店舗・オフィスの場合、退去時に業者による清掃を求められることがあります。このクリーニングは内容によっては普通の日常清掃や定期清掃とは異なる作業を求められる可能性があります。
今回はオフィスや店舗退去時のフロアクリーニングを清掃業者に依頼する際におさえておきたい知識を解説します。
店舗・オフィスの退去時に必要な清掃とは
店舗やオフィスから退去するときに必要な清掃は、通常の清掃とは異なります。また、似たような作業に原状回復がありますが、これとも異なります。まずはそれぞれの違いをおさえておきましょう。
店舗・オフィスの清掃とハウスクリーニングの違い
店舗やオフィスの清掃は、顧客や従業員に快適な環境を提供することが主な目的です。退去時の清掃の場合は、次に使う店舗のために行いますが、主な目的は変わりません。
一方、ハウスクリーニングはハウスクリーニングは、利用者が快適に暮らせるよう、住まいの清掃を行うことを主な目的としています。家族や個人の健康や快適さのために行われます。
どちらも「掃除」という意味では同じように見えますが、それぞれ達成する目的が異なるため、清掃の細かい内容に違いがあります。混同しないように注意しましょう。
原状回復とクリーニングの違い
店舗・オフィスの原状回復とは、賃貸借契約の終了時に、契約書で定められた範囲の内装・設備・造作物などを撤去・修復し、物件を返還できる状態にすることです。
退去時クリーニングは、床・窓・水回りなどの汚れを除去する作業です。一方、原状回復には、清掃だけでなく、内装や設備の撤去・補修などが含まれる場合があります。必要な作業は賃貸借契約書や特約、貸主との協議内容によって異なります。
退去時には、床や窓、水回りのほか、契約内容や施設の状態によって、エアコン、厨房設備、グリストラップなどの清掃を求められる場合があります。退去時クリーニングの一部は特殊な知識や道具がなくてもできますが、専門の清掃業者に任せた方が安心です。
なお、退去時の原状回復や清掃の内容は契約書に記載されています。必要な作業や清掃範囲などを調べる際は、契約書で確認しましょう。
退去時の手続きや作業は貸主・管理会社に確認してから行う
必要な作業を明確にする際は、賃貸借契約書を確認したうえで、貸主や管理会社に相談しましょう。
基本的に居抜き物件は退去時クリーニングで対応しますが、まれに原状回復が必要な場合があります。これはオフィスやテナントの状態も関わるため、借主側だけでは判断できません。退去が決定したらその時点で貸主に相談し、原状回復や退去時クリーニングの必要性も含めて確認しておきましょう。
オフィスやテナント退去時のクリーニングは、通常の日常清掃や定期清掃とは異なる場所を清掃する可能性があります。依頼先を探す際は、退去クリーニングを行っている業者に絞り込んで探しておくと、安心して作業を任せられます。
オフィスのフロアクリーニングを清掃業者に依頼すると得られるメリット
オフィスやテナントの契約内容によっては、フロアクリーニングを従業員で担当しても問題ないパターンもあります。しかし、フロアクリーニングはプロでも数時間はかかる作業なうえに、汚れの種類によっては、専門的な知識や技術がないと落とすのが難しい場合もあります。
オフィスやテナント退去の清掃を専門にした業者に依頼すれば、短時間かつ効率的に高品質の退去時クリーニングを提供してもらえます。業務用エアコンやグリストラップなどの店舗専用の設備の清掃を請け負ってくれるところなら、専門的な清掃が必要な場合でも一度の清掃で担当してもらえるでしょう。
退去時に汚れの残留や清掃不足があると、貸主とのトラブルにつながりかねません。退去時のトラブルを防ぐには、まず賃貸借契約書や特約を確認し、貸主・管理会社と原状回復や清掃の範囲を明確にすることが重要です。その内容をもとに、対応可能な清掃業者・原状回復工事業者へ見積もりを依頼しましょう。
退去時に清掃業者に依頼可能なクリーニング内容
退去時に清掃業者に依頼する場合、以下のクリーニングを行います。
退去時クリーニングで実施される主な内容
- フロアクリーニング
- エアコンクリーニング
- トイレクリーニング
- 窓ガラスクリーニング
- オフィスファニチャークリーニング
- 厨房などの専用設備クリーニング
なお、この内容もオフィスを借りる際に交わした契約や退去時の状況によって、必要なものが変化します。必要な作業を明確化する際は、必ず管理会社や借主に確認・相談しましょう。
店舗・オフィス退去の清掃を業者に依頼する際の費用目安
店舗やオフィス退去時の清掃作業は、作業内容ごとに費用がかかります。請求時はその合計を求める仕組みです。以下の図はオフィスや一部は店舗でも行われる作業と費用の目安をまとめたものです。
| クリーニング内容 | 費用目安 |
|---|---|
| フロア(タイルやフローリング) | 2万円~ |
| フロア(カーペット) | 2万5,000円~ |
| 水回り清掃 | 9,000~1万円 |
| エアコン(壁掛け式) | 1万円~ |
| エアコン(天井埋め込み式) | 2万5,000円~ |
| 窓ガラス | 1万円~ |
| 壁紙張替え(1平米あたり) | 1,000~5,000円 |
| オフィスチェア(1脚あたり) | 3,000円~ |
店舗の場合、業種ごとにクリーニング内容が異なります。たとえば以下の図は、飲食店に必要なクリーニングの内容をまとめたものです。
| クリーニング内容 | 費用目安 |
|---|---|
| 厨房床清掃(1㎡あたり) | 5,000~8,000円 |
| グリスフィルター洗浄(1か所あたり) | 4,000~6,500円 |
| ダクト清掃(1mあたり) | 1万~1万5千円 |
なお、この価格はあくまでも目安であり、実際の費用は業者ごとに設定されています。また、作業内容によっても異なるため、必ず見積もりを確認しましょう。
店舗・オフィス退去時に清掃業者を依頼するときの注意点
オフィスや店舗退去時に清掃業者を利用する場合、以下3点に注意しながら依頼先を探しましょう。
オフィス・店舗退去時に清掃業者を利用する際の注意点
- 価格や見積もりに不信感のある所は避ける
- 情報漏洩リスクの対策をしているところを選ぶ
- 清掃を依頼する場所や内容に注意
それぞれの詳しい内容を解説します。
価格や見積もりに不信感のある所は避ける
多くの業者は地域の価格相場に合わせた料金設定と詳細な見積もりを提示してくれます。しかし、まれに、見積もり内容が不透明だったり説明が不十分だったりする業者が見受けられることもあります。
このような業者の多くはほかと比べて大幅に高額または低額な見積もりを提示することがあるため、価格の根拠や内訳が不明確な場合は、説明を求め、納得できなければ依頼を見送ることも検討しましょう。また、見積もりの費用項目や金額があいまいに書かれている場合も同様です。
このような業者を避けるためにも、見積もりは複数社に依頼して比較・検討できるようにしておきましょう。
情報漏洩リスクの対策をしているところを選ぶ
オフィスや店舗のクリーニングでは業務を行うスペースや顧客情報を管理するスペースなども作業対象になる場合があります。情報漏洩リスクがほかの清掃を依頼した時よりも高まる場合があるため、具体的な対策を提示している業者を選びましょう。
きちんとした業者であれば、依頼時に守秘義務契約を結ぶことなどをホームページなどで提示しています。対策がきちんと行われているところを選んでください。
また、業者の対応に任せきりにせず、自分たちでも対策しましょう。重要書類などは作業に入る前に適切な方法で移動・破棄しておけばより安心です。
清掃を依頼する場所や内容に注意
清掃業者は業者ごとに担当できる場所や範囲が異なります。依頼先を絞り込む際は、管理会社や貸主が指定した範囲・内容の清掃を行ってくれるところから選びましょう。
業者によってはオフィスや店舗の広さによって費用が変動する場合や、担当しない場所が出る可能性があります。
また、フロアの拭き掃除はできるがエアコンクリーニングや厨房清掃などは担当しない、という業者もゼロではありません。この場合、担当しない部分の清掃は別業者に依頼することになります。
このような状態になれば、費用面はもちろん、作業計画的にもムダが生じるため、依頼前に担当してくれる範囲は必ず確認しておきましょう。
業者のなかには退去時の清掃を専門としているところや、退去時の清掃内容をひとまとめにしたパック料金で対応してくれるところもあります。このような業者に依頼すれば、安心して作業を任せられるため、おすすめです。
店舗・オフィスの退去時は清掃業者の力を借りよう
居抜き物件の店舗やオフィスでは、原状回復ではなく退去時の清掃をしなくてはならない場合があります。退去時清掃を求められた場合は、専門の清掃業者への依頼も検討しましょう。
依頼する前に必ず賃貸契約やテナント・オフィスの状態を確認し、必要な作業を明確化しておきましょう。

