店舗の会計設備に、従来のキャッシュレジスターではなくPOSレジの導入を検討している方も多いでしょう。POSレジを導入することで、キャッシュレス決済や在庫管理の一元化が可能になるなどのメリットがあります。
しかし、自店舗に最適な機種を選ばなければ、業務オペレーションが煩雑になったり、複数のシステムを運用する必要が出たりして負担増につながりかねません。
本記事では、POSレジの人気メーカーをランキング形式で5選紹介しながら、各メーカーの特徴や自店舗に合うPOSレジを選ぶポイントについて解説します。
POSレジとは?
POSレジとは、POSシステムが備わっているレジ設備のことです。POSシステムのPOSは「Point of sales」の頭文字を取ったもので、販売時点情報管理を意味します。
POSシステムが備わっているPOSレジ製品は、売上管理や在庫管理が行えるようになる点が特徴です。収集したデータを分析すれば、店舗の経営戦略に活用できます。
セルフレジや自動精算機・券売機など、セルフ決済端末にPOSシステムが備わっているものもあるため、店舗に合わせて導入する機種を選ぶと良いでしょう。
また、POSレジを導入する際に決済端末を導入すると、電子マネー決済やクレジットカード決済・QRコード決済など、キャッシュレス決済にも対応できるようになります。
参考記事:キャッシュレス決済端末5選|メリットや導入方法・選び方について徹底解説
POSレジメーカー人気ランキングTOP5
ここからは、人気のPOSレジメーカー5選をランキング形式で紹介します。各社の特徴や機能の違い、適している店舗についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
1.東芝テック
出典:東芝テック株式会社
東芝テック株式会社は、POSレジや店舗機器類のメーカーとして高いシェアを誇る企業です。
東芝テックのPOSレジは、コンビニエンスストア大手のセブンイレブン各店でも導入されており、もっとも身近なPOSレジメーカーであるといっても過言ではありません。
モバイルオーダーや、ショッピングカート搭載型のセルフ決済システムなども手掛けており、さまざまな業態の店舗で導入しやすいPOSレジのメーカーです。
フルセルフレジ・セミセルフレジ・対面レジなど、多様なPOSレジを提供しているため、業種や店舗の規模を問わず活用できます。周辺機器の導入にも対応しているので、店舗の設備をトータルコーディネートしたい方に最適です。
参考サイト:東芝テック公式サイト
2.Airレジ
出典:株式会社リクルート
Airレジは、株式会社リクルートが提供しているPOSレジアプリです。基本のレジ機能のみであれば無料で利用できる点が特徴で、お手持ちのタブレット端末などにインストールすれば、タブレットPOSレジとして利用できます。
レジ設備の導入にかかる端末や周辺機器の購入費用も約10万円~15万円とリーズナブルなので、個人店舗や小規模店舗での導入にも最適です。
また、決済端末の「Airペイ」や予約管理システムの「Airリザーブ」など、多様なサービスを提供しているため、自店舗のオペレーションに合う設備やシステムを導入できます。
参考サイト:Airレジ公式サイト
3.富士通フロンテック
富士通フロンテック株式会社も、シェア率が高く人気のPOSレジメーカーです。対面レジや、セミセルフレジ・フルセルフレジの製造販売も手掛けています。
サイズが大きい設備が多いフルセルフレジも、富士通フロンテックの製品ならスリムで省スペースなので、設置場所が限定されている店舗でも複数台設置できる点が魅力です。
また、卓上タイプのコンパクトな製品もあるので、小規模店舗・個人店舗での導入にも適しています。また、セルフオーダーや百貨店向けのモバイル決済機なども販売しているため、飲食店や大型店舗など、業種・規模を問わず最適な設備を導入することが可能です。
参考サイト:富士通フロンテック公式サイト
4.スマレジ
出典:株式会社スマレジ
株式会社スマレジは、タブレットPOSレジで人気のメーカーです。提供しているのはクラウドPOSレジと呼ばれるサービス・設備で、お手持ちのタブレット端末にインストールすれば、無料で利用できます。
また、券売機やモバイルオーダー、キャッシュレス決済端末なども提供しているので、飲食店におけるオーダー業務の効率化にも最適です。
無料プランから有料プランまで合計5つのプランが提供されており、飲食店向けのプランだけでなく、複数店舗管理や複雑な在庫管理を行いたい小売業店舗に適したプランもあります。
参考サイト:スマレジ公式サイト
5.Squareレジスター
出典:Square株式会社
Squareレジスターも人気のPOSレジサービスです。キャッシュレス決済端末のSquareターミナルで知られる、Square株式会社が提供しているサービスで、決済端末との併用にも対応しています。
一般的なタブレットPOSレジは、ディスプレイモニターが1つしかなく、店員と顧客それぞれに画面を向けて決済操作を行う必要がありました。
Squareレジスターの場合、店員側ディスプレイと顧客側のサブディスプレイの両方が備わっているため、画面を向ける手間もサブディスプレイを導入する負担もかからない点がメリットです。
参考サイト:Square公式サイト
そのほか、おすすめのタブレットPOSレジについては、以下の記事でも詳しく解説しています。こちらもぜひ参考にしてください。
参考記事:【2024年版】タブレットPOSレジとは?無料で導入できるおすすめサービスを5選紹介
POSレジメーカーでシェア率が高いのは?
ここからは、POSレジメーカーの中でシェア率が高い企業について、ターミナルPOSレジとタブレットPOSレジに分けてTOP3を紹介します。
ターミナルPOSレジのシェアTOP3
ターミナルPOSレジのシェアTOP3は、以下のメーカーです。
- 東芝テック 36%
- NECプラットフォームズ 28%
- 富士通フロンテック 18%
上位3社でPOSレジ市場の約8割を占めており、信頼度の高さが伺えます。しかし、ターミナルPOSレジは購入費用が100万円~300万円に上ることも多く、基本的には大手のコンビニエンスストアや大型スーパーなどで導入されている傾向です。
POSレジの購入を検討しているのであれば、国や自治体の補助金・助成金制度が活用できる場合があります。自店舗でPOSレジを導入する際は、このような制度が活用できないかリサーチしてみると良いでしょう。
参考記事:【2024年最新】POSレジ導入に利用できる補助金・助成金5選|金額や申請要件について解説
タブレットPOSレジのシェアTOP3
タブレットPOSレジのシェアTOP3は、以下のメーカーです。
- Airレジ 878,000アカウント(2024年6月末時点)
- スマレジ アクティブ店舗数47,089店(2024年10月時点)
- ユビレジ 導入店舗数40,000店舗以上(2024年11月時点)
Airレジが圧倒的なシェアを持っていることが分かります。Airレジは、タブレット端末だけでなくスマホ(iPhone)にもダウンロードできるため、大型のレジ設備が不要な個人事業主などにも広く活用されている点が特徴です。
また、スマレジやユビレジも導入コストが安く済むことから、ターミナルPOSレジを導入することが難しい店舗などでも、レジ業務のDX化にタブレットPOSレジが重宝されています。
POSレジのシェア率については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらを参照ください。
参考記事:【2024年最新】POSレジのシェア上位はどこ?ターミナル型・タブレット型のTOP3を紹介
自店舗に合うPOSレジの選び方
自店舗に合うPOSレジを導入するには、以下の点を意識して比較検討することが大切です。
- POSレジの種類で選ぶ
- 業種に特化した機能の有無で選ぶ
- 価格・ランニングコストで比較する
それぞれ、具体的にきちんと確認しておきたいポイントや比較の必要性について解説します。
POSレジの種類で選ぶ
自店舗に合うPOSレジを選ぶには、まずPOSレジの種類を絞り込むことから始めましょう。POSレジには、以下のような種類の製品があります。
- ターミナル型POSレジ
- パソコン型POSレジ
- クラウド型POSレジ
- タブレット型POSレジ
- モバイルPOSレジ・スマホPOSレジ
ターミナル型POSレジであれば、自動釣銭機や決済端末がセットになっているものも多く、会計のセルフ化・業務効率化も実現できます。
一方で、モバイルPOSレジ・スマホPOSレジであれば、お手持ちのスマホにクラウド型のPOSレジシステムをインストールしてPOSレジ機能を利用すれば良いため、持ち運びやすい点が特徴です。
POSレジの種類によってサイズや持ち運びやすさ、価格などにも大きな差が出るため、まずは種類の選定から始めると良いでしょう。
参考記事:POSレジの種類はいくつある?特徴や強みと最適な機種の選び方
業種に特化した機能の有無で選ぶ
導入するPOSレジは、業種に特化した機能の有無で選ぶことも重要です。飲食店向けPOSレジであれば、モバイルオーダーやテーブルオーダーと連携できるものもあります。
また、美容サロンやクリニック向けのPOSレジであれば、カルテやレセコンと連携できるなど、顧客管理のための独自機能が備わっている点が特徴です。
体験・アミューズメント施設向けであれば、予約管理機能が備わっていたり、外部の予約管理システムと連携できたりするものもあります。
小売店向けPOSレジなら、商品の詳細な在庫管理ができる機能が備わっているため、店舗運営全体を効率化したいのであれば、業種特化型のPOSレジも比較検討してみると良いでしょう。
参考記事:POSレジのおすすめ9選|業種ごとに最適なシステムを比較紹介!
価格・ランニングコストで比較する
導入するPOSレジは、価格・ランニングコストで比較して選ぶのもポイントです。どれだけ優れた機能が備わっていても、導入費用が予算を大幅に上回るような状態では、費用負担が経営を圧迫する原因になりかねません。
また、POSレジは端末の購入費用に加え、月額利用料や決済手数料の負担が発生します。導入費用だけでなく、ランニングコストも比較しておくと良いでしょう。
POSレジの購入価格や導入費用の目安は、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひ参考にしてください。
参考記事:POSレジの価格相場はどれくらい?種類ごとの導入費用の目安と安く抑えるコツ
まとめ
POSレジは、メーカーによって備わっている機能だけでなく、サイズや価格にも大きな違いがあります。
自店舗でどのようなPOSレジを導入すべきか判断する際は、メーカーのシェア率だけに左右されるのではなく、機能などもチェックした上で最適なものを選択しましょう。
また、POSレジの中には複数店舗・多店舗管理機能が備わっているものもあります。複数店舗・多店舗管理をPOSレジで行いたい場合は、店舗ごとにPOSレジを導入するのではなく多店舗管理機能が備わっている機種がおすすめです。