飲食店のオーナーやマネージャーの皆様、業務効率化や顧客満足度の向上にお悩みではありませんか?
特に、注文の取りこぼしやピークタイムでの混雑により、サービス品質が低下することが多いのではないでしょうか。
モバイルオーダー導入は、これらの課題を解決するための有効な手段です。
スマホを使った注文は、利用客にとって便利であり店舗にとっても業務を効率化する大きな助けとなります。
本記事では、モバイルオーダーのメリット・デメリット、実際の導入事例、そして導入までの流れについて詳しく解説します。
店外型モバイルオーダーシステムの導入企業
店外型モバイルオーダーシステムは、顧客が店舗外からスマートフォンで注文を完了できる便利な店外注文システムです。
ここからは、店外型モバイルオーダーシステムを導入している代表的な企業の事例を紹介します。
日本マクドナルド株式会社(マクドナルド)
大手ハンバーガーチェーン店のマクドナルドは、公式アプリと連動するモバイルオーダーシステムを開発しました。
マクドナルドはイートインやドライブスルー、デリバリーなどの多岐にわたる注文方法の数を誇る飲食店で、モバイルオーダーシステムも全ての注文方法に対応しています。
例えば、イートインでは注文のためにわざわざレジに並ぶ必要はありません。
席についてからスマホからセルフオーダーをすると、店員が商品を届けてくれます。
モバイルオーダーシステムからクーポンを配信したり、多くのオンライン決済に対応するなど、顧客の利便性を追求したシステムを導入しています。
参考:マクドナルドのモバイルオーダーが、さらに便利に!スマホで注文&決済後、店舗の駐車場で受け取れる新サービスパーク&ゴーTM2020年6月時点で全国約250店舗で稼働
スターバックス コーヒー ジャパン株式会社(スターバックス)
スターバックスでは並ばずに注文したり、ドライブスルーができたりするモバイルオーダーシステムを導入しています。
カスタマイズの種類が多いスターバックスですが、モバイルオーダーシステムであればレジの前で慌てることもなく、ゆっくり考えて注文できます。
アプリの利便性が高いのはもちろん、Web版のモバイルオーダー&ペイもあるため、ダウンロードの手間なく気軽に利用できるのが特徴です。
モバイルオーダー&ペイを通じてカスタマイズしたドリンクの注文件数は、同サービスの利用がない場合と比較して約3倍となっています。
参考:レジに並ばず、商品を受け取るだけの事前注文決済サービス「モバイルオーダー&ペイ」が全国直営のスターバックスで対応開始
株式会社トリドールホールディングス(丸亀製麺)
丸亀製麺では2020年5月にテイクアウトサービスを開始し、2021年2月には全国600店舗以上導入を発表しました。
オンライン決済にも対応しています。
丸亀製麺はモバイルオーダーシステムの導入と同時にテイクアウト商品受け取り場所の新設、スタッフオペレーションの見直しを行うことで、お客様の体験を損なわない状態を作り出しています。
さらに、テイクアウトの利用シーンに合わせた導線として、Googleマイビジネスも活用。
Googleマップで「丸亀製麺」と検索すると、近くの店舗の注文ページに進めるようになっています。
参考:丸亀製麺、全国600店舗にモバイルオーダーを導入。テイクアウト売上向上の後押しに
株式会社吉野家ホールディングス(吉野家)
吉野家ホールディングスは、2020年2月にスマートフォンで注文すると店舗で商品を受け取れるモバイルオーダーサービスの全国展開を始めました。
Googleの検索で表示される近隣の店舗情報とも連携しているため、検索結果から直接注文画面に遷移できるのも特徴です。
POSレジとの連携によってネット経由の注文もリアル店舗で注文を受けた場合と同じように処理できるようになり、店頭のオペレーションはできるだけこれまでと変えず、店員さんの負担のみ少なくする設計にしています。
モバイルオーダーは純増率と回転率が高く、売上増加につながっているようです。
参考:吉野家のモバイル注文導入が遅れた戦略的理由 伊東常務が明かす
店内型モバイルオーダーシステムの導入企業
店内型モバイルオーダーシステムは、店舗内での注文をスマートフォンで簡単に行えるシステムです。
ここからは、店内型モバイルオーダーシステムの代表的な導入企業を紹介します。
株式会社一家ダイニングプロジェクト(ラムちゃん・博多劇場)
「博多劇場」と「大衆ジンギスカン酒場 ラムちゃん」では、入店するとスタッフがQRコードを渡し、お客様自身がスマホでQRコードを読み取り、好きなタイミングで注文できるシステムを導入しています。
声が通りづらい店内でスタッフを呼ぶ必要がなく、複数人で来店しても各人がメニューの閲覧と注文が可能になるというメリットから、来店客の利用率も高く、店舗によっては約8割の注文がモバイルオーダーからの注文になっているようです。
さらに、注文受付業務が軽減されたスタッフは店内を見回り、美味しい焼き方の説明や食べごろタイミングを伝えるなど、人だからこそできる”おもてなし”に注力しています。
参考:“おもてなし”と“効率化”の両立。月あたり10万円の人件費削減を実現した一家ダイニングプロジェクトの取り組みとは?
株式会社クリエイトダイニング(ジンナンカフェ渋谷)
渋谷で人気の「ジンナンカフェ渋谷」では、人件費への課題感からモバイルオーダーを導入しました。
テーブル上には注文用のQRコードと店舗Wi-Fiが記載されたPOPが用意されており、お客様は来店後すぐに注文できます。
キャッシュレス決済も導入しており、モバイルオーダー上でクレジットカード決済が可能です。
来店してからスタッフを一度も呼ぶことなく、スマホ一つで完結できるオペレーションシステムを実現させています。
参考:自分のスマホで注文〜お会計が完了!注目のモバイルオーダーサービス「SelfU」
タカミヤホテルグループ
タカミヤホテルグループは、居酒屋インバウンド客の誘致をきっかけにタブレットオーダーシステムを導入し、感染予防対策として12の宿泊施設でモバイルオーダーシステムを導入しました。
システム導入の結果、非接触対応が好評を呼び、お客様満足度、売上もアップしたようです。
旅館タイプでは客単価の高いボトルの注文件数が増えて、150%の単価増になっています。
参考:300年の歴史を持つ山形蔵王温泉タカミヤホテルグループ12施設に店内モバイルオーダーを導入!
モバイルオーダーシステム導入費用の相場
モバイルオーダーサービスの導入に必要な費用相場は、10万円~20万円です。
システム導入にはタブレットやプリンターなどの物理的なものから、POSレジとの連携など、既存のシステムに機能を追加するものが必要になるため、どのサービスでも初期費用は少なからずかかります。
POSレジやタブレット端末などは、モバイルオーダー会社も販売やレンタルを行っているため、まずは各社の担当者に相談してみてはいかがでしょうか。
モバイルオーダーシステムを選ぶ際のポイント
モバイルオーダーシステムを選ぶ際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。
ここからは、モバイルオーダーシステムを選ぶ際のポイントを3つ紹介します。
自店舗のオペレーションに沿った形で導入できるか
モバイルオーダーシステムを選ぶ際には、自店舗のオペレーションにどれだけ適合するかを最重要ポイントとして考慮する必要があります。
システムが現行の業務フローと合致し、スタッフが無理なく操作できることが大切です。
例えば、注文管理やキッチンへのオーダー伝達がスムーズに行えるか、既存のPOSシステムと連携できるかなど、具体的な運用面での適合性をチェックすることが求められます。
また、トレーニングの必要性やスタッフの習熟度も考慮し、導入後の混乱を最小限に抑えることも重要です。
機能は充実しているか
モバイルオーダーシステムを選ぶ際に確認すべきもう一つのポイントは、システムの機能がどれだけ充実しているかです。
注文受付や決済機能はもちろん、在庫管理やレポート機能、顧客管理機能など、店舗運営を効率化するための多機能なシステムを選ぶことが望ましいです。
また、プロモーションやクーポン発行、予約機能などのマーケティング支援機能があると、集客力の向上にも繋がります。
さらに、システムのアップデートやサポート体制も充実しているかを確認し、長期的に安心して利用できるものを選びましょう。
アプリダウンロードや会員登録などの手間がかかるかどうか
モバイルオーダーシステムを導入する際には、顧客の利用における手間も重要なポイントです。
特に、アプリのダウンロードや会員登録が必要なシステムは、初めて利用する顧客にとってハードルが高くなる場合があります。
顧客が気軽に注文できるよう、ウェブブラウザから直接アクセスできるシステムや簡単な会員登録で利用できるシステムを選ぶことが望ましいです。
ユーザーインターフェースが直感的で使いやすく、注文がスムーズに行えることも顧客満足度を高める重要な要素です。
これにより、リピーターを増やす効果も期待できるでしょう。
モバイルオーダーシステム導入のメリット・デメリット
モバイルオーダーシステムには多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットも存在します。
メリット
- 注文の効率化
- 顧客満足度の向上
- データ収集と分析の容易さ
- 人件費の削減
まず、注文の効率化によって顧客が自分のペースで注文できるため、待ち時間の短縮やスタッフの負担軽減が図れます。
また顧客満足度の向上にもつながり、リピーターの獲得が期待できます。
さらにシステムを通じて得られるデータを分析することで、顧客の購買傾向を把握し、マーケティング戦略を効果的に立てることが可能です。
人件費の削減も見込め、特に注文受付やレジ業務の自動化によってスタッフの作業負担が軽減されることで、他の業務にリソースを集中させることができます。
デメリット
- 導入コストがかかる
- 顧客の使いにくさ
- 個人情報保護の課題
まず初期導入コストや月額利用料がかかるため、小規模店舗にとっては負担となる可能性があります。
システムの不具合や技術トラブルが発生すれば、業務に支障をきたすリスクもあるでしょう。
さらに、顧客が新しいシステムに慣れるまでに時間がかかる場合があり、使いにくさを感じることもあります。
特に年配の顧客やスマホの操作に慣れていない人にとってはハードルが高いかもしれません。
モバイルオーダーシステム導入までの流れ
モバイルオーダーシステムを導入するには、いくつかのステップを踏む必要があります。
モバイルオーダーシステム導入までの一般的な流れは、以下の通りです。
- 自店舗に合うモバイルオーダーシステムを選ぶ
- 問い合わせ・資料請求
- 申し込み・契約
- 各種設定
- 研修・運用開始
まずは導入するモバイルオーダーシステムを選びます。
機能の充実度、お客様の負担の程度、カスタマイズ性、利用料金などを考慮した上で、最適なシステムを選びましょう。
次に、提供会社への問い合わせです。
プランを複数用意している会社が多いため、自店舗の悩みやモバイルオーダーシステムの導入目的を整理しておくと、担当者から最適なものを提案してもらえます。
システムの導入が完了したら初期設定を行い、運用準備を進めましょう。
具体的には、店舗情報の登録、決済方法の設定、POSレジとの連携などを行います。
細かい仕様はシステムごとに異なるため、不明点があればすぐに提供会社に問い合わせをしましょう。
モバイルオーダーシステムは自店舗に最適なものを導入しよう
モバイルオーダーシステムの導入は、多くのメリットをもたらします。
注文の効率化や顧客満足度の向上、人件費の削減などが期待できる一方で、導入コストや技術トラブルのリスクも考慮する必要があります。
成功事例を参考にしつつ、自店舗のオペレーションに適したシステムを選ぶことが重要です。
モバイルオーダーシステムは、現代の飲食店経営において欠かせないツールとなりつつありますので、自店舗に最適なものを導入することをおすすめします。
飲食店向けの無料店外モバイルオーダーを提供している会社もありますので、まずは公式サイトにて問い合わせから始めてみてください。