近年、大規模店舗や大手チェーンのみならず、個人や小規模店舗でも店舗アプリの導入が進んでいます。
店舗アプリには、集客や販促に役立つ機能が豊富に備わっており、売上アップや顧客獲得を目指す上で効果的な手段です。
本記事では、店舗アプリとはどのようなものなのか、主な機能や特徴と、店舗アプリを導入するメリット・デメリットについて解説します。
また、記事後半では、店舗アプリを作成するツールやサービスの選び方、導入までの流れについても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
店舗アプリとは
店舗アプリとは、店舗独自に活用しているスマホ向けアプリの総称です。
実店舗での運用を中心に、ECサイトとの連携やPOSレジ機能との連携など、業務効率化に役立つツールとして注目されています。
店舗アプリでは、ポイントカードや予約管理のほか、決済サービスとの連携が行えるのも特徴です。
店舗アプリの機能は、作成・開発サービスを提供している企業によって異なります。
独自の機能を導入したい場合は、アプリ開発企業に依頼すれば、他社にはないオリジナル機能を付与することも可能です。
店舗アプリは、小売店はもちろん、飲食店やサービス業、美容サロン、クリニックなど、幅広い業種で活用されています。
店舗アプリが注目されている理由
店舗アプリが注目されている背景には、スマホ普及率の急速な拡大が影響しています。
総務省の「令和5年通信利用動向調査」では、インターネットを利用する機器のうち、およそ70%をスマホが占めているという調査結果が出ました。
年代別で見ると20歳~59歳までが約90%と高く、70代でも約半数はスマホでインターネットを利用しています。
参考サイト:令和5年通信利用動向調査の結果|総務省
こうした影響から、スマホでの情報発信は店舗経営者にとって集客・販促における重要な手段となるため、店舗アプリに注目が集まっていると考えられます。
店舗アプリの主な機能と特徴
まずは、店舗アプリで導入可能な主な機能と、機能ごとの特徴について解説します。
店舗アプリを作成する際に、どのような機能を盛り込むべきかを検討しておくことが大切です。
具体的にどのような集客・販促が行えるのか、機能ごとの強みを理解しておくと良いでしょう。
スタンプカード・ポイントカード機能
店舗アプリには、スタンプカードやポイントカード機能を搭載できます。
紙のカードを発行するコストがかからないほか、顧客にとっても管理が簡単になる点が魅力です。
来店ごとにスタンプが貯まるものや、会計金額に応じてポイントが貯まるもの、会員証としてランクアップ特典が付いた機能などがあります。
来店を促したいのか、売上アップにつなげたいのかを明確にし、導入する機能を選択しましょう。
ポイント倍デーを設ける、貯まったスタンプやポイント数に応じてクーポンを発券するなどなど、集客・販促手段としても活用できます。
クーポン券発行機能
店舗アプリでは、クーポン券発行機能も導入できます。
紙のクーポン券の場合、手作業で集計する必要がありますが、アプリで管理すればクーポンの利用率も一目で把握することが可能です。
クーポン機能は、集客ツールとしてはもちろん、来店から時間が空いた休眠顧客に対するアプローチにも活用できます。
クーポンを目当てにアプリをダウンロードする顧客も多いため、ダウンロードを促す施策としても有効です。
商品閲覧・購入機能
店舗アプリには、商品閲覧・購入機能が備わっているものもあります。
とくに、小売業やアパレル業など、ECサイトとの連携を行いたいときに便利です。近年ではAR技術と連動させて、実際の商品を立体的に見せる機能も開発されています。
また、アプリによっては、店舗アプリを作成するのと同時にECサイトの構築も行えるものがあるのも特徴です。
個人でECサイトを構築することが難しい、小規模店舗での導入にも適しています。
予約機能
店舗アプリの中には、オンラインでの予約機能が備わっているものもあります。
アプリ上でスマートフォンからの予約状況をリアルタイムに管理できるため、顧客管理の負担軽減や、電話による予約の重複、漏れなどのミス防止に役立つ点が特徴です。
また、大手予約サイトなどのプラットフォームを利用せずに予約を獲得できることから、仲介料金の負担軽減にもつながります。
飲食店だけでなく、美容サロンやホテル・旅館などのサービス業など、幅広い業種で活用できる機能です。
プッシュ通知機能
プッシュ通知機能があるのも、店舗アプリの強みです。
プッシュ通知機能とは、スマホアプリで店舗から情報発信を行った際に、顧客のスマホに通知が表示される機能です。
メルマガ配信と比べて開封率が高い傾向にあるため、セールや新商品情報などの発信に有効活用できます。
また、登録者全員に対するプッシュ通知機能のほか、顧客データに合わせて通知を行うセグメント配信と連動している機能も便利です。
バースデークーポンの贈呈や休眠顧客へのアプローチなど、活用シーンをイメージしながら、導入する機能を具体的に検討しましょう。
参考記事:店舗アプリに必要な機能とは?業種ごとのおすすめ機能と企業の導入事例を紹介
店舗アプリを導入するメリット・デメリット
店舗アプリを導入すると、さまざまなメリットが得られます。一方で、店舗アプリの導入によるデメリットがあるのも事実です。
店舗アプリを導入する前に、メリット・デメリットの両方を把握しておくことで、効果的な活用方法のヒントが見つかるでしょう。
ここからは、店舗アプリの導入によって想定されるメリット・デメリットについて解説します。
メリット
店舗アプリを導入するメリットには、以下の点が挙げられます。
- 集客チャネルが広げられる
- リピーター獲得の販促ツールが活用できる
- 顧客の利便性や満足度向上につながる
- 管理業務の負担が軽減できる
- プラットフォームの利用手数料を削減できる
店舗アプリをうまく活用すれば、店舗集客や販促にとってメリットが大きいことがわかります。
また、DX化が実現するため、顧客情報の一元管理や紙のポイントカード廃止も実現可能です。業務工数削減や管理負担軽減につながります。
店舗アプリのみを活用するのではなく、SNSとの連携やECサイトへの誘導なども含め、外部ツールとうまく連動させながら導入すると良いでしょう。
参考記事:店舗アプリを導入するメリット・デメリットとは?効果を最大限に引き出すポイント
デメリット
店舗アプリを導入するデメリットは、以下の4点です。
- 初期費用・ランニングコストがかかる
- アプリを顧客にダウンロードしてもらわなければ効果が得られない
- プッシュ通知の頻度が高いと客離れにつながる恐れがある
- 競合が多い
店舗アプリを導入する場合、費用がかかるデメリットがあります。無料で店舗アプリが作成できるツールもありますが、機能に制限がある傾向です。
また、店舗アプリを導入しても、顧客にダウンロードしてもらわなければ、集客・販促の効果が得られません。
導入したい機能と導入にかかる費用を検討し、導入後に顧客にダウンロードしてもらう方法を企画するなど、店舗アプリの導入時には工夫が必要です。
アプリ導入によるメリットだけでなく、デメリットもあることを理解した上で、店舗に最適な運用方法を検討しましょう。
店舗アプリ作成ツールの選び方
店舗アプリを作成する際、作成ツールやサービスを選ぶ上で意識しておきたいポイントは以下の通りです。
- アプリで活用したい機能が備わっているか
- 費用は予算の範囲内か
- サポートは充実しているか
- カスタマイズ性はあるか
簡単に店舗アプリが作成できるツールなら、月額費用がかからないものも多く、導入コストの削減につながります。
ただし、欲しい機能が備わっていない場合もあるため、店舗アプリ作成ツールを選ぶときは注意しましょう。
また、テンプレートを活用してもアプリの作成が難しい場合や、店舗独自の機能を搭載したい場合は、アプリ開発企業にアプリ制作を依頼するのもおすすめです。
ただし、店舗アプリ開発サービスは、開発費用が高額になる傾向にあるため、小規模店舗での利用には適していません。
個人経営店や小規模店舗でも導入しやすい、おすすめの店舗アプリ作成・開発サービスについては、以下の記事で紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
参考記事:おすすめの店舗アプリ作成・開発サービス8選|機能や料金を徹底比較
店舗アプリの導入方法と運用開始までの流れ
店舗アプリを導入するときは、以下の流れでアプリの作成から導入までの作業を進めましょう。
- 店舗の課題を洗い出す
- 店舗アプリに必要な機能を明確にする
- 店舗アプリ作成サービスを活用してアプリを作成する
- 社内研修を行って従業員に使い方を周知する
- 店内でアプリを活用した業務オペレーションへ変更する
店舗アプリは、導入前から導入後の活用方法を具体的にイメージして、計画を立てることが重要です。
店舗アプリ導入によってどのような課題を解決したいのか、課題解決にどのような機能が必要なのかを考えましょう。
また、店舗アプリは導入するだけで終わりではありません。導入後は、データ分析を行い、店舗アプリを活用した集客や販促施策を積極的に実施しましょう。
まとめ
店舗アプリとは、店舗で活用されているあらゆるスマホ向けアプリのことを指します。
決済サービスと連動しているものや、ポイントカード機能が備わっているもの、店舗の予約ができるものなど、機能はさまざまです。
店舗アプリを導入するときは、店舗の強みを活かしたデザインや機能を盛り込んで、集客・販促につなげると良いでしょう。