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2025/09/22

業務用厨房機器のリースとは?メリット・料金相場・購入との違い・おすすめのリース会社を解説

  • 厨房機器販売
厨房機器のリース契約

「厨房機器のリースって本当にお得なの?」という疑問を抱く飲食店オーナーは少なくありません。特に開業準備中や新規事業立ち上げのタイミングでは、厨房機器の導入にかかる初期費用や契約条件、所有権など検討すべき項目が多く、判断に迷うポイントが多くあります。

 

しかし、厨房機器のリースは単なる「レンタル」とは異なり、資金繰りや運用面において経営効率を高める可能性を秘めています。では、厨房機器のリース契約とはどのような仕組みで、費用相場はどれくらいなのでしょうか。また、購入やサブスク(サブスクリプション)との違いはどこにあるのでしょうか。
本記事では厨房機器のリース契約の特徴や購入・レンタル・サブスクとの違い、注意点、おすすめのリース会社までわかりやすく解説します。

目次

業務用厨房機器のリース契約とは?仕組み・購入やレンタルとの違い

業務用厨房機器のリース契約とは、厨房機器をリース会社から一定期間借り受け、月額リース料を支払う契約形態のことを指します。高額な設備でも、リース契約であれば毎月一定額を支払えば良いため、初期投資を抑えて機器を導入できる仕組みです。

 

リース契約では、飲食店や施設などの店舗運営者が、リース会社が所有する厨房機器(業務用冷蔵庫・製氷機・フライヤーなど)を使用し、その対価として月額のリース料を支払います。これにより、厨房機器を購入するための初期費用(購入資金)を削減でき、限られた運転資金を別の設備や内装工事などに充てることが可能です。
契約期間は一般的に3~7年が多く、期間中は保守契約が付帯することもあり、修理やメンテナンスサービスを受けられるケースもあります。

 

厨房機器のリースには大きく分けて、契約終了後に返却する、所有権の移転がない短期利用向けリース「オペレーティングリース」と、契約満了後に所有権が移る長期固定契約型リースである「所有権移転リース(ファイナンスリース)」の2種類の契約形態があります。それぞれの違いは以下のとおりです。

リースの種類 特徴 向いているケース
オペレーティングリース 厨房機器の所有権がリース会社に残ったまま、契約者が月額で使用料を支払う仕組み。 飲食店の開業時や、設備の短期導入をする場合
固定資産計上が不要、かつ途中解約しやすい
所有権移転リース(ファイナンスリース) リース期間終了後に機器の所有権が契約者へ移る仕組み。会計上は資産計上が必要。 中長期的な設備投資を想定する場合
そのため、減価償却や固定資産税の対象になる

このように、「借りて使う」だけか、「借りて買う」かで、リース契約の目的が大きく変わる点を知っておきましょう。
リース契約の種類を正しく理解することは、厨房機器の導入費用だけでなく、経理処理や将来的な経営判断にも直結します。リースを単なる「月額契約」と考えず、契約の仕組みと資産管理の観点から、最適な方式を選ぶことが重要です。

厨房機器の購入・リース・レンタル・サブスクとの違いは?

厨房機器は購入・リース・レンタル・サブスクによる導入方法があり、それぞれ以下のように特徴が異なります。

導入方法 購入 リース(主にファイナンス型) レンタル(短期対応型) サブスク(定額制サービス)
所有権 購入者にあり 原則リース会社にあり(満了後譲渡ありも) 貸与元(レンタル会社)にあり サービス提供会社にあり
初期費用 高額(機器代を全額支払い) 抑えられる(月額固定払い) 非常に低い(保証金+日割りなど) 抑えられる(月額定額+初期費用ゼロも可)
契約期間 なし(自由) 固定(原則3〜7年)中途解約不可 短期可(1日〜数ヶ月) 比較的柔軟(1年〜・短期対応も増加中)
耐用年数・資産計上 必要(固定資産) ファイナンス型は資産計上/オペレーティング型は不要 不要 不要
向いている利用シーン 長期運用・資産計上を重視 初期投資を抑えたいが中長期利用を前提とする店舗 繁忙期・イベント・期間限定店舗など 開業初期・柔軟性重視・機器変更が想定される店舗

 

リースとレンタルの違いは、期間と契約内容です。リースは「長期固定+原則解約不可」、レンタルは「短期柔軟+途中変更可能」となっています。
サブスクはレンタルに近いですが、修理・交換・サポート込みのサービス性が高く、近年では開業支援やDX(デジタル化)と組み合わせたプランも登場しているのが特徴です。

厨房機器をリース利用する4つのメリット

厨房機器のリース

厨房機器のリース利用は、初期投資の軽減から最新機器の導入まで、店舗経営における資金繰りと運用の柔軟性を大きく高める手段です。主に以下のメリットが挙げられます。

  • 初期投資を大幅に抑えられる
  • 修理やメンテナンスの手間と費用を軽減できる
  • 固定資産計上や税金手続きの手間がかからない
  • 最新機器を導入しやすくなる

まず大きなメリットは、初期費用を大幅に抑えられる点です。業務用厨房機器は冷蔵庫や製氷機など1台数十万円を超えることが一般的で、飲食店の開業時にこれらを一括購入するのは資金的な負担が大きくなります。リースなら月額数千円〜の範囲で導入できるため、運転資金を他の用途に充てることが可能です。

 

また、最新の厨房設備機器を導入しやすくなるのも大きな魅力です。厨房機器は省エネ・衛生機能の進化が早く、リース満了ごとに機器を入れ替えれば、常に最新モデルを導入できます。これにより、厨房の機能性や生産性の維持・向上を実現することが可能です。厨房機器をリース利用するメリットについて、それぞれ解説します。

初期投資を大幅に抑えられる

厨房機器をリース利用すると、開業時の初期投資を大幅に抑えられます。
業務用冷蔵庫や食器洗浄機などを新品購入すると、数十万〜数百万円の費用が必要です。
一方、リースなら月額数千円から導入可能です。これにより、運転資金を内装工事や広告費に振り分けられます。
資金繰りに余裕を持たせ、開業リスクを軽減できるのが厨房機器のリースの大きな魅力です。

修理やメンテナンスの手間と費用を軽減できる

リース契約には修理やメンテナンスが含まれることが多く、店舗の負担を減らせます。
冷凍冷蔵庫や製氷機は故障リスクが高い機器ですが、リースならリース会社が修理対応を行い、追加費用がかからないプランもあります。厨房機器のリースでは、突然の出費を防ぎ、厨房運営を安定させられる点がメリットです。

固定資産計上や税金手続きの手間がかからない

リース利用では固定資産計上や減価償却が不要で、税務処理が簡素化されます。
厨房機器を購入した場合は固定資産税や減価償却の処理が必要ですが、リースは経費扱いとなるため帳簿管理がスムーズです。その結果、経理の負担を軽くし、本業である店舗運営に集中できる環境を整えられます。

最新機器を導入しやすくなる

リース契約は最新の厨房機器を導入しやすい仕組みです。
厨房機器のリースでは、契約更新時に新型の業務用冷蔵庫や食器洗浄機へ入れ替えられるため、常に省エネ性能や衛生基準を満たした機器を利用できます。これは特に衛生管理が求められる飲食店に有利な点です。
最新設備を無理なく導入できることは、競合との差別化にもつながります。

厨房機器をリース利用する3つのデメリット

リースには便利さもある一方、費用・契約・所有に関する見落としがちな以下のデメリットについても理解しておく必要があります。

リース契約では初期費用が抑えられる反面、契約期間中のリース料(例:月額2,000〜15,000円)を合算すると、同一機器を購入するより1.2〜1.5倍高くなるケースも珍しくありません。特に5年以上の長期契約では、総額比較を事前に行わないと「結果的に損をする」と感じる場合があります。

また、オペレーティングリースの場合、所有権がリース会社に帰属するため、契約終了後に「自社資産」として機器を保持することはできません。将来的に機器を長く使いたい場合や、中古品として再販・再利用したい場合は、リース契約よりも購入の方が適しているケースもあります。

業務用厨房機器の導入前には「導入期間」「予算」「機器の再利用予定」などを見極め、リースと購入のどちらが最適かをシミュレーションすることが、後悔のない選択に繋がります。厨房機器をリース利用するデメリットについて、それぞれ解説します。

  • 総支払額が割高になることがある
  • 原則として途中解約ができない
  • 所有権が得られない(オペレーティングリースの場合)

総支払額が割高になることがある

リース契約は月額支払いで導入しやすい反面、トータルコストが購入より高くなることがあります。
例えば厨房用冷蔵庫をリースで5年間利用した場合、リース料総額が購入価格の1.3倍以上になる場合もあるのが特徴です。リースには金利や保守費用が含まれており、長期間使用するほど割高になる傾向があります。
リースは初期投資を抑える点で魅力ですが、長期的な運用を前提とする場合は購入と費用を比較することが重要です。

原則として途中解約ができない

リース契約は原則として途中解約ができず、事業変更時の柔軟性に欠けます。
厨房機器のリースは契約期間満了までの支払いが義務付けられることが一般的です。そのため、万一、飲食店が閉店・移転を余儀なくされた場合でも、残期間分のリース料を負担し続ける必要があります。
特に、経営環境が変化しやすい開業初期は、途中解約不可という契約条件がリスクとなり得ることを知っておきましょう。

所有権が得られない(オペレーティングリースの場合)

オペレーティングリースでは機器の所有権が得られず、契約終了後の再利用ができません。
厨房機器はリース会社の資産であり、契約終了時には返却が原則です。特にオペレーティングリースでは、機器の中古再販や長期使用を見込んだ運用ができないため、資産形成にはつながりません。
長く使いたい設備や資産計上したい事業計画を持つ場合は、所有権が移転するファイナンスリースや購入を検討するのもおすすめです。

飲食店で厨房機器をリース利用する場合の費用・料金相場

飲食店で導入される代表的な業務用厨房機器のリース費用相場を、わかりやすく一覧表でまとめました。

厨房機器名 リース費用(月額) リース期間の目安
縦型冷凍冷蔵庫 約7,000〜12,000円 5年〜7年
コールドテーブル 約6,000〜10,000円 5年〜6年
製氷機 約5,000〜8,000円 5年〜6年
ガステーブル 約4,000〜9,000円 3年〜6年
フライヤー 約4,000〜7,000円 5年前後
食器洗浄機 約8,000〜15,000円 5年〜7年
作業台・シンク類 約2,000〜5,000円 3年〜5年

リース料金は、機器の仕様・グレード・新品/中古によって変動します。料金はメンテナンス費・設置費用込みか否かを確認しましょう。

また、飲食店開業に必要な資金総額や資金調達の方法については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひ参照ください。

参考記事:飲食店開業の資金はいくら必要?資金調達方法と自己資金の目安や補助金・助成金制度まとめ

厨房機器のリース審査で評価される3つのポイントは?

厨房機器のリース審査では、以下の3点が主な評価対象となります。

  • 事業の安定性
  • 信用力
  • 払い能力

リース会社は、リース料の回収見込みを重視します。具体的には、過去の事業実績や営業年数、開業資金の内訳、収支計画書、代表者の信用情報などが確認されるのが一般的です。
また、保証人の有無や連帯保証契約も厨房機器リースの審査通過に関係します。例えば、「飲食店開業直後」など信用力が不十分と判断されるケースでは、審査落ちや契約条件が厳しい状況でのリースになる可能性があります。

 

厨房機器のリース契約をスムーズに進めるためには、事前に必要書類を整え、資金計画と信用力を明確に示すことが重要です。不安がある場合は、事前に見積依頼や仮審査を活用すると良いでしょう。

厨房機器のリースと中古購入、どちらがいい?

固定費を分散させたいならリース、資産として長く活用したいなら中古を購入するのがおすすめです。
厨房機器の選択肢は「経営スタイル」と「資金の使い方」で決まります。
リースは初期費用を抑えつつ、最新機器を月額払いで導入できるのが強みです。メンテナンス込みの契約も多い点も安心につながります。

 

一方、中古厨房機器は購入価格が新品の3割~6割程度と安く、契約縛りもなく所有権を得られます。しかし、保証や修理対応が不十分な場合があるのが課題です。
つまり、短期利用や最新設備重視ならリース、長期利用やコスト重視なら中古が適しています。

【新品あり】おすすめの厨房機器リース会社2選

ここでは、新品の厨房機器をリースできるおすすめの厨房機器リース会社をピックアップして紹介します。

  • 内装・厨房リース.com
  • テンポス

厨房機器リース会社選びの参考にチェックしてみてください。

内装・厨房リース.com

内装・厨房リース.com

内装・厨房リース.comは、初期費用・コンサルティング0円が特徴の厨房機器リース会社です。

  • 「お店まるごとリース」を利用すれば、飲食店の開業時に通常必要な厨房機器の購入代金を含む多額の初期費用を支払うことなく出店が可能
  • 資金サポートだけでなく、工事業者や仕入業者の紹介、オープン後の販促支援など、経営者が店舗運営に集中できるサポートもあり

「お店まるごとリース」では、物件取得費用や内装工事費、厨房機器の購入代金などは内装・厨房リース.comが支払い、開業後は売上から少しずつ返済していく仕組みになっています。

テンポス

テンポス

テンポスは全国60店舗のグループ店舗と連携しており、全国どこでも変わらない厨房機器関連の手厚いサービスを提供しています。

  • リース契約で導入できるのは新品の厨房機器のみ
  • 取り扱い厨房機器は非常に多岐にわたる

多くの厨房機器を扱っているのが特徴で、厨房熱機器、冷蔵庫、冷凍庫、製氷機から券売機やレジなどのその他厨房機器まで幅広い厨房機器のリースを行っています。

【ホシザキ・マルゼンのリースあり】おすすめの厨房機器リース会社3選

ホシザキ・マルゼンのリースができるおすすめの厨房機器リース会社3選を紹介します。

  • 厨房ベース
  • 空調・店舗・厨房センター
  • 有限会社フード・プラン事務所(飲食店の内装工事と厨房機器)

厨房機器リース会社選びの参考にチェックしてみてください。

厨房ベース

厨房ベース

厨房ベースは、業務用厨房機器の販売とリースを専門とする会社です。飲食店の開業において大きな負担となる厨房機器の購入に対し、初期費用を抑え、内装や味づくりに専念したいオーナーの悩みを解決するため、購入ではなく月額の固定費で利用できるリースサービスを提供しています。

  • リース契約を通じて新品の厨房機器を導入できる
  • リース期間は4年~6年で設定可能

厨房ベースでは主要な厨房機器メーカーであるホシザキ・マルゼンのコールドテーブル・冷蔵ショーケースなどの冷蔵庫、冷凍庫、製氷機から、スチームコンベクション・ガスレンジ・ガステーブル・フライヤーといった厨房熱機器まで、幅広い業務用厨房機器を取り扱っています。
リース満了後、物件の所有権は顧客には移転せず、リース会社へ返却するのが原則です。

空調・店舗・厨房センター

空調・店舗・厨房センター

島根県松江市の本社と島県東広島市に広島店がある空調・店舗・厨房センターはその名の通り、業務用エアコン、業務用冷蔵庫、厨房機器を専門に取り扱っている店舗です。
マルゼンやホシザキ、その他メーカー製品のガステーブルやフライヤーなどについて、6年リースの月額費用が具体的な金額で提示されています。
島根県と広島県近辺で厨房機器のリースを検討中の飲食店は、ぜひチェックしてみてください。

有限会社フード・プラン事務所(飲食店の内装工事と厨房機器)

有限会社フード・プラン事務所(飲食店の内装工事と厨房機器)

有限会社フード・プラン事務所は飲食店の開業支援を目的とし、店舗設計、内装工事、厨房設計、厨房機器の提供を一体的に行っています。

  • 主にホシザキの冷機器のリースを行う
  • リース営業エリアは東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県、群馬県、栃木県、茨城県、山梨県、静岡県
  • 初期費用は0円

リース期間は5年または6年といった法定耐用年数(5~7年)で計算され、月々の支払いで利用できる仕組みです。価格は、訪問打合せ、搬入設置費、納品立会い、諸経費をすべて含んだ「コミコミ」で提供されています。
厨房機器の専門的な搬入・設置作業も可能で、入口の階段や狭い通路のために冷蔵庫の扉を外して搬入するといった特殊な搬入事例も紹介されています。

厨房機器のリースは初期費用を抑えたい飲食店におすすめの選択肢

厨房機器のリースは、「初期投資の軽減」「メンテナンスの簡素化」「税務手続きの省力化」といった利点から、飲食業界や施設運営において広く活用されている契約形態です。
一方で、「総支払額の割高化」や「契約中の解約制限」といった注意点もあるため、導入前には目的と経営方針に合った選択を意識する必要があります。特に短期利用や頻繁な設備更新を前提とする業態では、サブスクやレンタル型とも比較検討すべきでしょう。

重要なのは、「自店舗にとって最も効果的な厨房設備の活用方法は何か?」を見極めることです。本記事を参考に、自店の設備戦略を見直し、より効率的な厨房環境づくりを目指しましょう。

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