ホテルを含め、宿泊施設でもIoTが推進されています。その一環として、清掃ロボットをホテルに導入している事例が増えていることをご存知でしょうか。
では、実際に清掃ロボットを導入することで、どのような効果が得られるのでしょうか。本記事では、清掃ロボットを実際に導入したホテルの事例や、おすすめの製品などを紹介していきます。
ホテルに清掃ロボットを導入するメリットは?
本項ではまず、ホテルに清掃ロボットを導入するメリットについて解説します。
客室清掃の効率化
清掃ロボットをホテルに導入することで、客室清掃の効率化が期待できます。多くの客室を管理するホテル業務では、清掃業務の効率は重要な要素の一つです。客室清掃を手早く済ませられれば、それだけ多くの時間を他の業務に充てることも出来るでしょう。
清掃ロボットであれば客室のベッドメイクなど一部業務を除き、拭き掃除・掃き掃除を自動的に、かつ効率的に進めることができるため、客室清掃の時間短縮、効率化に繋がります。
従業員の負担軽減
日々多くの宿泊客が出入りするホテル業務において、従業員の負担は軽いものではありません。中には、人手不足で従業員への負担が増加し、課題となっているホテルもあるでしょう。
清掃ロボットを導入することで、ホテル内の清掃を自動化、これにより、従業員の業務負担軽減が期待できます。人手不足に陥っており、従業員に過度な負担がかかっているという場合には、清掃ロボットの導入を検討してみてもよいでしょう。
共用部清掃の効率化
ホテルにおいて清掃が必要なのは客室だけに留まりません。ロビーをはじめとした共用部の清掃も、ホテルを清潔な状態に保つうえで欠かせない業務です。しかしながら客室とは違い、共用部の清掃はスペースが広い分、人手が必要です。
共用部の清掃に時間がかかってしまい、効率化を図りたいという場合、清掃ロボットを導入することで、共用部清掃の効率化も期待できます。
忙しいホテル業務に清掃ロボットを導入することで、各種清掃の効率化、従業員の負担軽減といったメリットが期待できます。
ホテルに清掃ロボットを導入する際の注意点とは?
続いて本項では、ホテルに清掃ロボットを導入する際、どのようなポイントに注意すればよいか解説します。
導入台数
まず注意すべきなのは導入する清掃ロボットの台数です。当然ですが、1台の清掃ロボットでホテル全体の清掃業務をカバーすることは不可能です。そのため、ホテルの規模に合わせた台数を導入する必要があります。
客室清掃、共用部の清掃含め、何台の清掃ロボットであれば清掃業務全体をカバーできるのか、事前にメーカー、販売店側に相談するのが無難でしょう。
清掃ロボットの種類
清掃ロボットも製品によって対応している清掃のタイプが異なります。そのため、ホテルの清掃にマッチする製品を選ぶことも重要です。
清掃ロボットには掃き掃除を得意とするもの、拭き掃除を得意とするもの、モップ掛けを得意とするものなど、製品によって対応している清掃の種類が異なります。また、複数種類の清掃に対応している清掃ロボットも存在します。
ホテルの清掃業務の場合、客室清掃と共用部清掃で求められる清掃の種類が異なるため、シチュエーションに合う清掃ロボットを導入することが必要です。
導入コスト
導入にあたって注意したいのがコスト面です。当然、清掃ロボットを購入する場合、初期費用として製品本体の購入費用が必要です。また、レンタル・リースを活用する場合、中長期的に運用コストが発生します。
また、導入する台数によっても導入コストは大きく差が出てきます。そのためまずは導入に割ける予算を明確にしたうえで、予算の範囲内でどのような選択肢が取れるのかを検討することが重要といえるでしょう。
ホテル全体の清掃業務をどこまで清掃ロボットに任せるか、事前に明確にしておくことが重要です。
ホテルに清掃ロボットを導入した事例3選
本項では、実際に清掃ロボットを導入したホテルの事例を紹介していきます。
SoftbakRobotics/裏磐梯レイクリゾート
第一に紹介するのは、福島県にある裏磐梯レイクリゾートでの導入事例です。同ホテルの課題として、パブリックスペースの清掃をし切れていない、というものがありました。
その中で裏磐梯レイクリゾートが選択したのは、SoftbankRoboticsが手掛ける清掃ロボット「Whiz」です。実際に導入した結果、清掃員を雇うよりも低いコストで、パブリックスペースの美化に成功したといいます。
導入後はWhizの高い清掃能力を評価し、床面の70%の清掃をWhizによってカバーしているといいます。
ROBOTI/星野リゾート 奥入瀬渓流ホテル
2つ目の事例として取り上げるのは、星野リゾートが手がける奥入瀬渓流ホテルの導入事例です。同ホテルが清掃に関して抱えていた課題として、ビュッフェレストランの清掃に時間がかかってしまう、清掃と水拭きを同時に行いたい、大型の清掃ロボットでは投資効果が出ない、といったものが挙げられました。
そこで同ホテルはRACLEBOという清掃ロボットを導入。結果、清掃時間内に掃除が完了するようになり、スタッフ1名分の働きをRACLEBOで賄えるようになっています。また、床清掃を担当していたスタッフがその他の業務に回れるようになり、清掃以外の業務効率向上も達成できたといいます。
参考:ROBOTI
DFA Robotics/ホテル&リゾート バリタワー
続いて紹介するのは、大阪にあるホテル&リゾート バリタワーでの清掃ロボット導入事例です。同ホテルでは人手不足が原因で、従業員一人一人の業務負荷増加という課題を抱えていたといいます。
上記の課題を解決すべく、DFA RoboticsのPUDU CC1の導入を決定。1台で複数の清掃業務を担えるCC1を導入したことで、課題となっていた従業員の身体的負担が軽減、これまで2人で清掃業務を行っていたところを、1人で回すことができるようになったといいます。
清掃業務を省人化することで、従業員の負担軽減に成功した好事例といえるでしょう。
引用:DFA Robotics
清掃ロボットの導入を検討する際は、事例を踏まえて自社と比較分析を行うことも重要です。
ホテルで活躍できる清掃ロボット3選
続いては、ホテルの清掃業務で活躍できる清掃ロボットを紹介します。
ROBOTI/RACLEBO
RACLEBOの特徴は、小型サイズながら300㎡の広範囲清掃ができる点です。広い範囲の清掃が求められるホテルの清掃業務に対応できるスペックながら、コンパクトなサイズ感で扱いやすい点は魅力です。また、掃き掃除だけでなく、水拭きにも対応しているため、シチュエーションに応じた使い分けができる点も強みといえるでしょう。
SoftbankRobotics/Whiz
Whizは均一に全面清掃を行える清掃ロボットです。除菌性能にも優れており、誇りに付着した細菌・ウイルスを除去できます。また、本体にはAIを搭載しており、センサーが障害物を検知して回避できるなど、安全性能に優れている点も魅力です。
DFA Robotics/PUDU CC1
CC1は掃き、吸引、水拭き、乾拭きの4種類の清掃機能を備えたマルチ性能が魅力の清掃ロボットです。フル充電状態なら9時間稼働できるため、長時間の業務にも対応可能です。4種類の清掃ができるため、ホテル内のさまざまなスペースを清掃できる点も魅力といえるでしょう。
本項で紹介した製品を含め、どのような清掃ロボットがニーズにマッチするか考えつつ、製品選定を行ってみてください。
まとめ
本記事では、清掃ロボットを実際に導入したホテルの事例や、おすすめの製品などを紹介しました。
従業員の業務負担を軽減し、なおかつ清掃効率の向上も期待できる清掃ロボットは、今後も宿泊業で普及していくでしょう。
清掃ロボットの特徴を踏まえたうえで、自店舗の課題解決に繋がる製品の導入を検討してみてはいかがでしょうか。