集客や販促、ファンづくりなど、店舗経営におけるさまざまな施策に効果的なツールの1つが「店舗アプリ」です。
しかし、業種や店舗の状況、課題などによって、店舗アプリに必要な機能は異なります。店舗アプリの導入を検討している際、どのような機能を搭載すべきか迷う方は多いのではないでしょうか。
本記事では、店舗アプリにどのような機能を付与できるのか、機能ごとの強みや集客・販促に役立てる方法について解説します。
また、記事後半では、業種ごとのおすすめ機能や企業の導入事例も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
店舗アプリとは
店舗アプリとは、スマホユーザー向けに集客や販促を行う際に役立つ店舗の専用アプリです。
さまざまな機能が備わっており、業種問わず多くの店舗で導入されています。
ポイントカードのデジタル化や予約管理の一元化のほか、POSレジやモバイルオーダーとの連携など、活用方法も豊富です。
近年では、店舗アプリがノーコードで作成できるツールやサービスも増えており、個人経営店や小規模店舗でも低コストで導入できると注目されています。
参考記事:店舗アプリとは?機能ごとの特徴やメリットと導入方法について解説
店舗アプリの主な機能と活用方法
まずは、店舗アプリに搭載できる主な機能と、集客や販促に店舗アプリの機能を活用する方法の例を紹介します。
店舗で扱っている商材やサービスの内容、店舗の特色に合わせて、より効果的な活用方法を検討することが大切です。
スタンプカード・ポイントカード機能
スタンプカード・ポイントカード機能は、店舗アプリの主軸となる会員証機能です。業種や経営形態を問わず、さまざまな企業で導入されており、リピーター客の獲得に効果が期待できます。
来店回数を増やしたいのであればスタンプカード、顧客単価を上げたい場合はポイントカードなど、目的に応じて使い分けると効果的です。
貯まったスタンプ・ポイントに応じて、クーポンの進呈などの特典を設けておくと良いでしょう。
クーポン券発行機能
クーポン券発行機能は、その名の通りクーポン券を店舗アプリ上で発券できる機能です。紙のクーポン券は集計作業に手間がかかりますが、店舗アプリでクーポン機能を運用すれば利用率などのデータも簡単に収集できます。
誕生日限定、1年以上来店がない人限定など、セグメント配信との組み合わせによる発行も効果的です。
商品閲覧・購入機能
商品閲覧・購入機能は、店舗アプリ上で商品の閲覧や購入ができる機能です。
商品販売用のWebサイトやECサイトを経営している店舗での導入に便利な機能で、顧客をECサイトへ誘導するのに役立ちます。
また、新商品の情報発信の場として活用したり、AR技術を用いて商品を360°立体的に確認できるようにしたり、訴求力を高める方法を組み合わせられるのも特徴です。
予約機能
予約機能は、店舗の来店予約ができるアプリ機能です。飲食店やサービス業での導入に適しています。
外部の予約サイトと連携できるサービスもありますが、店舗アプリで完結させれば顧客の利便性向上にも役立つ点が特徴です。
また、店舗アプリからの予約を受け付ければ、大手予約サイトに支払う仲介手数料の負担も軽減できます。
検索機能
検索機能は、商品の在庫検索やマップ・GPSと連動させて、周辺の店舗検索などができる機能です。実店舗をもつ幅広い業種で活用できます。
商品数の多い小売業であれば、店舗アプリで在庫状況を確認できるようにすれば、店員が顧客に在庫を聞かれて対応する負担の軽減につながるでしょう。
また、店舗検索機能があれば、近くにいる顧客に来店を促す施策として活用できるため、店舗集客に効果的です。店舗情報掲載機能などもあると、集客効果アップが期待できます。
セグメント配信機能
セグメント配信機能は、特定の条件で分類した顧客に対し、グループごとに情報発信ができる機能です。
例えば、〇月誕生日の人に絞って配信、地域を絞って配信など、ターゲットを絞り込んで特別感のある施策が講じられます。
開封率・利用率アップを図るのであれば、プッシュ通知機能との併用が効果的です。
プッシュ通知機能
プッシュ通知機能は、顧客のスマホに直接通知が届く機能です。スマホのロック画面やホーム仮面上部に、配信内容が表示されます。
メルマガのように他社情報に埋もれることがなく、顧客の見落としが防げるため、集客・販促効果アップに効果的です。
セール情報や新商品情報の発信、クーポン券発行の通知など、ほかの機能と組み合わせた活用もできます。
ミニゲーム機能
ミニゲーム機能は、店舗アプリ内で顧客がプレイできるミニゲームを搭載したものです。ルーレットやガチャガチャ、スクラッチなど、クーポン券やポイントが当たる仕組みのものが多くあります。
顧客が定期的にアプリを開くように誘導できるため、店舗アプリ内の集客・販促施策の効果向上に効果的な機能です。
分析機能
分析機能は、店舗アプリに集約された顧客情報を管理し、顧客管理や顧客行動の分析が行える機能です。
例えば「〇時に来店する顧客の年齢層は〇代が多い」、「この商品は〇月によく売れる」など、分析機能を使えば、顧客データをもとに購買行動が客観的に把握できます。
分析したデータをもとに「〇時限定クーポン」や「〇月におすすめの新商品」など、集客・販促施策の立案に活用できるでしょう。
【業種別】店舗アプリに導入したいおすすめ機能
ここからは、店舗アプリ導入におすすめの機能について、業種別で紹介します。
小売業 | 飲食業 | サービス業 | アパレル業 | |
---|---|---|---|---|
スタンプカード・ポイントカード機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
クーポン券発行機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
商品閲覧・購入機能 | 〇 | △ | △ | 〇 |
予約機能 | × | 〇 | 〇 | × |
検索機能 | 〇 | 〇 | △ | 〇 |
セグメント配信機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
プッシュ通知機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ミニゲーム機能 | △ | △ | 〇 | × |
分析機能 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
ただし、これはあくまでも目安です。店舗で取り扱っている商材やサービス内容によっては、不要な機能・必要な機能が異なってくるでしょう。
機能を盛り込むほど、店舗アプリの作成・運用費用も高くなります。どのような機能を店舗で盛り込むべきか、判断する際の検討材料としてお役立てください。
小売業
小売業におすすめの店舗アプリの機能は、以下のものが挙げられます。
- スタンプカード・ポイントカード機能
- クーポン券発行機能
- 商品閲覧・購入機能
- 検索機能
- セグメント配信機能
- プッシュ通知機能
- 分析機能
小売店で店舗アプリを導入するのであれば、店舗を利用するユーザーを囲い込むための機能がおすすめです。
リピートしたくなるような施策として、誕生日限定クーポンや、プッシュ通知機能を活用した新商品の案内などが挙げられます。
また、店舗に直接足を運ぶことが難しい遠方のユーザーに対しては、ECショップと連動した商品閲覧・購入機能の導入も効果的です。
飲食業
飲食業におすすめの店舗アプリの機能は、以下のものが挙げられます。
- スタンプカード・ポイントカード機能
- クーポン券発行機能
- 予約機能
- 検索機能
- セグメント配信機能
- プッシュ通知機能
- 分析機能
飲食業で店舗アプリを導入するのであれば、店舗へ足を運びたくなる施策が講じられる機能がおすすめです。
具体的には、誕生日限定のサービス券・クーポン券の配信などが挙げられます。
アプリに予約機能を搭載しておけば、大手予約サイトなどを利用した際にかかる仲介手数料の負担軽減につながるのでおすすめです。
サービス業
サービス業におすすめの店舗アプリの機能は、以下のものが挙げられます。
- スタンプカード・ポイントカード機能
- クーポン券発行機能
- 予約機能
- セグメント配信機能
- プッシュ通知機能
- ミニゲーム機能
- 分析機能
サービス業にはさまざまな業態があるため、店舗に合わせた機能の導入がおすすめです。例えば、ホテルや旅館、美容サロンなどの場合、予約機能があると便利です。
カラオケ店などであれば、スタンプカードやポイントカードでリピーター獲得を図るのも良いでしょう。
アパレル業
アパレル業におすすめの店舗アプリの機能は、以下のものが挙げられます。
- スタンプカード・ポイントカード機能
- クーポン券発行機能
- 商品閲覧・購入機能
- 検索機能
- セグメント配信機能
- プッシュ通知機能
- 分析機能
アパレル業で店舗アプリを導入するのであれば、ECショップと連携できる商品購入機能があると便利です。
また、セグメント配信で誕生日限定のクーポン券を配信したり、プッシュ通知機能で新作商品のPRを行ったりする方法もあります。
店舗アプリの機能を効果的に活用している企業の事例4選
ここからは、実際に店舗アプリの機能を効果的に活用して、集客や販促に役立てている企業の事例を4選紹介します。
辞令では、業種ごとに戦略が異なっているのもポイントです。店舗アプリを導入する際は、業種の特徴と経営している店舗の強みに応じて、必要な機能を導入しましょう。
【小売業】株式会社大創産業
出典:株式会社大創産業
100円均一ショップの運営で有名な株式会社大創産業では、店舗アプリに検索機能を搭載し、顧客のニーズに応える施策を導入しています。
店舗ごとに在庫状況を確認できる機能で、在庫状況を知りたい顧客のニーズと、顧客対応に追われる従業員の業務負担軽減に役立つ画期的な戦略です。
また、ネットストアとも連携しているため、欲しい商品をすぐに購入したい顧客の心理をとらえ、販売機会の確保につなげています。
参考サイト:DAISO公式サイト
【飲食業】株式会社あきんどスシロー
出典:株式会社あきんどスシロー
回転寿司チェーンのスシローを運営する株式会社あきんどスシローでは、席予約機能を店舗アプリに搭載しています。
ピークタイムには1時間以上の待ち時間が発生することもあったことから、顧客の待ち時間削減と満足度向上に店舗アプリを活用している点が特徴です。
また、席予約だけでなくテイクアウト予約にも対応しているほか、アプリからの予約でポイントが貯まるシステムも導入しています。
独自のミニゲーム機能を搭載しているのも魅力で、店舗アプリの機能を効果的に活用しながら、顧客の愛着度向上につなげている事例です。
参考サイト:スシロー公式サイト
【サービス業】アパサービス株式会社
出典:アパサービス株式会社
アパホテルを経営しているアパサービス株式会社では、店舗アプリを活用して、公式アプリから非接触でチェックインができるサービスを提供しています。
泊まった回数に応じて会員ランクが上がっていく機能も搭載し、顧客の囲い込みにつなげている事例です。
事前決済を選択していれば、支払いもキャッシュレスで行えるため、スムーズなチェックイン・チェックアウトサービスを提供して顧客満足度向上につなげています。
参考サイト:アパホテル公式サイト
【アパレル業】株式会社イング
出典:株式会社イング
アパレルショップのINGNIを運営している株式会社イングでは、公式アプリで商品情報の発信を行っています。
商品閲覧・購入機能としてECサイトと連携し、顧客が欲しい商品を店舗アプリからスムーズに購入できるように工夫している事例です。
商品写真も豊富で、新商品のアプリ先行公開や会員限定クーポンの発行など、ナーチャリング(顧客育成)によるファンの獲得に役立てています。
参考サイト:INGNI公式サイト
まとめ
店舗アプリの機能は豊富にある反面、導入するものを取捨選択しなければ、開発費用や管理負担が増加する恐れがあります。
店舗の課題や強みはなにかを明確にし、集客や販促に活用できる機能を導入しましょう。
店舗アプリを作成するには、店舗アプリ制作サービスや店舗アプリ開発サービスを活用する方法があります。
以下の記事では、おすすめの店舗アプリ作成や開発サービスや料金プランについて紹介していますので、こちらもぜひ参考にしてください。