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2025/12/08

居抜き物件の初期費用を抑えて開業!内装・設備・資金を賢く節約する方法【飲食・小売向け】

  • 居抜き物件
居抜き物件の初期費用

居抜き物件は、前テナントが使用していた内装や設備をそのまま引き継げるため、初期費用を大きく削減できる開業手法として注目されています。

特に飲食店や小売店では、厨房設備・空調・什器などの導入コストが重くのしかかるため、居抜き物件を選ぶだけで数百万円単位の節約につながるケースも。

本記事では、居抜き物件の初期費用をどこまで抑えられるのか、節約のコツ、注意点までを店舗オーナー向けにわかりやすく解説します。

目次

居抜き物件なら初期費用が大幅削減できる?その理由と選び方

居抜き物件なら初期費用が大幅削減できる?その理由と選び方

居抜き物件は、前テナントの設備や内装をそのまま引き継げるため、開業にかかる初期費用を大きく抑えられる選択肢です。

飲食店や美容室など設備投資が重くなりがちな業態ほどメリットが大きく、資金負担を減らしながらスピーディに営業を開始できます。

ここでは、居抜き物件がコスト削減につながる理由と、選び方のポイントを解説します。

居抜き物件の特徴と原状回復済み物件との違い

居抜き物件は、前テナントが残した設備・什器・内装をそのまま使える点が最大の特徴です。

厨房設備、カウンター、エアコン、給排水設備など、新規で整備すると高額になる部分を引き継げるため、開業までの時間とコストを大きく削減できます。

一方、原状回復済み物件はスケルトンに近い状態で引き渡され、内装工事をゼロから行う必要があります。

デザイン自由度は高い反面、工事費・設備費が膨らむため、資金計画に大きな差が生まれる点を理解して物件を選ぶことが重要です。

初期費用が安くなる理由

居抜き物件が低コストで開業できる理由は、設備・内装・インフラ工事の3つを大幅に圧縮できるためです。

飲食店であれば、厨房設備だけで数百万円、美容室ならシャンプー台や配管設備に数十万〜数百万円が必要です。

これらの設備を再利用することで、大きな初期投資を避けられます。また、工事期間が短縮されるため、工事中の家賃負担が減る点もメリットです。

資金に余裕がない開業者でも、営業開始までのスピードと費用を両立しやすい環境を作れます。

飲食店・美容室・整体院など、居抜き活用が特に向いている業態

居抜き物件の恩恵が大きいのは、設備投資が重くなりがちな業態です。

飲食店では厨房機器・排気設備・給排水工事が高額のため、居抜きで引き継げれば大幅な節約になります。

美容室はシャンプー台や給湯設備が整っている物件が理想で、施工期間の短縮にもつながるのです。

整体院やサロンは、レイアウトや個室が残っていればそのまま利用しやすく、開店までの時間を最小限にできます。

初期費用を抑えたい店舗ほど、居抜き活用のメリットが際立ちます。

居抜き物件の初期費用の内訳|どこが節約できるのか?

居抜き物件の初期費用の内訳|どこが節約できるのか?

居抜き物件は、前テナントが使っていた内装や設備をそのまま引き継げるため、開業準備で大きな負担になる初期費用を抑えやすい点が魅力です。

特に飲食店や美容室、小売店のように設備投資が重くなりがちな業態では、物件選びが資金計画に直結します。

ここでは、初期費用のどこに違いが出るのか、節約しやすいポイントを整理します。

内装・設備の引き継ぎで費用圧縮

居抜き物件の最大のメリットは、前テナントが残した内装・什器・厨房設備・空調などをそのまま利用できる点です。

飲食店なら厨房機器、給排水設備、グリストラップ、ダクトなどを新品で導入すると数百万円単位の費用が発生しますが、居抜きであれば調整や補修だけで済むケースも多く、大幅なコスト削減につながります。

美容室であればセット面、シャンプー台、照明を活用できるなど、業態に応じて恩恵が大きくなります。

内装の工事範囲が縮小されることで工期も短くなり、早期オープンにつながる点も利点です。

保証金・礼金の交渉余地

居抜き物件は、早く次のテナントを入れたいという貸主側の意向が働きやすく、保証金や礼金の交渉がしやすいケースがあります。

また、造作譲渡料が設定されている場合でも、長く空室が続いている物件や、設備の価値が下がっている物件では減額交渉が可能です。

通常、スケルトン物件では原状回復費や設備導入費が重なり、保証金も高めに設定されがちですが、居抜きでは初期費用の総額を抑えながら自店の運転資金に余裕を持たせられます。

開業直後の資金繰りを安定させるためにも、条件交渉の余地は必ず確認したいポイントです。

水道・ガス・電気設備など、初期工事の確認ポイント

設備の引き継ぎはメリットが大きい一方で、水道・ガス・電気など基盤設備の状態は必ず確認する必要があります。

老朽化した配管や容量不足の電気設備が残っていると、追加工事が必要になり費用が膨らむ可能性があります。

飲食店の場合、ガス容量が足りない、排気ダクトが基準に合わないなどの理由で追加工事が発生することも。

事前に専門業者と現地調査を行い、どこまで設備を活かせるかを判断することで、余計な出費を避けられます。

引き継ぎ可能な設備と修繕が必要な部分を明確にすることが、初期費用削減の鍵になります。

居抜き物件でも見落としがちな初期費用

居抜き物件でも見落としがちな初期費用

居抜き物件は初期費用を大幅に抑えられる一方で、見落としやすい追加コストがいくつかあります。

まず、前テナントの設備が残っていても、劣化や型落ちにより交換が必要になるケースがあります。

厨房機器・空調・給排水設備は修理費が高額になりやすく、事前の点検が欠かせません。

また、引き継いだ内装が消防基準や業態変更の要件を満たしていない場合、追加工事が必要になります。

さらに、看板の付け替え、ネット回線の工事、レジ・決済端末など運営に必要な備品購入費も想定外の出費になりがちです。

初期費用を最小限に抑えるには、契約前のチェックリスト作成と専門業者による内見同行が有効です。

居抜き物件の初期費用をさらに抑えるコツ

居抜き物件はもともと初期費用を抑えやすい形態ですが、工夫次第でさらにコストを削減可能です。

補助金の活用や設備のリース化、部分的なDIYなど、負担を軽くする方法は多く存在します。

ここでは、開業直後のキャッシュアウトを最小限に抑えるための具体策を整理します。

補助金・助成金の活用

居抜き物件の開業と相性が良いのが、国や自治体が提供する補助金・助成金です。

特に小規模事業者持続化補助金は店舗改装・設備導入に幅広く利用でき、工事費や広告費の一部が補助対象となります。

ものづくり補助金や創業補助金も活用できる場合があり、内装工事や設備導入を大幅に軽減できます。

補助金は着工前の申請が原則のため、物件取得後すぐ計画整理と申請準備を進めることが大切です。

採択されれば、居抜きのメリットと相まって初期費用を最小限にできます。

家具・什器・厨房機器のリースや中古活用

厨房機器や什器類は新品購入にすると高額になりがちな項目です。

居抜きで残置物を活用できない場合でも、リースや中古品を利用すればコストを大幅に抑えられます。

リースなら一括購入の必要がなく、開業直後の資金繰りを安定させられる点がメリットです。

また、飲食店向けリユース市場も活発で、状態の良い厨房機器が低価格で入手できます。

耐久消耗品や什器は新品にこだわらず、用途に応じた賢い調達を行うことで初期費用の最適化が実現できます。

壁紙・塗装など一部DIYによるコスト削減

店舗の印象を左右する内装工事は費用が掛かりやすい部分ですが、すべてを業者に頼まず、一部をDIYで対応することで大きな節約につながります。

特に壁紙の張り替えや簡単なペイント、棚の設置などは専門業者に依頼するほど難易度が高くないため、自分で対応すれば数万円〜十数万円の削減が可能です。

ただし、水回りや電気工事など専門性が必要な箇所はDIYを避けるべきです。

工事範囲を見極めてDIYとプロ施工を組み合わせることで、費用と品質のバランスを取れます。

実際にどれくらい節約できる?居抜き物件の費用比較事例

飲食店は特に初期費用の差が大きく出る業態で、スケルトン物件から開業すると厨房の造成・内装一式・ダクト工事だけで数百万円規模になることが一般的です。

一方、居抜き物件では前テナントの厨房設備や客席レイアウトをそのまま活用できるため、導入コストを大幅に抑えられます。

ここでは、スケルトン開業に比べてどれほど費用を削減できるのか、実際の開業事例をもとに具体的な差を紹介します。

飲食店:スケルトン700万円→居抜き250万円で開業

飲食店の開業で最も費用がかかるのは、厨房工事・排気ダクト・給排水の設備周りです。

スケルトン状態から始める場合、これらの工事だけで500〜700万円に達することも少なくありません。

さらに、カウンター造作や客席レイアウトの内装費を加えると総額は大きく膨らみます。

一方、居抜き物件では厨房設備・グリストラップ・ダクト・客席の大部分を引き継げるため、工事費は必要最低限に抑えられます。

実際のケースでは、前店舗の設備をそのまま活用し、必要な補修とメニューに合わせた小規模改修のみで済み、総額250万円ほどで開業できました。

飲食店は設備投資が重いため、居抜き活用による節約効果が特に大きい業態です。

美容室:セット面・設備活用により初期費用70%削減

美容室の開業では、セット面・ミラー・収納・照明に加えて、シャンプー台や給排水工事が必要となり、通常は300〜500万円ほどの初期費用が発生します。

しかし、美容室の居抜き物件であれば、シャンプー台・セット面・バックルーム設備などをそのまま引き継げるため、工事費用は最小限に抑えられます。

実際の事例では、既存設備が良好な状態で残っていたため、新しく購入したのはチェアと鏡の一部のみ。

内装も床・壁の部分補修だけで済み、総額は100〜150万円ほどに収まりました。

結果として、スケルトン開業時の約70%のコスト削減を実現できました。

コインランドリー:設備一式が残り機器更新のみでOPEN

コインランドリーをスケルトンから開業する場合、洗濯機・乾燥機・両替機・給排水設備・電気容量の増設などで総額1,000万円を超えることも珍しくありません。

しかし、居抜き物件ではこれらの基幹設備が残っているケースも多く、必要に応じて古い機器のみを入れ替えれば開業できます。

実際の事例では、洗濯乾燥機の数台のみを新型に更新し、床の補修と看板の変更だけで運営を開始。

総額300〜400万円ほどに収まり、大幅なコスト削減が可能となりました。

設備の比率が高いコインランドリーは、居抜き活用時の節約メリットが非常に大きい業態と言えます。

居抜き物件の初期費用を抑えるためのチェックリスト

居抜き物件で開業する際は、初期費用を抑えられる反面、残っている設備や造作の状態によって予想外の追加費用が発生することもあります。

ここでは、開業前に確認すべき重要項目を整理して紹介します。

物件の残存設備の状態チェック

居抜き物件は、前テナントが残した設備や内装を引き継げる点が最大の魅力ですが、状態を細かく確認しないと後から修理費が発生することがあります。

特に、空調・給湯器・冷蔵庫・厨房機器などの高額設備は、稼働状況や耐用年数を必ずチェックする必要があります。

電気容量やガス圧も業態に適しているか確認しておきたいポイントです。

内装は見た目だけで判断せず、壁や床の劣化、油汚れ、臭いの残り具合まで確認することで、余計な追加費用を防げます。

法規・保健所適合の確認方法

飲食店や美容室などの場合、保健所の基準を満たしているかどうかは事前に必ず確認すべき重要項目です。

居抜き物件であっても、前テナントの業態と自店の業態が異なる場合、手洗い場の数やシンクの大きさ、換気設備の位置などを変更する必要が出てきます。

また、消防法や用途変更の届出が必要なケースもあるため、物件を契約する前に保健所・消防署へ相談しておくことが重要です。

基準を満たさない場合の改修費は大きな出費となるため注意が必要です。

造作譲渡の内容と相場

居抜き物件には造作譲渡が設定されていることが多く、既存の内装や設備を買い取る代わりに初期工事を省略できる仕組みがあります。

ただし、造作譲渡費は物件によって幅があり、相場より高額なケースもあるため注意が必要です。

譲渡内容に含まれる設備のリストを確認し、状態や市場価格を踏まえて妥当かどうか判断することが大切です。

不要な設備が含まれている場合は減額交渉も可能です。内容を曖昧なまま契約すると、後からトラブルの原因になります。

居抜き物件で初期費用を抑え、理想の店舗を実現しよう

居抜き物件は、内装・設備をそのまま活用できるため、開業時の初期費用を大幅に抑えられる選択肢です。

スケルトン物件と比べて工事範囲が小さく、提供開始までの期間も短縮できます。

ただし、残置設備の状態や法規適合、造作譲渡内容は必ず確認が必要です。補助金の活用、中古設備の活用、部分的なDIYなどを組み合わせることで、さらに費用削減が可能になります。

賢く初期コストを抑え、無理のない資金計画で理想の店舗づくりを実現しましょう。

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