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2025/09/07

POSデータとは?レジを活用した売上の分析方法と活用事例を紹介

  • POSレジ
POSレジのデータとは
"省人化DX"で変わる飲食店運営|POSを起点にスタッフを活かす仕組みづくり
飲食業界を取り巻く現状として、人手不足の深刻化や人件費の高騰と採用難。そして顧客ニーズの多様化やSNSへの適応など、経営者や店長にとって様々な負担が増えています。これらの負担を軽減し、持続可能な店舗経営を実現するためのDX化を紹介しています。

POSレジは、小売店や飲食店のほか、美容サロンやクリニック、アミューズメント施設など、さまざまな店舗や施設で活用されています。

POSレジは、データ収集や分析が行える点が特徴で、単なるレジ設備ではなく、マーケティング戦略の立案にも影響を与える重要な設備です。

本記事では、POSレジで収集できる「POSデータ」とはなにか、具体的にどのような情報が収集できるのか、収集したデータをどのように分析すればマーケティング戦略に活用できるのかを詳しく解説します。

記事後半では、業種ごとのPOSデータの活用事例も紹介していますので、店舗経営の一助としてぜひお役立てください。

目次

POSデータとは

カフェでレジのタッチパネルを操作する店員のイメージ

POSデータとは、POSレジを介して販売・会計を行った商品やサービスの情報や記録のことを指します。POSデータのPOSは、「Point of sales」の略称で、日本語に訳すと販売時点情報管理を意味する言葉です。

POSデータは、POSシステムが備わっているPOSレジや決済端末などを通じて収集できます。機種によっても異なりますが、販売情報や在庫情報、顧客情報などさまざまなデータ分析やデータ連携が可能な点が特徴です。

POSデータを活用すれば、売上予測(需要予測)が可能になり、在庫調整や人員配置の変更、クーポンやポイント倍デーなどの集客・販促施策にも活用できます。

参考記事:POSレジとは?POSシステムとの違いや機能と導入するメリット・デメリット

posレジで収集できるデータの種類

まずは、POSレジを通じて具体的にどのようなデータが収集できるのか、一般的な例を紹介します。

商品の販売日時・価格・個数

POSレジで収集できるデータとして、商品の販売日時や価格、個数などの売上情報が挙げられます。販売した日付・曜日に加えて、レジで会計を行った時間も記録されるため、混雑する曜日や時間帯、時間ごとの売れやすい商品など、さまざまな分析に活用できる点が特徴です。

商品を販売した店舗・商品名

POSレジでは、商品を販売した店舗・商品名などのデータを収集することも可能です。複数店舗経営している場合や、数十~数百店舗単位の系列店を抱えているようなチェーン店・フランチャイズ店などの場合、店舗によって売れ筋商品の傾向が異なります。POSデータとして、店舗ごとに情報を収集できるため、地域や立地条件、顧客層の違いによる売上の変化も分析できるでしょう。

商品購入した顧客の来店頻度

POSレジでは、来店頻度に関する顧客データも収集できます。ポイントカードやデジタル会員証などの情報と紐づけて、顧客情報を収集したものです。会計を行った際に、ポイントカードやデジタル会員証をPOSレジで読み取れば、顧客の来店頻度や購入金額に応じた累積ポイントなどのデータも集められます。

商品購入した顧客の属性情報

POSレジでは、商品を購入した顧客の属性情報も収集できます。属性情報とは、年齢や性別、誕生月、在住地域、職業などの個人情報のことです。どのような顧客がどのような商品を購入したのかをデータ収集すれば、顧客層ごとの購買傾向の違いや店舗の出店地域差なども分析できます。

POSデータの分析方法

タブレット端末で棒グラフなどのデータを確認する人のイメージ

POSデータ分析の方法はさまざまですが、以下の分析手法を用いてデータ分析を行うケースが一般的です。

  • ABC分析
  • トレンド分析
  • RFM分析
  • バスケット分析

ここからは、分析手法ごとの特徴や強み、具体的な分析のやり方について詳しく解説します。

ABC分析

ABC分析とは、POSデータを活用して、売上や利益への寄与度が高い商品を特定する手法です。まず、各商品の売上高を集計し、全体に占める割合を算出します。

累積比率を基に上位70〜80%を「A」ランク、中位15〜20%を「B」、下位5〜10%を「C」と分類します。

これにより、重点的に管理すべき商品(A)、改善や販促が必要な商品(B)、整理や在庫削減を検討すべき商品(C)を明確化できます。在庫調整や仕入れ量の最適化に効果的な分析手法です。

トレンド分析

トレンド分析とは、POSデータを時系列で追跡し、季節や時間帯による売上・来店動向の変化を把握する手法です。

例えば、月別・曜日別・時間帯別に売上を集計し、季節性や繁忙期、閑散期のパターンを明らかにします。仕入れ量やアルバイト従業員のシフト量を調整したり、閑散期の集客力向上のためにクーポン券を積極的に発行したりして、マーケティング戦略に活用することが可能です。

さらに、新商品の販売推移を分析すれば、人気が定着しているのか一時的なブームかを判断できます。仕入れや在庫、販促施策をデータに基づき最適化し、売上拡大につなげられるデータ分析の方法です。

RFM分析

RFM分析とは、顧客を「直近の購入時期(Recency)」「購入頻度(Frequency)」「購入金額(Monetary)」の3つの指標で評価し、セグメント化(グルーピング)する手法です。

POSデータをもとに各指標を数値化し、数値に応じてスコアを付与する形で顧客をグループ分けします。

例えば、直近購入があり頻度も高く金額も大きい顧客は、「優良顧客」としてロイヤルティ施策(愛着心につながる施策のこと)を実施し、頻度や金額が低い層には再来店促進のクーポンや割引を提供するなどの方法です。

RFM分析を実施すれば、顧客ごとに最適なマーケティング施策を展開できます。

バスケット分析

バスケット分析とは、POSデータから「一緒に購入されやすい商品」の組み合わせを見つける分析手法です。

顧客が買い物かごに入れた商品同士の関連性を抽出し、クロスマーチャンダイジング(異なるカテゴリーの商品を組み合わせる販売手法)や、セット販売に活用します。

例えば「パンとバター」「シャンプーとトリートメント」「肉類と焼肉のタレ」のように同時購入率の高い組み合わせが分かれば、陳列を近づけたりセット割引を設定して購買単価向上につなげられます。

飲食店なら「ビールと唐揚げ」、美容サロンなら「カラーとトリートメント」、小売店なら「お土産と包装袋」など、組み合わせ購入による収益向上を図ることが可能です。

POSデータ活用における問題点

POSデータを活用する場合、以下のような問題点があることを留意しておきましょう。

  • データ入力の精度
  • システム間の連携不足
  • 分析リソースの不足
  • コスト負担の増加
  • プライバシー・セキュリティの問題

POSデータを活用する場合、データ分析を行う際に人の手によるデータ入力を行うと、入力ミスが発生して分析の精度が落ちる可能性があります。

また、POSレジ・POSシステムと在庫管理や顧客管理システムなどが連携できていないと、必要なデータを収集できません。

さらに、分析するための知識・経験・人材などのリソース不足や、分析ツールの導入・人材の雇用などコスト負担の増加も課題として挙げられます。

そのほか、データ流出によって顧客情報やマーケティング戦略に必要な情報が流出するなど、プライバシー・セキュリティの問題にも事前に対策を講じておくことが不可欠です。

このような課題があることを理解した上で、対策を講じてPOSデータを有効活用し、収益拡大につながる経営戦略につなげましょう。

POSデータの活用事例3選

窓にたくさん貼られたデータ分析グラフの用紙を指さす2人

ここからは、POSデータの活用事例を業種ごとに紹介します。データ収集・データ分析におけるポイントや、集客・販促施策への反映方法など、活用のポイントも見ていきましょう。

飲食店でのPOSデータ活用事例

飲食店において、POSデータを売れ筋商品の分析や在庫ロスの削減に役立てている事例があります。時間帯別・曜日別の注文データを分析し、売れるメニューの違いを把握する方法です。売れ筋商品や売れやすい季節・曜日・時間帯などを把握できるため、仕入れの最適化や原価管理が可能になります。

また、注文数と仕入れデータを突き合わせて比較すれば、廃棄の多い食材の特定につながり、メニュー改良や仕入れ数量の調整による在庫ロスの削減にも有効活用できるでしょう。

参考記事:飲食店におすすめのPOSレジを業種・業態別で10選紹介|選び方のポイントは?

小売店でのPOSデータ活用事例

小売店のPOSデータ活用事例として、購買傾向の把握や季節需要予測による売上分析により、陳列・仕入れ量の最適化につなげている例が挙げられます。

POSレジを通じて、商品カテゴリ別・顧客層別の購買データ・売上データを収集・分析し、人気商品の陳列場所や仕入れ比率を調整する方法です。

また、過去数年分のPOSデータから、「クリスマス前は菓子類」「梅雨時は雨具」「金曜日の夕方~夜はビール」といった季節や曜日ごとの需要を予測し、販売機会を逃さない売上アップの仕組み構築にも役立てられています。

参考記事:小売店におすすめのPOSレジ5選を比較紹介!機能の違いと導入失敗を防ぐ選び方を解説

美容サロンでのPOSデータ活用事例

美容サロンにおけるPOSデータの活用事例として、顧客の来店サイクルの分析や備品類の在庫管理適正化に役立てているケースもあります。

POSシステムで収集した来店履歴をもとに、「平均○週間ごとにカラー施術」「男女別のカット頻度」など、分析データに応じて、次回来店を促すリマインドメールやクーポン券を発行する方法です。

また、在庫管理システムと連携したり、POSレジに備わっている在庫管理システムを活用したりして、シャンプーやカラー剤の仕入れ頻度の分析により、在庫切れや余剰在庫の抑止・適正化も実現しています。

参考記事:美容室におすすめのPOSレジ12選+無料サービス3選!機能や価格など各社の特徴を紹介

まとめ

POSデータは、収集するデータの種類や分析方法によって、さまざまなマーケティング戦略に活用できます。

POSデータが収集できるPOSレジは、一般的なキャッシュレジスター・手打ちレジと比べて、データ収集や分析の量・スピード共に優れている点が特徴です。

店舗や施設の収益増につなげるマーケティングツールの1つとして、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

“省人化DX”で変わる飲食店運営|POSを起点にスタッフを活かす仕組みづくり

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飲食業界を取り巻く現状として、人手不足の深刻化や人件費の高騰と採用難。そして顧客ニーズの多様化やSNSへの適応など、経営者や店長にとって様々な負担が増えています。これらの負担を軽減し、持続可能な店舗経営を実現するためのDX化を紹介しています。

この資料で得られるもの

DX推進による属人化の脱却 DX推進による省人化オペレーション DX推進による人を活かす仕組みづくり

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