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2025/09/07

飲食店開業時に融資を受けるには?申請の流れ・タイミングと必要な自己資金額について解説

  • 飲食店開業支援
飲食店開業での融資
店舗DX機器導入補助金活用の手引き-2025年版
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多くの経営者が「自社は補助金の対象外だろう」と誤解しています。しかし、国や地方自治体は、飲食、小売、サービス業など、幅広い業種の中小企業向けに、DX推進を支援する様々な補助金・助成金を用意しています。

飲食店を開業する際、開業資金を全額自己資金で賄えるケースはまれであり、飲食店経営者の多くは「融資」を活用して資金を支援してもらいます。

これから飲食店を開業しようと考えている方にとって、自己資金をどれくらい用意して、融資審査に挑めば良いのか、いつ申請すれば良いのかなどわからないポイントも多くあるでしょう。

今回は、これから飲食店を開業しようとしている方に向けて、活用できる融資の種類や申請の流れ、タイミングについて詳しく解説します。

目次

飲食店開業時に融資を受ける方法は3種類

向き合って書類と電卓を指さしながら商談するイメージ

飲食店開業時に融資を受ける場合、以下3つの選択肢が挙げられます。

  • 銀行からの融資
  • 信用保証協会による制度融資
  • 日本政策金融公庫の創業融資

それぞれの違いや特徴について詳しく確認していきましょう。

銀行からの融資

飲食店開業時に融資を受ける選択肢として、銀行融資の利用が挙げられます。銀行融資は、メガバンクや地方都市銀行などから資金調達する方法です。

ただし、これまでに営業経験や取引実績がない、初めて開業する事業者の場合、銀行の融資は受けられない可能性があります。

初めて開業する事業者が銀行から融資を受けるケースでは、金利が高く設定されている、借り入れ金額に対して自己資金の割合が多いなど、特殊な条件下での契約になる場合もあるので注意しましょう。

信用保証協会による制度融資

飲食店開業時に融資を受ける場合、信用保証協会の制度融資を利用する選択肢もあります。

信用保証協会による制度融資とは、個人事業主や中小企業の事業者が融資を受ける際、信用保証協会が公的な保証人になることで、融資を受けやすくする制度です。信用保証協会から融資を受けるのではなく、信用保証協会に公的保証人になってもらった上で、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けます。

個人事業主や中小企業の事業者が事業に失敗しても、信用保証協会が借入金の返済を補償するため、金融機関側にとっても貸し倒れリスクが抑えられる点が特徴です。このような借り入れ方法は、保証付融資とも呼ばれています。

必ずしもすべての人が保証を受けられるとは限りませんが、制度融資が利用できれば資金調達が行いやすくなるでしょう。

日本政策金融公庫の創業融資

これから初めて飲食店を開業する事業者の多くが利用している融資として、日本政策金融公庫の創業融資が挙げられます。

銀行のような金融機関の融資と比べて、初めて開業する人でも審査にとおりやすいため、多くの事業者が利用している融資制度です。飲食店のみならず、さまざまな業種・業態の開業時に利用できます。

日本政策金融公庫の創業融資制度とは?

創業融資|日本政策金融公庫公式サイト 出典:日本政策金融公庫
日本政策金融公庫の創業融資とは、「新規開業資金(新規開業・スタートアップ支援資金)」のことで、新たに事業を始める人や事業開始後7年以内の方を対象とした、公的な融資制度です。

無担保・無保証人で融資が受けられる点が特徴で、金融機関との取引実績が乏しい新規開業者やスタートアップ企業でも利用できます。

金利が低く設定されている上に、設備資金は20年以内、運転資金は原則10年以内という、長期返済に対応しているのも特徴です。

また、基本枠に加えて、「女性・若者・シニア支援関連」「再挑戦支援関連」「中小企業経営力強化関連」など、特定の対象者が利用できる特例制度も設けられています。

制度名 対象者 融資上限金額 返済期間(据置期間) 利率(年・無担保)
基本枠(新規開業・スタートアップ支援資金) 新規事業者または開業後7年以内 最大7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備:20年以内(据置5年以内)
運転:10年以内(据置5年以内)
基準利率:2.70%~4.00%
女性・若者・シニア支援 女性、または35歳未満/55歳以上 最大7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備:20年以内(据置5年以内)
運転:10年以内(据置5年以内)
特別利率A:2.30%~3.60%
担保あり:1.20%~3.10%
再挑戦支援 廃業歴のある再挑戦者 最大7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備:20年以内(据置5年以内)
運転:15年以内(据置5年以内)
基準利率:2.70%~4.00%
中小企業経営力強化関連 中小企業会計適用+認定支援機関助言あり 最大7,200万円(うち運転資金4,800万円) 設備:20年以内(据置5年以内)
運転:10年以内(据置5年以内)
特別利率A:2.30%~3.60%

参照:新規開業・スタートアップ支援金|日本政策金融公庫

基本的に通年申請に対応しているため、開業に合わせて申請すると良いでしょう。ただし、適用金利は変動するため、申請段階で確認しておく必要があります。

飲食店開業時に融資を利用する場合の金利の目安

飲食店開業時に融資を利用する場合、借入先によって金利が異なる点に注意しなければなりません。金利は、返済総額に影響を与えるため、金利が高すぎると事業経営中の収益を圧迫する事態に陥る要因になるためです。

以下では、融資の借入先ごとの金利目安を紹介します。あくまで目安であり、実際の金利は借り入れ条件などで変動するため、借り入れ前に確認するようにしてください。

銀行融資の金利目安

飲食店開業時に銀行融資を受ける場合の金利目安は、約1%~15%です。信用保証協会による保証を受ける保証付融資の場合は約1~3%、ビジネスローンの場合は1.5%~15%と幅があります。

過去の取引実績や信用度、借り入れ金額などによって変動する点が特徴です。日本政策金融公庫の創業融資と比べた場合、ビジネスローンの場合は金利が割高になる可能性があります。

信用保証協会による制度融資の金利目安

信用保証協会による制度融資は、銀行や信用金庫などの金融機関から融資を受けるための保証制度です。そのため、信用保証協会から融資を受けるものではありません。

民間銀行から融資を受ける場合、信用保証協会による制度融資を利用しない場合と比べて、金利が低くなる傾向にあります。

融資審査に通過しやすくなる上に、金利も低くなる可能性が高いため、民間銀行や信用金庫などから融資を受ける場合は、信用保証協会による制度融資の活用を検討すると良いでしょう。

日本政策金融公庫の創業融資の金利目安

飲食店開業時に日本政策金融公庫の創業融資を利用する場合、金利の目安は約1%~5%です。日本政策金融公庫の創業融資を利用する場合、金利は担保の有無や特例制度の適用可否などによって変動します。

銀行のビジネスローンと比べて比較的金利が低く設定されている上に、返済期間も設備資金であれば最長20年と長いため、月々の負担を抑えながら経営できる点が特徴です。

飲食店開業時に融資を受けるまでの申請の流れ

飲食店開業時に融資を受ける場合の申請の流れは、以下のとおりです。

  1. 資金計画や自己資金の貯蓄など事前準備
  2. 必要書類(事業計画書・見積書・本人確認書類など)の準備
  3. 融資申込(書類提出)
  4. 面談・ヒアリング
  5. 融資審査
  6. 融資決定の通知
  7. 契約・融資実行

基本的に、銀行融資・日本政策金融公庫の創業融資のいずれを利用する場合も、大まかな申請の流れは変わりません。

スムーズに申請を行うためにも、まずは自己資金の貯蓄や創業資金計画書・事業計画書の作成、業者への見積依頼など、必要な対応を先に済ませておくことが大切です。

また、必要以上の金額は借り入れず、返済計画を立てて計画的に返済していきましょう。

飲食店開業時の融資申請のタイミング

書類にメモをする人と豚の貯金箱・電卓のイメージ

飲食店開業時の融資申請のタイミングは、開業の2~3カ月前が目安です。これは、融資申請から融資が実行されるまで(手元に資金が入金されるまで)に、時間を要することが理由として挙げられます。

  • 銀行融資の審査期間:2週間~2カ月程度(平均的には1カ月~2カ月)
  • 日本政策金融公庫の創業融資の審査期間:2週間~2カ月程度(平均的には3週間~1カ月程度)

申請書類に不備があったり、申請が混雑していたりすると、審査に遅れが生じることもあるので注意しましょう。余裕をもって準備を進めておき、融資申請は2~3カ月前には完了できていると安心です。

飲食店開業で融資を受けるために必要な自己資金額

飲食店開業で融資を受けるために必要な自己資金の額は、約200万円~500万円です。一般的に、飲食店を開業する際の開業資金は、約1,000万円~1,500万円必要になります。

銀行や日本政策金融公庫の融資を受ける場合でも、自己資金は借り入れ金額の約3割程度は確保しておかなければなりません。

日本政策金融公庫の創業融資の場合、自己資金0円でも申請は可能ですが、審査に通る可能性が低くなるため、自己資金をある程度確保しておいた方が良いでしょう。

飲食店開業時に必要な資金の目安については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考記事:飲食店開業の資金はいくら必要?資金調達方法と自己資金の目安や補助金・助成金制度まとめ

まとめ

飲食店開業に向けて融資を受ける場合は、借入先の選定や申請準備、自己資金の確保など、さまざまな対応が必要になります。

また、飲食店の店舗を構えるには資金負担が大きいことから、スモールスタートができるキッチンカーで開業するのも選択肢の1つです。

キッチンカーで開業するのか、店舗を構えるべきか、さらに店舗の規模はどれくらいか、なども検討しながら無理のない創業計画を立てて開業にチャレンジしましょう。

参考記事:キッチンカーの開業資金はどれくらい必要?自己資金の目安と資金調達の方法を解説

店舗DX機器導入補助金活用の手引き-2025年版

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