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2025/06/11

長崎県のインバウンド対策とは?独自の取り組みや現状課題も解説

長崎県のインバウンド対策

歴史的に国際交流の拠点だった長崎県は、豊かな異文化遺産や世界遺産を活かしたインバウンド対策を積極的に進めています。出島やグラバー園、潜伏キリシタン関連遺産などの文化資源に加え、ランタンフェスティバルや和華蘭文化など独自の魅力も多数。外国人観光客の受け入れ体制を整えながら、地域全体で国際観光都市化を目指しています。本記事では、長崎県の主な施策・独自の取り組み・今後の課題について紹介します。

目次

長崎県のインバウンド対策とは?

nagasakiken-inboundtaisaku-1 まず本項では、長崎県が取り組んでいるインバウンド対策について解説していきます。

クルーズ船の受け入れ強化と港湾整備

長崎県は、クルーズ船の受け入れ体制強化を進めています。​2025年には、長崎港へのクルーズ船の寄港回数が増加し、観光客の増加が期待されています。​

上記に対応するため、港湾施設の整備や、地元の英語ガイドの育成、クルーズ客向けの情報発信が行われています。

観光案内の多言語化とデジタル対応

長崎県では、訪日外国人観光客の利便性向上を目的に、観光案内の多言語化とデジタル対応を進めている最中です。​

公式観光ウェブサイト「Discover Nagasaki」は、英語、繁体字、簡体字、韓国語に対応しており、観光情報の提供が強化されています。

交通・キャッシュレス環境の改善

長崎県は、訪日外国人観光客の利便性向上を目的に、交通機関のキャッシュレス化を推進しています。​公共交通機関では、ICカードの導入やQRコード決済の導入が進められており、観光客の利便性が向上しています。

インバウンド対策に関する長崎県独自の取り組み

nagasakiken-inboundtaisaku-2 本項では、インバウンド対策に関する長崎県独自の取り組みについて解説していきます。

世界遺産を活かした歴史観光コンテンツの開発

長崎県は、「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」などの世界遺産を活用し、歴史観光コンテンツの開発を進めています。​

これらの遺産を巡るツアーや、関連する文化施設を整備することで、訪日外国人観光客に対して長崎の歴史的背景を深く理解してもらう取り組みが行われています。

和華蘭(わからん)文化のストーリーブランディング

長崎市は、日本の「和」、中国の「華」、オランダの「蘭」が融合した独自の「和華蘭文化」が観光資源です。

​長崎独自の文化を体験できる宿泊施設の開業や、伝統的な祭りの開催を通じて、訪日外国人観光客に対して長崎の多文化共生の歴史を伝える取り組みが進められています。

離島観光(五島・壱岐・対馬)への誘客支援

長崎県の五島市では、外国人観光客の誘致を目的とした地域おこし協力隊の募集や、海外でのプロモーション活動を展開しています。​また、壱岐・対馬地域でも、地域資源を活用した観光振興計画が策定され、訪日外国人観光客に対する情報発信や受け入れ体制の整備が進められています。

現状長崎県がインバウンド対策について抱える課題

nagasakiken-inboundtaisaku-3 本項では、現状長崎県が抱えているインバウンド対策の課題について解説していきます。

欧米豪市場へのアプローチ不足

長崎県のインバウンド施策は、これまで東アジア市場を中心に展開されてきましたが、欧米豪市場への認知度は依然として低い状況です。

欧米豪市場向けのプロモーションは限定的であり、効果的な情報発信が課題となっています。 今後は、欧米豪市場向けの戦略的なプロモーション活動や、地域の魅力を伝えるコンテンツの多言語化が必要とされています。

観光人材の多言語対応・接遇力の不足

長崎県内の観光業界では、深刻な人手不足が続いており、特に外国語対応が可能なスタッフの確保が難しい状況です。

そのため、訪日外国人観光客へのサービス提供に支障をきたし、機会損失が生じています。 また、多言語対応の遅れも課題であり、観光案内や施設情報の多言語化が求められています。 ​

地域間連携と周遊観光の推進不足

長崎県では、観光資源が地域ごとに点在しているため、地域間の連携強化と周遊観光の推進が課題となっています。 特に、長崎市や佐世保市、島原半島などの主要観光地間の連携が不十分であり、訪日外国人観光客の滞在時間や消費額の増加につながっていません。 今後は、地域間の連携を強化し、広域的な観光ルートの整備やプロモーション活動を展開することが求められています。 ​

まとめ

長崎県は、世界遺産や異文化融合の歴史を強みに、他県にはない特色あるインバウンド施策を展開しています。観光資源の磨き上げや多言語対応、離島観光の強化などで訪日客の満足度向上を図る一方、欧米市場への認知拡大や人材育成などの課題も残されています。今後は地域一体となった持続可能な観光戦略の実現が求められます。長崎の魅力が世界により広く伝わる日も遠くないでしょう。

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