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2024/07/08

”データに基づいて論理的に改善している飲食店”がもっと増えるべき

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”データに基づいて論理的に改善している飲食店”がもっと増えるべき
目次

―サービスについて概要を教えてください。

飲食店を専門にデータマーケティングを主軸にした、分析、戦略の立案を実施する「クリグル」を提供しています。
具体的には、飲食店の販促に関わるデータを弊社のデータベースに取り入れ、売上予算達成の要因分析を行いさまざまな角度から傾向を分析します。
そこから課題を抽出し、実際の分析結果を経営層、管理部門、店舗と3段階で報告を行い、戦略の提案、策定をサポートしていきます。
Web販促については、戦略の実行から運営までサポートしており、決定した戦略をWeb上で展開する際は掲載内容の変更などの作業面までサポートすることが可能です。

―どんなお客様が多いですか?

飲食店運営法人様に限定しています。規模感としては、10店舗前後から200店舗前後を運営される企業様にご利用いただいており、特に売上規模が大きめのお客様が多いのが特徴です。
老舗法人、新規拡大法人どちらもご依頼いただいており、弊社としては飲食法人であればさまざまなご要望にお応えできます。エリアは北海道から九州まで全国主要都市に拠点を置く法人様が多いです。

―そのお客様の“よくある課題”はどういったものがありますか?

課題は店舗運営の良し悪しによって大きく2つに分かれます。
現在運営がうまく行っているお客様については、予算達成の要因を細かく把握し「季節性に左右されない運営を行いたい」、「店舗の販促能力を上げたい」、「客単価、席稼働率をあげ、より高みを目指したい」、「ブランド力改善、新規出店のパッケージ構築」などがご要望としてはあります。
一方、一部または全体の実績が振るわないお客様については、「低実績店の集客改善」、「本部統率機能の強化・改善」、「Web販促運用ができていないため結果が出ない」などマイナス面の改善にご要望が多いです。

当社からみた全体に言える課題は、飲食法人は販促をデータに基づいて論理的に改善されている法人様が一定規模以下になると極端に少ないという点です。
過去値と市場を対比することで、明確な戦略をもとに結果を改善でき、再現性や、属人化回避が可能になります。

―マイナス面では集客課題を抱えている店舗様も多いですか?

Web販促の分野に入りますが、いわゆるグルメサイトの管理自体ができていないことも多いですね。戦略実行まで余裕が無く更新もできないパターンや、やらなきゃいけないのはわかっているけどそもそもリソース不足で出来ないなどさまざまです。
ただ弊社としてはグルメサイトに依存せずに集客できるように、別の施策でのご提案も行っています。

―それらの課題を御社サービスではどのように解決していますか?

まずは、集客とかの前にブランドを見ます。その飲食店はどんなブランドで他社・他店との差別化はどうやっているのかの把握から行います。
大半は、過去のブランド軸が各店の市況に合わせ、カスタマイズを繰り返してきた事で多様にベクトルが分散していることが多いため、各店の取り組みをまずまとめ、ブランドの軸となる部分と、各店ローカライズすべき要素と分けます。
その後競合調査を行い、差別化も検証の上、店舗、Web上で改善すべき点を実行し売り上げを指標として結果を判断しています。

―その次はどういった施策を行うのでしょうか?

次に、運営がうまくいっているパターンとうまくいっていないパターンで分かれますが、
うまくいっていないパターンの場合は低実績店舗改善を行います。
データ分析により、顧客の属性、来店傾向、購買傾向や、近隣市場調査から、当社独自指標の数値をクリアーしていない箇所を特定します。改善箇所と実際の店舗リソースを対比して、短期で実行可能かつ効果高いものに優先を置き、実行します。

うまくいっているパターンの場合は、季節性回避のためにエリア、ブランド特性を踏まえて穴になっている箇所、もしくはさらに伸びる箇所を時系列で特定していきます。
既存メニューや近隣ユーザーと対比して絞り込みした訴求を行うことで、予約、来店の基盤を強化しています。

あとは店舗のステージによっても変わりますが、客単価・席稼働率向上のために、どの時間の誰に何を売ったかの分析結果をもとに、既存メニューの強みを活かして戦略を立案します。
店舗様が店内で行っていただくことと、Web上で訴求できることを分け、実行し、レビューしていくことで改善していますね。

他にも、店舗販促力をつけるために、毎月のMTG内で各現場責任者も交えた打合せを行い、知識、テクニックなどを習得いただいて自店でも実行できることを増やしていただくとか。ブランド、エリア単位で勉強会の開催。現状のお客様の組織における指揮命令、仕組などを分解し、軽量かつ実行可能で効果が出やすい体制づくりのお手伝いにより構築しています。

本部統括機能強化のために既存の体制を分解し、ボトルネックを把握。そのうえで、改善フローを作成し、段階的にインハウス化のお手伝いをしたり、店舗運営体制強化として、できていない理由の分析を行い、内外どちらでやるか切り分けを行い費用対が良い体制を構築したりしています。

新店パッケージとして冒頭のブランド整理とともに、新店の規模と集客による損益をみて、出店基準を主に売上構築面でサポートも行っていたりします。

―飲食店様のお困りごとをあらゆる視点で解決しているのですね。

そうですね。はじめは集客のためのMEO施策など、顕在化している課題解決からお手伝いをすることも多いですが、コンサルティングとしてPOSデータをご共有いただくと、まだ気づけていない課題なんかも見えてくるので、そこからさまざまな店舗改善や強化に向けたご提案をしていますね。

―お客様から喜ばれているポイントを教えてください。

経営層や管理者層の方からは、店舗の細かい数値の中でも異常値を察知できて、明確な改善方法の提案と実行までできる会社は少なくありがたい。改善点の把握速度が上がり、改善手法もいろいろ提案があるため部署専属サポート的な動きは助かる。従業員の教育にも役立つとおっしゃっていただいています。
店舗の方ではしっかり対話して分析、改善提案があるのがいい。上司にも同じ情報が展開されており、直接社内で伝えきれないこともロジックリンク通すことで進むこともあり助かる。毎月の会議は、自店を客観視できる点と分析方法や、Web販促の勉強もできるのもよいというようなお声をいただいています。
ロジックリンク

―今後の展望を教えてください。

まず飲食店に従事する皆様が「笑顔になる」ことを追求したいです。
現在はデータを軸に、経営判断要素の簡略化と決定速度改善。管理者が戦略実行する際の軌道修正速度アップと結果の精度を上げること。現場の負担を減らし、飲食店に来店されるお客様の満足を追求できる体制のサポートを行っておりますが、より分散したデータやツールで混乱している飲食店市場の現状を改善したいです。
市場変化と技術進化が目まぐるしい中、どこかにお金を払えば確実に集客できる、永続的に店舗運営が安定するという状況が減ってきています。データとWebを軸に、飲食業界に特化して、収益を改善することが当社の未来です。
今と変わらず続けることは、現場を重視すること。リアル市場である飲食は直接弊社と店舗様の密コミュニケーションにより生きたデータマーケティングが初めて実現すると信じています。

 

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