売上管理や在庫商品管理、従業員の勤怠管理など、店舗経営における幅広いデータ管理に役立つシステムがPOSレジです。
近年、POSレジシステムはクラウド化が進み、サービスを提供している事業者が増加傾向にあります。
そのような中で、自分の店舗にどのPOSレジを導入すれば良いかわからず、迷っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、おすすめのPOSレジを業種ごとにトータル11選紹介します。また、選び方についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。
POSレジとは?
POSレジとは、決済用設備の1つで商品の販売情報や、金銭のやり取りの情報をリアルタイムに記録してくれるPOSシステムが備わったレジのことです。
POSは「Points of Sales」の略称で、日本語で訳すと「販売時点情報管理」を意味します。
一般的なキャッシュドロアが付属している会計処理のみを行うレジ設備とは異なり、在庫情報と連動した売上データの蓄積や管理・分析が行えるレジのことです。
キャッシュレス決済や自動釣銭機が備わっているPOSレジを導入すれば、決済・精算業務やレジ締め作業の自動化も実現できます。
参考記事:POSレジとは?POSシステムとの違いや機能と導入するメリット・デメリット
POSレジの種類について
POSレジは、大きく分けて以下5種類の機種があります。
POSレジの種類 | 概要 |
---|---|
ターミナル型POSレジ | バーコードリーダーやキャッシュドロア・レシートプリンターなどが一体となっているタイプのPOSレジ |
自動釣銭機搭載型POSレジ | 自動釣銭機機能が備わっているPOSレジ。タブレットPOSレジと自動釣銭機を連携して導入する方法もある |
タブレットPOSレジ | iPadやAndroid端末などのタブレット端末に、クラウドPOSシステムをインストールして導入するPOSレジ |
パソコンPOSレジ | クラウドPOSシステムをパソコンにインストールして導入するタイプのPOSレジ |
モバイルPOSレジ・スマホPOSレジ | スマホにクラウドPOSシステムやPOSアプリをダウンロードして導入するタイプのPOSレジ。持ち運べる点が強み |
店舗の規模や欲しい機能、利用方法(固定・持ち運び)など、状況に応じたPOSレジを選定することが大切です。
参考記事:POSレジの種類はいくつある?特徴や強みと最適な機種の選び方
POSレジに備わっている機能一覧
POSレジには、さまざまな機能が備わっており、機種やPOSシステムを提供している事業者ごとに、利用できる機能に違いがあります。一方で、多くのPOSレジに共通して備わっている機能があるのも特徴です。
- 売上管理・在庫管理機能
- 売上分析機能
- 顧客管理機能
- 勤怠管理機能
- 予約管理機能
- オーダーエントリー機能
上記のような機能が備わっているPOSレジは多くあります。ただし、勤怠管理機能や予約管理機能、オーダーエントリー機能などは、追加オプションに指定されていることもあるので、導入前に確認しておきましょう。
また、顧客のカルテやレセコンと連携できるクリニック向けのPOSレジや、ECショップや複数店舗の在庫管理を一元化できる小売業向けPOSレジもあります。
業種に特化した機能も豊富にあるので、自店舗の業種や業務オペレーションに合わせて導入するPOSレジを選定すると良いでしょう。
参考記事:POSレジの機能一覧|業種別のおすすめ機能と選び方のポイント
【飲食店向け】おすすめのPOSレジ5選
POSレジの中には、業種ごとに特化した機能が搭載されているものもあるため、自店舗に適した製品を選ぶことが大切です。ここでは、飲食店向けの機能が搭載されているおすすめのPOSレジを5選紹介します。
CASHIER
出典:株式会社ユニエイム
飲食店で導入するPOSレジを選ぶなら、CASHIERがおすすめです。
CASHIERではPOSシステムが搭載された決済設備の導入に対応しており、タブレットPOSレジはもちろん、自動釣銭機搭載型のPOSレジやPOS機能が備わった券売機にいたるまで幅広い選択肢から選定できます。
機能面では、基本のレジ・売上管理機能に加え、モバイルオーダーやテーブルオーダー、ハンディオーダー機能などがあり、各種オーダー方式に対応できるのも魅力です。
キッチンプリンターや呼び出しディスプレイとの連携にも対応しているので、店舗の規模を問わず利用できるサービスです。
funfo
出典:funfo株式会社
飲食店で導入するPOSレジを探しているのであれば、funfoもおすすめです。funfoは、POSレジ+モバイルオーダーアプリを提供しているサービスで、POSシステムとモバイルオーダーシステムを連携して導入できます。
セット・コース料理の注文や、オーダー頻度の高い飲み放題・食べ放題注文にも対応しており、有料プランに加入すればLINE連携や各種クーポン発行にも対応できる点が魅力です。
複数店舗管理機能も備わっているので、多店舗展開している飲食店の売上管理にも活用できます。
スマレジ
出典:株式会社スマレジ
スマレジは、飲食店向けPOSレジのみならず、小売店やサロンなどさまざまな店舗での導入に適したPOSレジを提供している企業です。
基本的なPOSレジ機能のみであれば無料で利用できる点が特徴で、タブレット端末にダウンロードすればタブレットPOSレジとして導入できます。また、レシートプリンター・決済端末・キャッシュドロアなどの最低限の設備があれば、運用開始できるのも便利です。
飲食店向けのフードビジネスプランでは、POSシステムのほかオーダー管理機能やキッチンプリンターとも連携できます。
スマホをハンディ端末としてオーダー受注に活用できるほか、各テーブルにタブレット端末を設置して、オーダーをセルフ化するテーブルオーダー(オプション)も導入できる点が特徴です。
ELESTYLE
出典:ELESTYLE株式会社
ELESTYLEは、POSレジだけでなく、飲食店の業務オペレーションを効率化するためのさまざまな設備を提供しています。
セルフオーダーやモバイルオーダー、テイクアウトのほか、呼び出しモニターなどの設置に対応している点が特徴です。
店舗の無人経営や少人数運営に必要な設備をまとめて導入できるため、「どの機種を導入すれば良いかわからない」「トータルコーディネートを任せたい」という方に適しています。
また、キッチンディスプレイとの連携も可能なため、POSレジと飲食店の業務オペレーションに必要な設備を連動させながら活用することが可能です。
GLORY
出典:グローリー株式会社
GLORYは、自動釣銭機搭載型のPOSレジのサブスクサービスを提供しています。自動釣銭機搭載型のPOSレジを購入する場合、30万円~100万円の費用が必要になるため、初期費用を抑えたい方におすすめです。
両面タッチパネル搭載型機種で、対面型のセミセルフレジとしても活用できます。自動釣銭機が備わっているため、キャッシュレス決済だけでなく、現金決済にも対応したい店舗での利用に適している製品です。
レジ業務の効率化に役立ちます。そのほか、売上データや、情報管理をスマホで行える「店舗支援ASPサービス」にも対応しているため、売上分析のサポートを受けたい方におすすめです。(費用別途)
【小売店向け】おすすめのPOSレジ3選
POSレジは、小売店での導入にも効果的です。ここからは、小売店向けの機能が搭載されているおすすめのPOSレジを3選紹介します。
ユニエイム
出典:株式会社ユニエイム
ユニエイムは、POSレジや自動釣銭機、セルフレジなどのレンタル利用に対応している企業です。簡易レジスターであれば、1週間あたり5,000円からレンタルできます。
POSレジの場合、1週間あたり35,000円(4週間65,000円)からレンタルできるため、ポップアップストアやイベント出店の際にも便利です。
事前注文システムのレンタル利用にも対応しているため、POSレジや決済機器の導入費用を抑えたい場合に適しています。
Square
出典:Square株式会社
Squareは、小売業に役立つ在庫管理機能や在庫の一括登録機能などが利用できるPOSシステムです。
基本のPOSレジであれば無料で導入できますが、在庫管理や販売商品のコスト追跡、在庫履歴などの管理ツールも活用したい場合は、月額6,000円の有料プランに加入しましょう。
また、Webサイト作成機能や商品の店舗受取や発送サービスにも対応可能なため、ECショップの経営者にもおすすめです。また、スタッフの勤怠管理もSquareのPOSシステムで行えます。
STORES
出典:STORES株式会社
STORESは、クラウド型のPOSシステムを提供しており、タブレット端末などにダウンロードすればPOSレジとして活用できます。
ECショップとPOSシステムの連携が可能なため、店舗とオンラインショップの在庫管理を一元化することが可能です。決済端末を導入すれば、キャッシュレス決済にも対応できます。
基本機能は無料で利用できますが、月額4,950円の有料プランに加入すれば、バーコードスキャンや在庫の一括編集、詳細な売上分析なども実施することが可能です。
【美容室・サロン向け】おすすめのPOSレジ3選
美容室・サロンでは、予約管理や施術例の掲載に対応しているPOSレジを導入すると良いでしょう。美容室・サロン向けのPOSレジから、おすすめサービスを3選紹介します。
Airレジ
出典:株式会社リクルート
Airレジは、基本機能が無料で利用できるアプリ型のPOSレジシステムです。Airペイを導入すれば、 キャッシュレス決済にも対応できます。
顧客管理や割引機能、予約管理機能を搭載しているため、美容室やサロンにおける業務フローの効率化に役立つ点が特徴です。
また、担当者や個室ごとに伝票を作成したり、会計を行ったりできる機能もあります。
顧客の来店履歴から好みや消費の傾向を分析すれば、営業戦略に役立てられるなど、美容室・サロン経営に役立つ機能が備わっているサービスです。
POS+ Beauty
出典:ポスタス株式会社
POS+は、美容・サロン向けのPOSレジサービスを提供している企業です。売上・顧客管理機能などの基本的な機能に加え、カウンセリング時に作成したカルテの電子化にも対応しています。
また、スタッフ別で目標管理や施術内容の管理も行えるため、スタッフ育成にも活用できる点が特徴です。
そのほか、スタッフの勤怠管理やWeb予約の管理機能も活用できるなど、美容室・サロン経営に役立つ機能が豊富に備わっています。
そのほか、飲食業や小売業向けのプランも利用することが可能です。店舗の業態に合わせて選択すると良いでしょう。
SalonAnswer
出典:エクシードシステム株式会社
Salon Answerは、シンプルで操作性に優れている美容室・サロン特化型のPOSレジシステムです。
複数の予約サイトからの予約情報を担当者ごとに分けて一元管理できるほか、店舗のシステムを通じて入力した電話予約の情報も管理できます。
また、スタッフの個別予約URL発行にも対応しており、指名予約を獲得するための営業活動にも活用できる点が特徴です。
LINEミニアプリやポケットサロン、ビューティープロデューサーなどの各種アプリとも連携できます。決済端末を導入すれば、キャッシュレス決済にも対応することが可能です。
スタッフの勤怠管理機能や複数店舗の管理機能も備わっているため、美容室やサロンでの導入に特化したPOSレジを導入したい方に適しています。
自店舗に最適なPOSレジの選び方
自店舗に最適なPOSレジを選ぶのであれば、以下のポイントを意識しておくと良いでしょう。
- 業種・業態に特化しているものを選ぶ
- 購入・レンタル・サブスク利用など契約方法で選ぶ
- 連携可能な周辺機器で選ぶ
- サポートサービスの充実度で選ぶ
- 価格(初期費用・ランニングコスト)で選ぶ
- 決済方法の種類で選ぶ
自店舗の業態にマッチするPOSレジを選ぶには、必要な機能を明確にしておくことが大切です。
例えば、飲食店のPOSレジなら、モバイルオーダーシステムやキッチンディスプレイ・店舗アプリと連携できるものを導入すれば、店舗全体の業務フローを効率化できます。
小売店でPOSレジを導入する場合には、在庫管理やECサイトと連携できるものが良いでしょう。また、美容室やサロンの場合は、顧客管理や予約管理できるPOSレジがおすすめです。
価格面で比較することも重要ですが、無料で利用できるPOSレジシステムは機能に制限があるため、利用できない機能がある点に注意しなければなりません。
最終的に導入するPOSレジを選ぶときは、店舗の業種や業態に合わせたPOSレジをいくつかピックアップした上で、価格や機能・サポートの有無・決済方法の種類などで比較検討すると良いでしょう。
POSレジの導入費用・価格の目安
POSレジの導入にかかる費用の目安は、約10万円~100万円です。POSレジの種類によって大きな差があり、お手持ちのタブレット端末にクラウドPOSシステムをインストールする方法であれば、決済手数料の負担のみで導入できるサービスもあります。
一方で、POSレジの導入費用が高額になる傾向にあるのは、自動釣銭機搭載型のPOSレジやターミナル型POSレジを導入するケースです。
とくに、小売業向けのターミナル型POSレジの場合、セミセルフレジとして導入すれば、商品登録機と決済機の2台導入する必要があり、費用も200万円以上かかる可能性があります。
まずはPOSレジの種類を絞った上で、価格や機能、サポートサービスの内容を比較し、導入する機種を選定すると良いでしょう。
費用を抑えたい場合は、補助金・助成金制度を活用できないかリサーチしてみるのもおすすめです。
参考記事:【2025年最新】POSレジ導入に利用できる補助金・助成金5選|金額や申請要件について解説
まとめ
POSレジを提供している企業は多数あり、企業ごとに機能やサービス面に特徴があります。経営している店舗でPOSレジを導入するのであれば、まずは業種ごとに特化したサービスを比較検討してみるのもおすすめです。
業種に特化したPOSレジには、業種ならではの業務フローに対応できる機能が備わっているものも多くあります。
どのPOSレジを導入すれば良いか迷ったときは、無料で利用できるクラウド型のPOSレジシステムを導入した上で、有料プランへの加入を検討してみるのも良いでしょう。