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2025/08/01

「人が人らしくあるために」単なる自動化・DX提案ではない”配膳ロボット販売シェアNo.1”のUSENが考える配膳ロボットとの共存

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  • 配膳ロボット
USENロボティクス事業部
~はじめに~
USEN&U-NEXT GROUPにおいて、“人にしかできないこと”に注力する時間をつくるために店舗BGMやDXを推進する株式会社USEN。2021年からロボティクス事業を立ち上げ、配膳ロボットの提供を開始しました。
今回は、ロボティクス事業部長・成伯真紀子様に、事業立ち上げの背景から、USENの配膳ロボットが選ばれる理由、導入後の効果まで、詳しくお話を伺いました。人手不足やサービス品質の向上に課題を感じている飲食店の皆様にとって、配膳ロボット導入のヒントが詰まった内容となっておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

―― 昨今ますます配膳ロボットの需要が伸びておりますが、貴社ではいつからご提供を開始されたのでしょうか?

USENロボティクス事業部 2021年の9月に配膳ロボットを提供するロボティクス事業を立ち上げましたが、きっかけは2020年にさかのぼります。

ご存知のように当時はコロナ禍で、全国の大手チェーン様はじめ、多くの飲食店が軒並み休業や時短営業を余儀なくされ、売上が大きく減少してしまうという非常に大変な状況にありました。

そんな中、当時喫緊の課題であった“非接触”を実現できる「配膳ロボット」の存在を知り、お付き合いのある店舗様数社にご紹介したところ、非常に興味をもってもらえたんです。

また、慢性的な人手不足に悩んでいる店舗や、入国制限などの影響で外国人スタッフがなかなか日本に戻れず困っていた店舗にとっても、ある種救世主のような存在になり得ると感じ、弊社でも正式に扱うべきだということでロボティクス事業が立ち上がりました。

――店舗運営の課題解決手段として、配膳ロボットを提供しはじめたのですね。

その通りです。店舗様のニーズに応えられるよう、ロボティクス事業では多種多様な配膳ロボットを取り扱っております。とはいえ、弊社の責務は店舗運営の課題解決です。配膳ロボットの導入を目的としてしまうと、導入後も課題が解決できないということが往々にしてあり得ます。あくまで配膳ロボットの導入は店舗運営を円滑に行って頂くための手段であり目的ではありません。

そのため配膳ロボットの導入が店舗運営の課題解決となり得るのか、事前のヒアリングやトライアルを通じて徹底的に調査するという点は、弊社の提案スタッフに口を酸っぱくして徹底させています。

――ありがとうございます。では、貴社のクライアント様からよく聞く課題はどういったものがあるでしょうか?

USENロボティクス事業部 2025年現在、本当に各飲食店が困っているのは「人手不足」であると感じます。
そもそも、ぎりぎりの人数で店舗運営している場合は、スタッフが一人休むと店舗が回りません。あるいは人手不足の状況でも、一見すると運営が回っているように見える店舗もありますが、その場合スタッフは疲弊しています。結果、サービスの質が落ちるので、来店者数の減少に繋がりかねません。したがって、課題としては人手不足とそれによるサービス品質の低下、ひいては来店者数の減少であると思っています。

――そういった課題をお持ちの店舗様にはどういったご提案をされるのでしょうか?

まず、スタッフが疲弊しているケースであれば、「配膳ロボットを導入してお客様に向き合う時間を増やしませんか?」というご提案をします。
実際に弊社の配膳ロボットをご導入いただいた店舗様からは、「ホールスタッフに余裕が生まれ、困りごとがありそうなお客様に対する声掛けが増えた」、「お水の補充やテーブルの掃除に時間をかけられるようになった」、「心に余裕が生まれたことで、表情や声のトーン、話すスピードが緩やかになった」といったお声を頂いています。

――そうなのですね。それはお店を利用するお客様にとってもうれしいことですね。

あとは人手不足で困っている場合、アルバイトの採用視点でも配膳ロボットは一役買ってくれると思っています。
配膳ロボットを導入している店舗であれば、ホールスタッフに心の余裕が生まれるので働きやすい環境を用意することができます。また、ホールスタッフとしてただ料理を運ぶだけではないという見せ方もできるので、そういった点に魅力を感じる方の応募が増えるのではないかと思っています。

――ありがとうございます。一方で配膳ロボットを導入するにあたり、オペレーションを変更する必要はどうしても出てくるかなと思うのですが、クライアント様からはどういったご意見がありますか?

USENロボティクス事業部 店舗様にもよりますが、配膳ロボットを入れるだけであれば、オペレーションをそこまで大きく変更せずとも使えると思います。
ただし、それだけでは配膳ロボットが最大限利用されていない場合もあります。

そのため弊社では、配膳ロボット導入後の効果的な活用方法から、スタッフに対する指示の出し方、さらにはシフトの組み方など店舗オペレーションにまで踏み込んでアドバイスさせて頂くこともあります。

例えば、ディッシュアップされた料理は必ず配膳ロボットで配膳してもらい、絶対に料理はスタッフが持っていかないように徹底してもらう、手が空いたスタッフには水の補充や網の交換など別の仕事をつくる、といったアドバイスを行います。

――いわゆる店舗のコンサルティング領域にまで踏み込んでご支援されるのですね。それでいいますと、貴社は株式会社富士経済の調査で、配膳ロボットの国内販売シェア1位を2年連続で獲得していますが、貴社ならではの強みをお伺いできますでしょうか?

USENロボティクス事業部 弊社の強みは3つあると思っています。


●無料トライアルの実施

まず1つ目は導入前に1週間のトライアルを実施することです。
トライアルといっても店舗様に配膳ロボットをお届けして終わりではなく、どんなオペレーションにするかのアドバイス、費用対効果の測定、スタッフやお客様へのアンケートを行い、徹底的に導入後のミスマッチを防いでいきます。そのため、本格稼働する際には、配膳ロボットが店舗の一員となって機能する環境をご用意できます。


●60年以上に渡る顧客基盤

2つ目は、弊社のビジネスモデルに関係します。
60年以上前から店舗BGMの提供を通してサブスクリプション型のビジネスモデルで信頼関係を築いてきました。ある種クライアント様と弊社は運命共同体と言えるような関係です。 そのため、店舗様が長く続くためにどうすべきかを考え抜くことを得意としています。配膳ロボットであれば、人手不足の対策やサービス品質の向上、来店者数の増加などの価値を各店舗の課題に基づいてご提供いたします。

また、弊社には配膳ロボットの他にもPOSレジやオーダーシステム、グループ会社の (株)USEN WORKINGによる外国人労働者の紹介といった幅広いサービスを揃えております。店舗が抱える課題をトータルで解決できるため、お伺いした課題に対して本質的かつ多面的に解決策をご提案できるのは強みであると思っております。


●自社スタッフによる全国保守網

3つ目はサポート体制/保守網です。
配膳ロボットは、もちろん故障するリスクがあります。一般的には故障した際は交換となるのですが、交換するまでの間は使えませんし、ましてやお店の方は技術的な専門ではないのでその場で直すこともできません。配膳ロボット導入後はそのロボットありきでお店を回されますので、故障=店舗運営の大きなダメージとなります。
その点弊社では、配膳ロボットの故障が店舗運営の負担とならないよう全国に約1,000名のフィールドエンジニアを配置しております。故障が発生した場合は店舗に駆けつけて対応することが可能です。
クライアント様に安心して弊社の配膳ロボットをお使い頂けるよう、この体制を築けているのは弊社の大きな強みと言えます。競合他社様からも弊社の保守網については脅威であると言われることがあるくらいです。もちろん配膳ロボットだけでなく、POSレジやオーダーシステムなど他製品に関しても同様の対応が可能です。

――これまで、配膳ロボットをご提供されてきた中で印象的だった事例があれば教えてください。

USENロボティクス事業部 あるクライアント様で、社長は配膳ロボットの導入を決定されていたものの、現場のスタッフが導入に反対されていたことがありました。おそらく、自分の仕事がなくなってしまう、あるいは人間の方がいい仕事をするに決まっているという思いから反対なさったのだと思います。

ところが、配膳ロボットをトライアルでご導入頂いたところ、そのスタッフの方から「配膳ロボットがなければ困る、このまま導入してほしい」といった感想を頂きました。さらには配膳ロボットに名前まで付けてくださっていたのはとても印象的です。配膳ロボットに対してネガティブなイメージをもっていた方でも、一度使っていただければその価値に気づいていただけるのだと、実感しました。

――人手不足の現状において、配膳ロボットは無くてはならない存在となってきているのですね。

そうですね。ちなみに弊社では配膳ロボットのご導入時に「名前を付けてほしい」とお願いしているんです。名前を付けることで、しっかりとそのロボットに仕事を任せられるので、導入後のオペレーションが定着しやすいという効果があります。

これは余談ですが、ある店舗でのアンケートで「印象に残った従業員は誰ですか?」という問いに対して配膳ロボットの名前を記入いただいたというご報告を受けたこともあります。先方の社長としては参ったといった感じでしたが、それだけサービス面でも配膳ロボットの存在感が強くなってきているのでしょう。

――ありがとうございます。いろいろとお話をお聞かせいただきましたが、最後に貴社を一言で表すとどういった会社でしょうか。

USENロボティクス事業部 人を大切にする会社だと思っています。
ロボティクス事業は配膳ロボットを扱っていますが、本質的にはロボットそのものを売りたいのではなく、人が人らしくいられるために配膳ロボットをご提供しております。店舗運営の中でDX支援できる部分は機械が賄えますが、ホスピタリティのある接客やサービスは人だからこそできることです。

弊社は、人がお店に向き合う時間を作る、あるいは、お店の人が人らしくいられるために、配膳ロボットをはじめ、店舗DXソリューションを提供しております。

実は弊社の始まりは、先代の社長が通っていたお店で、話の途中で頻繁にレコードをかけ替えにいく従業員 の姿を見て、「なら私が変わりにレコードをかけるから従業員 と話をさせてほしい」この一言から始まっています。先代と従業員 とのコミュニケーションを楽しみたいという思いが、今の弊社の事業全体に通じていると思っております。

これからも「味、料理、人」という店舗が持っている3つの魅力を最大化するために、最大限ご支援してまいります。

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