屋外で使用する照明は、風雨や湿気、ホコリなどの影響を受けやすく、耐久性や安全性が求められます。その中でもLED照明は省エネ性や長寿命といったメリットがあるため、店舗や商業施設、屋外駐車場など幅広く導入が進んでいます。ただし、屋外環境では防水・防塵性能や設置条件を考慮しないと、故障や寿命の短縮につながる恐れがあります。本記事では、屋外用LED照明の防水性能やタイプ、長持ちさせるためのポイントを解説し、実際におすすめできる製品も紹介します。
屋外用LED照明の防水性能とは?
本項では、屋外用LED照明の防水性能について解説していきます。
防水規格(IP基準)の種類
屋外LED照明を選ぶ際には、防水性能を示す「IP規格」を確認することが重要です。IPコードは「IP65」「IP67」といった形で表記され、前半が防塵性、後半が防水性を示します。たとえば、IP65は粉塵が内部に侵入しにくく、あらゆる方向からの水の噴射にも耐えられるレベルです。
一方で、IP67は一定の水深での浸水にも耐える性能を備えています。設置場所の雨量や水しぶきの有無を考慮し、適切な等級を選ぶことで故障リスクを大幅に減らせるでしょう。
耐候性・防塵性
屋外照明は防水だけでなく、紫外線や風による砂ぼこり、塩害などにも晒されます。そのため、耐候性と防塵性を兼ね備えたLED照明を選ぶことが大切です。防塵性能が高い製品であれば、内部部品の劣化や腐食を防ぎ、安定した明るさを長期間維持できます。
また、耐候性が優れている製品は、屋外設置による樹脂部品の変色やひび割れを防ぐことが可能です。長期運用を考えるなら、防水と併せてこの点もチェックしておくべきです。
【用途別】屋外防水LED照明のタイプ
続いて本項で、用途別に選べる屋外防水LED照明のタイプについて解説していきます。
センサー付きLED照明
センサー付きの屋外LED照明は、人や車両の動きを感知して自動点灯できるタイプです。必要なときだけ光を照らすため省エネ効果が高く、防犯対策にも役立ちます。駐車場や店舗の裏口、倉庫周辺など、人通りが限られる場所に設置すれば、不審者の侵入を抑止できる可能性もあります。
また、点灯・消灯を自動化することでスイッチ操作が不要になり、利便性が大幅に向上します。屋外照明の管理を効率化したい施設に向いている選択肢です。
100V対応の屋外用LED
日本の一般的な商業施設や住宅では100V電源が主流です。そのため、100V対応の屋外用LED照明を選ぶと、特別な電気工事をせずに設置できる場合が多く、導入コストを抑えられます。ポーチライトやガーデンライト、看板照明など、用途に合わせた製品ラインナップも豊富です。
中にはコンセント式で簡単に取り付けられるモデルもあり、DIYでの設置も可能となります。初期費用を抑えつつ、安全で信頼性のあるLED照明を導入したい場合におすすめです。
ガーデンライト・ライン照明
庭園や店舗の外構に設置する場合は、景観を損なわないデザイン性の高いガーデンライトやライン照明が最適です。これらは照明としての役割だけでなく、装飾として空間演出にも活用できます。
たとえば、植栽を下から照らすスポットタイプや、足元を均一に照らすラインライトは、夜間の安全性を高めながら雰囲気づくりに貢献します。さらに、防水・防塵性能が備わったモデルを選べば、屋外環境でも長期間安心して使用できるでしょう。
屋外LED照明を長持ちさせるためのポイント
屋外LED照明を長持ちさせるためのポイントは、どのような点になるのでしょうか。本項で解説していきます。
定期的な清掃と点検
屋外LED照明は、雨風や砂ぼこりにさらされるため、レンズ部分が汚れると光量が低下する場合があります。定期的に表面を拭き取り、器具内部に水分や異物が侵入していないか点検することで、明るさを維持しやすくなります。
また、早期に不具合を発見できれば修理対応が容易になり、大掛かりな交換工事を防げるケースもあります。長期的なコスト削減につなげるためにも、定期メンテナンスは欠かせません。
設置場所の工夫
屋外LED照明を長持ちさせるには、設置位置を工夫することが重要です。雨が直接かかりにくい場所や、風の影響を受けにくい位置に設置すれば、器具への負担を減らせます。また、直射日光が強く当たる場所では、熱による部品劣化を早める恐れがあるため、日除けやカバーを併用すると良いでしょう。
適切な取り付け位置を選ぶことで、防水性能を活かしつつ故障リスクを最小限に抑えられます。
器具の寿命を延ばす電源管理
電源の管理を適切に行うことも、屋外LED照明の寿命を延ばすポイントです。雷などによる電圧変動が多い地域では、サージ対策機能を持つ電源タップや専用装置の利用が推奨されます。
また、タイマー機能や調光機能を組み合わせれば、必要な時間帯だけ点灯させ、無駄な稼働を防げます。電源を安定させることでLEDチップや基盤の故障リスクを軽減し、長期的な運用コストの抑制にもつながります。
【屋外用】防水性能のあるLED照明のおすすめ3選
本項では、防水性能のある屋外用LED照明のおすすめを紹介します。
パナソニック:防雨型シーリングライト
パナソニックの防雨型シーリングライトは、屋外でも安心して使える高い防水性能(IP44以上)を備えています。軒下や屋外通路など、直接雨がかかりやすい場所でも安定した明るさを確保できるのが特徴です。
また、省エネ性能にも優れており、長時間点灯が必要な施設でも電気代を抑えられます。デザインはシンプルながら高級感があり、店舗の外観を損なわず設置可能です。取り付けも容易で、既存器具からの交換にも対応できるため、初めてLED化を検討する店舗に適した選択肢といえます。
東芝ライテック:屋外ラインライト
東芝ライテックの屋外ラインライトは、建物の外壁や看板、足元の演出照明など幅広い用途に対応できる商品です。IP65相当の防水・防塵性能を備え、雨天や風が強い場所でも安定した点灯を実現します。ライン状に均一な光を届けられるため、雰囲気づくりや歩行者の安全確保にも活用できます。
さらに、長寿命LEDを採用しており、交換頻度が少なくメンテナンスコストを抑えられるのも利点です。多彩なサイズや色温度が用意されており、店舗や施設のイメージに合わせた演出が可能です。
星和電機:LMNAシリーズ
星和電機のLMNAシリーズは、過酷な屋外環境でも使用できる業務用LED照明として評価が高い製品です。IP66の高い防水・防塵性能を誇り、工場や駐車場、商業施設の外構など幅広いシーンで活躍します。耐久性に優れた設計で、長時間の連続点灯や厳しい気象条件下でも安定した照明を維持可能です。
さらに、独自の放熱構造によりLED素子の劣化を抑え、長寿命化を実現しています。大規模な施設の外灯をLED化したい場合や、信頼性を重視したい場合におすすめの製品です。
まとめ
屋外用LED照明を選ぶ際は、防水規格や耐候性、用途に合ったタイプの選定が重要です。また、定期的な清掃や点検、電源管理を行うことで照明器具の寿命を延ばし、ランニングコスト削減にもつなげられます。さらに、国内メーカーの防水性能に優れた製品を導入すれば、安心して長期利用できる環境を整えられるでしょう。導入前に複数の製品を比較し、信頼できるメーカー・業者を選ぶことが失敗しないポイントです。
