配膳ロボットはさまざまな会社から販売されていますが、どのような企業が手掛けているのでしょうか。
また、手掛けている企業によっても配膳ロボットの特徴は異なります。本記事では、配膳ロボットを手掛けている会社や使用されている技術、導入時の流れや効果について解説します。
配膳ロボットを手掛けている会社8選
本項では、配膳ロボットを手掛けている企業を5つ紹介します。
ソフトバンクロボティクス
ソフトバンクロボティクス株式会社は、配膳ロボットをはじめ、清掃ロボットなどさまざまなジャンルの産業ロボットを手掛けています。
ソフトバンクロボティクスの代表的な配膳ロボットとしては、Serviが挙げられます。SLAM技術や高性能センサーを搭載した技術力の高い配膳ロボットを提供しており、高性能な配膳ロボットを探している場合には要チェックの企業といえます。
タニコー
タニコー株式会社は、業務用厨房機器を手掛けている企業です。タニコーは配膳ロボットの開発も行っており、PEANUTという配膳ロボットを販売しています。
PEANUTは料理の配膳はもちろん、テーブルを巡回した下膳にも対応しており、飲食店におけるさまざまな業務を自動化することが可能です。
また、導入店舗へのフォロー・サポート体制も充実しているため、初めて配膳ロボットを導入する際も安心できます。
Pudu Robotics
Pudu Robotics社は、中国に拠点を置くロボットメーカーです。代表的な配膳ロボットとしては、猫型のデザインが特徴的なBellaBotが挙げられます。
BellaBotは無指向性3D障害物回避機能など、最新鋭の技術が搭載されており、デザイン以外にも確かな技術が搭載されているのが特徴といえるでしょう。
機能性だけでなく、同時にデザイン性にもこだわりたいという場合には、Pudu RoboticsのBellaBotがマッチするでしょう。
アルファクス・フード・システム
株式会社アルファクス・フード・システムは、外食企業向けの基幹系システム提供や、システム機器の企画・販売などを手掛ける国内企業です。
アルファクス・フード・システムは多様な事業の一環として配膳ロボットも手掛けており、「サービスショット」シリーズというさまざまなジャンルのAIサービスロボットを販売しています。
サービスショットシリーズの中でも配膳業務を手掛けるのは「α-8」、「α-8Pro」、「a-10」となっており、それぞれスペックや特徴が異なります。各製品の詳細を確認したうえで、自店に合う製品を選定してみてはいかがでしょうか。
キングソフト
キングソフト株式会社は、ソフトウェアやメディアコンテンツを主な事業として手掛けている企業です。中国に拠点のあるCheetah Mobile、Kingsoft Corporationの共同事業として設立されています。
キングソフト株式会社は自立走行型の配膳ロボット「Lanky Porter」も手掛けており、国内の飲食店でも導入店が増えつつあります。
Lanky Porterでは配膳・下膳はもちろん、販促や質疑応答の機能も搭載されているため、活用の幅が広いのが特徴です。
ソーシャルロボティクス
ソーシャルロボティクス株式会社は、人間とロボットの共生社会実現を目指して設立された国内企業です。さまざまな産業ロボットを手掛けており、配膳ロボットとして有名なのは屋内汎用移動ロボット「BUDDY」です。
配膳・下膳業務はもちろんのこと、システムとの外部連携やカスタマイズなど様々な拡張性を備えている点が特徴となっています。
ソリッド
ソリッド株式会社では、「ソリボ」という配膳ロボットを手掛けています。
ソリボは遠隔での管理操作が可能となっており、AIを搭載しているため、ソリボ自身でのマップ補完なども可能です。高性能ではあるものの、操作は簡単で、導入後の業務オペレーションを組みやすい点が魅力といえるでしょう。
パンゴリン・ロボット・ジャパン
パンゴリン・ロボット・ジャパンでは「Aker」という配膳ロボットを製造・販売しています。3枚構造のトレイ、積載量30㎏で設計されており、ファミリー層が中心の飲食店でも導入しやすいスペックとなっています。
また、「Aker」には指定の場所へ配膳を行う「シングルモード」、設定されたルートを周回する「繰り返しモード」の2種類で運用できる点も特徴といえるでしょう。
配膳ロボットを手掛けている企業ごとに、使用している技術や特徴も異なります。
配膳ロボットに使われている技術とは?
本項では、配膳ロボットに使われている技術について解説します。
赤外線探知
配膳ロボットの中には、赤外線センサーが搭載されている製品が多く存在します。赤外線センサーによって配膳ロボットは障害物や通行人の存在を自動で探知し、避けることが可能です。
飲食店は従業員はもちろん、食事客も店内を行き来するため、配膳ロボット運用時には事故の危険性に注意する必要があります。配膳ロボット自身でリスクを探知し、未然に防げるという意味で、安全な運用に赤外線探知機能は不可欠といえるでしょう。
AI会話機能
配膳ロボットにはAIを搭載しているモデルがありますが、中にはAIを活用した会話機能を利用できるものがあります。
たとえば簡単な挨拶、販促など、会話の内容はさまざまですが、AI会話機能を利用することにより、話題性を提供することが可能です。
特に配膳ロボット導入により、接客サービスが無味乾燥なものになってしまうのではと危惧している場合には、会話機能の有無も判断材料の一つになるでしょう。
重量センサー
配膳ロボットは製品ごとに積載量が異なります。また、配膳ロボットの中には、最大積載量を超過した段階で探知できるセンサーを搭載しているモデルが存在します、
重量センサーが搭載されているモデルを導入することで、重量超過したまま配膳業務を行ってしまい、転倒するといった事故の予防にも繋がるため、安全な運用を心掛けたい場合には不可欠です。
配膳ロボットには、店舗内での安全な運用していくうえで必要な技術が使われています。
配膳ロボットを導入する際の流れ
本項では、配膳ロボットを導入する際の流れについて解説します。
製品選定
まずは導入する製品の選定を行いましょう。前項でも紹介したように、配膳ロボットの特徴は製品によって大きく異なります。サイズや積載量、センサーの有無やAIの有無など、仕様面でチェックしておくべき項目は多岐に渡ります。
自店での導入後をイメージしつつ、どのような機能が必要かを吟味しながら配膳ロボットの選定を行っていきましょう。
購入・事前準備
導入する配膳ロボットが決まった段階で、次に必要なステップは購入と事前準備です。購入段階ではメーカーや代理店の定める購入方法に従い、手続きを進めましょう。
また、購入手続きと並行して、配膳ロボット運用の事前準備を行っていきましょう。具体的には業務オペレーションの変更、店舗レイアウトの変更といった準備が挙げられます。導入後すぐ運用できるよう、自店での準備も抜かりなく行っておく必要があります。
運用
配膳ロボットが届いたら、実際の運用フェーズに移っていきます。運用しながら、見えてきた改善点などを都度分析して改善しつつ、配膳ロボットと店舗スタッフが万全のパフォーマンスを発揮できるよう、ブラッシュアップしていくことも欠かせません。
また、運用時に故障や不具合などが起きた際は、必ずメーカーや代理店に問い合わせを行い、対処するようにしましょう。
本項では、実際に配膳ロボットを導入した際の流れについて解説しました。
配膳ロボットの導入効果
本項では、配膳ロボットの導入効果について解説します。
配膳業務の効率化
配膳ロボットを導入することで、配膳・下膳業務の効率化を図ることができます。
人の手では何往復もしなければ完了しない配膳業務も、配膳ロボットを活用すれば一度の往復で全ての配膳を完了できます。配膳業務に時間がかかってしまい、注文の提供スピードや店舗の回転率に課題を抱えているという場合には、配膳ロボットの導入が有効です。
人員不足の解消
飲食業界全体が抱える課題の一つに、慢性的な人員不足が挙げられます。記事を読んでいる飲食店経営者の中にも、自店舗の人員不足に悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
人員不足のソリューションの一つとして、配膳ロボットの導入は有効な策の一つです。配膳に人を割く必要がなくなる分、少ない人員でも店舗業務を回せるようになる効果が期待できます。
顧客体験向上
配膳ロボット導入の効果は、店舗業務だけに留まりません。配膳ロボットの中にはデザイン性に優れたものや、AIを活用したコミュニケーション機能が搭載されているモデルがあります。
上記のような配膳ロボットを自店で運用することにより、顧客体験の向上効果も期待できます。特に客層として子供連れのファミリー層が中心の場合、話題性を提供できる配膳ロボットの運用は顧客体験に新しいエッセンスを提供できる可能性があります。
配膳ロボットを導入することで、さまざまな効果を得ることができます。
まとめ
本記事では、配膳ロボットを手掛けている会社や使用されている技術、導入時の流れや導入効果について解説しました。配膳ロボットを導入することで、飲食店の抱える課題を解消することに繋がります。本記事を参考に、導入を検討してみてはいかがでしょうか。