Bizcan > コラム > POSレジとは?POSシステムとの違いや機能と導入するメリット・デメリット

2024/09/27

POSレジとは?POSシステムとの違いや機能と導入するメリット・デメリット

POSレジとは?POSシステムとの違いや機能と導入するメリット・デメリット

飲食店や小売店のほか、クリニックやサロン・サービス業などさまざまな業界で活躍しているレジは、近年急速な進化を遂げています。一般的な会計操作のみを行うキャッシュレジスターとは異なり、POSレジと呼ばれている点が特徴です。

本記事では、POSレジとはどのようなレジなのか、POSシステムとの違いや備わっている機能について解説します。また、POSレジを導入するメリット・デメリットについても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

POSレジとは?

POSレジのイメージ画像

POSレジとは、レジ設備の一種で商品の販売情報や、金銭のやり取りの情報を自動で記録するPOSレジシステムと呼ばれる機種のことです。

POSレジのPOSは「Points of Sales」の略称で、日本語では「販売時点情報管理」と訳します。店舗における会計設備として導入されるもので、通常のレジ設備とは異なり、情報の蓄積や分析が行えるレジのことです。

POSレジを導入すれば、商品が売れた時点でリアルタイムに情報が記録されていきます。売上管理や在庫管理、販売時期、売れた場所など、さまざまなデータ分析に活用できる点が特徴です。

POSレジとPOSシステムの違い

POSレジとPOSシステムの違いは、レジ機能の有無にあります。

POSシステムが、売上管理や在庫管理などのデータ収集、分析を行う「仕組み」を指すのに対し、POSレジは「POSシステムが備わっているレジ」のことです。レジ機能が備わっている場合はPOSレジ、レジ機能がないシステムのみの場合はPOSシステムと呼びます。

また、レジ設備を使わずにPOSシステムをタブレットやスマートフォン、パソコンなどに搭載させ、会計機器として活用する場合があるのも特徴です。POSレジ機能を搭載した端末のため、POS端末やタブレット型POSレジと呼ばれます。

POS端末は、バーコードスキャナーやレシートプリンター、キャッシュドロアなどと組み合わせて使用する点が特徴です。モニターやキャッシュドロアなどが一体化している「ターミナル型POSレジ」もあります。決済端末も備わっていれば、キャッシュレス決済にも対応することが可能です。

呼び方や機能に違いはあるものの、基本的にはレジ機能が備わっているPOSレジやPOS端末を導入して活用します。

POSレジに備わっている主な機能

POSレジのモニターを操作する様子

POSレジを導入する上で重要になるのは、具体的にどのような機能を活用できるのかという点です。機種によって搭載されている機能が異なるため、製品情報を確認した上で、導入するものを選ぶことが大切です。

ここからは、一般的なPOSレジに備わっている主な機能を紹介します。

会計・売上情報管理機能

会計・売上管理機能は、いつ・どこで・いくら売り上げたのか、レジを通した瞬間にリアルタイムで販売データや売上データの収集を行ってくれる機能です。売上金額の集計も自動的で行えるため、レジ業務の負担軽減に役立ちます。

収集したデータから売上分析を行えば「〇時に〇〇が売れやすい」「例年よりも〇の売れ行きが早い」など、販売状況や傾向の分析ができるのも特徴です。

在庫管理機能・仕入れ管理機能

在庫管理機能・仕入れ管理機能は、商品の販売数量(レジを通した数)をもとに、商品情報や在庫の残量を記録する機能です。在庫情報を蓄積していけば、過去の販売状況に合わせて売れやすいタイミングで仕入れを増やしたり減らしたりして、在庫量のコントロールができるようになります。

商品管理や在庫・仕入れ管理が容易になるため、在庫不足や発注漏れのほか、注文過多による不良在庫を抱えるリスクも軽減できるでしょう。

顧客情報管理機能

顧客情報管理機能は、販売・会計情報と顧客情報を紐づけて管理し、顧客の年齢や性別などの傾向を分析できる機能です。ポイントカードや会員証、クーポン券など、会員情報を登録してもらえる施策と組み合わせて活用します。

集めた顧客データを分析して、顧客層の傾向を把握し、商品の仕入れや新商品の開発などに活用することが可能です。複数店舗を経営している場合には、顧客管理を通じて店舗ごとの傾向をリサーチするのにも役立ちます。

勤怠管理機能

勤怠管理機能は、従業員の勤怠管理ができる機能です。POSレジを提供しているサービスによっては、タイムカード機能と連動していたり、シフト管理が行えたりするものもあります。

また、機種によっては勤怠管理と連動して給与計算を行えるものもあるため、給与計算のミスや作業負担の軽減を図りたい方におすすめです。

オーダーエントリー機能

オーダーエントリー機能は、主に飲食店で使用される機能です。オーダー(料理の注文)情報をキッチンに伝える機能のことを指します。セルフオーダーや、モバイルオーダーシステムと呼ばれるものです。機種によっては、POSレジにオーダーエントリー機能が備わっているものもあります。

キッチンディスプレイやキッチンプリンターなどの機器を導入すれば、キッチンに直接オーダー情報を届けられるでしょう。レジ機能と連動している機種であれば、セルフレジを導入してオーダーと会計両方のセルフ化も実現できます。

POSレジを導入するメリット・デメリット

チェックマークの描かれた木製キューブを指さす様子

POSレジにはさまざまな機能が備わっており、導入すると店舗経営における課題解決や業務効率化につながります。一方で、デメリットがある点にも注意しなければなりません。

ここからは、POSレジを導入すると具体的にどのようなメリットが得られるのか、導入によってどのようなデメリットがあるのかについて解説します。

メリット

POSレジを導入するメリットには、以下の点が挙げられます。

  • 会計業務の効率化ができる
  • 在庫管理の最適化につながる
  • データに基づく商品の仕入れができる
  • レジミス・釣り銭ミスの抑止
  • 人件費の削減につながる

POSレジ最大のメリットは、会計業務や在庫管理などの集計、分析作業を自動化できる点にあります。人の手で行うと発生しやすい集計ミスも抑制できるため、効率化とミス抑制が両立できるのも特徴です。また、在庫管理やレジ締め作業などの作業工数が減るため、人件費も削減できるでしょう。

POSレジの機能をうまく活用すれば、需要に合わせた仕入れ量の調整ができるようになり、人件費削減にもつながります。店舗経営における利益向上に役立つでしょう。

デメリット

POSレジを導入するデメリットには、以下の点が挙げられます。

  • 導入に費用がかかる
  • レジスタッフに対する研修が必要
  • システムを使いこなせなければデータ分析ができない
  • エラーやシステムトラブルへの対応が必要になる

POSレジを導入するには、どうしても費用がかかります。購入する場合は数十万円程度必要になるため、費用負担が気になって導入に踏み切れない方もいるでしょう。

また、POSシステムのエラーやシステムトラブルに対応するには、知識が必要です。自分で対応することが難しい場合は、保守管理や点検サービスが充実している企業を選択する必要があります。

POSレジには、メリットだけでなくデメリットがあることも忘れてはいけません。しかし、デメリットがあることを把握できていれば、POSレジを導入する際に対策を講じられます。

店舗に最適なPOSレジの選び方

POSレジの導入を検討する際は、店舗に最適なPOSレジを選ぶことが大切です。ここからは、店舗に最適なPOSレジを選ぶための比較ポイントについて解説します。

必要な機能が備わっている機種を選ぶ

POSレジに備わっている機能は、サービスを提供している企業によってさまざまです。店舗アプリと連携しているものもあれば、予約システムと連携しているものもあります。店舗の業種や業態に合わせて選びましょう。

飲食店であれば、一般的なPOSレジではなく、モバイルオーダーシステムと連動しているセルフレジを導入する方法もあります。

参考記事:モバイルオーダーのサービス比較10選!企業の導入事例や選び方のポイントを紹介

また、あらかじめ店舗に必要な機能を明確にしておくことも大切です。機能が豊富に備わっている機種は、その分導入費用が高くなる傾向にあります。どのような機能が必要で、どのような機能が不要なのかを機種選定の前に決定しておきましょう。

価格で比較する

POSレジは、サービスを提供している企業によって価格に大きな差があります。価格を比較した上で、導入する機種を選択することが大切です。ただし、価格にだけこだわっていると、必要な機能が備わっていないケースもあるので注意しましょう。

参考記事:POSレジの価格相場はどれくらい?種類ごとの導入費用の目安と安く抑えるコツ

とくに、POSレジを購入するする場合には、高額な導入費用がかかるため、補助金・助成金の活用も検討しましょう。POSレジの導入に活用できる補助金・助成金制度については、以下の記事で紹介しています。

参考記事:【2024年最新】POSレジ導入に利用できる補助金・助成金5選|金額や申請要件について解説

導入にかかる初期費用を抑えたい場合は、POSレジのレンタルやリース、サブスクサービスを活用すると良いでしょう。月額数千円~数万円程度で導入できます。また、クラウド型のPOSレジをタブレット端末などにダウンロードし、POS端末として導入するのもおすすめです。

保守サービスで比較する

保守サービスで比較すれば、システムトラブルやエラー、故障が発生した際にも安心して利用できます。POSレジの利用料金に含まれているところもあれば、別途保守管理費用が発生する場合もあります。サービスの内容だけでなく、保守管理にかかる費用も確認しておくと良いでしょう。

POSレジを選ぶときは、店舗のオペレーションを見直した上で、どのような業務をシステムで管理していくのかを明確にしておくことが大切です。導入後の活用方法を具体的にイメージすれば、最適な機種を選定できます。

まとめ

POSレジは、店舗経営において欠かせない設備の1つです。店舗の規模を問わず導入できますが、業種に合わせて最適な機能が搭載されているものを選ぶ必要があります。

また、POSレジ単体で導入するのではなく、セルフレジ・モバイルオーダーシステム・店舗アプリなどを導入して、店内オペレーションをまるごと見直すのもおすすめです。

POSレジを購入する場合は、補助金・助成金制度を活用できる場合があります。導入コストを最小限に抑えたい場合は、レンタル・リース・サブスクサービスを活用するなど、状況に応じて導入方法を検討しましょう。