Bizcan > コラム > 業務用厨房機器フライヤーおすすめ5選|電気・ガス・卓上タイプまで違いと選び方を解説

2025/04/30

業務用厨房機器フライヤーおすすめ5選|電気・ガス・卓上タイプまで違いと選び方を解説

  • 厨房機器
業務用厨房機器フライヤーおすすめ5選|電気・ガス・卓上タイプまで違いと選び方を解説

「厨房機器としてフライヤーを導入するなら、電気とガス、どちらがいい?」
「卓上タイプのフライヤーでも業務用に使えるの?」
このような悩みを抱える飲食店関係者も少なくありません。しかし、厨房の広さや調理量に応じて最適なフライヤーは異なります。 では、どのような基準で自店舗に合うフライヤーを選べば良いのでしょうか。
本記事では、業務用厨房機器としておすすめのフライヤー5選の紹介と、フライヤー選定に役立つ電気・ガス・卓上タイプの違いや特徴、導入に失敗しないためのポイントについて解説します。

目次

フライヤーとは?業務用厨房機器としての役割や家庭用との違い

業務用フライヤー

フライヤーは、揚げ物専用の調理器具として、厨房機器の中でも重要な存在です。業務用から家庭用まで、幅広い用途で活用されています。
業務用フライヤーと家庭用フライヤーには、構造・出力・用途のすべてにおいて明確な違いがあるため、それぞれの特徴を知っておくと良いでしょう。
飲食店や惣菜店、施設内厨房などで利用される業務用フライヤーは、油を高温に加熱し、揚げ物を効率的かつ大量に調理できるよう設計されている点が特徴です。また、業務用小型フライヤーや電気式の卓上タイプなどは、長時間の稼働や大量調理を前提に作られており、耐久性にも優れています。消費電力や油量も大きい点が、家庭用との違いです。

 

一方で、家庭用フライヤーは、ミニタイプや電気式など、卓上に設置できるコンパクトな製品が主流です。家庭用電源(100V)で稼働できるものが多く、設置のしやすさや油量の少なさも特徴と言えます。

なお、油を使わず、熱風循環によって食材を加熱するノンフライヤーと呼ばれる調理器具もあります。見た目は揚げ物風に仕上がりますが、構造も目的もフライヤーとは異なります。油を使わないため、表面をカリッと仕上げながらもヘルシーに調理できる点が特徴です。

フライヤーといっても、さまざまなタイプの設備があり、それぞれに強みも異なります。フライヤーは、厨房業務を支える主要な熱機器の1つであり、選び方次第で料理の仕上がりをも左右する重要な設備です。また、料理の仕上がりだけでなく、揚げ物調理の効率化や一定の油温キープによる食材品質の安定化にも役立ちます。
以上のように、フライヤーは、厨房業務を支える主要な熱機器のひとつです。 揚げ物調理の効率化や品質の維持、安全性の確保において欠かせない存在となっています。

フライヤーの種類と特徴を比較|電気式・ガス式・卓上型の違い

フライヤーは、使用する熱源や設置環境によって次のような種類に分けられます。

  • 電気フライヤー
  • ガスフライヤー
  • 卓上フライヤー・ミニフライヤー
  • 涼厨フライヤー
  • IHフライヤー

それぞれの特徴と適した利用シーンについて解説します。

電気フライヤー

電気フライヤーは、温度管理に優れた業務用厨房機器です。厨房スペースや電源環境に柔軟に対応できる点も特徴もあります。
用途に応じて、卓上タイプや家庭用モデルなど、多様な仕様が選べます。温度調節の精度が高く、油量を抑えながら効率的に調理できる点が魅力です。単相電源(電力の小さい家庭用にも使われる交流電源)でも使用できる製品が多く、設置工事の負担が少ないというメリットもあります。
このように、電気フライヤーは省エネ性能と安定した加熱力を兼ね備えており、限られたスペースでも導入しやすい加熱機器と言えるでしょう。

ガスフライヤー

ガスフライヤーは火力が強く、短時間で大量の揚げ物を調理できるため、回転率の高い飲食店に適しています。
都市ガスまたはLPガスに対応しており、強力な熱量で連続調理が可能です。厨房の温度上昇を抑える涼厨仕様のモデルもあり、安全性と作業効率を兼ね備えた製品が増えています。
特に、調理スピードが求められる店舗では、ガスフライヤーが大きな戦力となります。

卓上フライヤー・ミニフライヤー

卓上フライヤーやミニフライヤーは、限られたスペースでの小規模調理に特化したコンパクトな厨房機器です。設置の自由度が高く、出力やサイズの異なるモデルも豊富に揃っています。
ミニフライヤーは油量が少ないため温度管理がしやすく、温度調節器付きで家庭用にも対応可能です。専用の揚げカゴの活用により、少量ずつの安全な調理も行えます。
卓上フライヤーやミニフライヤーは、初期導入コストを抑えたい場合にもおすすめです。

涼厨フライヤー

涼厨(すずちゅう)フライヤーは、調理中の放熱を抑えた構造により、快適な厨房環境と省エネ性を両立しています。
外部への熱放出を抑える設計により、作業者の負担を軽減できる点が特徴です。特に夏場や狭い厨房での活用に向いており、熱中症リスクの軽減にもつながります。
また、夏場の厨房内温度を下げるため、空調を高出力で運転する必要性も低減できます。結果的に、冷房や空調にかかる光熱費の削減にもつながるでしょう。
このように、涼厨フライヤーは、快適な作業環境を維持しながら、光熱費をカットできる 点が評価されています。

IHフライヤー

IHフライヤーは、電磁誘導加熱によって油を加熱するため、火を使わずに安全に調理できる厨房機器です。
従来の電熱線ではなく、IHコイルを使用することで外部への熱放出を抑え、加熱ムラが抑えられます。温度調節の精度も高いため、安定した調理が可能です。
火を使わない安全性の高さと省エネ性能を備えたIHフライヤーは、今後ますます注目される存在と言えるでしょう。

業務用フライヤーの選び方|厨房機器導入時の7つのポイント

業務用フライヤーの導入にあたっては、調理量や厨房の広さに応じた電気仕様・ガス種・設置形状・温度調節機能など、複数の視点から最適な機種を見極めることが重要です。
厨房機器の導入担当者や飲食店経営者の方が、業務用フライヤーを比較検討・導入する前に確認すべきポイントは以下の7つ挙げられます。

  • 調理ニーズを明確化しておく
  • 設置環境・厨房スペースを確認
  • スペックと機能を確認
  • 清掃・メンテナンス性は良いか
  • ランニングコストと初期費用を確認
  • メーカー・製品の信頼性はどうか
  • 新品と中古のメリット・デメリットを知っておく

まずは、揚げ物の提供量や頻度に応じて、電気式とガス式のどちらが適しているかを見極めましょう。
価格については、新品と中古品の価格差や送料、保証の有無、受注生産かどうかも確認する必要があります。あわせて、導入後のメンテナンスや油ろ過機の有無なども含めて比較すると安心です。
製品比較表や要件シートを用意しておくことで、複数の業者・製品を効率的に比較できます。

おすすめ業務用フライヤー製品5選!フライヤーの種類ごとに紹介

ここからは、おすすめの業務用フライヤー製品5選を紹介します。

  • 電気フライヤー|ニチワ電機 スタンダードタイプ
  • ガスフライヤー|コメットカトウ アナログスタンダードタイプ
  • 卓上フライヤーやミニフライヤー|タニコー 電気卓上フライヤー
  • 涼厨フライヤー|マルゼン 涼厨フライヤー
  • IHフライヤー|マルゼン IHフライヤー低油量タイプ

それぞれの特徴を説明するので、フライヤー選びにお役立ていただけると幸いです。

電気フライヤー|ニチワ電機 スタンダードタイプ

ニチワ電機 スタンダードタイプ

出典:電気フライヤー|ニチワ電機 スタンダードタイプ

ニチワ電機の電気フライヤー(スタンダードタイプ)であるSEFD-18Kの特徴は以下のとおりです。

  • 低温加熱を実現し、油を長持ちさせる
  • 油槽の清掃が容易にできるヒーターのスイングアップ方式を採用
  • 直接加熱方式で熱効率が優れている
  • ランニングコストはガス式よりもお得

ニチワ電機の電気フライヤーは、特殊形状のヒーターを採用することで油温に近い低温加熱を実現し、油の劣化を抑えつつ、効率的でスピーディーな調理と容易なメンテナンス性を兼ね揃えています。

ガスフライヤー|コメットカトウ アナログスタンダードタイプ

コメットカトウ アナログスタンダードタイプ

 

出典:コメットカトウ ガスフライヤーシリーズ

コメットカトウのCF4-GAシリーズは、アナログスタンダードタイプのガスフライヤーです。このシリーズの主な特徴は以下のとおりです。

  • 揚げ油を約1割削減できるベーシックタイプのフライヤー
  • 業界初の「から焚き停止装置」を装備
  • シンプルで使いやすい操作性(ダイヤル式の温度調整器で、90~190℃の間で簡単に温度設定)
  • 床の清掃性が抜群
  • バックガードを高くすることで壁の汚れを防止
  • 涼しい厨房「涼厨」に対応

揚げ油を約1割削減できる点については、浸管の形状を変更することで使用油量を削減しつつ、調理ゾーンとクールゾーンの油量に変更がないため、調理能力や油の劣化具合は従来と同等とされています。

卓上フライヤーやミニフライヤー|タニコー 電気卓上フライヤー

タニコー 電気卓上フライヤー

出典:卓上フライヤーやミニフライヤー|タニコー 電気卓上フライヤー

タニコーの電気卓上フライヤーには、以下のように複数のタイプがあります。

  • ミニタイプ(フライ用(TCFL-8B)と天ぷら用(TCFL-8T)、油量はいずれも4~8L)
  • ハイパワータイプ(油量:7.5L)
  • その他のタイプ(油量:12L)
  • オートリフトアップ付きタイプ(油量:7.5Lまたは9L)

いずれも、専用バスケットと排油パイプが付属しています。

涼厨フライヤー|マルゼン 涼厨フライヤー

マルゼン 涼厨フライヤー

出典:涼厨フライヤー|マルゼン 涼厨フライヤー

マルゼンの涼厨フライヤーシリーズは、以下のような特徴があります。

  • 機器内部の気流が本体の熱を奪い、機器からの輻射熱と表面温度上昇を抑える
  • ヒートプロテクターを装備し、輻射熱を抑えながら接触時の安全性も確保
  • 排気ガスが拡散しない煙突構造

マルゼンの涼厨フライヤーには低温度仕様もあり、要問合せです。

IHフライヤー|マルゼン IHフライヤー低油量タイプ

マルゼン IHフライヤー低油量タイプ

出典: IHフライヤー|マルゼン IHフライヤー低油量タイプ

マルゼンのIHフライヤー低油量タイプには、以下のような特徴があります。

  • 高い清掃性(特許取得済み)
  • 低油量(約15~17%節油)
  • 省エネ
  • 最高水準の安全機能(空焚きや油漏れを検知)

マルゼンのIHフライヤーは槽内に部品がなく、清掃性が高い点がメリットです。また、油量が少ないため、加熱にかかる消費電力も削減できます。

その他、冷機器も含むおすすめの厨房機器メーカーは以下記事にて紹介しています。
参考記事:【最新版】厨房機器一覧まとめ|飲食店・施設に必要な業務用厨房機器とメーカー比較ガイド

業務用フライヤーは新品と中古どちらがおすすめ?

業務用フライヤーを導入する際、毎日高頻度での使用予定がある・最新機能を求めるといった場合は新品、フライヤーに多くの予算を割けない・スポット的に使うだけといった場合は中古がおすすめです。
中古厨房機器は、初期費用を抑えられるという利点があります。特に、中古業務用フライヤーは販売価格が新品に比べて大幅に安く、開業時のコスト負担を軽減することが可能です。ただし、中古品は消耗部品の劣化や温度調節機能の不具合がある場合もあり、保証やメンテナンス対応が不十分なケースも少なくありません。

 

一方、新品のフライヤーを選べば、涼厨仕様やIH加熱対応モデルなど、最新の省エネ設計や作業効率向上機能が搭載されている点がメリットです。
さらに、電気仕様や省エネ性能が一定基準を満たしていれば、厨房機器導入時に活用できる助成金・補助金制度の対象となる場合があります。制度を活用すれば、初期費用を抑えながら最新機種を導入することが可能です。

費用がネックで中古を選ぶなら、補助金・助成金を活用しながら新品を購入する選択肢もあります。
業務用フライヤーの導入では、中古の価格メリットと新品の機能性・耐久性を比較したうえで判断しましょう。導入後のリスクやサポート体制、助成金の活用可能性まで含めて検討すれば、後悔のない設備投資につながります。

厨房機器の導入時に役立つ具体的な助成金・補助金については、以下の記事で解説しています。
参考記事:【2025年最新】厨房機器の導入で使える助成金・補助金5選|中小飲食店・個人事業主向け申請ガイド

自店に合った厨房機器のフライヤーを見極めて失敗しない導入を

電気フライヤーは操作性と省スペース性に優れている一方で、ガスフライヤーは高火力で大量調理に対応できる強みがあります。また、卓上型や涼厨仕様、IHタイプなど、厨房機器のフライヤーには多様な選択肢があるため、自店舗に合う設備を比較検討することが大切です。

フライヤーを導入する際、フライヤーの種類だけでなく、温度調節機能や油量、消費電力といった商品ごとのスペックも比較しましょう。厨房環境や目的に合った機種を選ぶことで、調理効率の向上とコスト最適化が実現します。導入前の比較検討が、調理のスピード・品質・安全性・コストのすべてに直結し、結果として店舗の利益や評判を左右する重要な要素と言えるでしょう。

 

飲食店の開業時に必要な設備は、厨房機器だけではありません。飲食店開業に必要な設備について、以下記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
参考記事:飲食店開業に必要な設備一覧|準備すべき備品や選定時の注意点を解説