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2024/09/30

セルフレジの種類と特徴は?導入で解決できる課題と注意点

  • セルフレジ
セルフレジの種類と特徴は?導入で解決できる課題と注意点

セルフレジにはさまざまな種類の製品があり、業種や客層に合わせて導入する機種を選ぶことが大切です。

例えば、スーパーなどの小売店では商品のバーコードスキャンができる機種、飲食店なら発券機機能や注文連動ができる機種など、選択肢は多岐にわたります。

顧客のニーズや業種・業態に合わない機種を導入してしまうと、セルフレジの機能が活かせず、かえって客離れを招く恐れがあるので注意が必要です。

本記事では、多数あるセルフレジの中から最適な機種を選ぶために、機種ごとの特徴やメリット・デメリットについて解説します。

目次

セルフレジの種類

クレジットカードで支払う様子

セルフレジには、さまざまな機能が備わっていたり、外部ツールとの連携ができたりと利便性の高い製品が多くあります。

多種多様な製品がありますが、セルフレジは大きく分けると以下の3種類のいずれかに当てはまるケースがほとんどです。

  • セミセルフレジ
  • フルセルフレジ
  • レジレス

ここでは、それぞれの種類ごとに、性能の違いや特徴、強みについて解説します。

セミセルフレジ

セミセルフレジとは、商品バーコードの読み取りやオーダー受注は店員が行い、会計・決済処理を顧客が行うタイプのセルフレジのことです。

商品バーコードの読み取りやオーダー受注を行う機種と、会計・決算処理を行う機種が分離しているため、会計のみをセルフ化できます。

支払いのみに対応しているセルフレジは、自動釣銭機や自動精算機とも呼ばれている点が特徴です。業種を問わず導入しやすいセルフレジだといえるでしょう。

フルセルフレジ

フルセルフレジは、商品バーコードの読み取りやオーダー、会計処理まで、すべて顧客に任せられる無人レジのことを指します。

顧客のレジ操作をサポートしたり、万引きの抑止のために見守ったりするスタッフの配置は必要です。販売した商品や会計情報を管理できることから、POSレジシステムとも呼ばれています。

複数店舗間の在庫量把握ができたり、飲食店でタッチパネルでのオーダー受注と会計を連動させたりできるのも特徴です。

レジレス

レジレスは、完全に無人での店舗運営が可能な、決済を行う設備を導入せずに決済処理ができる画期的なシステムです。

導入店舗数は限られているものの、主にコンビニエンスストアや売店など、小売店での導入が進められています。

レジレスは、顔認証や店内設置のカメラ、商品棚の重量センサーなどを用いて購入した商品の合計金額をAIが自動で算出する仕組みです。

顧客が事前に登録しているキャッシュレス決済で、退店と同時に支払いが完了します。レジスタッフを配置する必要がありません。

今後人材採用が難しい地方の店舗や、顧客層が限定的な会社や学校内の売店などで、無人経営ができる手段として注目されている決済システムです。

セルフレジの種類ごとのメリット・デメリット

メリット・デメリットのイメージ

セルフレジは、種類ごとに強みとなるポイントが異なるため、それぞれにメリット・デメリットが異なります。

セルフレジの導入を検討する際は、種類ごとのメリット・デメリットを比較した上で、店舗の状況に合う製品を選ぶことが重要です。

セミセルフレジのメリット・デメリット

セミセルフレジは、さまざまな業種に対応しやすく、業種を問わず導入できるメリットがあります。

デメリットは、商品バーコードの読み取りやオーダー受注を行う有人レジの設置や、レジスタッフの配置が必要なことです。

従業員による接客を減らさずに会計業務の効率化ができる反面、人件費の削減においては効果が薄い点が特徴です。

セミセルフレジの導入は、会計業務のみをセルフ化したい場合や、有人レジも残したい場合に適しています。

フルセルフレジのメリット・デメリット

フルセルフレジ導入のメリットは、商品バーコードの読み取りやオーダー受注にいたるまで、セルフ化できる点にあります。機械操作が苦手な高齢者などには、敬遠されやすいことがデメリットです。

接客と会計業務の両方を効率化できるため、人件費削減の効果が高い傾向にあります。また、会計ミスやオーダーミスを減らせるのも特徴です。

従業員がレジ業務を行う負担が軽減できるため、最小限の店舗スタッフで店舗を運営できます。

しかし、フルセルフレジの利用を避ける人が、今なお多くいるのが現状です。使い方を分かりやすく掲示したり、導入直後はサポートスタッフの配置を増やしたりする工夫が求められます。

レジレスのメリット・デメリット

レジレスのメリットは、商品の補充や陳列を行う人員以外のスタッフを削減できることです。

一方で、システムを導入するための初期費用が高額になる、導入できるのが一部の業種に限られているなどのデメリットもあります。

少子高齢化による人口減少が原因で、人手不足が深刻な地方での店舗運営が実現する手段として近年注目されているシステムです。

ただし、システム構築のために、30~40㎡ほどの店舗で初期費用が約1,000万円~1,500万円かかる点が、今後の課題とされています。

セルフレジの導入で解決できる課題

セルフレジの導入で解決できる課題は、レジ業務や会計に関連することに限られています。

具体的には、

  • 人件費の高騰
  • 人手不足による業務負担の増加
  • 会計時の計算ミス
  • レジの混雑
  • 衛生面のリスク

などです。

これらに関連がない課題については、セルフレジを導入しても解決できません。

例えば、レジの混雑解消によって従業員に余裕が生まれ、接客の質が向上することもあります。しかし、これはあくまで副次的な効果にすぎません。

そのため、接客の質を向上させることを目的にセルフレジを導入しても、思うように効果が得られない可能性があります。

レジの商品登録や会計・決済など、直接的にこれらの業務に関わる課題を解消するために、セルフレジを導入すると良いでしょう。

【業種別】おすすめのセルフレジの種類

2台並んだセルフレジ

ここからは、業種ごとにおすすめのセルフレジを紹介します。

ただし、同一の業種であっても店舗の状況や客層などが異なるため、必ずしも同じ種類のセルフレジが適しているとは限りません。

おすすめの種類については、セルフレジを導入する際の目安としてとらえましょう。

導入後に得たい効果や機能面をきちんと比較した上で、実際に導入するセルフレジの種類を選択してください。

小売業

小売業におすすめのセルフレジは、セミセルフレジ、フルセルフレジ、レジレスの全種類です。

小売業であればどのタイプのセルフレジでも導入できます。客層や従業員の機械操作に対するハードルなど、状況に合わせて選択しましょう。

機能面では、在庫管理や売上管理ができるPOSシステムに対応した機種がおすすめです。

顧客に高齢者が多い店舗では、自動レジとも呼ばれる自動釣銭機や自動精算機のみを導入する方法があります。

登録機をセットで導入すれば、有人レジの会計業務にかかる負担の軽減や、レジ待ち列の解消につながる点がメリットです。

また、若い世代が多い地域であれば、現金だけでなく、キャッシュレス決済(QRコード決済、各種ペイ払いなど)など、決済方法が多い機種を選ぶのも良いでしょう。

利用者と店舗側の双方に、負担が少なくなる方法を選ぶことが大切です。

参考記事:セルフレジはスーパーの売上アップにつながる?導入のメリット・デメリットと事例を紹介

飲食業

飲食業におすすめのセルフレジは、セミセルフレジもしくはフルセルフレジです。

小売業とは異なり、オーダー受注の業務が発生する飲食業では、前払いタイプの発券機や自動券売機などの機種も適しています。

また、客席にタブレットを設置してオーダーを受注して、会計までセルフ化するタッチパネル連動型もおすすめです。規模が小さい店舗の場合は、自動釣銭機のみ導入する方法もあります。

セルフレジメーカーによって、機能や利用料金に差があるため、導入する際は機能と費用の両面で比較検討することが重要です。

飲食店におすすめのセルフレジについては、以下のページで詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

参考記事:飲食店にセルフレジは導入すべき?メリット・デメリットとおすすめ機種を紹介

サービス業

サービス業におすすめなのは、セルフレジもしくはフルセルフレジです。

サービス業に該当する職種は多種多様にあるため、それぞれの業界に特化した機種を選ぶと良いでしょう。

例えば、ホテルや旅館などの場合は、チェックイン・チェックアウト機能が備わっている機種がおすすめです。クリニック向けに特化した機種であれば、電子カルテや予約管理も一元化できます。

また、予約管理や事前決済などにも対応できる機能があれば、美容系サロンやカラオケ、ネットカフェなどの業務効率化に役立つでしょう。

サービス業は、職種によって業務内容が大きく異なります。それぞれの課題に応じて、導入する機種や機能を選定することが大切です。

まとめ

セルフレジの種類は、セミセルフレジ、フルセルフレジ、レジレスの3種類です。しかし、機能は機種やサービスを提供している企業によって異なるため、選択肢は数多くあります。

セルフレジを導入するときは、まずどのような課題を解決したいのかを明確にしておくことが重要です。その上で、最適な機種やサービスを選択すると良いでしょう。

参考記事:セルフレジを導入するメリット・デメリットは?効果を引き出す導入のヒント