モバイルオーダーシステムは、ファーストフードやカフェ・レストランなど、さまざまな飲食店で取り入れられています。
店内飲食だけでなく、テイクアウト(店外注文)やデリバリーなど、幅広いサービスに活用されている点が特徴です。
本記事では、モバイルオーダーシステムの導入を検討している企業の方向けに、おすすめのモバイルオーダーシステムを10選比較紹介します。
また、モバイルオーダーシステムを導入するメリット・デメリットや、導入に適しているケース、選び方のポイントについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
飲食店向けのモバイルオーダーシステムとは
モバイルオーダーシステムとは、スマホを利用してオンラインで注文ができるシステムのことです。
飲食店向けのサービスでは、店内飲食だけでなく、テイクアウト(店外飲食)やデリバリー、フードコートなどでも活用できます。
近年では、スマートフォンで顧客が注文するもの、卓上のタッチパネル・タブレット端末で注文受注・会計するもの、公式サイトからオーダーするものまで、幅広い種類があるのも特徴です。
注文から清算、会計までセルフ化できるため、業務効率化が期待できます。人件費の削減や従業員の業務負担軽減など、飲食店のさまざまな課題解決に役立つシステムです。
おすすめの飲食店向けモバイルオーダーシステム10選
ここからは、飲食店向けモバイルオーダーシステムの中から、おすすめのサービスを10選紹介します。モバイルオーダーサービスを提供している企業によって、システムの機能が異なる点が特徴です。
利用料金の目安や各サービスの特徴について解説しますので、導入するモバイルオーダーシステムを選ぶ際の参考としてお役立てください。
CHUUMO
CHUUMOは、顧客のスマホでQRコードを読み取ると、オーダーページが表示されるタイプのモバイルオーダーシステムです。
キッチンディスプレイ・プリンターとの連携や、売上管理のほか、時間帯や曜日ごとにメニューを自動で切り替える機能も備わっています。
プラン名 | 利用料金 |
LIGHTプラン | 5,000円(税別)/月額 |
BASICプラン | 10,000円(税別)/月額 |
PREMIUMプラン | 15,000円(税別)/月額 |
オンライン精算機プラン | 9,800円(税別)/月額 |
※初期費用別途
オーダーだけでなく清算機能が備わっているため、店舗側の会計業務の負担軽減にも役立つ点が特徴です。
参考サイト:CHUUMO公式サイト
Square
出典:Square|Block
Squareは、飲食店のさまざまな業態に合わせて導入できるモバイルオーダーシステムです。
システムは、レストラン向け、居酒屋向け、バー向け、クイックサービス向けの4種類から選択できます。
プラン名 | 利用料金 |
フリープラン | 無料 |
プラスプラン | 13,000円(税込)/月額 |
プレミアムプラン | 別途要相談 |
※決済手数料別
POSレジ機能はもちろん、ハンディ端末やキッチンディスプレイとの連携もでき、居酒屋向けであればQRオーダーシステムにも対応できます。
また、クイックサービスでは、オンラインからの注文受付や事前予約、デリバリーサービスにも対応できる点が特徴です。
フリープランでは、カウンター用のPOSレジ端末が台数無制限で利用できます。有料プランになると、キッチンディスプレイシステムの利用も可能です。
参考サイト:Square公式サイト
Waiter
Waiterは、セルフレジで有名なスマレジが提供しているモバイルオーダーシステムです。
オーダーエントリーシステムのみであれば、無料で利用できます。シンプルな設計になっており、低コストで導入しやすい点が特徴です。
プラン名 | 利用料金 |
スタンダードプラン | 無料 |
フードビジネスプラン | 12,100円(税込)/月額 |
有料のフードビジネスプランであれば、スマレジが提供しているセルフレジ(POSレジ)との連携ができます。
スタンダードプランでは、メニュー登録数1,000件までですが、フードビジネスプランでは10万件にまで対応できるのも魅力です。
参考サイト:Waiter公式サイト
Okage Go
Okage Goは、LINEと連携ができる店内・店外モバイルオーダーシステムです。
インバウンド(外国人観光客)のお客様が多い飲食店には欠かせない、多言語対応ができる機能が備わっています。英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語での対応が可能です。
対応可能な卓数 | 利用料金 |
---|---|
~15卓 | 11,000(税込)/月額 |
16~25卓 | 16,500(税込)/月額 |
26卓~ | 22,000(税込)/月額 |
※Wi-Fiルーター、レシートプリンターの導入費用124,300円(税込)必要
デザイン性に優れた店内注文のセルフオーダー画面では、セットメニューやトッピングの選択、コース料理の設定などにも対応しています。
オンライン決済でテーブルでのセルフ決済ができるため、レジ業務の大幅な負担軽減につながるでしょう。
参考サイト:Okage Go公式サイト
Funfo
Funfoは、アプリでモバイルオーダーやPOSレジ機能が簡単に導入できるサービスです。
無料アプリをダウンロードするだけで利用できるため、店舗側の複数端末の管理にも適しています。
プラン名 | 利用料金 |
---|---|
Funfo Basicプラン | 無料 |
Funfo Proプラン | 4,950円(税込)/年払いの月額 ※月間払いの場合は¥5,500(税込) |
Funfo LINE Proプラン | 14,850円(税込)/年払いの月額 ※月間払いの場合は16,500円(税込) |
有料プランでは、複数端末での同時ログインが可能になるほか、クーポンの発行にも対応できる点が特徴です。
Funfo LINE Proプランでは、LINEの自動配信やLINEアンケートも実施できるなど、リピーター客の獲得につながる機能も充実しています。
店側にタブレット端末やプリンターなどの必要機材がそろっていれば、初期費用が無料で導入できるのも魅力です。
参考サイト:Funfo公式サイト
POS+ self order
出典:POS+ self order|ポスタス株式会社
POS+ self orderは、クラウド型POSレジサービスのPOS+が提供しているモバイルオーダーシステムです。
QRコードによるセルフオーダーの導入が可能で、各テーブルにタブレット端末を設置する必要がありません。初期費用を抑えて導入できる点が魅力です。
プラン名 | 利用料金 |
---|---|
POS+food 飲食店向けの料金プラン | 14,000円(税込)/月額~ ※月額利用料10,000円(税込)~になるキャンペーン中 2024年9月26日まで |
※月額利用料は1店舗ごとに必要
多言語表示にも対応しており、日本語のほか英語、中国語(簡体・繁体)でも利用できます。
キッチンディスプレイや従業員のシフト管理、会員証やポイントの導入など、幅広いサービスへの対応が可能です。
導入するシステムによって利用料金が変動するため、詳しくは直接お問い合わせください。
参考サイト:POS+ self order公式サイト
dinii
出典:dinii|株式会社dinii
diniiは、クーポンの発行やアンケートの自動送信、ランクアップしていく会員証の導入など、販促手段が多様にあるモバイルオーダーシステムです。
他社にはない店員へのチップ・投げ銭機能が備わっている点が特徴で、従業員のモチベーションアップや接客の質をアップさせる効果が期待できます。
分析機能も充実しているほか、キッチンディスプレイとの連携やオンライン決済が利用できるのも特徴です。
導入費用や利用料についてはホームページで公表されていないため、直接問い合わせる必要があります。
参考サイト:dinii公式サイト
Tap&Order
出典:Tap&Order|株式会社イグレック
Tap&Orderは、オリジナルデザインでのメニュー作成ができるモバイルオーダーシステムです。日替わりメニューや、期間限定メニューの配信にも対応しています。
また、日本語のほか英語、中国語、韓国語の4カ国語でのメニュー表示が可能なため、インバウンド顧客への対応にも便利です。
利用客のスマホから注文できる店内注文モバイルオーダーのほか、テーブルオーダーシステムとの併用ができます。スマホを持っていない方や、操作が苦手な高齢者の方が来店した際も安心です。
費用の詳細については、直接お問い合わせください。
参考サイト:Tap&Order公式サイト
Linktoセルフオーダー
出典:Linktoセルフオーダー|セイコーソリューションズ株式会社
Linktoセルフオーダーは、腕時計で有名なSEIKOのグループ企業「セイコーソリューションズ」が提供しているモバイルオーダーシステムです。
導入すると、イートインとテイクアウトの両方をモバイルオーダーで対応できます。
タブレット端末の導入も可能なため、大画面でメニューを表示させ、視覚的に訴求できる点が魅力です。メニューごとに番号を設定し、ナンバーを入力してオーダーする方法も導入できます。
また、セルフオーダーだけでなく、店員呼び出し機能の利用も可能です。日替わりメニューの内容が確認したいなど、顧客のちょっとしたニーズにも素早く対応できます。
費用の詳細が公表されていないため、利用料金については直接お問い合わせください。
参考サイト:Linktoセルフオーダー公式サイト
NEW PORT
出典:NEW PORT|スカイファーム株式会社
NEW PORTは、商業施設のフードコートや飲食店向けのモバイルオーダーシステムです。スマホからの事前注文・事前決済が導入できるため、レジ業務の負担が軽減できます。
タブレット端末と連携して注文内容の確認ができるほか、プリンターと連携すれば紙によるオーダー確認も可能です。
複雑な機能ではなく、シンプルなモバイルオーダーシステムを導入したい方に適しています。
NEW PORTは、費用の詳細が公表されていません。利用料金や導入費用については、直接お問い合わせください。
参考サイト:NEW PORT公式サイト
モバイルオーダーシステムを飲食店で導入するメリット・デメリット
モバイルオーダーシステムを飲食店で導入した場合、多くのメリットがあります。一方で、デメリットについて把握しておくことも重要です。
メリットだけを見て導入しても、思うようにモバイルオーダーシステムを活用できず、導入に失敗する原因になりかねません。
そのような事態を避けるためにも、メリットだけでなくデメリットも理解しておきましょう。
メリット
モバイルオーダーシステムを飲食店で導入すると、以下のようなメリットがあります。
- 注文や会計にかかる時間・業務の削減
- 顧客満足度の向上(待ち時間削減)
- 売上や在庫管理の自動化
- 接触対応時間の削減(感染症対策)
- 多様な決済手段への対応が可能になる
モバイルオーダーシステムを導入すると、飲食店で発生しやすい人的ミスやエラーを抑えられます。例えば、オーダーの聞き間違い、釣銭ミス、発注量のミスなどです。
モバイルオーダーシステムでは、顧客のオーダー受注から、清算、会計や決済まですべてシステムが自動で行います。人が関わる工程を減らすことで、ミスやエラーを防げる点が特徴です。
また、オーダーや会計を顧客にしてもらうセルフ化が実現するため、待ち時間の抑制にも効果が期待できます。結果的に、顧客満足度の向上や人件費削減、会計ミスの抑制につながるでしょう。
デメリット
モバイルオーダーシステムを飲食店で導入する場合、以下のようなデメリットがあります。
- 導入コストが負担になる
- 従来の接客オペレーションでは対応できない
- システムエラーや故障に対応する必要がある
- 顧客との対話機会が減少する
モバイルオーダーシステムを飲食店で導入する場合、導入コストが負担になる場合があります。また、従業員によるオーダー受注や会計業務がなくなるため、新たな接客オペレーションを導入店舗で定着させなければなりません。
オーダー受注から会計までセルフ化すると、顧客と従業員の対話機会が減少します。そのため、従業員の人柄を好んで来店していたリピート客は、別の手段で確保する必要が出てくるでしょう。
モバイルオーダーシステムを導入する際は、上記のようなデメリットがあることを理解した上で、対策を講じることが重要です。
モバイルオーダーシステムの導入に向いている飲食店
モバイルオーダーシステムの導入に向いているのは、すべての飲食店ではありません。飲食店によっては、従業員による接客サービスの高さが強みの店舗もあるでしょう。
導入によって効果を発揮するのは、モバイルオーダーシステムが解決できる課題を抱えているケースに限られます。
ここからは、具体的にどのような飲食店がモバイルオーダーシステムの導入に向いているのか、解決できる課題の事例とともに解説します。
回転率が高い
調理時間や顧客の滞在時間が短いなど、回転率が高い飲食店には、モバイルオーダーシステムの導入に向いています。
モバイルオーダーシステムを導入すれば、従業員がオーダーを受ける必要がなくなり、調理・提供などの業務に集中できるためです。
回転率が高い飲食店は、顧客がサービスのスピードを重視する傾向にあります。そのため、モバイルオーダーシステムの導入によって、商品の提供スピードを向上させるのはニーズに合う手段です。
また、モバイルオーダーシステムでは、レジ対応もセルフ化できます。店内のさらなる回転率向上につながるでしょう。
客単価を上げたい
飲食店の客単価を上げたい場合にも、モバイルオーダーシステムの導入は最適です。
モバイルオーダーシステムなら、店員を呼ぶ手間や待つ時間が発生しないため、追加オーダーをするハードルが下がります。
また、注文時におすすめ商品を表示させるなど、視覚情報から購買意欲を促進する施策を取り入れられるのも強みです。
ホールスタッフを呼び止める必要がなくなり、セルフオーダーで顧客が好きなタイミングに好きな時間をかけて注文できます。
注文に対する心理的なハードルが下がるため、客単価のアップに効果的です。
外国人観光客(インバウンド)の顧客が多い
外国人観光客(インバウンド)の顧客が多い飲食店も、モバイルオーダーシステムの導入に向いています。
多言語対応できるシステムを導入すれば、飲食店側が語学を身に付ける必要がないためです。
また、ビーガン(完全菜食)や宗教的に食べられない食材がある方に適したメニューを表示させるなど、多様なニーズにも応えられます。
とくに、モバイルオーダーシステムの中でもテーブルでの決済ができるサービスがおすすめです。オーダーの受注から会計まで、すべてアプリやシステム上で対応できるため、収益機会の確保につながります。
モバイルオーダーシステムの選び方のポイント
モバイルオーダーシステムは、多様なサービスが展開されています。
重要なのは店舗の状況に合うシステムを導入することであり、サービスを比較して導入するものを検討することが重要です。
ここからは、店舗に合うモバイルオーダーシステムを導入するために知っておきたい、選び方のポイントについて解説します。
POSレジ機能が備わっているか
飲食店でモバイルオーダーシステムを導入するときは、POSレジ機能が備わっているものを選ぶことが重要です。
POSレジ機能とは、会計処理や売上管理を自動で行ってくれる機能のことを指します。会計業務や売上・発注管理などの業務負担軽減に役立つ機能です。
POSレジ機能が備わっているモバイルオーダーシステムであれば、売上管理や在庫管理も容易になります。
多店舗管理機能はあるか
複数店舗の経営を行っている場合は、多店舗管理機能が備わっているかを確認しておきましょう。
すべての店舗で同一のシステムを導入して、顧客の混乱を避けることが大切です。
また、多店舗管理機能があれば、メニューの一括更新・変更や、店舗独自の限定メニューの設定、店舗ごとの売上管理なども一括で行えます。
売上が伸びている店舗の傾向を分析する、期間限定メニューで販促を行うなど、飲食店の経営戦略を立てる上でも役立つでしょう。
キャッシュレス決済・QRコード決済の種類は豊富か
キャッシュレス決済の種類が豊富であることも、モバイルオーダーシステムを選ぶポイントの1つです。
キャッシュレス決済には、QRコード・バーコード決済(Pay払い)のほか、クレジットカード、ICカード、ポイント支払いなど、さまざまな種類があります。また、それぞれにサービスを提供している企業が数多くあるのも特徴です。
キャッシュレス決済の種類が豊富にあれば、幅広い顧客のニーズに対応できるでしょう。インバウンドがよく利用している決済サービスへの対応も効果的です。
モバイルオーダーシステムの比較情報が知りたい方は、以下の記事もぜひ参考にしてください。
まとめ
モバイルオーダーシステムを導入している飲食店は、増加傾向にあります。
利便性の高いサービスですが、導入費用がかかることやすべての飲食店での導入には適していない点に注意しなければなりません。
また、導入する前にどのような課題をモバイルオーダーシステムで解決したいのか、明確にしておくことが重要です。課題が明確になっていれば、課題解決に効果的なシステムが選べるでしょう。