配膳ロボットといっても、機能や特性はさまざまです。自店に配膳ロボットを導入する場合は、自店のニーズにマッチする配膳ロボットを選定することが重要になるでしょう。
そこで本記事では、配膳ロボットの種類や選定ポイント、導入が向いている店舗と向いていない店舗の特徴について解説します。
配膳ロボットの種類とは?
本項ではまず、配膳ロボットの種類を特色ごとに解説します。
配膳力の高い配膳ロボット
配膳ロボットの中でも、運搬を行う性能には製品によって差があります。
食器を載せるトレイの段数や積載可能な重量など、配膳ロボットの配膳力を左右する要素はいくつかあります。
製品によっては最大40kg程度の料理を一度に運搬できるモデルもあるため、配膳ロボットの配膳力は注目すべきポイントの一つといえるでしょう。
接客効果の高い配膳ロボット
ロボットと聞くと無機質で機械的な作業を繰り返すイメージが浮かびますが、配膳ロボットの中にはお客さんに接客できるモデルがあります。
基本的にはAIを活用した会話機能にはなりますが、接客上必要な「いらっしゃいませ」などの発話機能があるため、無機質な印象は薄らぐでしょう。
モデルによっては自店でおすすめの商品をお客さんに宣伝することができるものもあるため、活用方法には幅があります。
機動力の高い配膳ロボット
配膳ロボットは基本的にセンサーで障害物を避け、指定のルートを通って業務を行います。
また、配膳ロボットの機動力を左右する要素として重要となるのは通過可能な通路幅です。大型のモデルになればなるほど通過可能な通路幅は狭まりますが、コンパクトなモデルであれば、狭い店内の通路も難なく走行可能です。
このように、配膳ロボットには機動力という点でも製品ごとの差があることを理解しておきましょう。
配膳ロボットの導入を検討する際は、自店にマッチするモデルが何か検討しましょう。
配膳ロボットの選定ポイント
本項では、配膳ロボットの選定ポイントについて解説します。
価格で選ぶ
配膳ロボットの導入を検討するなかで、価格は無視できない重要なポイントです。また、購入方法も購入、レンタル、リースなどいくつかの選択肢があり、それぞれ価格帯も異なります。
たとえば、購入の場合、モデルにもよりますがおおよそ100万円から300万円程度の初期費用が必要となります。複数台導入を検討している場合には、それ以上のコストを想定しなければなりません。個人店で営業している場合、上記のコストはかなり大きなコストといえます。
どの程度の費用感で探すのか、購入になるのかレンタルになるのか、事前にコストの計算は慎重に行うのが無難です。
機能性で選ぶ
前述しましたが、配膳ロボットもモデルによって性能差があります。
配膳力、機動力、運搬力、配膳ロボットを評価する指標はいくつかありますが、自店の状況に照らし合わせて検討することが重要です。たとえば、店舗が狭く、通路幅が狭い場合には、機動力に長けた配膳ロボットがマッチするでしょう。
このように、配膳ロボットを機能で選ぶ場合は自店の環境などを軸に検討するのがよいでしょう。
付加機能で選ぶ
前述したように、食事やドリンクの配膳を行うだけが配膳ロボットの機能ではありません。
中にはAIを活用した会話機能など、付加機能が充実しているモデルも存在します。配膳ロボットの導入背景として、人件費削減や業務効率化を掲げてはいるものの、接客業務の一部を省人化することで顧客満足度の低下は招きたくない。このような場合、付加機能が充実した配膳ロボットを選定するのは一つの手です。
本項で紹介したように、配膳ロボットは配膳力、機動力、付加機能などさまざまな選定ポイントがあります。自店の環境に合わせて、マッチする配膳ロボットを選びましょう。
配膳ロボットの導入が向いている飲食店の特徴とは?
本項では、配膳ロボットの導入が向いている飲食店の特徴を解説します。
慢性的な人手不足に悩まされている
飲食業界全体が抱える問題として、慢性的な人手不足が挙げられます。
時間帯によってホール業務をこなせるスタッフがいない、アルバイトを雇ってもなかなか定着しない、人が足りておらずサービスの質が低下してしまっているなど、抱えている問題は店舗によってさまざまでしょう。
配膳ロボットは配膳・下膳業務を自動化できるツールです。そのため、人手不足に悩まされており、店舗運営の課題となっている場合、配膳ロボットの導入によって解決できる可能性があります。
通路幅が十分確保されている
配膳ロボットを導入する際、重要なのは店舗の通路幅です。配膳ロボットの中にもスリムなモデルはありますが、通り抜けできる通路幅には限度があります。
上記の背景から、配膳ロボットを導入しやすい店舗の特徴として、店舗内の通路幅が十分に確保されている点は挙げられるでしょう。
店舗内のスペースに余裕がある場合は、配膳ロボットの導入を検討してみてもよいでしょう。
業務効率化に課題を抱えている
配膳ロボットは少なくとも10kg以上の料理・飲み物を一度に運搬することができます。同等の量を人の手で配膳しようとすれば、何往復かしなければならないでしょう。
配膳ロボットはもちろん人手不足の解決策になり得るツールですが、それと同時に配膳・下膳という店舗において欠かせない業務を効率化することも可能です。
そのため、現在店舗の業務効率を課題と捉えている場合には、配膳ロボットの導入を検討すべきといえるでしょう。
本項で紹介した内容に当てはまる場合は、配膳ロボットを導入することで効果が期待できます。
配膳ロボットの導入が向かない企業の特徴とは?
続いては、配膳ロボットの導入に向かない飲食店の特徴について解説します。
店舗レイアウトが頻繁に変わる
店舗レイアウトは運営において重要な要素です。店内の雰囲気はもちろん、お客さんや店舗スタッフの導線設計という意味でも、机や椅子の配置は重要です。
しかしながら配膳ロボットはあらかじめ登録された店舗のマップをもとに配膳業務を行います。そのため店舗のレイアウトが変わってしまうと、配膳ロボットが機能しなくなってしまう可能性があります。
そのため、配膳ロボットを導入する場合は、ある程度店舗のレイアウトを固めてからにするとよいでしょう。
カウンター席が中心
配膳ロボットは基本的にテーブル席への配膳を念頭において設計されています。
席と席の間隔が狭く設計されており、配膳ロボットが入り込む余地のないカウンター席中心のバーなどの店舗では、配膳ロボットの導入効果を十分に得られない可能性があるでしょう。カウンター席を中心に店舗運営をしている場合、配膳ロボットの導入に関しては慎重に検討する必要があります。
特定の特徴に当てはまる場合、配膳ロボットを導入しても十分な効果が得られない可能性があります。
まとめ
本記事では、配膳ロボットの種類や選定ポイント、導入が向いている・向いていない企業の特徴について解説しました。配膳ロボットにも製品ごとの特長があるため、自店にマッチする配膳ロボットを選定することが重要です。