決済は、店舗を運営する上で大切なソリューションの一つです。QRコード決済など多様化する決済ニーズに対しどのように対処していけばよいのでしょうか?「お金の流れを円滑にする」というコーポレートミッションに掲げる株式会社ネットスターズ事業統括本部ソリューション事業部コンサルティングセールス部セールスデベロップメントチームリーダ磯貝 壽夫様にインタビューしました。
―――ズバリ貴社が得意としている店舗施設の課題解決は何かを教えてください。
キャッシュレス課題はもちろん、弊社のソリューションを通して人手不足に対する課題も解決しています。
弊社のメイン事業はキャッシュレスソリューションが軸になりますが、流通額の動きも見ているので、財務の面を通して加盟店様のお困りごとやニーズに対してソリューションを提供しているというのが今です。
その中で人手不足というのはどの業界も共通していて、人が今までやってきたことを何か違う方法で対応しなければなりません。
店舗ごとに状況は異なりますが、課題感が浮き彫りになっていない企業さまもいるので、決済を通じて企業様に深く関わり、どんな課題にも対応するという姿勢で取り組んでいます。
というのも、弊社の強みはパッケージだけでなくシステム開発ができる点があります。パートナー企業とも協力体制がありますが、中国の大連や北京にいる多くの弊社のエンジニアがいるので、「こうしたい、ああしたい」といった要望に応じた開発ができる環境が整っています。
―――お客様はどのような課題を抱えていることが多いですか?
やはり人手不足というのが今は大きな課題かもしれないですね。
例えば、弊社のイオンシネマの事例なんかがそうですが、映画館では、昔だとポップコーンやジュースなどを買う売り場に人が並び、スタッフが対応していました。
「いらっしゃいませ」と言って注文を聞き、お会計をして、調理して、受け渡しをする…4、5個ぐらいのオペレーションを1人でこなすので、忙しいですよね。そのスピードも重要です。
そこで、弊社のStarPay-Orderという端末で注文と決済を分離しました。
これにより、お客様は自由に、並ばずに端末やスマホから注文でき、必要な時に商品を受け取りに行く形です。わかりやすい例だと、マクドナルドさんのシステムに近いですね。
そのスキームを映画館でも導入し、結果としてオペレーションが半減以下に減り、スタッフさんは調理に集中できるようになりました。
省人化を目指しオペレーションを簡略化することによって、結果として人件費が削減されて、お客さんも並ばず回転が速くなった分売上が向上しました。
―――省人化を見据えたうえで提供されているのですね。そのサービスや導入までのプロセスを教えてください
弊社は、マルチキャッシュレスソリューション「StarPay」というサービスを展開しています。
導入までのプロセスとしては、サービスによって異なりますがキャッシュレスの場合、キャッシュレスを使う場所にそもそもPOSレジが入っているかどうかで揃えるものが違ってきます。0からの場合はもちろん弊社の端末を導入します。
また、現金を使いたいという場合や既存のシステムがある場合は、その既存システムがどういったものかを確認し、弊社のパートナーであれば連携を進めます。連携できなければ連携開発となります。
前提として、現場の状況を把握しつつ、何をしたいかによって道筋を立てていきます。
―――導入時点でコンサルティングのようなこともされていると思いますが、導入までの期間はどれくらいでしょうか?
状況によって変わりますが、決済に関しては、QRコードやクレジットカードなど、さまざまな手段がありますが、いろんなブランドが使えるようになるのを含めて通常は大体3ヶ月ぐらいは見てもらっています。
その他の要因として、ネット環境や配線の環境よっては、施工部分も含めて「ここに電源を引いた方が良い」などもご提案しているので、それによっても変わってきますね。
―――お客様と密に取り組みながら進めていらっしゃるんですね。お取組みの中で喜ばれているポイントを教えてください。
やはり、対応の早さです。
それと、キャッシュレスのブランドの多さも評価されていますし、結果導入後に売上が増えたという声は嬉しいですね。
キャッシュレス比率が増えることで必然的に現金の利用が減り、両替や入金の手間も省けるのでオペレーションが楽になって、従業員満足度も上がったという声もいただいていますね。
従業員満足度が上がることで、お客様の回転率も上がり、Win-Win-Winの関係ができています。
―――省人化にもつながりつつ売上も増やしていて素晴らしいです。何か事例があれば教えてください。
イオンシネマ社もそうですし、星野リゾート社や藤川口湖ホテルもそうですね。
この辺の企業さまは無人化や半無人化の売店をフューチャーして導入しています。端末があって商品があれば、お客様が自由に買い物できるシステムです。
売店がなかった場所に売店を作れば、必然的に売上が上がります。
地方のホテルだと、売店がフロントと兼務であまり稼働していないことが多く、夕食後に閉まってしまうことが多いですが、そこを24時間営業や6時間延長するなどして、売上を上げています。
―――貴社を一言で表すとどんな課題解決のプロですか?
店舗運営を加味したキャッシュレス化推進のプロです。
現金は日本の文化として根強いですが、キャッシュレスを導入することで帳簿管理が簡単になり、スムーズにお金の流れを把握できます。タイムリーにお金の動きがわかるのは大きなメリットです。
現金を扱うと、両替や入金の手間、さらには現金がなくなったときに探す手間なども生じます。そうした手間を考えると、キャッシュレスの方が合理的でよね。
―――最後に今後の展望を教えてください。
キャッシュレスを軸にしていますが、今後はDX(デジタルトランスフォーメーション)との掛け算が重要です。人手不足を解消した先にキャッシュレスでお会計方法をスムーズにする、といったイメージです。
また、Web3や他の新しい分野にも進出していますが、未知の領域もまだまだあります。今後も課題解決を続けていく中で、業界のイニシアチブを取っていく必要があると思います。現在、弊社は東アジアや東南アジアが主な市場ですが、今後さらに広げていきます。
アジアではクレジットカードが主流ですが、QR決済も増えています。ヨーロッパでも一部QR決済が使われていますが、やはりクレジットカードが強いですね。弊社は国際的な機構とも連携してQR決済のインフラを整えており、最終的にはキャッシュレス決済全般をサポートできる体制を目指しています。
―――ありがとうございました。