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2025/11/12

外国人採用にかかる費用とは?制度別の内訳・費用項目と相場・助成金を解説

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外国人採用の費用

人手不足が深刻化する中、外国人採用は飲食業や小売業など多くの現場で重要な選択肢となっています。
しかし、外国人雇用には「特定技能」「技能実習」「技人国」など制度ごとの違いがあるうえに、費用構造も異なる点をご存知でしょうか。

 

さらに、紹介手数料や在留資格申請費用、支援委託費用など、見えにくいコストが多いのも実情です。
本記事では、外国人採用にかかる主な費用項目や相場、助成金を活用した費用削減の方法にいたるまで、外国人採用に必要な費用の目安をわかりやすく解説します。

目次

外国人採用の費用は「制度・採用方法・支援体制」で大きく変わる

積み上げられた硬貨

外国人人材の採用にかかる費用は、選択する制度・採用方法・支援体制によって大きく異なることを把握しておきましょう。特定技能や技能実習、技人国などの制度ごとに必要な手続きや支援内容が変わり、それにともなう初期費用・継続費用にも差が生じます。

 

  • 制度ごとの採用コストの違い(特定技能・技能実習・技人国)
  • 紹介会社(エージェント)・現地採用・自社採用によるコスト差

それぞれ費用の違いについて解説します。

制度ごとの採用コストの違い(特定技能・技能実習・技人国)

外国人採用の制度別に見たコスト構造では、特定技能・技能実習・技人国(技術・人文知識・国際業務)それぞれで採用・継続にかかる費用相場が異なります。企業が外国人の採用ルートを比較検討する際は、以下のコスト構造を正しく把握することが重要です。

制度名 初期費用の目安 主な費用項目 継続費用の有無 支援義務
特定技能 約70~150万円 紹介手数料、在留資格申請費用、渡航費用、健康診断費用、支援委託費用など あり(支援費等) あり(登録支援機関 or 自社対応)
技能実習 約50~90万円 監理団体費用、送出機関への手数料、在留資格申請費、渡航費など あり(監理費等) あり(監理団体が支援)
技人国 約30~80万円(相場) 紹介手数料、在留資格変更許可申請費、渡航費、住居準備費など あり(更新費等) なし(制度上の支援義務はない)

企業が外国人材を採用する際は、制度選定の段階から採用単価・継続費用・本人負担/企業負担の区分を明確にしましょう。特定技能・技能実習・技人国のいずれに該当するかを把握したうえで、支援体制を含めた計画策定が求められます。

紹介会社(エージェント)・現地採用・自社採用によるコスト差

紹介会社を利用した採用、現地採用、自社採用という3つの採用ルートでは、採用コストに大きな差が出ます。企業が予算を適切に見立てるためには、各手法の特徴と費用構造を理解しましょう。

採用手法 初期費用の目安 主な費用項目 継続費用の有無 特記事項・留意点
紹介会社 約60〜120万円 紹介手数料(理論年収の20〜30%)、在留資格申請費、渡航費、住居準備費など あり(更新手続き、支援費など) サポートが充実しているが、紹介料が高額。返金規定の確認が必要。
現地採用 約70〜150万円 渡航費、住居費、健康診断、在留資格認定証明書申請費、現地渡航サポートなど あり(更新費・支援費) 本人との直接交渉が必要であり、現地語や手続き対応のハードルが高い。
自社採用 約30〜70万円(変動) 求人媒体掲載料、応募対応、在留資格申請費、健康診断、住居手配など あり(自社対応の場合) コストは抑えやすいが、自社で全ての対応が必要。体制が整っていないと逆に割高になる。

採用手段として人材紹介会社を使う場合、採用する人材の理論年収の20〜30%程度が紹介手数料の相場です。
自社採用を選択すると紹介手数料を抑えられる可能性があるものの、求人媒体・募集の運用・在留資格手続き支援といった業務を自力で整備しなければ、結果としてコストが逆転しかねません。

 

外国人材の採用にあたっては、紹介会社・現地採用・自社採用それぞれのコストを比較することが大切です。紹介手数料・渡航・在留資格申請・住居準備などの「採用から定着までの総コスト」を見積もったうえで、支援体制とあわせた採用計画を設計しましょう。

参考記事:【2025年最新版】外国人採用に強い人材紹介サービス8選|費用感と飲食・小売・施設向けおすすめの選び方を解説

外国人採用にかかる費用項目と相場一覧【初期費用〜継続費用まで】

飲食・小売・介護などの店舗業種で特定技能外国人を採用する場合の費用相場は、初期費用70〜150万円、年間維持コスト100〜200万円前後が目安です。国内在住者を採用する場合や、支援業務を自社内で完結できる際は、これを20〜30%程度削減できる可能性もあります。

【初期費用項目と相場一覧】

費用項目 相場目安 説明
送り出し機関手数料 約20〜60万円 海外現地の機関が徴収する初期コスト(主に技能実習・特定技能)
人材紹介手数料 約30〜60万円 紹介会社(エージェント)への支払い。理論年収の20〜30%が目安
渡航費用 約4〜10万円 海外からの航空券代等(本人負担になる場合もあり)
在留資格申請費用 約10〜20万円 行政書士や支援機関を通じた申請・認定証明書交付費
健康診断費用 約1〜2万円 渡航前後の健康診断(企業負担・本人負担いずれもあり)
住居準備費(敷金・礼金等) 約15〜30万円 アパート契約時に必要な初期費用(外国人本人の立替が難しい場合も多い)

【継続費用項目と相場一覧】

費用項目 相場目安 説明
登録支援機関委託費用 月2〜4万円 義務的支援(生活支援・手続き同行など)を外部委託する場合
在留資格更新費用 約4〜10万円 期間満了にともなう更新手続き(書類準備・行政書士報酬など)
継続的な生活支援・教育 月1〜3万円程度 日本語研修・生活相談などを企業または委託先が提供する場合
解約・帰国費用 約3〜5万円 契約終了時の帰国手配など(企業が全額または一部負担するケースあり)

企業が外国人採用を検討する際には、紹介・在留資格申請・渡航・住居・更新などの費用項目の相場を押さえておきましょう。そのうえで、初期費用と継続費用に分けて採用単価を計算するのがポイントです。

特定技能外国人を受け入れる場合の費用モデル【飲食業】

パンを作る外国人従業員

飲食業において特定技能外国人を受け入れる場合、想定される採用コストは初期費用約20万円〜150万円、年間の継続費用が約30万円~50万円です。支援体制や採用ルートによって費用が大きく変わる点を把握しておきましょう。

 

飲食業界で外国人材を採用する際、一般的に「人材紹介手数料10〜60万円」「在留資格申請費用10〜20万円」「登録支援機関への委託費用2〜4万円/月」といった費用が必要になります。
飲食店で特定技能外国人材を採用する場合、「人材紹介」「在留資格申請」「暮らしの支援(住居・登録支援機関)」「継続支援コスト」の各費用項目を明確に計算しましょう。採用単価とランニングコストを含めた予算設計が重要です。

外国人採用に活用できる助成金

外国人採用に必要な費用負担を軽減する手段として、助成金を活用する選択肢があります。
「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」は、外国人労働者の職場定着を目的として、外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備に取り組む事業主を支援するための助成制度です。

 

この助成金は、就労環境整備措置の導入(雇用労務責任者の選任、就業規則等の多言語化など)に対して支給されます。
1制度導入につき20万円が支給され、上限額は80万円です。
企業が外国人採用を検討するにあたっては、助成金申請の可否を早めに確認しましょう。

参照:人材確保等支援助成金

外国人採用の費用は「戦略的人材投資」として捉えるのがポイント

外国人採用の費用は単なる支出ではなく、人材投資として捉えることが重要です。特定技能外国人をはじめ、制度や採用ルートに応じたコストを可視化し、登録支援機関や助成金制度を上手に活用すれば、採用単価を大幅に抑えられる可能性があります。
とくに飲食業では、支援体制と費用管理が外国人採用の成功ポイントです。採用コストを最適化しながら、外国人材の定着と企業成長を両立させる視点が求められます。

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