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2024/10/04

セルフレジはスーパーの売上アップにつながる?導入のメリット・デメリットと事例を紹介

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セルフレジはスーパーの売上アップにつながる?導入のメリット・デメリットと事例を紹介

近年、小売店や飲食店、クリニックなどさまざまな店舗でセルフレジを目にする機会が増加しています。

スーパーでもセルフレジ化が進められており、人件費削減や業務効率化に欠かせない店舗設備の1つになりつつあるのが現状です。

しかし、セルフレジの導入にかかる費用が負担に感じたり、自店舗の状況に合う機種の選び方がわからなかったりして、導入すべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。

本記事では、セルフレジをスーパーで導入するメリット・デメリットについて紹介しながら、事例をもとにどのような効果が得られるのかを解説します。

また、自店舗にマッチするセルフレジの選び方についても解説していますので、ぜひ参考にしてください。

目次

スーパーにおけるセルフレジの設置状況

一般社団法人全国スーパーマーケット協会の調査によると、2023年度にセルフレジを設置しているスーパーの割合(「半数以上の店舗に設置」と「半数未満の店舗に設置」の合計)は、31.1%でした。

2021年度は23.5%、2022年度は25.2%だったことから、年々増加傾向にあります。しかし、まだ半数に満たない数値であり、今なお有人レジが多いのも現状です。

出典:2023年 スーパーマーケット年次統計調査 報告書|一般社団法人全国スーパーマーケット協会

導入店舗数が3割程度に留まっている背景には、導入にかかる費用負担の大きさや、万引き行為・有人レジを好む層の客離れに対する不安感があると推察されます。

一方で、防犯対策システムの開発や、操作性に優れた機種の登場など、技術進歩によって導入に対するハードルは低くなってきています。レンタルやリースを活用すれば、導入費用も大幅に抑えられるため個人経営店や小規模店舗での導入もおすすめです。

スーパーでセルフレジを導入するメリット

スーパーに並ぶセルフレジのイメージ

スーパーでセルフレジを導入するメリットは、以下の4点です。

  • 人件費の削減につながる
  • レジ業務のミスが抑制できる
  • レジ待ち列の解消につながる
  • 客単価・売上アップが期待できる

それぞれ具体的にどのような効果が得られるのか、詳しく解説します。

人件費の削減につながる

スーパーでセルフレジを導入すると、人件費の削減につながるメリットがあります。

セルフレジは、顧客が商品のバーコード読み取りや会計作業を行うシステムです。そのため、セルフレジを導入するとレジ係の数を最小限にして運営できるようになり、レジ作業を行うスタッフにかかる人件費が削減できます。

セルフレジのレジ操作に慣れない利用客のために、サポートするレジスタッフの配置などは必要になりますが、有人レジと比べてレジに割く人員の数を減らせるでしょう。

レジ業務のミスが抑制できる

レジ業務のミス抑制につながるのも、スーパーでセルフレジを導入するメリットの1つです。

レジ業務におけるミスには、釣銭の金額を間違える、レジ締めの計算が合わなくなるなどの例が挙げられます。セルフレジを導入すれば、このようなレジ業務のミス抑制が実現できるでしょう。

セルフレジの機種によっては、自動釣銭機機能やレジ集計機能が搭載されているものもあります。自動集計に対応している機種を導入するのも、レジ業務のミス抑制に効果的です。

また、レジ締め業務を従業員の手で行う必要がなくなるため、レジ締め作業の大幅な時間短縮と店舗スタッフの業務負担軽減につながります。

レジ待ち列の解消につながる

スーパーでセルフレジを導入すると、レジ待ち列の解消につながるメリットもあります。

例えば、通勤通学時間帯や帰宅時間帯など、レジが混雑する時間帯には長蛇の列が発生するケースも少なくありません。セルフレジなら、有人レジよりも省スペースで設置できるため、台数を増やして対応できます。

また、有人レジをセミセルフ化して、会計を顧客に行ってもらうのも選択肢の1つです。結果的にレジの回転率向上につながり、レジ待ち時間の削減や行列解消に役立ちます。

客単価・売上アップが期待できる

セルフレジの導入は、スーパーにおける客単価や売上向上も期待できます。

セルフレジでは、キャッシュレス決済に対応できるため、持参している現金の予算内で買い物をしようとする心理が抑制されます。

また、セルフレジでレジ待ちの時間が短縮できれば、時間に余裕が生まれて店内をゆっくりと買いまわる顧客が増えるでしょう。

結果的に「+1点」の買い物をする顧客が増加し、客単価や売上向上につながります。

参考記事:セルフレジを導入するメリット・デメリットは?効果を引き出す導入のヒント

スーパーでセルフレジを導入するデメリット

スーパーでセルフレジを導入する場合、以下のデメリットに注意しなければなりません。

  • 導入に費用がかかる
  • 店内レイアウトの変更が必要になる
  • 万引き対策を実施する必要がある

ここでは、スーパーでセルフレジを導入するデメリットについて解説しながら、それらのデメリットをカバーするための対策方法について解説します。

導入に費用がかかる

スーパーにセルフレジを導入すると、費用がかかります。セミセルフレジ、フルセルフレジを問わず1台あたり数十万円~数百万円の費用がかかる点がデメリットです。

一方で、レンタルやリース、サブスクサービスを活用すれば、1台当たり月額数万円程度で導入できます。

また、補助金・助成金制度が活用できる場合もあるため、導入にかかる費用負担が不安な方は、そのようなサービスや制度を活用すると良いでしょう。

参考記事:セルフレジの価格はどれくらい?導入費用を抑える3つのポイント

参考記事:【2024年最新】セルフレジ(自動精算機)導入に利用できる補助金制度まとめ

店内レイアウトの変更が必要になる

店内レイアウトの変更が必要になるのも、セルフレジをスーパーで導入するデメリットの1つです。

従来の有人レジを撤去し、セルフレジをどのような配置で設置するかを検討しなければなりません。

また、何台設置するのか、顧客の通路は確保できているかなど、レイアウトを変更する上で検討しなければならない項目は多岐にわたります。

既存店舗にセルフレジを導入する場合は、セルフレジを提供している企業にサポートしてもらうなど、レイアウトの変更に対応できるよう準備しておきましょう。

万引き対策を実施する必要がある

スーパーでセルフレジを導入する際には、万引き対策が必要になるのもデメリットの1つです。セルフレジだけでなく、防犯対策関連の設備やシステムを導入する必要があります。

セルフレジは万引き行為が発生するため、どのように対策していくかを検討しておかなければなりません。

防犯カメラの設置や、万引き行為を防ぐためのレジレイアウトの検討、店員の声掛けに関するマニュアル作成などが必要です。万引きは起こり得るものとして想定し、備えておきましょう。

参考記事:セルフレジの防犯対策方法まとめ!万引きを防ぐ導入のポイントとは

セルフレジの導入に成功しているスーパーの事例

ここからは、実際にセルフレジを導入して、プラスの成果を挙げている企業の事例を紹介します。

レジゴーで客単価が1.3倍に|イオンリテール株式会社

レジゴー公式サイト

出典:レジゴー|イオンリテール株式会社

イオンリテール株式会社では、イオングループのスーパーや小売店において、バーコードを読み込みながら買い物ができるシステム「レジゴー」を導入しました。客単価が通常レジの1.3倍に伸びた成功事例です。

レジゴーは、専用端末もしくは顧客のスマートフォンの専用アプリで、商品のバーコードを読み込みながら買い物ができるサービスとして注目されています。

買い物中にバーコードスキャンによる商品登録を行うため、レジでは支払いのみを行えば良い新たな仕組みの完全セルフレジです。会計処理の大幅な時短につながって好評となり、2024年6月には導入店舗数が300店舗を突破しました。

セルフレジの会計方法を見直し、独自の買い物方法を確立した事例です。
参考サイト:レジゴー|イオンリテール株式会社

レジ待ちの時間が最短4分の1に|トライアルカンパニー

トライアルカンパニー公式サイト

出典:トライアルカンパニー

トライアルカンパニーでは、同社が運営しているスーパーセンターでスキップカート(通称:レジカート)を導入しています。レジカートによるセルフレジシステムの導入前と比べて、レジの待ち時間が最短4分の1に短縮された成功事例です。

レジカートは、ショッピングカートに小型モニターとバーコードスキャナーが付いているものです。買い物をしながら、商品スキャンと登録が行えます。

買い物をしているとモニターに登録した商品の合計金額が表示されるほか、スキャンした商品に応じて利用できるクーポン券が自動的に表示されるのも特徴です。

買い物中に商品バーコードのスキャンを終えているため、レジで商品登録を行う必要がありません。セルフレジの商品登録にかかる手間を削減し、顧客満足度向上につなげている事例です。

また、トライアルでは、レジカート限定クーポンを配信するなど、利用率向上につなげる施策も行っています。

参考サイト:トライアルカンパニー

ここで紹介した事例では、買い物中に商品登録ができる仕組みを確立しています。一般的なセルフレジは、レジでの商品スキャンが必要です。しかし、将来的には上記のような買い物スタイルが定着するかもしれません。

セルフレジをどのように活用していくかを検討することが、導入成功につながるカギになるでしょう。

店舗に合うセルフレジの選び方

店舗に合うセルフレジを選ぶには、どのような機能が必要なのかを明確にしておく必要があります。

例えば、顧客層に高齢者世代が多いのであれば、まずは自動釣銭機機能のみをセミセルフレジとして導入するのもおすすめです。また、インバウンド顧客が多いのであれば、多言語対応可能な機種を導入するのも良いでしょう。

どのようなセルフレジがあるのかを知り、自分の店舗に必要な機能が備わっている機種を選択することが大切です。セルフレジの種類について、詳しくは以下の記事で解説しています。

参考記事:セルフレジの種類と特徴は?導入で解決できる課題と注意点

まとめ

セルフレジをスーパーで導入する場合、セルフレジの種類選びから防犯対策の方法、レジ周りのレイアウト変更などを同時に行う必要があります。

具体的にどのような機種を選べば良いのかわからない場合は、各社の資料を見て機能や費用を比較してみるのもおすすめです。

QRコード決済に対応している機種もあるので、セルフレジ導入を機にキャッシュレス決済への対応も検討してみてはいかがでしょうか。

参考記事:セルフレジでQRコード決済対応のおすすめ機種5選|決済方法の種類や機能を比較紹介