キッチンカー事業を始めようとしたときに、まず何から取りかかるべきか悩む方は少なくありません。メニューやどのような経営をしていくのかを考えることも大切ですが、その前にキッチンカー事業共通で取り組むべき内容に注目しましょう。
このコラムでは、事業内容に関わらずキッチンカーを始める際にまず押さえておきたい知識を解説します。
キッチンカーを始めるまでの全体の流れ

キッチンカー事業はその日すぐ開業できるものではありません。開業に向けた手続きや車両などを用意する必要があります。提供メニューにより細かい部分は異なりますが、基本的には以下の流れで準備を進めていきます。
- キッチンカーのコンセプトや提供メニューなどの事業計画を立てる
- 事業計画に従って資金計画を立て費用を調達する
- 営業に必要な資格や許可を得る
- 車両や備品などを選定・調達する
- 出店場所を確保する
それぞれの段階で1つでも不備が出ると準備が進まなくなる可能性があります。1つひとつ丁寧に作業しましょう。以下のコラムではより詳しい内容を掲載しています。こちらも併せてご覧ください。
参考記事:キッチンカーはどうやって始める?開業方法とおさえておくべきポイント
キッチンカーを始めるための資金を調達する方法
キッチンカー事業を開業するには資金が必要です。しかし、まとまった金額を用意するには自己資金だけでは難しい場合もあります。次は自己資金を含めた資金調達方法について解説します。
自己資金
キッチンカーは比較的低コストで開業できる事業で、工夫すれば自己負担のみで準備することも可能です。自己資金の場合、返済負担や複雑な手続きも不要なうえに、必要な時にすぐ資金を投入できます。
しかし、事業に必要な資金をすべて自分だけの力で用意するのは非常に困難です。経済状況によっては、ほかの方法と組み合わせた方が、結果的に事業を有利に進められる可能性があります。
融資を受ける
自己資金で開業資金を賄いきれない場合は、日本政策金融公庫や金融機関の融資を活用する方法もあります。融資を受けるには審査に通過し、毎月返済する必要があります。利用を検討する場合は注意しましょう。
審査の内容や返済条件は、融資を提供している機関ごとに異なります。利用を検討する際は、事前に審査を受けるための手続きや必要書類などを調べておきましょう。融資に関する内容は以下のコラムで詳しく解説していますので、活用を検討している方はこちらもご覧ください。
参考記事:キッチンカー開業で融資を受けるには?主な融資先と基本的な流れ
助成金や補助金を使う
融資だけでなく、国や地方自治体が実施している助成金・補助金を活用するのも方法の1つです。助成金や補助金はそれぞれ活用できる事業者の条件や内容が異なります。利用するには提示された条件を満たす必要があるため、注意しましょう。
手続きも複雑なうえに応募締め切りが設けられているため、事前調査を怠らないようにしましょう。詳しい内容は助成金・補助金サイトに掲載されています。また、商工会議所などで相談するのもいい方法です。
資金調達方法は複数あります。状況に応じて適切な方法を選ぶのが、事業を成功させるポイントです。
キッチンカーを始めるのに持っておくべき資格・許可
キッチンカーを始めるには、事前に確認しておきたい資格・許可があります。
- 食品衛生責任者
- 出店場所を管轄する保健所の飲食店営業許可
- 運転免許証
次はこの3つの資格・許可について解説します。より詳しい内容を知りたい方は、以下のコラムも併せてご覧ください。
参考記事:キッチンカー(移動販売)開業に必要な資格一覧!調理師免許の必要性や便利な資格まで徹底解説
食品衛生責任者
飲食物を提供する店舗を運営する場合、1店舗につき1名の食品衛生責任者資格を持っている人員を配置しなくてはなりません。独立して開業する場合、この資格を取得しておく必要があります。資格は出店場所を管轄する保健所や都道府県等やその指定を受けた機関で開かれる講習に参加すれば取得できます。
なお、この資格は調理師や栄養士などの資格を持っている場合は、講習は免除されます。保健所の案内に従って手続きしましょう。
講習会は開催される日が決まっており、1か月前には予約が埋まっている状態も珍しくはありません。開業をスムーズに進めたいなら、早めに取得しましょう。
出店場所を管轄する保健所の飲食店営業許可
飲食店を開業するには、開業場所を管轄する保健所の営業許可も必要です。キッチンカーの場合は出店予定地を管轄する保健所を調べ、許可申請します。許可には先ほど解説した食品衛生責任者資格に加えて、キッチンカーや内部設備にも設けられた細かい条件を満たさなくてはなりません。
手続きする際は提示された条件を満たしたうえで検査を受け、合格すれば許可を得られます。なお、許可が交付されるのは、手続きと検査が終わって2週間後が目安です。開業計画を立てる際は、この準備や日数も加味して考えましょう。
運転免許証
キッチンカーを運転するには、最低限でも運転免許証が必要です。一般的な軽トラックや1.5トントラックベースなら、普通自動車免許証(AT限定含む)で運転できます。なお、2017年の道路交通法改正により、免許の取得期間により運転できる車両総重量上限が異なる点に注意してください。
- 2017年3月12日以降に取得:最大積載量2.0トン未満まで
- 2007年6月~2017年3月11日に取得:最大積載量3.0トン未満まで
- 2007年6月1日以前に取得:最大積載量5.0トン未満まで
出典:準中型自動車・準中型免許の新設について-警視庁
大型のキッチンカーを検討している場合は、運転可能か免許証をチェックしましょう。必要であれば、免許取得を事業計画に盛り込んでください。
キッチンカーを開業する際は、最低限ここまで解説した3つは取得しておきましょう。
キッチンカーを準備する手段
キッチンカーを始めるには、適切な車両を手に入れなくてはなりません。次は入手方法を解説します。以下のコラムでも詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
参考記事:キッチンカー開業は軽自動車(軽トラ)でもできる?価格や改造時の注意点について解説
自分の車を改造する
キッチンカーに適した車を所有しているなら、改造すればそのまま事業に活用できます。手軽でコストを抑えられる方法ですが、道路交通法や衛生規定に沿って改造しないと開業許可を取る段階で不備が見つかる恐れがあります。不備がある場合は再度改造しなくてはなりません。
また、改造はDIYでもできますが、キッチンカー改造を専門にしている業者に任せた方が安全です。規定などもきちんと守った内容で実施してもらえます。その分費用は掛かりますが、不備発生リスクを防ぐためにも専門業者の力を借りましょう。依頼先は、見積もりを出してもらったうえで検討してください。
キッチンカーを購入する
車を持っていない、または所有する車が事業に適していない場合は、新車か中古でキッチンカーを購入することになります。新車は最新技術や安全対策が備わっており、長期的な事業展開に適しています。保健所の許可が下りる基準を満たしているものも多く、その点でも安心です。
一方、中古車は新車よりも性能は劣りますが、購入コストを抑えられます。しかし、状態や設備によっては現在国や保健所が定める基準に達していない可能性もあるため、注意が必要です。
改造やメンテナンスで対応できますが、費用によっては新車と変わらない費用がかかる恐れがあります。中古だから必ず安く済む、とは考えないようにしましょう。
キッチンカーをレンタルする
副業や休日事業などのスモールステップで開始する場合は、レンタルを活用するのもいい方法です。レンタル車両ならはじめから設備が整っているため、車両費をはじめとしたコストをある程度節約できます。
なお、レンタル料は車両や提供している業者ごとに異なる点に注意しましょう。また、長期的に事業を運営していく場合、レンタルのままだとむしろ経費がかさむ可能性があります。利用の検討は開業・経営計画を踏まえたうえで判断してください。
車両の入手方法はどれも一長一短あります。自分がどのように事業を進めたいかを軸に考えるのがポイントです。
キッチンカーを始めるにはまず必要事項を調べることから始める
キッチンカーを始めるには、さまざまな手続きや準備をこなしていきます。効率よくかつ適切に進めるには、事前の入念な調査や分析を通して、自分に最も合っている方法を吟味することが大切です。まずはどのように事業を開始したいかを考えることから始めましょう。

