脱サラして自分の店を持ちたいと考える方はたくさんいます。そのような方の中には、キッチンカーでの開業を検討している方もいるのではないでしょうか。夢がある一方、事業を継続できずに撤退してしまうケースも少なくありません。
今回は脱サラ後のキッチンカー開業にありがちな失敗と、その対策について解説します。
脱サラでキッチンカーを開業する際にありがちな失敗事例
脱サラしてキッチンカーを開業しても、必ずうまくいくとはいえません。場合によっては残念な結果になってしまうこともあります。このような結果を避けるには、失敗事例からその原因を学ぶことが大切です。ありがちな失敗事例とそれを避けるための考え方を解説します。
開業に必要なものにお金をかけすぎた
初期費用をかけすぎていつまでたっても黒字化できない状態になってしまうのは、キッチンカー開業にありがちな失敗です。
たとえば、開業に必要な車両の設備や見た目に必要以上にこだわると、必要以上に費用がかさんでしまい、いつまでたっても赤字が回収できない状態に陥りかねません。
キッチンカーの客単価は業態によって異なりますが、おおよそ1,000円程度が一般的な目安といわれおり、1日に販売できる量も限られています。初期費用が大きければ大きいほど、黒字化は難しくなるでしょう。この失敗を避けるためにも、初期費用を回収できる範囲を確認したうえで費用計画を立ててください。
営業に必要な許可や設備が手に入らない
2021年6月の食品衛生法の改正で、保健所の許可要件は全国でおおむね整理されました。しかし、細かい部分は地域ごとに異なります。この細かい部分の確認を失念したために、保健所の許可が下りず開業できない状態に陥ってしまうのもよくある失敗です。
また、許可が下りても営業のための設備が整っていなければ、開業できません。
たとえば、キッチンカーで加熱調理するためにLPガスを用いようとしたとします。LPガスは販売業者と契約して購入・充填して使用します。しかし、昨今の地域や業者の方針によっては、新規契約を受け付けていない場合もあります。
ほかの方法としてはカセットコンロや電気式がありますが、設備が整っていなければ使えないのはLPガスと同じです。許可だけでなく、備品を用意する際も手続きが必要な可能性があることを忘れないようにしましょう。
想定した売上を立てられない
売上が想定よりも下回るのも、脱サラ後の起業で陥りがちな失敗です。このような状態に陥る場合、何らかの要因があることが多くあります。改善のためには原因を突き止め、適切な対策を取る必要があります。
価格を下げるなどの単純な方法でも対応はできますが、効果は一時的なうえに利益につながらないこともあります。長期的に事業を続けるには、日々柔軟な対応が求められます。
脱サラ後キッチンカーで開業しても、思うようにいかないことは珍しくありません。失敗や想定外の事態を予防するための対策も考えておきましょう。
脱サラ後のキッチンカー営業の失敗を避ける5つのポイント

では、脱サラ後の失敗を予防し、発生してもその影響を最小限に抑えるにはどうすればいいのでしょうか。営業失敗を避けるには、以下5つのポイントを押さえる必要があります。
- 綿密かつ継続的なリサーチ
- 資金計画は余裕をもって立てる
- 脱サラ前に土日だけキッチンカーを開業してみる
- 助言は素直に受け入れる
- 試行錯誤は常に実施する
ポイントの内容をそれぞれ詳しく解説します。
綿密かつ継続的なリサーチ
起業に向けた事業計画書を作成するときはもちろん、その後も事業を継続するうえでも、しっかりしたリサーチはとても重要です。キッチンカー営業に必要なリサーチ内容としては、以下の要素があります。
- 流行りのメニューやその特徴
- 新しい集客方法
- 成功・失敗事例
これらの情報を調べる際は、キッチンカー事業だけに絞り込むのではなくさまざまなジャンルの情報を収集するのがポイントです。自分の店に活かせる内容は積極的に取り入れていきましょう。
資金計画は余裕をもって立てる
キッチンカー開業前に事業計画を作成しますが、このとき資金計画も同時に作成します。資金計画を作成する際は、余裕ある計画を立てましょう。
キッチンカーの経営では予想外のことが起こる可能性もあります。来客数や利益が思ったように伸びないことも珍しくはありません。このような事態に遭遇しても適切な対応をとる余裕を確保するには、資金計画の時点で余裕を持たせることが大切です。
また、黒字化を早めるには初期費用を少しでも抑える必要があります。ある程度見込める売上を計画し、無理なく黒字化できる金額内に初期費用を抑えることも、経営を成功に導くポイントです。
脱サラ前に土日だけキッチンカーを開業してみる
飲食や接客などの経験がない場合や費用などに不安要素がある場合は、脱サラ前に副業として開業してみるといいでしょう。ほかに収入がある状態で休日開業することで、資金にも時間にも余裕がある状態で事業をスタートできます。
余裕がある分失敗を恐れずにさまざまなアイデアを試すことができるため、成功への道筋もつかみやすくなります。まとまった金額が用意できない場合でも小さい範囲から事業を始めれば、経営に必要なノウハウを身につけながら、必要資金の規模も把握できます。
開業や資金の計画を立てる際は、独立にばかり目を向けるのではなく、スモールステップで開始することも視野に入れて考えましょう。
助言は素直に受け入れる
キッチンカーで開業・経営していくなかで、すでに成功している人の話や顧客からヒントになるような助言を受けることもあります。さまざまなアドバイスを開業や経営に活かせば、より余裕ある状態で取り組めるようになります。
実際に開業している人の話を聞きたい場合、セミナーなどに参加してみるといいでしょう。助言を素直に、積極的に受け取ることも成功につながる要素です。
試行錯誤は常に実施する
キッチンカー開業や経営は最初からうまくいくとは限りません。うまくいかないことが起こる可能性もあるため、失敗を経験したらその原因を分析しつつ、改善策や予防策を講じましょう。
脱サラ後のキッチンカー開業や経営では大変な場面もあるかもしれません。しかし、対策や改善はできます。あきらめずにコツコツと取り組んでいきましょう。
脱サラ後のキッチンカー開業の流れ
最後に、脱サラしてキッチンカー営業を始める際の、基本的な流れを解説します。
- キッチンカーの車両を用意する:キッチンカーを購入またはレンタルで用意する
- 営業許可をとる:車両を用意したら保健所の許可をとるための手続きをする
- 食品衛生責任者の配置:資格取得の講習に参加するなどの手続きを行う
- PL保険(生産物賠償責任保険)に加入する:提供した食品によって顧客に損害を与えてしまった場合に備えて補償するために加入する必要がある
- 営業場所の確保:営業場所を確保し、必要に応じて出店料の支払いや手続きをする
保健所の許可は販売場所を管轄する保健所ごとに必要な内容が異なるため、注意しましょう。また、許可には営業施設ごとに1名の食品衛生責任者が必要です。該当する資格を持っていない場合は、取得のための講習に参加しなくてはなりません。
また、万が一の事態に備えるための各種保険についても調べ、必要に応じて加入しておきましょう。営業場所の確保が上手くいかない場合は、専用のマッチングサイトなどを活用してみてください。
開業を成功させるには、それぞれの手続きや作業を1つずつ実施していく必要があります。どれもおろそかにしないよう注意しながら取り組みましょう。なお、より詳しい内容は以下のコラムにて解説しています。こちらも併せてご覧ください。
参考記事:キッチンカー開業までの流れ7ステップ!開業資金の目安や資格など準備の進め方を解説
脱サラでキッチンカーを開業・経営するための対策を考えよう

脱サラでキッチンカーを開業・経営する場合、想定外のことが起こる可能性を考えておくことが大切です。ありがちな失敗やトラブルを想定し、事前に対策を考え実施しましょう。まずは事業計画や資金計画を立て、今の時点から想定できる課題がないか確認しましょう。

