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2024/09/27

セルフレジの防犯対策方法まとめ!万引きを防ぐ導入のポイントとは

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セルフレジの防犯対策方法まとめ!万引きを防ぐ導入のポイントとは

セルフレジが広まりを見せる中で、セルフレジでの万引きが発生しているのも現状です。

これからセルフレジを導入しようかと考えている企業の方にとって、防犯対策をどのようにしていくかは悩みの種ではないでしょうか。

本記事では、セルフレジを導入する際に意識しておきたい防犯対策のポイントや、防犯対策機能が備わっているセルフレジについて紹介します。

目次

セルフレジの防犯対策をかいくぐる万引きの手口

2台並んだセルフレジの画面

セルフレジの防犯対策を考えるのであれば、実際に過去に合ったセルフレジ万引きの手口を知ることが大切です。どのようなケースがあったのかを知れば、今後の対策に活かせます。

まずは、具体的な防犯対策を検討する前に、実際にあった万引きの手口について見ていきましょう。

バーコードスキャンをしたふりをする

商品のバーコードをスキャンしたふりをして、商品登録をせずに買い物袋へ未払いの商品を入れる手口で万引きが行われたことがあります。

店員がほかのセルフレジを対応しているなど、目を離しているタイミングで犯行に及ぶケースです。ほかの商品の会計は済ませているため、一目で見抜くことが難しく、万引き対策が求められます。

複数商品のスキャンを連続して行う

複数商品のスキャンを連続して行い、数をごまかす不正行為もあります。店員が見ていても、登録した商品の数まで詳細に数えていることは少ないため、目視での予防が難しい点が特徴です。

バーコードのスキャンの事例と同様に、会計は済ませているため、一目で見抜くことが難しい傾向にあります。

バーコードを貼り換える・すり替える

セルフレジでの万引きには、バーコードの貼り換えやすり替えが発生することもあります。ほかの商品から安い価格のバーコードシールを高額商品に貼り換え、商品の会計金額をすり替える手口です。

バーコードだけでなく、値引きシールの貼り換えを行い、割引になっていない商品を割引価格で購入するケースもあります。同じく決済・清算は行っているため、店員が見抜けないことがある手口です。

重量センサーをごまかす

重量センサーをごまかして、商品登録を行ったふりをする万引きの手口もあります。

重量センサーとは、買い物かごと買い物袋を別々に置き、バーコードスキャンを行った商品を買い物かごに移したことが重量で検知される仕組みのセルフレジです。

重量センサーを欺く万引きは、未登録の商品を入れたまま買い物袋をセットし、重量検知を免れる手口で行われます。他店で購入した商品と混ざると確認が難しく、事前の対策が必要なケースです。

カート下段の商品をスキャンせずに持ち去る

ショッピングカートの下段に商品を置いたままセルフレジで会計を行い、商品のバーコードスキャンをせずに持ち去る手口です。

上段の商品の会計は問題なく行うため、一見すると登録が漏れていないように見えます。ほかの商品の会計は済ませているため、一目で見抜くことが難しく、対策が求められます。

不正な返品で詐欺行為をする

セルフレジでは、会計操作時だけでなく返品による詐欺行為も発生しています。

とくに多いのは、生鮮食品(野菜・果物など)やギフトカードなどです。生鮮食品は傷んでいたことを理由に返品・返金を申し入れてきますが、購入から何日もたっているケースがあります。

ギフトカードの場合は、清算していないカードをレジに持ち込み、返金を要求する手口です。不用意に返品・返金に応じてしまうと損失を被るため、返品・返金時のチェック体制を整えておく必要があります。

セルフレジの防犯対策における課題

セルフレジの防犯対策で課題とされているのは、故意か否かを判断することが難しい点です。

セルフレジでの万引き行為は、窃盗罪若しくは詐欺罪が適用されます。詐欺罪の場合、正確には「電子計算機使用詐欺罪」です。

 

<第二百四十六条の二>

人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
引用:刑法「第二百四十六条の二(電子計算機使用詐欺)」|法務省

 

過去には、値引きシールの貼り換え行為などが電子計算機使用詐欺罪に該当しました。

顧客側の単純な登録し忘れや操作ミスも発生しやすいセルフレジは、故意の犯行を裏付けることが難しい傾向にあります。

セルフレジ導入時にできる防犯対策方法

セルフレジを導入する際にできる防犯対策の方法は、以下の3つです。

  • 設置レイアウトを防犯対策仕様にする
  • 防犯カメラを設置する
  • 防犯対策機能があるセルフレジを導入する

それぞれ、具体的にどのような方法で防犯対策を実施すれば良いのか、万引きや詐欺を防ぐポイントについて解説します。

設置レイアウトを防犯対策仕様にする

セルフレジを導入するときは、設置位置を工夫してレジエリアの防犯対策ができるように工夫しましょう。

セルフレジの設置場所は、店員の目が届きやすい場所や死角になりにくい場所を選ぶことが大切です。

例えば、レジ係だけでなく、サービスカウンターにいる従業員の目に入る位置にするなどです。

有人レジの隣に設置する場合は、有人レジのスタッフが向いている方向に設置するのも効果的です。人の目があることを意識してもらう形で、犯罪防止につなげましょう。

防犯カメラを設置する

セルフレジの防犯にもっとも効果的なのが、レジ周辺に防犯カメラを設置する方法です。個人経営の小売店など、人の目で監視することが難しい店舗では、万引き被害が深刻になります。

ただし、防犯カメラは、1台だけ設置するのではそれほど防犯効果が期待できません。顧客の背後や側面、手元カメラのほか、セルフレジ1台ごとに利用者の顔が記録できるカメラを設置するのも効果的です。

また、カメラの周辺に「防犯・監視カメラ作動中」と掲示するなど、記録中であることをPOPでアピールするのも抑止につながります。

万引きが発生した際に、万引き犯を特定する上でも役立つため、警察の捜査もスムーズに進むでしょう。

レジレスを導入している無人コンビニエンスストアや、無人レジで運営している無人店舗・無人販売店でも活用できます。

防犯対策機能があるセルフレジを導入する

防犯対策機能が備わっているセルフレジを導入して、万引き防止につなげる方法もあります。

近年では、AI防犯カメラ技術を用いて商品数をカウントする、画像認証でスキャン漏れを通知してくれるなど、セルフレジに関する技術が日々進歩しています。

このような防犯対策機能が備わった機種を導入すれば、万引き行為の防止に役立つでしょう。

例えば、高額商品にタグを付けておき、精算せずに防犯ゲートを通ると警告音が鳴るシステムを活用する方法もあります。

ただし、防犯対策の機能が備わっているセルフレジの導入だけで、安心するのは早計です。より防犯対策の効果を高めるために、ほかの防犯対策を併用することをおすすめします。

防犯対策機能が備わっているセルフレジ・防犯対策システム4選

ここからは、実際に防犯対策機能が備わっているセルフレジの機種や、セルフレジに追加できる防犯対策システムを4選紹介します。

防犯対策システムであれば、今設置してあるセルフレジの防犯対策にも有効です。状況に応じて、導入を検討してみると良いでしょう。

HappySelf (G3)|株式会社寺岡精工

株式会社寺岡精工公式サイト
出典: HappySelf (G3)|株式会社寺岡精工
株式会社寺岡精工のHappySelf (G3)は、対面セルフレジ、フルセルフレジ、セルフ精算機の3タイプの利用方法ができるセルフレジです。

お支払い記録カメラをオプションで付けられるため、商品登録や会計・決済の様子を記録できるメリットがあります。

例えば、セルフレジで商品のバーコードスキャンをしたふりをするような、万引き行為の抑止に効果的です。

設置にかかる費用については、直接メーカーまでお問い合わせください。

参考サイト:HappySelf (G3)|株式会社寺岡精工

SS-NEX|東芝テック

東芝テック公式サイト
出典:SS-NEX|東芝テック
東芝テックのSS-NEXは、SS-900を踏襲した機種です。

現金決済・キャッシュレス会計のどちらにも対応が可能なセルフレジ、キャッシュレス会計専用セルフレジ、会計・チャージ機の3機種から選択できます。

防犯対策機能としては、重量センサーが備わっている点が特徴です。重さで商品登録を行わずに買い物袋に入れていないかをチェックできます。

バーコードスキャンの読み取り性能も向上しているため、スムーズに商品登録ができるのもポイントです。

本体価格は、174万5千円(税抜)ですが、別途設置費用なども掛かる可能性があります。

参考サイト:SS-NEX|東芝テック

セルフレジeye|アースアイズ株式会社

アースアイズ株式会社公式サイト
出典:セルフレジeye|アースアイズ株式会社
アースアイズ株式会社のセルフレジeyeは、フルセルフレジ向けのスキャン漏れ検知システムです。

フルセルフレジ利用者の手元をカメラで読み取り、映像をもとに手の動きを検知して商品のスキャン動作を行ったかAIが診断します。

スキャン漏れを検知すると、レジの画面にスキャン漏れが発生していることが表示される仕組みです。

高感度カメラとAI技術の組み合わせで、セルフレジ導入後であってもシステムを導入すれば防犯対策が実施できます。

システムの導入費用はオープン価格になっているため、詳しくはメーカーまで直接お問い合わせください。

参考サイト:セルフレジeye|アースアイズ株式会社

レジ不正監視システム|富士通

富士通公式サイト
出典:レジ不正監視システム|富士通
富士通のレジ不正監視システムは、顧客の上部からのカメラによって商品のスキャン漏れを検知するフルセルフレジ向けのシステムです。

セルフレジeyeとの違いは、カゴ置き場から商品バーコードのスキャン位置、さらに買い物袋の位置まで商品が移動した数をカウントしてくれる点です。

セルフレジに持ち込まれた商品の数と、上記のルートを移動した商品の数が合わないときに、スキャン漏れが発生したと通知されます。

Fujitsu Research Portalに登録すると、上記システムのお試し利用をすることが可能です。システム連携や富士通によるサポートを受けたい場合には、別途費用が発生します。

参考サイト:レジ不正監視システム|富士通

まとめ

セルフレジの防犯対策は、セルフレジ導入前に検討しておくことが大切です。中には、導入後に追加できる防犯システムもあります。

万引き行為が発生してから対策するのではなく、導入する段階から意識して店舗全体の防犯意識を高めておきましょう。

また、防犯対策をかいくぐった万引きも発生しており、どのような手口があったのか情報収集する習慣も欠かせません。

店舗の損失を防ぐためにも、防犯対策をつねに見直しながら、最適な方法を模索していきましょう。