飲食店や小売店、サロン、医療施設など、さまざまな店舗や施設で導入されている会計設備がPOSレジです。POSレジにはさまざまな機能が備わっており、小売店の場合は売上管理のみならず、在庫管理までPOSレジで一元化できます。
では、小売店でPOSレジを導入する場合、どのような機種を選べば良いのでしょうか。本記事では、POSレジとはどのような機種なのか、小売店におすすめのPOSレジを5選紹介しながら、導入するメリット・デメリットについて解説します。
POSレジとは

POSレジとは、POSシステムが搭載されているレジ設備全般のことです。POSレジの「POS」は、「Point of Sales」の略称で、日本語では販売時点情報管理を意味します。
POSレジシステムを経て会計を行った商品やサービスの情報は、自動的にシステム上に記録される仕組みです。この情報を売上の予測や在庫量の調整、集客・販促施策の実施など、さまざまな経営戦略に活用します。
一般的な手打ちレジ・キャッシュレジスターと比べて、自動釣銭機やキャッシュレス決済端末と連携導入するケースが多いのも特徴です。
POSレジは、外部システムとの連携にも対応しやすいことから、勤怠管理や予約管理、モバイルオーダーなど、店内のさまざまな業務効率化に役立つ設備であるといえます。
参考記事:POSレジとは?POSシステムとの違いや機能と導入するメリット・デメリット
【比較表付き】小売店におすすめのPOSレジ7選!
ここからは、小売店におすすめのPOSレジを7選紹介します。
| サービス名 | 導入費用 | 月額料金 | おすすめ小売業態 | EC連携 | 在庫管理機能 | 複数店舗管理 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| スマレジ | 0円〜(機器導入で10〜15万円程度) | 0円〜15,400円(税込) | アパレル・雑貨・食品小売 | BASE、Shopify、ネクストエンジン等 | 棚卸・発注・倉庫管理まで対応 | ◯ | 小売向け機能が豊富で、多店舗・EC連携に強い |
| CASHIER | 0円〜/セルフレジ導入は7万〜12.8万円程度 | 0円〜4,400円/月 | 食品小売・無人店舗 | 基幹システム連携可能 | 棚卸・店舗別在庫管理に対応 | ◯ | セルフレジ・自動釣銭機との連携に強い |
| STORES レジ | 0円(iPad等のみで導入可) | 0円〜4,950円/月(税込) | 雑貨店・小規模アパレル | STORES、Shopify、freee等 | EC・実店舗在庫を一元管理 | △ | ネットショップ連携に強く、小規模店舗向け |
| Airレジ | 0円(iPad等があれば導入可) | 0円 | 個人商店・小規模小売 | EC連携は限定的 | 販売・返品の自動在庫反映 | △ | 無料で導入しやすく、シンプル操作が特徴 |
| Square | 84,980円〜 | 0円〜 | アパレル・催事販売 | Square オンラインビジネス等 | 商品・在庫管理対応 | ◯ | 決済機能が強く、キャッシュレス対応がスムーズ |
| ハピレジ | 0円〜(機器別途) | 5,500円〜/月 | アパレル・雑貨・飲食・小売 | 外部システム連携可能 | 商品・売上・在庫管理に対応 | ◯ | モバイルオーダーやハンディ連携にも対応できる柔軟性が特徴 |
| POS+ retail | 要問い合わせ | 15,400円〜/月(税込) | 大型小売・専門店 | 店舗アプリ・会員システム等 | 複数店舗在庫・セルフレジ対応 | ◯ | 大型店舗向け。セルフレジや本部管理にも対応 |
スマレジ

小売店でPOSレジを導入するなら、スマレジがおすすめです。スマレジはo円から始められるクラウド型のPOSレジシステムで、iPhoneやiPadにアプリをインストールすれば、すぐに利用を開始できます。
無料プランのほか、小売店向けにより高度な在庫管理ができる、有料の「リテールビジネスプラン」も提供している点が特徴です。
ECショップと実店舗の在庫管理一元化はもちろん、複数店舗管理、バーコードスキャンによる在庫管理の効率化も図れます。
CASHIER

小売店でPOSレジを導入するなら、CASHIERもおすすめです。CASHIERは、あらゆる会計・清算設備の導入に対応している点が特徴で、タブレット型POSレジのほか、キャッシュレス決済端末や自動釣銭機、券売機などの導入にも対応しています。
小売店向けの専用プランはないものの、POSレジサービスに在庫管理機能が標準搭載されているため、個人店舗・小規模店舗の在庫管理であれば十分対応可能です。
仕入れ・発注管理機能のほか、棚卸機能も備わっているので、ベーシックな在庫管理が行えれば良い、という場合に適しています。
STORES

小売店でPOSレジを導入するのであれば、STORESもおすすめです。STORESは、クラウドタイプのPOSレジアプリで、タブレット端末にインストールすれば無料で利用を開始できます。
ECショップと実店舗の在庫連動に対応しているので、実店舗・ECショップどちらも経営している場合に最適なサービスです。
商品のサイズやカラーバリエーション単位での在庫数の設定ができるため、商品数が多い小売店の在庫管理業務も効率化できます。
Airレジ

小売店でPOSレジを導入するなら、Airレジもおすすめです。レジでの会計と在庫管理機能が連動しているため、在庫量をリアルタイムに調整できる機能が備わっています。
入荷処理はバーコード読み取りにも対応しており、手作業入力の手間もかかりません。
棚卸機能のほか、在庫変動履歴の確認もできるので、より詳細なデータ分析に活用できます。ただし、Airレジの在庫管理機能はECショップとの連携には対応していないため、実店舗のみを経営している小売店におすすめのサービスです。
Square
Squareは、キャッシュレス決済端末とセットで導入できるサービスです。小売業に役立つ在庫管理機能のほか、在庫の一括登録機能なども備わっており、品目数の多い小売店の在庫管理を効率化できます。
基本のPOSレジ機能は無料で導入できる点が特徴で、在庫履歴、販売商品のコスト追跡などの管理ツールは、月額6,000円の有料プランに加入すれば利用することが可能です。
また、Webサイト作成機能、商品の店舗受取や発送サービスなど、より細やかな対応が行える機能もあり、ECショップの経営者にも適しています。
ハピレジ

ハピレジは、飲食店向けのPOSレジサービスとして知られていますが、小売店での導入にも最適なサービスです。
小売店や専門店向けに柔軟なカスタマイズができるクラウドPOSレジで、商品登録や在庫管理、売上分析など店舗運営を効率化しやすい機能が備わっています。一部機能拡張には、追加のカスタマイズ費用の負担が生じる場合があるので、問い合わせ時に確認しておきましょう。
また、iPadを活用して導入できるため、専用端末型POSレジと比較して導入コストを抑えやすく、小規模店舗から複数店舗展開している小売店まで幅広く活用しやすいのも魅力です。シンプルで操作性に優れたPOSレジを導入したい小売店に適しています。
POS+ retail

複数店舗の在庫管理を一元化したいのであれば、POS+ retailがおすすめです。本部で入荷・出荷の情報登録ができるほか、店舗間の移動管理も容易に行えます。もちろん棚卸機能も搭載しており、棚卸の進捗状況管理も可能です。
また、タブレット端末で入出荷時の検品管理が行える上に、POSシステムとの連携によるリアルタイムな在庫量調整も行えるため、タイムラグによる仕入れや販売の重複が発生する心配がありません。
「POS+ stock manager」も利用すれば、入出荷・棚卸のほか、在庫検索もスマホ(Android)で行えるようになるため、より柔軟性の高い在庫管理を実現できます。
【業態別】小売店におすすめのPOSレジ
小売店向けPOSレジは、業態によって必要な機能が大きく異なります。例えば、アパレルショップでは在庫・サイズ管理、食品小売ではバーコード管理や自動釣銭機、EC併用店舗ではネットショップとの在庫連携などが重要です。
そのため、自店舗の業態に合ったPOSレジを選ぶことが、業務効率化や売上向上につながります。以下では、業態別におすすめのPOSレジを整理して紹介します。
| 業態 | おすすめPOSレジ | 重視したい機能 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| アパレル・雑貨店 | スマレジ、STORES レジ | 在庫管理・SKU管理・EC連携 | カラー・サイズ管理やネットショップ連携に強い |
| 食品小売・スーパー | CASHIER、スマレジ | バーコード管理・自動釣銭機・セルフレジ | 会計効率化やレジ待ち対策に対応しやすい |
| リユースショップ | スマレジ、ハピレジ | 商品登録・顧客管理・在庫分析 | 一点物の商品管理や販売分析に対応しやすい |
| 農産物直売所・道の駅 | スマレジ、CASHIER | 生産者管理・バーコード発行・在庫管理 | 生産者ごとの売上集計やラベル発行に対応 |
| EC併用店舗 | STORES レジ、スマレジ | EC在庫連携・顧客管理 | 実店舗とECの在庫をリアルタイムで一元管理可能 |
アパレル・雑貨店向け
アパレル・雑貨店では、カラーやサイズごとのSKU管理が重要になります。また、実店舗だけでなくECサイトも併用しているケースが多いため、在庫をリアルタイムで連携できるPOSレジがおすすめです。
スマレジやSTORES レジは、ネットショップ連携や商品管理機能が充実しており、在庫切れや販売機会損失を防ぎやすい点が特徴です。
食品小売・スーパー向け
食品小売やスーパーでは、レジ会計のスピードや正確性が重要です。バーコード管理やセルフレジ、自動釣銭機と連携できるPOSレジを導入することで、レジ待ち時間の削減や人的ミス防止につながります。
CASHIERやスマレジは、自動釣銭機やセルフレジとの連携にも対応しており、会計業務の効率化を図りやすいPOSレジです。
参考記事:スーパーマーケット向けのPOSレジ4選!種類や価格目安と導入時の注意点について解説
リユースショップ向け
リユースショップでは、一点物の商品管理や中古商品の在庫管理が重要になります。また、顧客ごとの購買傾向分析や販売データの把握も売上改善につながるポイントです。
スマレジやハピレジは、在庫分析や顧客管理機能を活用しやすく、商品点数の多い店舗でも効率的に管理できます。
農産物直売所・道の駅向け
農産物直売所や道の駅では、生産者ごとの売上管理やバーコードラベル発行が必要になるケースがあります。そのため、生産者管理機能やラベル発行機能に対応したPOSレジがおすすめです。
スマレジやCASHIERは、商品登録や在庫管理に加え、店舗運営に必要な周辺機器との連携にも対応しやすい点が特徴です。
EC併用店舗向け
ECサイトと実店舗を併用している場合は、在庫を一元管理できるPOSレジが重要です。在庫連携ができていないと、売り越しや在庫差異が発生する原因になります。
STORES レジやスマレジは、ShopifyやBASEなどのECサービスと連携でき、実店舗とECの在庫をリアルタイムで同期できる点が強みです。
小売店でPOSレジを導入するメリット
小売店でPOSレジを導入するメリットは、以下の3項目です。
- 在庫管理を効率化できる
- 仕入れ量の最適化が図れる
- 複数店舗管理・データ分析ができる
それぞれ、導入前と比べたときの業務の変化や、小売店ならではの業務負担をPOSレジ機能がどのように軽減させるのかを解説します。
在庫管理を効率化できる
小売店でPOSレジを導入すると、在庫管理を効率化できるメリットがあります。POSレジと在庫管理を連動することにより、商品が売れるたびに在庫量がリアルタイムで調整されるためです。
在庫量の調整を人の手で行う必要がなくなり、入荷・出荷管理が容易になります。とくに、ECショップを経営している場合は、実店舗の在庫と連動できるPOSレジを導入することで、販売状況全体を把握しやすくなるでしょう。
参考記事:在庫管理ができるPOSレジおすすめ5選!導入するメリット・デメリットや選び方を解説
仕入れ量の最適化が図れる
仕入れ量の最適化が図れるのも、小売店でPOSレジを導入するメリットの1つです。仕入れ量の最適化とは、在庫ロスが出ないように、かつ在庫不足が起きないように、適切な数量を仕入れることを指します。
POSレジで在庫管理を行えば、過去の販売情報がデータとして蓄積されるため、いつどのような商品がどれだけ売れたのかを分析できる点が特徴です。
この分析結果をもとに、販売量が伸びるタイミングで在庫を増やしたり、販売数量が減少するタイミングで仕入れ量を減らしたりすれば、最適な在庫量を維持できます。
結果的に商品のロスや収益機会の損失を抑止できるため、収益の最大化を図る上でも小売店でのPOSレジ導入は効果的です。
複数店舗管理・データ分析ができる
複数店舗管理・データ分析ができるのも、小売店でPOSレジを導入するメリットです。POSレジの多くは、複数店舗管理機能を備えており、チェーン展開している複数店舗の売上情報・在庫情報を一元管理できます。
店舗ごとの売上の傾向や在庫の増減についても分析できるので、地域特性を分析したり、売上が高い店舗のノウハウを多店舗の共有したりできる点が強みです。
小売店の場合、POSレジの種類によっては在庫管理機能の「店舗間在庫移動」に対応しているものもあり、自店舗の在庫が不足した際に多店舗から取り寄せて対応できます。
小売店でPOSレジを導入するデメリット
小売店でPOSレジを導入するデメリットは、以下の3項目です。
- インターネット環境の整備が必要
- 導入費用がかかる
- 停電やシステムトラブルで使えなくなるリスクがある
具体的に、POSレジを導入するとどのような影響があるのか、デメリットをカバーする方法も踏まえて解説します。
インターネット環境の整備が必要
小売店でPOSレジを導入する場合、インターネット環境の整備が必要になる点がデメリットです。POSレジは、サーバーを介してデータのやり取りを行ったり、記録を蓄積したりするため、インターネット環境の整備は欠かせません。
一般的な手打ちレジやキャッシュレジスターの場合、電源として電池が利用されているケースはありますが、インターネット環境がなくても利用できる機種がほとんどです。
しかし、POSレジはインターネット環境がなければ基本的には利用できないため、導入に際してインターネット環境の整備も必要になる点に注意しましょう。
一方で、インターネット環境が整備できていれば、キャッシュレス決済端末も導入できます。POSレジの導入を機にキャッシュレス対応を進めることで、結果的に顧客満足度向上や収益機会の拡大につながる場合もあるでしょう。
導入費用がかかる
導入費用がかかるのも、小売店でPOSレジを導入するデメリットの1つです。新たな設備の導入を行う必要があるため、POSレジの導入には費用負担が生じます。
とくに、自動釣銭機が搭載されているターミナル型POSレジの場合、費用が高額になる傾向があり、100万円以上かかるケースも少なくありません。
近年では、数万円~20万円程度で導入できるタブレットPOSレジも広まっているため、POSレジの導入費用を抑えたい場合は、タブレットPOSレジを検討してみるのも良いでしょう。
参考記事:【無料あり】タブレットPOSレジのおすすめサービス7選比較|費用・機能・選び方を解説
停電やシステムトラブルで使えなくなるリスクがある
停電やシステムトラブルによって利用できなくなる可能性があるのも、小売店でPOSレジを導入するデメリットの1つです。POSレジを稼働するには、基本的に電源やインターネット環境を整える必要があります。
しかし、停電やシステムトラブルによってなんらかの障害が発生すると、たとえ営業時間中であっても、レジ対応や在庫管理業務が行えなくなるため対策が必要です。
例えば、バックアップ電源の確保や、電源・インターネットに再接続された際に、情報が自動でアップロードされる「オフライン対応のPOSレジ」を導入するなどして、対策を講じておきましょう。
参考記事:POSレジのメリット・デメリットとは?費用目安や選び方・導入時の注意点を解説
導入失敗を防ぐための小売店に最適なPOSレジの選び方

小売店でPOSレジを選ぶ際、どのような機種やサービスを選択すれば良いか、わからない方も多いでしょう。そのような場合には、以下の3項目を意識して比較検討することで、自店舗に最適なPOSレジを選定しやすくなります。
- 在庫管理機能・棚卸機能の性能で選ぶ
- ECショップの在庫と店舗在庫の管理を一元化できるものを選ぶ
- 複数店舗管理機能の有無で選ぶ
ここからは、小売店に最適なPOSレジを選ぶ際の比較ポイントや、重視すべき点について確認していきましょう。
在庫管理機能・棚卸機能の性能で選ぶ
小売店でPOSレジを導入する際は、在庫管理機能・棚卸機能の性能で選ぶことが大切です。一言で在庫管理機能・棚卸機能といっても、性能はPOSレジによって異なります。
例えば、ECショップと実店舗在庫の連携可否や、バーコード読み取りによる在庫登録作業、棚卸の進捗管理などです。
これらは、POSレジによって備わっている場合、備わっていない場合があるので、導入を決定する前の段階で、具体的にどのような性能が備わっているか確かめておく必要があります。
ECショップの在庫と店舗在庫の管理を一元化できるものを選ぶ
小売店で導入するPOSレジを選ぶ際は、ECショップの在庫と店舗在庫の管理を一元化できるサービスを選択しましょう。実店舗でのみ販売を行っている小売店には必要のない機能ですが、ECショップと実店舗の両方を経営している場合、必須といっても過言ではありません。
ECショップと実店舗の在庫管理を一元化できれば、オンラインで購入された商品の在庫がリアルタイムで減少するため、実店舗で誤って売却してしまうリスクを抑止できます。
このような販売の重複を防げるだけでなく、ECショップと実店舗の2つの在庫をそれぞれ管理する負担もなくなるため、この機能が備わっているPOSレジの導入がおすすめです。
複数店舗管理機能の有無で選ぶ
複数店舗管理機能の有無を比較しておくのも、小売店で導入するPOSレジを選ぶポイントの1つです。複数店舗管理機能とは、本部のPOSレジでチェーン展開している系列店の売上・在庫情報を一元管理できる機能を指します。
これにより、店舗間の売上傾向の違いや、店舗ごとの在庫管理状況を把握しやすくなり、経営方針の策定やマーケティング戦略の立案にも反映することが可能です。
チェーン展開している店舗それぞれから、別途状況報告をしてもらうことなくリアルタイムに把握できるようになるため、管理業務の負担軽減にもつながります。
まとめ
小売店でPOSレジを導入すると、レジのミスを抑制できるほか、在庫管理の負担を軽減できるメリットがあります。POSレジサービスによって備わっている機能に違いがあるため、まずは自店舗でどのような機能があるPOSレジを導入したいのか、明確にしてから比較検討すると良いでしょう。
とくに、勤怠管理システムや予約管理システムなど、外部のシステムと連携させたい場合は、外部システムとの連携に対応しているPOSレジの導入がおすすめです。

