認定薬剤師の取得・更新において、eラーニングで研修単位を取得できるかどうかは、多くの薬剤師の方が気になる点でしょう。集合研修会に参加する時間が確保しにくい方も多い中、eラーニング研修を活用できれば、学習と実務を両立しやすくなります。
ただし、すべてのeラーニングが研修認定薬剤師制度の単位対象になるわけではありません。
本記事では、日本薬剤師研修センターの制度を踏まえ、認定薬剤師の単位取得に対応したeラーニングを紹介しながら、失敗しない選び方の比較ポイントを解説します。
認定薬剤師とは?|研修認定薬剤師制度の基本

認定薬剤師とは、研修認定薬剤師制度に基づき、eラーニングや集合研修会などの認定研修を受講して専門性の高い知識や技能を学び、所定の研修単位を継続的に取得している薬剤師のことです。
認定薬剤師は薬剤師の国家資格取得後にスキルアップを図る目的で取得するもので、公益財団法人日本薬剤師研修センター(JPEC)が運営しています。「薬剤師研修・認定電子システム(PECS)」を通じて、研修会やeラーニング研修などの受講履歴や単位を一元管理しているものです。
単位は、要件を満たした薬剤師会や登録済みの研修実施機関が提供するeラーニング研修でも取得できます。
認定薬剤師制度は、学習の可視化と継続的な自己研修を通じて、かかりつけ薬剤師としての専門性を維持・向上を図る手段として活用されている制度です。
参考サイト:日本薬剤師研修センター
eラーニングで認定薬剤師の単位を取得する方法
eラーニングで認定薬剤師の単位を取得するには、研修認定薬剤師制度に対応した研修を、所定の手順に沿って受講・修了する必要があります。認定薬剤師の単位を取得する具体的な方法は以下のとおりです。
- 日本薬剤師研修センター認定済みの研修実施機関のeラーニング研修を選ぶ
- PECSに登録し、受講を申し込む
- 研修動画を視聴し、確認テストに合格すると、単位を取得できる
注意事項として、制度対象外のeラーニング研修では単位が付与されないため、研修認定薬剤師制度の対象であるeラーニングかどうかの事前確認が必要な点が挙げられます。
認定薬剤師の制度に対応したeラーニングを選定し、受講から単位反映までを正しく管理することが、認定薬剤師の単位取得につなげるポイントです。
次項では、認定薬剤師の制度に対応したeラーニングを紹介します。
【認定薬剤師向け】日本薬剤師研修センター主催のeラーニング
日本薬剤師研修センター主催のeラーニングは、認定薬剤師の取得に直結する、信頼性の高い研修単位の取得方法のひとつです。
日本薬剤師研修センター主催のeラーニング研修は、PECSを通じて管理されています。
受講を希望する場合、まずPECSへの個人情報の登録が必要です。申し込み自体もPECSから行います。
申し込み後は各研修動画を視聴し、修了報告期限までにキーワードなどを報告しましょう。これにより、集合研修と同等に扱われる研修単位を取得することが可能です。
日本薬剤師研修センター主催のeラーニングには幅広い分野の講座が用意されており、2025年度には新規講座も追加されています。
注意点として、日本薬剤師研修センター主催のeラーニングは、動作保証や画面表示の観点からパソコンでの受講が推奨されている点が挙げられますす。
日本薬剤師研修センターが主催するeラーニングは、認定薬剤師の単位を取得したい方にとって安心して利用できる選択肢です。
日本薬剤師研修センター主催のeラーニング(2025年度)については、以下をご覧ください。
参考サイト: e-ラーニング研修(センター主催研修会)(2025年度)丨日本薬剤師研修センター
【認定薬剤師向け】登録研修実施機関によるeラーニングを比較
登録研修実施機関による認定薬剤師向けeラーニングは、代表的なものとして以下が挙げられます。
- MPラーニング
- JPラーニング
- メディカルナレッジ
- エレファント
ここでは、上記の登録研修実施機関のeラーニングを比較し、選定時に確認すべきポイントを整理して解説します。
MPラーニング

MPラーニングは、日本薬剤師研修センターの各種認定制度に対応した、登録研修実施機関によるeラーニングサービスです。
MPラーニングには950以上の豊富な教材が用意されており、疾患、治療、服薬指導から在宅医療、セルフメディケーションまで、基礎から実践レベルまで幅広く網羅されています。
日本薬剤師研修センターの電子システム(PECS)に対応しており、取得した単位の管理や申請がスムーズに行えるよう設計されているのもポイントです。
料金プランは個人向けの年間定額制コースが用意されており、研修認定薬剤師の新規取得コースが税込16,500円(年間)、研修認定薬剤師の更新コースが税込8,800円(年間)となっています。
JPラーニング

JPラーニングは、薬剤師が実務知識を網羅的に学習し、認定薬剤師の単位取得を目指せるeラーニングプラットフォームです。特に職場復帰を控えた方やブランクのある薬剤師、忙しい業務の合間に学習したい方に選ばれています。
JPラーニングでは大手調剤薬局グループが実際に使用している薬事・薬学コンテンツが提供されており、実務に即した高品質で分かりやすい内容となっています。これまでに3万人以上の薬剤師が学習に利用している、信頼性の高いプラットフォームです。
JPラーニングは、日本薬剤師研修センターなど他のプロバイダーの認定申請に使用することも可能です。ただし、その場合は、他のプロバイダーでの研修単位取得が一定数以上求められるなど、申請条件が設けられることがあります。事前に確認しましょう。
PECSとは非連携のため、認定申請の際は研修単位のPDFを印刷し、郵送などで提出する必要があります。
メディカルナレッジ

メディカルナレッジは、薬剤師の生涯研修を支援するために提供されている、研修認定薬剤師制度の対象となるeラーニングサービスです。公益財団法人日本薬剤師研修センターをはじめ、様々な認定制度の研修実施機関として認められています。
年間に100本以上の新規コンテンツを配信しており、常に最新の医療情報を学べます。
専用アプリが用意されており、パソコンだけでなくスマホやタブレットでの学習も可能です。
登録手続き不要で視聴できる「お試しコンテンツ」が提供されており、導入前に実際の講座内容を確認できます。
エレファント
elephamt for pharmacists(エレファント)は、薬剤師向けの研修認定に対応したeラーニングです。認定薬剤師研修制度、精神薬学会認定薬剤師など各種認定制度の取得・更新に対応しています。
エレファントは最新のガイドラインや薬物治療、医療制度といった臨床に直結した、効率よく楽しく学べる講座を提供しているのが特徴です。
パソコン、タブレット、スマホなどマルチデバイスでの学習に対応済みです。
料金プランは、10講座14,300円~40講座19,800円の3タイプから選べます。
その他登録済み実施機関のeラーニングは、日本薬剤師研修センターの以下ページをご覧ください。
参考サイト:e-ラーニング研修(登録された実施機関によるもの)丨日本薬剤師研修センター
認定薬剤師向けeラーニングの選び方と比較ポイント
認定薬剤師向けeラーニングを選ぶ際は、研修認定薬剤師制度に適合し、単位取得と更新に確実につながるかどうかを軸に以下の4点を比較することが重要です。
- 研修認定薬剤師制度の単位の対象か
- 日本薬剤師研修センターのeラーニング研修に登録されているか
- 受講料と1単位あたりのコスト
- 自身の勤務形態に合った受講形式か
まず、研修認定薬剤師制度の単位対象であるかを確認しましょう。次に、日本薬剤師研修センターに登録されたeラーニング研修かどうかを確認します。
さらに、受講料や1単位あたりのコストに加え、薬局薬剤師・病院薬剤師など自身の勤務形態に合った受講形式かどうかも比較のポイントです。
制度への対応状況や費用、受講環境を総合的に確認することで、認定の取得や更新を効率的に進めやすくなります。
参考記事:【企業向け】最適なeラーニングのプラットフォームの選び方とは?機能・おすすめ8選を比較
認定薬剤師制度を理解し、自分に合ったeラーニング選びを
eラーニングは、認定薬剤師制度における自己研修の選択肢を広げる有効な手段です。
研修認定薬剤師制度では、研修実施機関や研修単位の区分、単位付与日などが厳密に管理されており、選択を誤ると更新に影響する可能性があります。そのため、日本薬剤師研修センターに登録されたeラーニングを中心に、受講料や取得単位数を比較する視点が欠かせません。
正しい知識をもとに認定薬剤師向けeラーニングを選定することが、認定薬剤師の取得・更新を安定的に進める近道といえます。

