説する事業計画では、資金計画の無駄だけでなく黒字化できるかもチェックされます。かかった費用をスムーズに取り戻せる金額で計算することも大切です。
キッチンカー開業の融資を受けられる金融機関
キッチンカー開業に必要な費用は自分で用意するだけでなく、金融機関から融資を受けて用意することも可能です。次は融資を受けられる以下の金融機関について解説します。
※融資の詳細については、金融機関・商品など条件で変わるため、あくまでも目安となります。詳しくは個別に確認が必要です。
- 日本政策金融公庫
- 都市銀行
- 地方銀行
- 信用金庫
なお、融資については以下のコラムにて詳しく解説しています。こちらも併せてご覧ください。
参考記事:飲食店開業時に融資を受けるには?申請の流れ・タイミングと必要な自己資金額について解説
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は政府系の金融機関で、起業家支援を積極的に行っています。支援のなかにはキッチンカー開業をはじめとした個人事業主でも活用できる融資もあり、比較的低金利の商品が多い傾向があります。
融資を受けたい場合は、まずは日本政策金融公庫で融資を受けられないか審査してもらうといいでしょう。
都市銀行
いわゆるメガバンクと呼ばれている銀行です。長期返済や大口の融資にも対応してくれるなど、安心感があります。
しかし、開業して間もない会社や個人事業の審査は厳しく行われる傾向にあり、創業直後は実績が乏しいため、審査は慎重になりやすい融資先でもあります。
地方銀行
地域密着型の金融機関で、名前の通りその地方に根付いた中小企業や個人事業主との取引が多い融資先です。都市銀行で審査が通らなかった場合でも、地方銀行のほうが事業実態を踏まえて相談しやすい場合があります。
融資先の候補として優秀ですが、金利が都市銀行より高い傾向があります。返済についてよく検討したうえで利用を決めましょう。
信用金庫
信用金庫は地方銀行同様地域密着型の金融機関で、会員(地域の中小企業・個人事業主)を支える協同組織の金融機関です。
そのため中小企業や個人事業主にも対応してくれるほか、将来的な成長予測も踏まえて融資してくれます。しかし、金利は銀行よりも高めで融資限度額が低い傾向にあります。
このように、融資してくれる金融機関は複数あります。それぞれ特徴が異なるため、それを踏まえたうえで融資先を選びましょう。
キッチンカー開業の融資を受けるための流れ

次は、キッチンカー開業で融資を受ける際の基本的な流れを解説します。参考記事も併せてご覧ください。
資金計画を立てる
融資を受けるには金融機関が設けた審査を受け、通過する必要があります。このときチェックされるのが、資金計画です。
資金計画を立てるには、まずキッチンカー開業にかかる費用を洗い出し、具体的な金額を用いて計算する必要があります。まずは必要なものとその平均金額をリストアップしましょう。
以下のコラムに詳しい内容が記載されています。資金計画を立てる際の参考にしてください。
参考記事:キッチンカーの開業資金はどれくらい必要?自己資金の目安と資金調達の方法を解説
資金調達方法を検討する
必要な資金が具体的に決まったら、資金調達方法を検討します。融資を受ける以外にも、自力で調達する方法や、補助金・助成金を使う方法もあります。幅広い方法から適切なものを選択しましょう。
また、融資を受ける場合は、融資先を検討する必要があります。融資限度額や金利・審査などを考慮しつつ、審査が通らなかったときのことも考え、複数候補を用意しておきましょう。
融資先に提出する書類の種類と条件を確認する
資金調達方法や融資先を絞り込んだら、融資を受けるための手続きに移ります。融資先が提示している条件や必要書類を確認し、用意しましょう。
たとえば、日本政策金融公庫の場合、融資を受ける基準に自己資金が定められています。目安としては融資希望額の10分の1は必要だといわれていますが、制度や申込内容により異なるため、詳細は要確認です。
このように、融資の条件によっては書類以外にも用意するものもあります。条件は融資先によりそれぞれ異なるため、必ず必要なものを確認したうえで用意しましょう。
融資先に問い合わせる
すべての準備が整ったら、融資先に問い合わせをして手続きを受けます。電話または融資先の窓口にて、融資を受けたい旨を伝えましょう。このとき、以下の内容について質問される場合があります。
- キッチンカーまたは飲食店での事業・就業経験
- 自己資金額
- 開業したいタイミング
- ほかの借入の有無・額
これらの質問にはあらかじめ答えられるようにしておきましょう。
面談日程の調整
ここまでで書類などの準備が十分であれば、提出して面談日程の調整に入ります。初めて問い合わせをした場合、面談設定まで、7日〜10日程度かかることがあります。休みを挟む場合や繁忙期はこれよりも面談日程が延びる可能性があるため、頭に入れておきましょう。
審査結果は面談後7日~10日で発表されます。審査に通ったら振込口座の手続きを進めます。
融資を受けるには審査が必要ですが、審査の内容は基本的に公開されていません。このコラムで解説した内容は、あくまでよくある事例の1つです。面談時には事業内容をきちんと伝えられるよう、計画をしっかり立てておきましょう。
キッチンカー開業において融資は心強い味方
融資はキッチンカーの開業資金を効率的に調達できる心強い味方です。審査があるため苦手意識を持ってしまう方もいるかもしれませんが、返済可能性が見込める計画であれば、相談に乗ってもらえるケースも多くあります。融資を受ける際は臆せず、自分のやりたい事業について、誠実な対応を心がけましょう。

