小売業や飲食業・美容サロン業・クリニックなど、幅広い業種で導入されているレジ設備がPOSレジです。
POSレジといえば、「自動釣銭機搭載型の大型設備を導入しなければならない」というイメージをお持ちではないでしょうか。
しかし、小規模店舗や個人店舗など、設置場所や導入にかけられる費用が限られている場合、高価な大型のレジ設備を導入できないケースも多いでしょう。
そこで今回は、小規模店舗や個人店舗でも導入しやすい「クラウド型POSレジシステム」について、導入するメリット・デメリットや、おすすめのサービスを紹介します。
クラウド型POSレジとは
クラウド型POSレジとは、POSレジシステムを経た売上情報や在庫情報を、クラウド上で管理できるアプリケーションのことです。
POSレジ本体のサーバーにデータを保存しておく必要がないため、コンパクトな設備かつセキュリティの高いデータ管理が実現できます。
クラウド型POSレジは、パソコンやタブレット端末・スマホなどにシステムをインストールして、導入する方法が一般的です。
参考記事:POSレジ・POSシステムの違いとは?主な機能と導入方法まとめ
クラウド型POSレジを導入するメリット
クラウド型POSレジを導入するメリットは、以下の3項目です。
- 導入コストが抑えられる
- 省スペースで設置できる
- 売上データのバックアップができる
それぞれ、具体的な理由や、どのような店舗での導入に適しているのかを解説します。
導入コストが抑えられる
クラウド型POSレジには、導入コストを抑えられるメリットがあります。POSレジ本体を購入するための費用が抑えられるため、導入費用を可能な限り抑えたいという方におすすめです。
ターミナルPOSレジや自動釣銭機搭載型のPOSレジは、購入に100万円前後の費用がかかる反面、クラウド型POSレジなら0円(決済手数料の負担のみ)で導入できるものもあります。
タブレット端末・スマホなどを所持していれば、インストールして利用開始できるので、導入コストを抑えつつPOSレジを導入したい場合に最適です。
省スペースで設置できる
省スペースで設置できるのも、クラウド型POSレジを導入するメリットです。ターミナル型や自動釣銭機搭載型は、大型の設備が多いので設置場所に幅を取ります。
クラウド型POSレジなら、薄型パソコンやタブレット端末・スマホなどをPOSレジとして利用できるので、省スペースで設置できる点が特徴です。
また、ワイヤレスタイプかつキャッシュレス決済対応なら、持ち運びできるため、テーブル決済やイベント出店時などにも活用できます。
タブレットPOSレジとして利用する場合におすすめのサービスについては、以下の記事をぜひ参照ください。
参考記事:【2025年版】タブレットPOSレジとは?無料で導入できるおすすめサービスを5選紹介
売上データのバックアップができる
クラウド型POSレジは、売上データのバックアップができるメリットもあります。一般的なターミナル型のPOSレジは、サーバー内にデータを保管するため、なんらかの故障やエラーが発生した際に消失しかねません。
クラウド型POSレジなら、インターネットを通じてクラウドサーバーにデータを保管できるので、万が一POSレジ本体が故障しても、データの消失は免れます。
大切な売上・顧客管理データを守りたい方や、複数店舗経営していて売上データを一元管理したい場合などは、クラウド上でデータ管理できるクラウド型POSレジがおすすめです。
クラウド型POSレジを導入するデメリット
クラウド型POSレジを導入するデメリットは、以下の3項目です。
- インターネット環境を整備する必要がある
- タブレット端末やスマホに不慣れだと難しい
- 本体を盗難されるリスクがある
それぞれのデメリットをカバーできていないと、店舗経営にどのような影響を及ぼす可能性があるのか、詳しく解説します。
インターネット環境を整備する必要がある
インターネット環境を整備する必要があるのは、クラウド型POSレジを導入するデメリットの1つです。
クラウド型に限らず、基本的には一部のオフライン機能が備わっている機種を除き、POSレジを導入するにはインターネット環境を整える必要があります。
一方で、一般的な手打ちタイプのキャッシュレジスターなら、インターネット環境がなくても利用できる点が特徴です。POSレジを導入する場合は、インターネット環境を整えるための費用を負担し、設置手配しなければなりません。
POSレジの機能を最大限に有効活用するためにも、クラウド型POSレジを導入する際は、このような負担が生じることを理解しておきましょう。
タブレット端末やスマホに不慣れだと難しい
クラウド型POSレジは、タブレット端末やスマホに不慣れな方には、使い方に慣れることが難しいデメリットもあります。
具体的には、普段スマホを使わずに生活している人や、セルフレジのようなタッチパネルの操作に慣れていない人です。
クラウド型POSレジは、基本的にパソコンやタブレット端末・スマホなどにインストールして利用します。そのため、このような機器を直感的に操作できない人にとって、慣れるまでに時間を要する設備になるでしょう。
本体を盗難されるリスクがある
クラウド型POSレジのデメリットとして、本体の端末を盗難されるリスクがあることをあらかじめ理解しておくことも重要です。
ターミナル型POSレジや自動釣銭機搭載型のPOSレジは、重さが数十kgほどあります。一方で、クラウド型POSレジで利用されているパソコンやタブレット端末類は、片手で持ち運べる重さです。
パソコンやタブレット端末そのものを換金する目的で盗難されるリスクがあるため、専用の固定スタンドを設置したり、防犯カメラを導入するなどして対策を講じる必要があります。
参考記事:POSレジのメリット・デメリットとは?費用目安や選び方・導入時の注意点を解説
クラウド型POSレジが向いているのは?導入時の注意点
クラウド型POSレジの導入が向いているのは、以下の項目に当てはまる店舗です。
- レジ設備の設置スペースが限られている
- 初期費用や導入コストを抑えたい
- POSデータの消失は避けたい
- 勤怠管理や会計ソフト・給与計算ソフトなどと連携したい
- 持ち運びやすいPOSレジを導入したい
上記のような場合は、クラウド型POSレジの導入が向いています。クラウドPOSレジの強みを活かした運用が、可能になるためです。
一方で、自動釣銭機機能搭載型のPOSレジを導入したい場合などは、クラウド型POSレジだけでは機能が不十分なので、追加の設備も必要になるでしょう。
自店舗がクラウド型POSレジの導入に向いているかを見極めた上で、どのようなPOSレジを導入すべきか判断することが大切です。
クラウド型POSレジのおすすめサービス5選
ここからは、クラウド型POSレジの中から、おすすめのサービスを5選紹介します。サービスごとの特徴や強みなども解説していますので、導入するPOSレジ選びの参考としてお役立てください。
Squareレジスター
出典:Square株式会社
クラウド型POSレジの導入を検討しているなら、Squareレジスターがおすすめです。タブレット型POSレジとして導入できるレジ設備なので、コンパクトで設置場所を選びません。
また、キャッシュレス決済端末の「Sqareターミナル」や「Sqareリーダー」との併用も可能で、クラウド会計ソフトのfreeeやMoney Forwardなどの外部システムとも連携できます。
アカウントを登録してPOSレジシステムをインストールすれば、お手持ちの端末で利用を開始できるのも特徴です。タブレット端末やスタンド、レシートプリンターなどの周辺機器の販売にも対応しています。
参考サイト:Airレジ公式サイト
Airレジ
出典:リクルート株式会社
リクルート株式会社が提供しているAirレジは、無料で利用を開始できるクラウド型POSレジです。アプリをインストールすれば利用を開始できるため、お手持ちのデバイスをPOSレジとして活用できます。
また、POSレジアプリ用のタブレット端末やレシートプリンター、キャッシュドロア・バーコードリーダーなどの周辺機器を一式揃えることも可能です。
基本的に導入時の初期費用は設備の購入にかかる費用のみで、お手持ちの端末にインストールすれば無料で利用できます。また、月額料金も0円で、決済手数料の負担のみで利用できることから、低コストでPOSレジを導入したい方におすすめです。
参考サイト:Airレジ公式サイト
スマレジ
出典:株式会社スマレジ
0円から利用開始できるクラウドPOSレジを提供しているのは、株式会社スマレジです。スマレジは、端末があれば基本的なレジ機能のみであれば、導入費用・月額料金どちらも無料で利用できます。
クーポン券の発行や高度な売上管理・在庫管理・データ分析が行いたい場合は、有料プランに加入すると良いでしょう。
また、利用開始から30日間のみすべての機能を無料で利用できるので、欲しい機能に応じてプランを選択するのもおすすめです。有料プランは、月額5,500円から加入できます。
参考サイト:株式会社スマレジ
ユビレジ
出典:株式会社ユビレジ
株式会社ユビレジが提供しているクラウド型POSレジのユビレジは、店舗の規模を問わず導入できるPOSレジです。
小規模店舗・個人店舗から、複数店舗を抱える大規模店舗まで、さまざまな規模の店舗管理に適しています。
また、ユビレジが提供しているサービスは、基本的なPOSレジ機能が備わっている「ユビレジプレミアムプラン」だけではありません。
飲食業向けの「ユビレジハンディ」「ユビレジQRオーダー」、小売業向けの「ユビレジ在庫管理」などのサービスとも併用が可能です。
月額利用料はユビレジプレミアムプランで6,900円~と、リーズナブルな価格で利用できます。ほかのサービスを利用する場合は、別途費用が必要です。
参考サイト:ユビレジ公式サイト
USENレジ
出典:株式会社USEN
クラウド型POSレジを導入したいなら、USENレジもおすすめです。USENレジの特徴は、業種特化型のPOSレジを導入できる点です。
- USENレジ FOOD
- USENレジBEAUTY
- USENレジ STORE
- USENレジ HEALTHCARE
上記は、それぞれ飲食店・理美容店・小売店・治療院向けのPOSレジサービスとなっています。
導入サポートも充実しており、設置サポートや初期設定まで請け負ってもらえるほか、24時間365日電話でのサポートサービスも利用できる点が魅力です。
また、導入時に補助金制度を活用したい場合は、IT導入補助金の申請サポートも受けられます。初期費用は0円から、月額利用料は12,980円からです。
参考サイト:USENレジ公式サイト
まとめ
POSレジは、クラウド型のサービスであれば月額数万円程度で導入できる点が特徴です。データもクラウド上で管理できるため、万が一POSレジ本体が故障しても消失する心配がありません。
また、POSレジを導入する際、費用負担がネックになっている場合には、補助金や助成金制度が利用できないか確認してみるのもおすすめです。
POSレジの導入時に利用できる補助金・助成金制度について、詳しくは以下の記事を参照ください。